浣溪沙 韋荘 よごとあなたのことを思っていると夜も更けてきて今日もあとわずか、傷ついた気持のまま、傾いた明月にうつる景色を眺めたりしながら、物思いに耽るのです。


2013年8月25日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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李商隠詩 
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浣渓沙 其五 (夜夜相思更漏殘) 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-268-5-#22   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2887


 

浣渓沙

(きれいな谷間が砂でいっぱいになる。)
夜夜相思更漏殘傷心明月凭欄干。

よごとあなたのことを思っていると夜も更けてきて今日もあとわずか、傷ついた気持のまま、傾いた明月にうつる景色を眺めたりしながら、物思いに耽るのです。

想君思我錦衾寒。

君に想いを馳せれば、わたしの錦の掛け布団が寒いけれども、きっと私のことを思っていることをおもえばあったかいでしょう。

 

咫尺畫堂深似海,憶來唯把舊書看。

画堂が小さく僅かの距離でいるもの、狭い画堂が海のように深く感じられる。おもいだすのはただひたすら以前もらった手紙を見ているのです。

幾時攜手入長安。

いつになったら晋の謝安のように女を携えて長安の都に入れるようになるのだろう。

 

 

(浣溪沙)

夜夜相ひ思ひて 更漏殘れ。明月に傷心して欄干に凭る。

君を想ふに我を思ひて 錦の衾 寒からん。

 

咫尺の畫堂 深きこと海に似,憶ひ來って唯だ舊き書を把りて看る。

幾れの時か手を攜へて長安に入らん。

 

満月003 

 

『浣溪沙』 現代語訳と訳註

(本文) 浣渓沙

夜夜相思更漏殘、傷心明月凭欄干。

想君思我錦衾寒。

 

咫尺畫堂深似海,憶來唯把舊書看。

幾時攜手入長安。

 

 

(下し文)

(浣溪沙)

夜夜相ひ思ひて 更漏殘れ。明月に傷心して欄干に凭る。

君を想ふに我を思ひて 錦の衾 寒からん。

 

咫尺の畫堂 深きこと海に似,憶ひ來って唯だ舊き書を把りて看る。

幾れの時か手を攜へて長安に入らん。

 

 

(現代語訳)

よごとあなたのことを思っていると夜も更けてきて今日もあとわずか、傷ついた気持のまま、傾いた明月にうつる景色を眺めたりしながら、物思いに耽るのです。

君に想いを馳せれば、わたしの錦の掛け布団が寒いけれども、きっと私のことを思っていることをおもえばあったかいでしょう。

画堂が小さく僅かの距離でいるもの、狭い画堂が海のように深く感じられる。おもいだすのはただひたすら以前もらった手紙を見ているのです。

いつになったら晋の謝安のように女を携えて長安の都に入れるようになるのだろう。

 

 

(訳注)

浣溪沙

(きれいな谷間が砂でいっぱいになる。)

春の行楽、男女のようすを詠う新しい形の詩。 

詞牌の一。詞の形式名。双調 四十二字。平韻一韻到底。詳しくは 「構成について」を参照。浣渓沙

  この詞は花間集 韋荘の浣溪沙 其五である。

・韋莊:韋荘。唐末、蜀の詞人。

 

 

夜夜相思更漏殘、傷心明月凭欄干。

よごとあなたのことを思っていると夜も更けてきて今日もあとわずか、傷ついた気持のまま、傾いた明月にうつる景色を眺めたりしながら、物思いに耽るのです。

・夜夜:よごと。

・相思:大事な人を思いしのぶ。相は、相互にの意味は、この場合は弱い。相思相愛の相思とは違う。現代語に単相思(片思い)がある。但し、想君思我錦衾寒のとり方によっては、「相互に」の意味になる。

・更漏:水時計。転じて時間。

・殘:のこりすくない。そこなう。ここでは、残る、残り、等ではない。残更になったこと。明け方、午前四時頃になったこと。残は残暑、残更の残。

・傷心:心をいためること。

・凭欄干:高殿の手すりに寄り添うこと。景色を眺めたりしながら、物思いに耽ることで、詞では想いに耽るという場合の常套表現。倚欄干、憑欄干等に同じ。

 

 

想君思我錦衾寒。

君に想いを馳せれば、わたしの錦の掛け布団が寒いけれども、きっと私のことを思っていることをおもえばあったかいでしょう。

・錦衾寒:錦の掛け布団が寒い。つまり独り寝で、夜を過ごしていることを、主人公は想像している。

 

 

咫尺畫堂深似海,憶來唯把舊書看。

画堂が小さく僅かの距離でいるもの、狭い画堂が海のように深く感じられる。おもいだすのはただひたすら以前もらった手紙を見ているのです。

・咫尺:僅かの距離。咫は八寸。ここでは、画堂が小さいことをいう。

・畫堂:麗しく彩色を施した建物。

・深似海:狭い画堂が海のように深く感じられる。画堂に住んでいる主人公の孤独感、寂寥感を表している。

・憶來:おもいだしては。来は、動詞に着く助動詞のような働きをする。

・把:…をとって、…もって。把は手に持つ、握るというのが、基本的な意味で、ここもその意味になる。

・舊書:昔の手紙。

 

 

幾時攜手入長安。

いつになったら晋の謝安のように女を携えて長安の都に入れるようになるのだろう。

・攜手:攜=携に同じ。手を持つ。手をつなぐ。異性を指す。晋謝安を詠った李白『送侄良攜二妓赴會稽戲有此贈』李白憶東山二首其二 李白 李白Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -270  「攜妓東山去。 春光半道催。遙看若桃李。 雙入鏡中開。」(姪良が二姥を携えて会稽に赴くを送り、戯れに此の贈有り、妓を携えて 東山に去れば。春光 半道に催す。遙(はるか)に看る 桃李(とうり)の若く、双(ふた)つながら鏡中に入って開くを。)
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