韋荘《歸國遙 二》 女は金の翡翠のかんざしを手にとって、金の翳翠にいう。わたしのために、あの人の行っている南の方へ飛んでいって、わたしの心のうちをあの人に伝えて下さい。網で覆いをかけた様に川の水が増水している春のながれ、橋のほとりに立ってながめる。いくとせになろうか、行楽に行って花陰のもと、あなたと酒をくみながらたのしい日をすごしたことでしょうか。

 

2013年8月10日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
 LiveDoor
李陵 《與蘇武詩三首 其二》 古詩源 文選  詩<105>Ⅱ李白に影響を与えた詩852 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2808
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
 LiveDoor
平淮西碑 韓愈(韓退之) <163-#22>Ⅱ中唐詩765 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2809
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoor

江頭五詠:麗春 蜀中転々江頭五詠:麗春 杜甫 <523  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2810 杜甫詩1000-523-756/1500

●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集Fc2擬魏太子鄴中集詩八首 幷序 謝靈運 六朝魏詩 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 2811 (08/10)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性LiveDoor歸國遙 二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-253-5-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2647
 
 ■最近の人気記事(漢詩の5ブログ各部門)
 ■主要詩人の一覧・詩目次・ブログindex

『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html 
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304 
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html 
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html 
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html 
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html 
謝靈運詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。 
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。 
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html 
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー 
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html 
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。 
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。 
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。 
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 


歸國遙 二 韋荘  Ⅹ
唐五代詞・宋詩Gs-253-5-#7   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2647

 

 

歸國遙 二

金翡翠、 爲我南飛傳我意。

女は金の翡翠のかんざしを手にとって、金の翳翠にいう。わたしのために、あの人の行っている南の方へ飛んでいって、わたしの心のうちをあの人に伝えて下さい。

木芙蓉01罨晝橋邊春水、幾年花下酔。

網で覆いをかけた様に川の水が増水している春のながれ、橋のほとりに立ってながめる。いくとせになろうか、行楽に行って花陰のもと、あなたと酒をくみながらたのしい日をすごしたことでしょうか。

別後只知相愧、涙珠難遠寄

あなたとお別れしてからは、ただ悔しさを身にしみて感ずるばかりです。わたしのかなしみは遠いところにいるあなたにお伝えすることも困難なのです。

羅幕繍緯爲、舊歡如夢裏。

あの頃のこと、その部屋には薄絹のとばり、刺しゅう入りのたれぎぬ、忍のふすまにおおわれていました。それに二人が語り合った閨の内のたのしさ、このようなすぎ去った日々のよろこびはまるで夢のなかのようにおもわれます。

 

(歸る國は遙かなる 二)

金の翡翠、 我が爲に南に飛び 我意を傳えよ。

罨晝【えんがく】 橋邊の春水、幾年 花下ち酔う。

別後 只だ相い愧ずを知る、涙の珠は遠く寄せ難し。

羅幕 繍緯 被い爲し、舊歡 夢の裏に如【に】る。

 

 

『歸國遙』二 現代語訳と訳註

(本文)

歸國遙 二

金翡翠、 爲我南飛傳我意。

罨晝橋邊春水、幾年花下酔。

別後只知相愧、涙珠難遠寄

羅幕繍緯爲、舊歡如夢裏。

 

 

(下し文)

(歸る國は遙かなる 二)

金の翡翠、 我が爲に南に飛び 我意を傳えよ。

罨晝【えんがく】 橋邊の春水、幾年 花下ち酔う。

別後 只だ相い愧ずを知る、涙の珠は遠く寄せ難し。

羅幕 繍緯 被い爲し、舊歡 夢の裏に如【に】る。 

 

(現代語訳)

女は金の翡翠のかんざしを手にとって、金の翳翠にいう。わたしのために、あの人の行っている南の方へ飛んでいって、わたしの心のうちをあの人に伝えて下さい。

網で覆いをかけた様に川の水が増水している春のながれ、橋のほとりに立ってながめる。いくとせになろうか、行楽に行って花陰のもと、あなたと酒をくみながらたのしい日をすごしたことでしょうか。

あなたとお別れしてからは、ただ悔しさを身にしみて感ずるばかりです。わたしのかなしみは遠いところにいるあなたにお伝えすることも困難なのです。

あの頃のこと、その部屋には薄絹のとばり、刺しゅう入りのたれぎぬ、忍のふすまにおおわれていました。それに二人が語り合った閨の内のたのしさ、このようなすぎ去った日々のよろこびはまるで夢のなかのようにおもわれます。

 

 

(訳注)

歸國遙 二

(歸ってくる故郷が遠いというのか その2)

・帰国遙 草調四十三字、前後段各四句四灰韻(詞譜四)。

 

 

金翡翠、 爲我南飛傳我意。

女は金の翡翠のかんざしを手にとって、金の翳翠にいう。わたしのために、あの人の行っている南の方へ飛んでいって、わたしの心のうちをあの人に伝えて下さい。

・金翡翠 金のかわせみの羽のかんざし。女が自分のかんざしを手にとって、それに向かって話しかけることをいう。

 

罨晝橋邊春水、幾年花下酔。

網で覆いをかけた様に川の水が増水している春のながれ、橋のほとりに立ってながめる。いくとせになろうか、行楽に行って花陰のもと、あなたと酒をくみながらたのしい日をすごしたことでしょうか。

・罨晝 網で覆いをかけた様に川の水が増水している。春水を春の最盛期を創造させる。春の行楽を意識させる語である。

 

別後只知相愧、涙珠難遠寄。

あなたとお別れしてからは、ただ悔しさを身にしみて感ずるばかりです。わたしのかなしみは遠いところにいるあなたにお伝えすることも困難なのです。

・相愧 相手に対してはじること。慚愧すること。このような場合はたがいに、ふたりともという意味に解さない。

・涙珠 別離の悲しみを涙であらわす。

 

羅幕繍緯爲、舊歡如夢裏。

あの頃のこと、その部屋には薄絹のとばり、刺しゅう入りのたれぎぬ、忍のふすまにおおわれていました。それに二人が語り合った閨の内のたのしさ、このようなすぎ去った日々のよろこびはまるで夢のなかのようにおもわれます。

・羅幕繍緯爲被 男とたのしいよろこびを交したことを、この三つのもので点景するように表現したもの。

・舊歡 二人がかつて交したたのしい交歓。
海棠花05