韋荘《歸國遙》一 春は暮れようとする。ちり落ちた花で地面にはいっぱい敷きこんだ、あかい色鮮やかな花びらが雨にぬれている。奇麗に飾られた鳥かごの鸚鵡がただ一羽で、友もなく淋しそうにしているのを見て、帰らぬ人を待つ自分のさびしい気持ちがいよいよつのって、かなしさにたえられない。

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歸國遙

(歸ってくる故郷が遠いというのか)

春欲暮、 滿地落花紅帶雨。

春は暮れようとする。ちり落ちた花で地面にはいっぱい敷きこんだ、あかい色鮮やかな花びらが雨にぬれている。

惆悵玉籠鸚鵡、單棲無伴侶。

奇麗に飾られた鳥かごの鸚鵡がただ一羽で、友もなく淋しそうにしているのを見て、帰らぬ人を待つ自分のさびしい気持ちがいよいよつのって、かなしさにたえられない。

南望去程何許、問花花不語。

あの人の行った南のかなたをながめるが、あの人のいるところまでの道のりはどれほどあるであろうか。花にむかってそれをたずねてみるが、花は何もものをいわないでだまっている。

早晩得同歸去、恨無雙翠羽。

いつになったらあの人と手をたずさえて行きつ戻りつして歩くことができるだろうか。くやしいけれど、自分には二つのつばさがないので、あの人のところへ飛んでゆくことができない。

 

(歸る國は遙かなる)

春 暮なんと欲し、落花 地に滿す 紅帶の雨に。

惆悵して玉籠の鸚鵡、單り棲いして 伴侶無し。

南望して 去りし程【みちのり】は 何許【いくば】くぞ、花に問いて花は語らず。

早晩 同じゅうするを得て歸り去り、恨む無し 雙んだ翠羽を。

 鸕鶿001













『歸國遙』 現代語訳と訳註

(本文)

春欲暮、 滿地落花紅帶雨。

惆悵玉籠鸚鵡、單棲無伴侶。

南望去程何許、問花花不語。

早晩得同歸去、恨無雙翠羽。

 

(下し文)

(歸る國は遙かなる)

春 暮なんと欲し、落花 地に滿す 紅帶の雨に。

惆悵して玉籠の鸚鵡、單り棲いして 伴侶無し。

南望して 去りし程【みちのり】は 何許【いくば】くぞ、花に問いて花は語らず。

早晩 同じゅうするを得て歸り去り、恨む無し 雙んだ翠羽を。

 

 

(現代語訳)

(歸ってくる故郷が遠いというのか)

春は暮れようとする。ちり落ちた花で地面にはいっぱい敷きこんだ、あかい色鮮やかな花びらが雨にぬれている。

奇麗に飾られた鳥かごの鸚鵡がただ一羽で、友もなく淋しそうにしているのを見て、帰らぬ人を待つ自分のさびしい気持ちがいよいよつのって、かなしさにたえられない。

あの人の行った南のかなたをながめるが、あの人のいるところまでの道のりはどれほどあるであろうか。花にむかってそれをたずねてみるが、花は何もものをいわないでだまっている。

いつになったらあの人と手をたずさえて行きつ戻りつして歩くことができるだろうか。くやしいけれど、自分には二つのつばさがないので、あの人のところへ飛んでゆくことができない。

 

 

(訳注)

歸國遙

(歸ってくる故郷が遠いというのか)

・帰国遙 草調四十三字、前後段各四句四灰韻(詞譜四)。

 

春欲暮、 滿地落花紅帶雨。

春は暮れようとする。ちり落ちた花で地面にはいっぱい敷きこんだ、あかい色鮮やかな花びらが雨にぬれている。

・紅 花のこと。

 

惆悵玉籠鸚鵡、單棲無伴侶。

奇麗に飾られた鳥かごの鸚鵡がただ一羽で、友もなく淋しそうにしているのを見て、帰らぬ人を待つ自分のさびしい気持ちがいよいよつのって、かなしさにたえられない。

○惆悵 恨み嘆く。韋荘『菩薩蠻 一』「紅樓別夜堪惆悵。 香燈半捲流蘇帳。殘月出門時。美人和涙辭。琵琶金翠羽。絃上黄鶯語。勸我早歸家。綠窗人似花。」菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617

 

 

南望去程何許、問花花不語。

あの人の行った南のかなたをながめるが、あの人のいるところまでの道のりはどれほどあるであろうか。花にむかってそれをたずねてみるが、花は何もものをいわないでだまっている。

・何許 いずこ。ここは去程(みちのり)とあるから、幾許、いくぱくの意にもちいていると解する方が適切である。

・開花花不語 花に問えど花は語らず。よく用いられるいい方で、意中を知ってくれるものがないことをあらわす。

惜春詞(溫庭筠 唐詩)

百舌問花花不語,低回似恨横塘雨。

蜂爭粉蕊蝶分香,不似垂楊惜金縷。

願君留得長妖韶,莫逐東風還盪搖。

秦女含嚬向煙月,愁紅帶露空迢迢。

 

 

早晩得同歸去、恨無雙翠羽。

いつになったらあの人と手をたずさえて行きつ戻りつして歩くことができるだろうか。くやしいけれど、自分には二つのつばさがないので、あの人のところへ飛んでゆくことができない。

・早晩 何日というのと同じ。

・同帰 詩経の幽風七月に「春日遲遲 采蘩祁祁 女心傷悲 殆及公子同帰.」、また、邶風の北風に「恋而好我携手同帰」とある。ここは恋人同志がいっしょになって行く意であろう。