謁金門 其二 韋莊 もう空しくてただ思い遣るだけです。消息を伝える方法がまったく見つからないのです。天上の昇った仙女の嫦娥でもきっと分からないだろう。手紙を出すのにも宛先をどこにもとめたらいいものやらわからない。 

2013年8月16日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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謁金門 其二 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-259-5-#13   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2677

 

 

謁金門 其二

金門をはいって謁見したい(理不尽なことを中央朝廷に謁見して訴えたい)

空相憶,  無計得傳消息。

もう空しくてただ思い遣るだけです。消息を伝える方法がまったく見つからないのです。

天上嫦娥不識,寄書何處覓。

天上の昇った仙女の嫦娥でもきっと分からないだろう。手紙を出すのにも宛先をどこにもとめたらいいものやらわからない。 

 

新睡覺來無力,不忍把伊書跡。

午睡の一眠りから目覚めたのだが元気にならない。がっくりとして、彼女の書いた物を手に取ってみれば、もう我慢ができなくなってくる。

滿院落花春寂寂,斷腸芳草碧。

この庭一面に花びらが散ってしまう、この楽しいはずの春は過ぎ去ろうとしていいて寂しい春になっている。我慢のできないおもいは「断腸の思い」で万物が生成する春草の明るいあおさは広がっている。

 

謁金門

空しく相い憶い,消息を傳え得る 計無し。

天上 嫦娥は識らずして,書を何處にか覓【もと】むるに寄さん。

 

新睡より覺めて力無く來り,伊【こ】の書跡を把【も】つは忍ばず。

滿院 落花して 春 寂寂,斷腸して 芳草 碧。

くちなしの花 






 

『謁金門』 現代語訳と訳註

(本文)
謁金門 其二

空相憶,  無計得傳消息。

天上嫦娥不識,寄書何處覓。

 

新睡覺來無力,不忍把伊書跡。

滿院落花春寂寂,斷腸芳草碧。

 

 

王屋山01

(下し文)

謁金門 その二

空しく相い憶い,消息を傳え得る 計無し。

天上 嫦娥は識らずして,書を何處にか覓【もと】むるに寄さん。

 

新睡より覺めて力無く來り,伊【こ】の書跡を把【も】つは忍ばず。

滿院 落花して 春 寂寂,斷腸して 芳草 碧。

 

 

(現代語訳)

金門をはいって謁見したい(理不尽なことを中央朝廷に謁見して訴えたい)

もう空しくてただ思い遣るだけです。消息を伝える方法がまったく見つからないのです。

天上の昇った仙女の嫦娥でもきっと分からないだろう。手紙を出すのにも宛先をどこにもとめたらいいものやらわからない。 

午睡の一眠りから目覚めたのだが元気にならない。がっくりとして、彼女の書いた物を手に取ってみれば、もう我慢ができなくなってくる。 

この庭一面に花びらが散ってしまう、この楽しいはずの春は過ぎ去ろうとしていいて寂しい春になっている。我慢のできないおもいは「断腸の思い」で万物が生成する春草の明るいあおさは広がっている。

 

 

(訳注)

謁金門 其二

金門をはいって謁見したい(理不尽なことを中央朝廷に謁見して訴えたい)

詞牌の一。詞の形式名。双調。四十六字。換韻。『花間集』第三の第二首めになる。この作品は、作者の愛妾が、才媛であるということを聞きつけた蜀王の王建に、奪われてしまった悲しみと追憶に浸って作ったもの。彼女は、この韋莊の詞を見て、食を断って死んだという。

・金門:・金門 唐代では文学の翰林院の門の金馬門のこと。漢代の未央宮(びおうきゅう)の門の一。側臣が出仕して下問を待つ所。金馬。金門。

 

空相憶、無計得傳消息。

もう空しくてただ思い遣るだけです。消息を伝える方法がまったく見つからないのです。

・空:むなしく。かいなく。 

・相憶:思い遣る。「相」動作を対象に及ぼす働きをする。

・無計:方法がない。図りようがない。 

・消息:たより。しらせ。

 

天上嫦娥不識、寄書何處覓。

天上の昇った仙女の嫦娥でもきっと分からないだろう。手紙を出すのにも宛先をどこにもとめたらいいものやらわからない。 

・天上:天の上の。天上界の。 

・嫦娥:月世界に棲むといわれる仙女。姮娥 『准南子』に「翠、不死の薬を西王母に請ふ。その妻檀紙、これを病みて月官に奔る」とみえる。・誇蛾 恒蛾、嫦娥、常娥、娥娥 蛾娥など 神話中の女性。神話の英雄、羿(がい)が西方極遠の地に存在する理想国西王母の国の仙女にお願いしてもらった不死の霊薬を、その妻の嫦娥がぬすみ飲み、急に身軽くなって月世界まで飛びあがり月姫となった。漢の劉安の「淮南子」覧冥訓に登場する。なお、魯迅(1881l936)にこの神話を小説化した「羿月」がいげつと題する小説がある。常蛾の詩1. 道教の影響 2. 芸妓について 3. 李商隠 12 嫦娥 神話中の女性。神話の英雄、羿(がい)が西方極遠の地に存在する理想国西王母の国の仙女にお願いしてもらった不死の霊薬を、その妻の嫦娥がぬすみ飲み、急に身軽くなって月世界まで飛びあがり月姫となった。漢の劉安の「淮南子」覧冥訓に登場する。○嬋娟 艶めかしく姿あでやかなるさま。顔や容姿があでやかで美しい。魏の阮籍(210263年)の詠懐詩に「秋月復た嬋娟たり。」とブログ阮籍 詠懐詩、白眼視 嵆康 幽憤詩 

・不識:知らない。分からない。

・寄書:手紙を出す。 

・何處:どこ。 

・覓:もとめる。

 

新睡覺來無力、不忍把伊書跡。

午睡の一眠りから目覚めたのだが元気にならない。がっくりとして、彼女の書いた物を手に取ってみれば、もう我慢ができなくなってくる。 

・新睡:(午睡の)一眠り。 

・覺來:目覚めて。「來」…に なって。 

・無力:ぐったりとして。

・不忍:我慢できない。忍ぶことができない。 

・把:手に取り持つ。 

・伊:これ。かれ。この。代詞。ここでは、彼女の意になる。 

・書跡:書いた物。手跡。筆跡。

 

滿院落花春寂寂、斷腸芳草碧。

この庭一面に花びらが散ってしまう、この楽しいはずの春は過ぎ去ろうとしていいて寂しい春になっている。我慢のできないおもいは「断腸の思い」で万物が生成する春草の明るいあおさは広がっている。

・滿院:庭一杯。庭一面。「院」中庭。周りに建物がある庭。 ・落花:花びらが散っている。落花(の跡)。 *春は過ぎ去った、素晴らしい気節は過ぎ去った、ということ。 ・春寂寂:春は寂しげである。

・斷腸:下半身の疼きを基本にした非常な悲しみであることをいう。相手と過去に情交をしたことを前提にした悲しみを云う。

・芳草:春草。 

・碧:あおい。みどり。
kairo10682