淸平樂 () 韋荘 春の野原の草花はかぐわしく大地に春が巡ってきます。ふるさとへつづく山道は、もの寂しく大地に春が巡ってくれば、また一年歳が流れ、わたしはまた寂しい春を過ごしてゆくのです。 

 

2013年8月18日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。  
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孟郊詩 
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李商隠詩 
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淸平樂

(世の中が清らかに治まっていることを詠う詩譜)その二

野花芳草,  寂寞關山道。

春の野原の草花はかぐわしく大地に春が巡ってきます。ふるさとへつづく山道は、もの寂しく大地に春が巡ってくれば、また一年歳が流れ、わたしはまた寂しい春を過ごしてゆくのです。 

柳吐金絲鶯語早,惆悵香閨暗老。

ヤナギが黄金色の新芽を出し、ウグイスが春を告げますが一人で過ごす春は早く過ぎ去ってゆきます。うらめしい思いはつのるばかり、女だけの部屋で、時の流れのままにひそかに老いてゆくのです。

 

 羅帶悔結同心, 獨凭朱欄思深。

あの頃、羅帶を同心結にして、永遠の愛を誓ったことが悔やまれてなりません。窓の朱色の欄干に独りでもたれかかり、遠くを見やって深く思いを巡らすのです。 

 夢覺半床斜月, 小窗風觸鳴琴。

夢から目覚めて、ベッドの半ばまで斜めになった位置に来た月光が射し込んでいます。小窓から風がぬけてきて、琴に触れて鳴らしたようです。  

 

(淸平樂)

野花 芳草,寂寞たる  關山の 道。

柳は金絲を吐き鶯語は早く,惆悵たり香閨に暗かに 老ゆるを。

 

羅帶に同心を結べるを悔み,獨り朱欄に凭れば思ひ 深し。

夢より覺むれば半床に斜月,小窗より風觸りて琴を 鳴らす。

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『淸平樂』 現代語訳と訳註

(本文)

野花芳草,  寂寞關山道。

柳吐金絲鶯語早,惆悵香閨暗老。

 

 羅帶悔結同心, 獨凭朱欄思深。

 夢覺半床斜月, 小窗風觸鳴琴。

 

 

 

(下し文)(淸平樂)

野花 芳草,寂寞たる  關山の 道。

柳は金絲を吐き鶯語は早く,惆悵たり香閨に暗かに 老ゆるを。

 

羅帶に同心を結べるを悔み,獨り朱欄に凭れば思ひ 深し。

夢より覺むれば半床に斜月,小窗より風觸りて琴を 鳴らす。

 

(現代語訳)

満月003春の野原の草花はかぐわしく大地に春が巡ってきます。ふるさとへつづく山道は、もの寂しく大地に春が巡ってくれば、また一年歳が流れ、わたしはまた寂しい春を過ごしてゆくのです。 

ヤナギが黄金色の新芽を出し、ウグイスが春を告げますが一人で過ごす春は早く過ぎ去ってゆきます。うらめしい思いはつのるばかり、女だけの部屋で、時の流れのままにひそかに老いてゆくのです。

あの頃、羅帶を同心結にして、永遠の愛を誓ったことが悔やまれてなりません。窓の朱色の欄干に独りでもたれかかり、遠くを見やって深く思いを巡らすのです。 

夢から目覚めて、ベッドの半ばまで斜めになった位置に来た月光が射し込んでいます。小窓から風がぬけてきて、琴に触れて鳴らしたようです。 

 

 

(訳注)

淸平樂

(世の中が清らかに治まっていることを詠う詩譜)

詞譜の一。詞の形式名。双調。四十六字。平韻相互の換韻。花間集巻第二所収。

当時の女性は二十代後半以降は独りになってしまうのがほとんどで寂しい老後を迎えるのがふつうであった。

 

野花芳草,  寂寞關山道。

春の野原の草花はかぐわしく大地に春が巡ってきます。ふるさとへつづく山道は、もの寂しく大地に春が巡ってくれば、また一年歳が流れ、わたしはまた寂しい春を過ごしてゆくのです。 

・寂寞:寂しげである。 

・關山:郷里に入る境をめぐる山。ふるさと。

 

 

柳吐金絲鶯語早,惆悵香閨暗老。

ヤナギが黄金色の新芽を出し、ウグイスが春を告げますが一人で過ごす春は早く過ぎ去ってゆきます。うらめしい思いはつのるばかり、女だけの部屋で、時の流れのままにひそかに老いてゆくのです。

・柳吐金絲:ヤナギが黄金色の新芽を出す。 

・鶯語早:ウグイスが春を告げる時期が早くなったかのように感じる。

・惆悵:うらめしい。うらみがましい。 

・香閨:女性の部屋。 

・暗老:密かに老いてゆく。

 

 

羅帶悔結同心, 獨凭朱欄思深。

あの頃、羅帶を同心結にして、永遠の愛を誓ったことが悔やまれてなりません。窓の朱色の欄干に独りでもたれかかり、遠くを見やって深く思いを巡らすのです。  

・羅帶:うすぎぬの帯。 

・悔:くやまれる。 

・結同心:永遠の愛を誓って、結び模様をする。性的な交渉を前提にしたもの。

薛濤『春望詞四首 其三』「風花日將老,佳期猶渺渺。不結同心人,空結同心草。」(風花 日に將に老いんとする、佳期 猶は渺渺。同心の人とは 結ばれず、空しく 同心の草を 結ぶ。)

玉台新詠巻十に、銭唐蘇小小『歌一首』として次の詩がある。「 妾乗油璧車、郎騎青□馬、 何処結同心、西陵松柏下。」(何れの処にか同心を結ばん)という句がある。

温庭筠 『更漏子』「相見稀,相憶久,眉淺淡煙如柳。垂翠幕,結同心,侍郎熏繡衾。城上月,白如雪,蟬美人愁

薛濤『池上雙鳧』「雙棲綠池上,朝去暮飛還。 更憶將雛日,同心蓮葉間。」 (綠池の上に 雙棲【そうせい】し、朝去りて 暮に 飛還【ひかん】す。更に憶ふ 雛を將【やしな】ふの日には、心を 蓮葉【れんよう】の間に 同じうせん。)

・獨:独りだけで。 

・凭朱欄:(窓の)朱色の欄干にもたれかかり、(遠くを見やる)。 *物思いに耽ることを表現する。 

・思深:深く思いを巡らす。

 

 

夢覺半床斜月, 小窗風觸鳴琴。

夢から目覚めて、ベッドの半ばまで斜めになった位置に来た月光が射し込んでいます。小窓から風がぬけてきて、琴に触れて鳴らしたようです。 

・夢覺:夢から目覚める。 ・半床:ベッドの半ば。 

・斜月:窓から沈みかかった斜めの位置に来た月光が射し込む。上弦の月から下弦の月の間の月であろうが、部屋の中まで入って來る月であるから満月に近いものであろうが十三から十七の月はこのような詩の場合は用いない。離れている人を偲ぶことを暗示する月は上弦月=希望というものでもあろうか。

・小窗:女のいる部屋の小さな窓。 

・鳴琴:琴を鳴らす。近頃は琴を引くことがないので、風切音が琴のように思えたという、寂しさを強調することを云うものである。