韋荘上行杯 其一 よし存分に飲もう。我が意を酌んで、肴も酒も調えているので、これ以上飲めないと言ってはいけない。

 

2013年9月23日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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上行杯二首

其一

芳草灞陵春岸。柳煙深,滿樓弦管。

長安の別れは若草が香る灞陵の川の春の岸にある。柳も鬱蒼と煙り、高殿には楽の音が満ちわたる。

一曲離聲腸寸斷。

一節の別れの歌に帰りの遅いあの人を思い出し、腸は断ち切られる思いになる。

今日送君千萬,紅縷玉盤金鏤盞。

この日はるか千里万里の地、旅行く君を見送る、鱠盛る大血と金縁の杯をそえる。

須勸、珍重意,莫辭滿。

よし存分に飲もう。我が意を酌んで、肴も酒も調えているので、これ以上飲めないと言ってはいけない。

 

其二

白馬玉鞭金轡。少年郎,離別容易。

迢遞去程千萬裏。

惆悵異雲水,滿酌一杯勸和淚。

須愧,珍重意,莫辭醉。

 

(其の一)

芳草 蘭陵の春岸、柳煙深く、滿樓の弦管。

一曲の離聾に腸は寸断さる。

 

今日君を千萬に送る、紅縷の玉盤に 金鐘の蓋。

須らく勸むべし、意を珍重せよ、滿つるを辞することなかれ。

 

(其の二)

白馬に玉の鞭と金の轡、少年郎は 離別容易ならんも。

迢遞たる去程は千萬裏。

 

惆悵ことならん異郷の雲と水とに、一杯を勸和して涙和りに勘む。

須らくづべし、意を珍重せよ、酔うことをするなかれ。

 

 

『上行杯二首』現代語訳と訳註

(本文)

上行杯二首 其一

芳草灞陵春岸。柳煙深,滿樓弦管。

一曲離聲腸寸斷。

今日送君千萬,紅縷玉盤金鏤盞。

須勸、珍重意,莫辭滿。

 

(下し文)

(其の一)

芳草 蘭陵の春岸、柳煙深く、滿樓の弦管。

一曲の離聾に腸は寸断さる。

 

今日君を千萬に送る、紅縷の玉盤に 金鐘の蓋。

須らく勸むべし、意を珍重せよ、滿つるを辞することなかれ。

 

 

(現代語訳)

長安の別れは若草が香る灞陵の川の春の岸にある。柳も鬱蒼と煙り、高殿には楽の音が満ちわたる。

一節の別れの歌に帰りの遅いあの人を思い出し、腸は断ち切られる思いになる。

この日はるか千里万里の地、旅行く君を見送る、鱠盛る大血と金縁の杯をそえる。

よし存分に飲もう。我が意を酌んで、肴も酒も調えているので、これ以上飲めないと言ってはいけない。

 

魚玄機55021
 

(訳注)

上行杯二首 其一

唐の教坊の曲名。『花間集』には四首所収。韋荘の作は二首収められている。双調四十一字、前段二十字四句三仄韻、後段二十一字五句四仄韻で、❻3❹❼/❻❼❷3❸の詞形をとる。

 

 

芳草灞陵春岸。柳煙深,滿樓弦管。

長安の別れは若草が香る灞陵の川の春の岸にある。柳も鬱蒼と煙り、高殿には楽の音が満ちわたる。

○灞陵 朝陵とも記す。漢の文帝の陵墓。唐の都長安の東にあり、近くを滻水が流れ、川には滻が架かり、古来から送別の地とされてきた。○灞陵亭 長安東の正門たる春明門からここまでに滻水に架かる橋をわたってくるのであるが、㶚水にかかる橋のたもとにあった亭である。ここを過ぎるとしばらくは、宿場町があるだけである。長の別れを惜しみ、一夜、酒を酌み交わすのである。また、娼屋の様なものもあったようだ。㶚水の堤には楊柳があり、柳を折って旅の安全を願ったのである。 ○灞水流 長安の東を流れる川は終南山を水源にした滻水と驪山、藍田の方角から流れてくるこの㶚水が北流して合流し渭水に灌ぐのである。㶚水、滻水の二俣川。

李白『灞陵行送別』

送君灞陵亭。 灞水流浩浩。

上有無花之古樹。 下有傷心之春草。

我向秦人問路歧。 云是王粲南登之古道。

古道連綿走西京。 紫闕落日浮云生。

正當今夕斷腸處。 驪歌愁不忍聽。

灞陵亭で君を送る、灞水の流れはひろびろとうららかにながれている。

まだ早春で、頭上には花のない古木がある、足元には心を痛めるような芽生え始めた春草が生えている

土地の人に向かって東洛陽方面と南はどこへと分かれ道のことを尋ねた。こちらの道は建安の七子の王粲が「南登」と歌った古道はこれで漢水まで続くのだといった。

もう一方の古道は、洛陽から連綿と続いて長安にはしっている。その紫の天子の御門のうちでは夕日が落ちて宮女たちのよろこびが生じているのだろう。

まさに今夜わたしは別れてひとりの夜、断腸のもだえ聲のあるところ、女が主人恋しさに唄う歌は、聞くに堪えない。

灞陵行送別 李白:Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白139

 

一曲離聲腸寸斷。

一節の別れの歌に帰りの遅いあの人を思い出し、腸は断ち切られる思いになる。

○離声 別離の曲、歌。

 

今日送君千萬,紅縷玉盤金鏤盞。

この日はるか千里万里の地、旅行く君を見送る、鱠盛る大血と金縁の杯をそえる。

〇千万 千山里。

〇紅縷 糸のように細く切った紅色の鱠。

 

須勸、珍重意,莫辭滿。

よし存分に飲もう。我が意を酌んで、肴も酒も調えているので、これ以上飲めないと言ってはいけない。

〇珍重意 私の心を酌んで。
嘉陵江111111