題酒家 韋荘 美味しい清酒は澄んで緑色で、花は、女は赤く咲くもの、この屋のお客は詩をこよなく愛している。しかし、もう晩春であり、花が散りゆく春の岸辺のこの酒屋、旗があるから立ち寄ってしまう。 


2013年9月4日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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題酒家

(酒屋で詩を作って壁に書きつける。)

酒綠花紅客愛詩,落花春岸酒家旗。

美味しい清酒は澄んで緑色で、花は、女は赤く咲くもの、この屋のお客は詩をこよなく愛している。しかし、もう晩春であり、花が散りゆく春の岸辺のこの酒屋、旗があるから立ち寄ってしまう。 

尋思避世爲逋客,不醉長醒也是癡。

いろいろと思いをめぐらすことがあって、世を避けて隠者となったのだが、世の中の人が皆酔ったら、それに合わせて酔ったままで居たいが、わたしは誰よりも真っ先に酔いが醒めてしまうことは、それはやっぱり愚かなことなのだろう。 

 

酒家に題す

酒は綠 花は紅 客は詩を愛す,落花 春岸 酒家の旗。

尋思【じんし】世を避け 逋客【ほかく】と爲す,

醉わずして 長【さき】に醒むるは 也【また】是(これ)癡【しれもの】ならん。

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『題酒家』 現代語訳と訳註

(本文)

題酒家

酒綠花紅客愛詩,落花春岸酒家旗。

尋思避世爲逋客,不醉長醒也是癡。

 

 

(下し文)

酒家に題す

酒は綠 花は紅 客は詩を愛す,落花 春岸 酒家の旗。

尋思【じんし】世を避け 逋客【ほかく】と爲す,

醉わずして 長【さき】に醒むるは 也【また】是(これ)癡ならん。

 

 

紅梅0021(現代語訳)

(酒屋で詩を作って壁に書きつける。)

美味しい清酒は澄んで緑色で、花は、女は赤く咲くもの、この屋のお客は詩をこよなく愛している。しかし、もう晩春であり、花が散りゆく春の岸辺のこの酒屋、旗があるから立ち寄ってしまう。 

いろいろと思いをめぐらすことがあって、世を避けて隠者となったのだが、世の中の人が皆酔ったら、それに合わせて酔ったままで居たいが、わたしは誰よりも真っ先に酔いが醒めてしまうことは、それはやっぱり愚かなことなのだろう。 

 

 

(訳注)

題酒家

(酒屋で詩を作って壁に書きつける。)

・題-:多くの場合酒屋の壁に画きつけることを題すという。もちろんその場で作った詩である。。こんな詩を書いてもらえば酒屋の主は大喜びだろう。 

・酒家:さかや。酒店。杜甫『飲中八仙歌』

杜甫『飲中八仙歌』

知章騎馬似乘船,眼花落井水底眠。

汝陽三鬥始朝天,道逢曲車口流涎,恨不移封向酒泉。』

左相日興費萬錢,飲如長鯨吸百川,銜杯樂聖稱避賢。

宗之瀟灑美少年,舉觴白眼望青天,皎如玉樹臨風前。

蘇晉長齋繡佛前,醉中往往愛逃禪。

李白一鬥詩百篇,長安市上酒家眠,

天子呼來不上船,自稱臣是酒中仙。

張旭三杯草聖傳,帽露頂王公前,揮毫落紙如雲煙。

焦遂五斗方卓然,高談雄辨驚四筵。

飲中八仙歌 杜甫

 

 

酒綠花紅客愛詩,落花春岸酒家旗。

美味しい清酒は澄んで緑色で、花は、女は赤く咲くもの、この屋のお客は詩をこよなく愛している。しかし、もう晩春であり、花が散りゆく春の岸辺のこの酒屋、旗があるから立ち寄ってしまう。 

・酒綠:清酒。大口の甕の中で黒く見えるが透明であること。清酒の美味さの表現。賢者・隠者は濁り水を飲んで清談をする。聖者は清酒を呑むもの。ここでは粋なものが飲むお酒は綠酒なのである。

・花紅:花は赤く咲いている。(美しい女性)。酒屋には娼婦がいた。 

・客:よそから来た人。旅人。 

・愛詩:詩を愛する。

・落花:花が散る。 

・旗:酒屋の目印の旗。酒旗。青旗。

 

 

尋思避世爲逋客,不醉長醒也是癡。

いろいろと思いをめぐらすことがあって、世を避けて隠者となったのだが、世の中の人が皆酔ったら、それに合わせて酔ったままで居たいが、わたしは誰よりも真っ先に酔いが醒めてしまうことは、それはやっぱり愚かなことなのだろう。 

・尋思:いろいろとおもいをめぐらす。 

・避世:世の中から避けて隠退する。

・爲:…となる。 

・逋客:世をのがれ避けている人。隠者。逋:のがれる。逃げる。かくれる。

・不醉:酔おうとしない。意志の否定である。 

・長醒:誰よりも先に酔いから醒めている。長:①ながい。②とこしえに。③たけ。④としうえ。⑤おさ。頭。⑥せいちょうする。⑦先に。先頭。 

・也是:…もまた。でもやはり。也:…もまた。文語の「亦」字と同様な働きをする。 

・癡:馬鹿者。おろか。痴(し)れ者。
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