(女盛りを過ぎた女の孤独な心情を詠う二首の其の一。)蝋燭も燃え尽き、残り香も消えても未だ帳を巻き上げられずにいる、今しがた夢から目覚めて驚き現実に戻される。

 

2013年9月17日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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117訴衷情 其一 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-291-5-#45   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3002

 

春を謳歌して男と酒を酌み交わし舞を舞って見せるのに、男のいないために舞衣を着ることもなく塵が積もることになった。今年も春を無意味に過ごすことになって詩う。

 

訴衷情二首 其一

燭燼香殘簾半卷,夢初驚。

花欲謝,深夜,月朧明。

何處按歌聲?輕輕,舞衣塵暗生,負春情。

 

訴衷情二首 其二

碧沼紅芳煙雨靜,倚蘭橈。

垂玉佩,交帶,嫋纖腰。

鴛夢隔星橋,迢迢,越羅香暗銷,墜花翹。

 

 60moon

訴衷情二首 其一

(女盛りを過ぎた女の孤独な心情を詠う二首の其の一。)

燭燼香殘簾半卷,夢初驚。

蝋燭も燃え尽き、残り香も消えても未だ帳を巻き上げられずにいる、今しがた夢から目覚めて驚き現実に戻される。

花欲謝,深夜,月朧明。

花はもう散りかけ凋み始める、そして夜はふけて、月はおぼろにあかるい。

何處按歌聲?輕輕,舞衣塵暗生,負春情。

何処から聞こえてくるのだろう、調べに乗せて歌を歌う、声はすずしく軽やかに。こちらを見ると舞衣に知らぬ間に塵が積もり、春がきているというのにいつもと同じ一日を過ごすのである。

(訴衷情【そちゅうじょう】二首其の一)

燭 燼【も】え 香 残り 簾 半ば捲かれて 夢初めて驚む。

花も謝【しぼ】まんと欲す、深き夜、月朧に明かく。

何處よりぞ 按歌の聾の軽軽たる、舞衣は塵 暗【ひそ】かに生じて春の情に負【そむ】く。

 

『訴衷情二首 其一』 現代語訳と訳註

(本文)

訴衷情二首 其一

燭燼香殘簾半卷,夢初驚。

花欲謝,深夜,月朧明。

何處按歌聲?輕輕,舞衣塵暗生,負春情。

 

 

(下し文)

(訴衷情【そちゅうじょう】二首其の一)

燭 燼【も】え 香 残り 簾 半ば捲かれて 夢初めて驚む。

花も謝【しぼ】まんと欲す、深き夜、月朧に明かく。

何處よりぞ 按歌の聾の軽軽たる、舞衣は塵 暗【ひそ】かに生じて春の情に負【そむ】く。

 

 

(現代語訳)

(女盛りを過ぎた女の孤独な心情を詠う二首の其の一。)

蝋燭も燃え尽き、残り香も消えても未だ帳を巻き上げられずにいる、今しがた夢から目覚めて驚き現実に戻される。

花はもう散りかけ凋み始める、そして夜はふけて、月はおぼろにあかるい。

何処から聞こえてくるのだろう、調べに乗せて歌を歌う、声はすずしく軽やかに。こちらを見ると舞衣に知らぬ間に塵が積もり、春がきているというのにいつもと同じ一日を過ごすのである。

 

 

(訳注)

訴衷情二首 其一

(女盛りを過ぎた女の孤独な心情を詠う二首の其の一。)

唐教坊曲、『花間集』には韋荘の作が二首収められている。単調三十三字、九句六平韻二仄韻で、7③❸❷③⑤②⑤③の詞形をとる。

夜半、夢より覚めた後の女盛りを過ぎた女の孤独な心情を詠う。夜ふけにはっと夢から覚めると、どこからか楽の音に合わせて歌う軽やかな声が流れてくる。そういえば、近頃は禁に合わせて舞を舞ったり歌を歌ったりすることもなく、舞の衣裳にはいつしか塵が積もってしまった。私は、あたらこの美しい春に背いて空しく日を送っている

 

燭燼香殘簾半卷,夢初驚。

蝋燭も燃え尽き、残り香も消えても未だ帳を巻き上げられずにいる、今しがた夢から目覚めて驚き現実に戻される。

○燭燼香殘 蝋燭が燃え尽き、香炉の香が消えた。残は損なわれる、さびれる。

○夢初驚 今夢が覚めたばかり。

 

花欲謝,深夜,月朧明。

花はもう散りかけ凋み始める、そして夜はふけて、月はおぼろにあかるい。

○欲謝 今にも散りそうだ。欲は今にも~しそうだ、の意。謝の字、底本では樹に作るが四部叢刊本に拠って改めた。

 

何處按歌聲?輕輕,舞衣塵暗生,負春情。

何処から聞こえてくるのだろう、調べに乗せて歌を歌う、声はすずしく軽やかに。こちらを見ると舞衣に知らぬ間に塵が積もり、春がきているというのにいつもと同じ一日を過ごすのである。

○按歌聲 楽器に合わせて歌う歌声。按はリズムに合わせて楽器を弾く

○舞衣塵暗生 舞衣に知らぬ問に塵が積もる。本句は舞を舞うことのない月日が久しく続いていることと同時に、女が長く孤独な状況に置かれていることを示す。

○負春情 美しい春に背く。誰に声を掛けられることもなく無為のうちに春を過ごすことを言う。
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