韋荘《歸國遙 其三》 あれほど待ち望んでいた春が終わろうとしている。この春、蝶がつがいで戯れ、蜂は花から花へ遊んで廻っていましたが、わたしにもそんな花咲き爛漫な生活があったのです。豪邸の池のほとりの楼閣に住んでいても、日が西に傾くようにお相手にされなくなってしまう、あるいは柳の枝が揺れもつれ合うようだったものが、金の糸で結びあっていたものが解き放たれたのです。

 

2013年9月10日  同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
LiveDoor
司馬相如 《子虚賦 》(4)#2-1 文選 賦<109-#1-3>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩883 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2963
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
 LiveDoor
病鴟 韓愈(韓退之) <185#1>Ⅱ中唐詩796 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2964
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoor 643 《玩月呈漢中王》 蜀中転々 杜甫 <548>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2965 杜甫詩1000-548-787/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 091 歸國遙 其三 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-284-5-#38  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2967
 
 ■最近の人気の文・賦・詩・詞(漢詩の5ブログ各部門)
 ■主要詩人の一覧・詩目次・ブログindex

『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html    
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304    
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html    
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html    
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html    
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html    
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html    
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。    
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。    
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html    
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html    
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html    
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。    
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。    
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。    
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

091 歸國遙 其三 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-284-5-#38   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2967

 

 

歸國遙 其三

(ここがよかったので歸えるべき故郷が遠い その3

春欲晩、 戯蝶遊蜂花爛熳。

あれほど待ち望んでいた春が終わろうとしている。この春、蝶がつがいで戯れ、蜂は花から花へ遊んで廻っていましたが、わたしにもそんな花咲き爛漫な生活があったのです。

日落謝家池館、柳絲金縷断。

豪邸の池のほとりの楼閣に住んでいても、日が西に傾くようにお相手にされなくなってしまう、あるいは柳の枝が揺れもつれ合うようだったものが、金の糸で結びあっていたものが解き放たれたのです。

 美女004

睡覺綠鬟風乱、畫屏雲雨散。

眠りから覚めると緑の雲鬟が風に吹かれて乱れている。立派な絵が描かれた屏風には雲に雨が降り注ぐのだけが目立って見えてしまう。

閒倚博山長歎、涙流沾皓腕。

 博山爐に静かに寄りかかって長い溜息をつくのです。涙が流れてこの白いう手に滴り落ちて濡らしました。(きっとあの人は私のことを思い出してきっと帰って來ると信じています。)

 

(歸える國は遙か 其の三)

春晩れんとし、戯蝶 遊蜂 花爛漫たり。

日は謝家の池館に落ち、柳絲の金縷も断たる。

睡より覚むれば緑鬟の風に乱れ、画屏に雲雨散る。

閒かに博山に倚りて長歎すれば、涙流れて皓き腕を沾らす。

 

 

『歸國遙 其三』 現代語訳と訳註

(本文)

歸國遙 其三

春欲晩、 戯蝶遊蜂花爛熳。

日落謝家池館、柳絲金縷断。

 

睡覺綠鬟風乱、畫屏雲雨散。

閒倚博山長歎、涙流沾皓腕。

 

 

(下し文)このような詩の場合読みかなを付けないほうが良いと思う。漢字の雰囲気を味わう。

(歸える國は遙か 其の三)

春晩れんとし、戯蝶 遊蜂 花爛漫たり。

日は謝家の池館に落ち、柳絲の金縷も断たる。

睡より覚むれば緑鬟の風に乱れ、画屏に雲雨散る。

閒かに博山に倚りて長歎すれば、涙流れて皓き腕を沾らす。

 

 

(現代語訳)

(ここがよかったので歸えるべき故郷が遠い その3

あれほど待ち望んでいた春が終わろうとしている。この春、蝶がつがいで戯れ、蜂は花から花へ遊んで廻っていましたが、わたしにもそんな花咲き爛漫な生活があったのです。

豪邸の池のほとりの楼閣に住んでいても、日が西に傾くようにお相手にされなくなってしまう、あるいは柳の枝が揺れもつれ合うようだったものが、金の糸で結びあっていたものが解き放たれたのです。

眠りから覚めると緑の雲鬟が風に吹かれて乱れている。立派な絵が描かれた屏風には雲に雨が降り注ぐのだけが目立って見えてしまう。

博山爐に静かに寄りかかって長い溜息をつくのです。涙が流れてこの白いう手に滴り落ちて濡らしました。(きっとあの人は私のことを思い出してきっと帰って來ると信じています。)

 

 

(訳注)

千畳敷0010歸國遙 三

(ここがよかったので歸えるべき故郷が遠い その3

・帰国遙 草調四十三字、前後段各四句四灰韻(詞譜四)。

 

<前段>

春欲晩、 戯蝶遊蜂花爛熳。

あれほど待ち望んでいた春が終わろうとしている。この春、蝶がつがいで戯れ、蜂は花から花へ遊んで廻っていましたが、わたしにもそんな花さき爛漫な生活があったのです。

 

日落謝家池館、柳絲金縷断。

豪邸の池のほとりの楼閣に住んでいても、日が西に傾くようにお相手にされなくなってしまう、あるいは柳の枝が揺れもつれ合うようだったものが、金の糸で結びあっていたものが解き放たれたのです。

・謝家 美女や妓女、あるいは愛妾の棲む家。唐の李徳祐が豪邸を築いて謝秋娘を池のほとりの楼閣に住まわせたことによる。比喩する相手が特定される場合は、晋の謝安であったり、謝靈運、謝朓を示す場合もある。ここでは温庭筠『更漏子』などと同じ一般的なもの綺麗な娘を囲うこと。

柳絲長,春雨細,花外漏聲迢遞。

驚寒雁,起城烏,畫屏金遮

香霧薄,透簾幕,惆悵謝家池閣

紅燭背,繡簾垂,夢長君不知。

更漏子 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-15-15-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1676

・金縷:金糸の(刺繍)。・金縷 針金状の金の撚糸で綴り合わせる。韋莊『清平楽』「何處遊女,蜀國多雲雨。雲解有情花解語,窣地綉羅金縷。   妝成不整金鈿。含羞待月鞦韆。」温庭筠『楊柳枝』(之二)「金縷毵毵碧瓦溝,六宮眉黛惹香愁。晚來更帶龍池雨,半拂欄杆半入樓。

楊柳枝 之二 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-58-11-# 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1848

温庭筠『定西番 二』「海燕欲飛調羽,萱草綠,杏花紅,隔簾櫳。雙翠霞金縷,一枝春豔濃。樓上月明三五,瑣窗中。住在綠槐陰裏,門臨春水橋邊。」

 

 

 

<後段>

睡覺綠鬟風乱、畫屏雲雨散。

眠りから覚めると緑の雲鬟が風に吹かれて乱れている。立派な絵が描かれた屏風には雲に雨が降り注ぐのだけが目立って見えてしまう。

・鬟【カン】あげまきに結った髪。転じて、その髪を結った少女・小間使い。 「あげまき」とは、古代の少年の髪の結い方で、 頭髪を左右に分けて頭上に巻きあげ、角状に両輪をつくったもの。雲というと大人の女性。ここでは緑の黒髪であるから子供の髪ではない。

 

閒倚博山長歎、涙流沾皓腕。

博山爐に静かに寄りかかって長い溜息をつくのです。涙が流れてこの白いう手に滴り落ちて濡らしました。(きっとあの人は私のことを思い出してきっと帰って來ると信じています。)

・博山・博山爐 仙山のかたちをした香炉のこと。「博山」という仙山のかたちをした香炉かんたんにいえば、山の形をした香炉である。博山は、山東省にある山の名。炉の形は山形をしているが、下の盤に湯を入れ、それに蒸されて、上にある香が煙になって昇るように仕掛けたものらしい。

李白 「楊叛兒」

君歌楊叛兒、妾勸新豐酒。

何許最關人、烏啼白門柳。

烏啼隱楊花、君醉留妾家。

博山爐中沈香火、雙煙一氣凌紫霞。