應天長 之二 韋莊 貴方と別れてもう半年になろうとしている、音信は一切なくなっている。この間は全く性交できなくなったものの心はほんの少しも離れていないという「千萬結」と千年万年結ばれているといいかわしたのですから。


2013年8月14日  同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
LiveDoor
揚雄 《甘泉賦 》 文選 賦<108-(3)#1-2>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩856 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2828
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
 LiveDoor
聽穎師彈琴【聽潁師彈琴】 韓愈(韓退之) <164-#1>Ⅱ中唐詩769 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2829
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoor 屏跡,三首之三 蜀中転々 杜甫 <527>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2830 杜甫詩1000-527-760/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2 擬魏太子鄴中集詩八首 《徐幹》 謝靈運 六朝詩 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 2831 (08/14)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 應天長 二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-257-5-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2667
 
 ■最近の人気記事(漢詩の5ブログ各部門)
 ■主要詩人の一覧・詩目次・ブログindex

『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html  
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html  
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html  
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html  
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html  
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html  
謝靈運詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。  
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。  
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html  
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー 
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html  
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html  
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。  
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。  
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。  
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150


 

 

應天長 二 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-257-5-#11   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2667

 

 

應天長 之一 韋莊

(應天長 その一)

木芙蓉01綠槐陰裏黄鶯語。深院無人春晝午。

青々と茂った槐の木陰でウグイスが春が来たことを告げてくれる。あの人を待つ奥深い庭は静かで人気がなく、春の昼下がりボーッと過す。

畫簾垂、金鳳舞。寂莫綉屏香一。

何気なく美しく縫い取りをしたカーテンを下ろす、カーテンの縫い取り模様の金の鳳が動く。寂しげな女性の部屋の縫い取りのある屏風のそばの香炉から煙が一筋たっている。

 

碧天雲,無定處。空有夢魂來去。

青空にある雲。寄る辺がない。恋しいあのひとはどこにいるのやら。わたしの所へは、ただむなしく夢の中にいる魂だけがやってくるだけ。

夜夜綠窗風雨。 斷腸君信否。

夜毎、待ち侘びる女の部屋の窓辺には嵐が吹き荒びつづける。この深い嘆きをあのひとは信じてくれるだろうか。

 

 

應天長 之二 韋莊

(應天長 その二)

別来半歳音書絶、一寸離腸千萬結。

貴方と別れてもう半年になろうとしている、音信は一切なくなっている。この間は全く性交できなくなったものの心はほんの少しも離れていないという「千萬結」と千年万年結ばれているといいかわしたのですから。

難相見。易相別、又是玉楼花似雪。

いくら恋しい人であっても逢うのは難しく、別れるのは容易いことです。また、今年も玉の楼に雪のように花がふきちるころとなりました。

 

暗相思、無虚説、惆悵夜来煙月。

ひそかにあの人をこいしくおもっているけれど、わたしのこころのうちをうちあけるすべもないのです。夜になり、おぼろ月を仰いでは、かなしいおもいにとざされる。

想得此時情切、 涙沾紅袖

こんな思いのときのこころの切なさをしみじみと感じては、毎夜、涙がとめどなく紅の袖をしとどにぬらして、カビの斑点が出るくらいです。

 

應天長 之二 韋莊

別れ来りて半歳 音書【いんしょ】絶え、一寸 離腸して 千萬 結ぶ。

相い見る難く、相い別れるは易し、又是れ玉楼 花 雪に似たり。

 

相い思う暗く、虚しく説く無く、惆悵して夜来るは煙月なり。

想得るは此の時情切たり、涙沾うは紅袖の

 

 

『應天長 之二』韋莊 現代語訳と訳註

(本文) 

別来半歳青書絶、一寸離腸千萬結。

難相見。易相別、又是玉楼花似雪。

 

暗相思、無虚説、惆悵夜来煙月。

想得此時情切、 涙沾紅袖

 

(下し文)

應天長 之二 韋莊

別れ来りて半歳 音書【いんしょ】絶え、一寸 離腸して 千萬 結ぶ。

相い見る難く、相い別れるは易し、又是れ玉楼 花 雪に似たり。

 

相い思う暗く、虚しく説く無く、惆悵して夜来るは煙月なり。

想得るは此の時情切たり、涙沾うは紅袖の【うつ】。

 

 

(現代語訳)

貴方と別れてもう半年になろうとしている、音信は一切なくなっている。この間は全く性交できなくなったものの心はほんの少しも離れていないという「千萬結」と千年万年結ばれているといいかわしたのですから。

いくら恋しい人であっても逢うのは難しく、別れるのは容易いことです。また、今年も玉の楼に雪のように花がふきちるころとなりました。

ひそかにあの人をこいしくおもっているけれど、わたしのこころのうちをうちあけるすべもないのです。夜になり、おぼろ月を仰いでは、かなしいおもいにとざされる。

こんな思いのときのこころの切なさをしみじみと感じては、毎夜、涙がとめどなく紅の袖をしとどにぬらして、カビの斑点が出るくらいです。

 

 

 

(訳注)

應天長 之二 韋莊

・應天長:詞牌の一。詞の形式名。双調。五十字。仄韻一韻到底。花間集巻第二所収。

oborotsuki04 

 

別来半歳青書絶、一寸離腸千萬結。

貴方と別れてもう半年になろうとしている、音信は一切なくなっている。この間は全く性交できなくなったものの心はほんの少しも離れていないという「千萬結」と千年万年結ばれているといいかわしたのですから。

・一寸離腸 一寸は心についていう。一寸心、寸心、方寸など皆同じ。心はほんの少しも離れていない。腸は性的な結びつきを云うので、心の結びつきではない。最近は全く性交をしなくなったという意味。

・千万結 心がはなはだしく結ばれていると男が云った言葉であること。

 

難相見。易相別、又是玉楼花似雪。

いくら恋しい人であっても逢うのは難しく、別れるのは容易いことです。また、今年も玉の楼に雪のように花がふきちるころとなりました。

・花似雪 花の白いのは梨・杏などをいうことが多い。韋荘の浣渓沙詞「隔膳梨雪又玲瀧」、清平楽詞「鮎雨罪霧梨花白」、温庭筠の菩薩蛮詞「茶花含霹団春雪」など。

 

 

暗相思、無虚説、惆悵夜来煙月。

ひそかにあの人をこいしくおもっているけれど、わたしのこころのうちをうちあけるすべもないのです。夜になり、おぼろ月を仰いでは、かなしいおもいにとざされる。

・煙月 朧月というのは、月は女性でそれを隠すくのが男で男との交わりがない女性をしめす。

 

想得此時情切、 涙沾紅袖

こんな思いのときのこころの切なさをしみじみと感じては、毎夜、涙がとめどなく紅の袖をしとどにぬらして、カビの斑点が出るくらいです。

  黒みがかった黄色.涙で色が濃くなったことを云う。はウツ。梅雨で衣服が湿って黴や班点がつくさまをいうときに用いられる。