韋荘《女冠子 (二)昨夜の夜半のことだった。枕辺で。寝ていてはっきりと明らかなことは夢で会えるということです。その時は幾時か、共にかたりあったものでした。

 

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女冠子 二 韋荘  Ⅹ
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唐・蜀  韋莊

女冠子  一

四月十七,正是去年今日。

初夏、四月十七日になると思いだす。まさにこの日一年前の今日の日のことです。

別君時。

そう、それはあなたと別れた時の事です。

忍涙佯低面,含羞半斂眉。

涙をこらえにこらえ、それを見られないように偽ってうつむいたままでした。とても恥かしいことと思い下を向いたのです。そして少し眉を寄せて、つらそうな表情をしたものです。 

 

不知魂已斷,空有夢相隨。

あの人のわたしへの思い(魂)はいつの間にか、とっくに断たれてしまっている。それなのに、むなしく夢で追いかけているのです。

除卻天邊月,沒人知。

空にある月が私なのにそれを除いてしまうのです。もう、誰もわたしの心を知ろうとはしないのです。

bijo04 

(女【じょ】冠子【かんし】 一)

四月の十七,正に是れ去年の今日。

君と別れし時。

涙を忍びて佯【いつは】りて面を低げ,羞【はぢら】いを含みて眉を斂む。

 

知らず魂い已に斷たれ,空しく夢に相ひ隨う有り。

天邊の月を除卻せば,人の知る沒【な】し。

 

 

女冠子 (二)

昨夜夜半,枕上分明夢見。

昨夜の夜半のことだった。枕辺で。寝ていてはっきりと明らかなことは夢で会えるということです。

語多時。

その時は幾時か、共にかたりあったものでした。

依舊桃花面,頻低柳葉眉。

以前と同じで麗しい女性の面影は桃の花のようです。女性の美しい眉はしきりに長く下げている。

 

半羞還半喜,欲去又依依。

半ば、恥じらい、こんどは半ば、喜ぶということでしたし、行こうとしても、名残が尽きなくて離れがたいのです。

覺來知是夢,不勝悲。

夢から覚めてから、夢であるということがやっと分かったし、悲しみにとてもたえることができないのです。

 

 

女冠子

昨夜 夜半,枕上 分明に夢に見【まみ】ゆ。

語ること  多時にわたる。

舊に依る  桃花の 面【かほ】,頻に 低ぐ  柳葉の眉を。

 

半ば羞ぢ 還た 半ば喜び,去らんと欲して 又 依依たり。

覺め來って  知るは 是れ 夢,悲みに 勝【た】へず。

 

 

『女冠子』 現代語訳と訳註

(本文)

女冠子 (二)

昨夜夜半,枕上分明夢見。

語多時。

依舊桃花面,頻低柳葉眉。

 

半羞還半喜,欲去又依依。

覺來知是夢,不勝悲。

 

 

(下し文)

女冠子

昨夜 夜半,枕上 分明に夢に見【まみ】ゆ。

語ること  多時にわたる。

舊に依る  桃花の 面【かほ】,頻に低ぐ 柳葉の眉を。

 

半ば羞ぢ 還た 半ば喜び,去らんと欲して 又 依依たり。

覺め來って  知るは 是れ 夢,悲みに 勝【た】へず。

 

 

(現代語訳)

昨夜の夜半のことだった。枕辺で。寝ていてはっきりと明らかなことは夢で会えるということです。

その時は幾時か、共にかたりあったものでした。

以前と同じで麗しい女性の面影は桃の花のようです。女性の美しい眉はしきりに長く下げている。

半ば、恥じらい、こんどは半ば、喜ぶということでしたし、行こうとしても、名残が尽きなくて離れがたいのです。

夢から覚めてから、夢であるということがやっと分かったし、悲しみにとてもたえることができないのです。

 

 

(訳注)

女冠子

詞牌の一。双調(単調、異体もある) 四十一字。換韻。聯章詞(聯章体=同一の事柄を複数の詞で詠み、セットで一纏まりとなっているもの)なっている。この詞は、男性の側に立って描かれている。

 

昨夜夜半,枕上分明夢見。

昨夜の夜半のことだった。枕辺で。寝ていてはっきりと明らかなことは夢で会えるということです。

・分明:はっきりと明らかなこと。

・夢見:夢で会う。見:会う。ここは、夢を見る、ではない。

・語多時:(想いを)語ることが長時間に亘る。多くの時間、(情愛を)語った。

 

語多時。

その時は幾時か、共にかたりあったものでした。

 

依舊桃花面,頻低柳葉眉。

以前と同じで麗しい女性の面影は桃の花のようです。女性の美しい眉はしきりに長く下げている。

・依舊:昔ながらの。以前と同じで。

・桃花面:桃の花のように麗しい女性の容貌。美貌。面:かお。

・頻低柳葉眉:しきりと美しい眉を下げる。柳眉:女性の美しい眉。

 

半羞還半喜,欲去又依依。

半ば、恥じらい、こんどは半ば、喜ぶということでしたし、行こうとしても、名残が尽きなくて離れがたいのです。

・半羞還半喜:半ばは恥じらい、半ばは喜ぶ。

・還:なおも。また。

・欲去又依依:行こうとしても、名残が尽きなくて離れがたい。依依:名残惜しく離れにくいさま。

 

覺來知是夢,不勝悲。

夢から覚めてから、夢であるということがやっと分かったし、悲しみにとてもたえることができないのです。

・覺來:夢から覚める。

・知是夢:夢であるということがやっと分かった。知ったことは、夢である。

・不勝悲:悲しみに勝(た)えない。とても悲しい。