《蕃女怨 之二》九連の環、こがねに飾った矢じり、弓、もう何年も征伐の戦いをしてきた。奇麗な絵が描かれた高楼にはあれだけ恨みに思っていたことと離別した女が空しくしていた錦の屏風の向こうにいる春を告げる杏の花のように可憐な赤い花のようにいる。

 

2013年9月28日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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蕃女怨 之二 温庭筠  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-302-5-#56   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3057

 

 

蕃女怨二首 其一

(北の辺境にいる男を思う女の気持ちを詠う。)

萬枝香雪開已遍,細雨雙鷰。

春の盛りになると枝という枝咲き薫る一面の白い花(あの人のいる北の国境にも咲いている)春の細雨が降る中そろいの番の燕が飛び交う。

鈿蟬箏,金雀扇,畫梁相見。

螺鈿の琴は蝉模様、扇は金の雀の絵柄で幸せな時をうかがわせる。絵が描かれた梁上に今、燕と顔合わせる。

鴈門消息不歸來,又飛迴。

雁門関からの音信が帰って來ることはなく、雁はそのまま北へむかい帰り飛んでゆく。

 

其二

(北の辺境にいる男が帰って來る知らせがあった女の気持ちを詠う。)

磧南沙上驚鴈起,飛雪千里。

河の中洲北側は石や砂の多い所で砂地のところで雁が起き上がり驚いた。雪深い所から千里も飛んできた。

玉連環,金鏃箭,年年征戰。

九連の環、こがねに飾った矢じり、弓、もう何年も征伐の戦いをしてきた。

畫樓離恨錦屏空,杏花紅。

奇麗な絵が描かれた高楼にはあれだけ恨みに思っていたことと離別した女が空しくしていた錦の屏風の向こうにいる春を告げる杏の花のように可憐な赤い花のようにいる。

 

蕃女怨【はんじょえん】二首

其一

萬枝の香雪 開きて已に遍ねく,細雨 雙鷰【そうえん】あり。

鈿蟬の箏,金雀の扇,畫梁 相い見ゆ。

鴈門の消息 歸り來たらず,又 飛びて迴る。

 

其二

磧南【せきなん】の沙上 驚ける鴈は起つ,飛雪 千里。

玉の連環,金の鏃箭【ぞくせん】,年年の征戰。

畫樓の離恨【りこん】錦屏【きんぺい】空,杏花【きょうか】紅。

鸕鶿001
 

 

『蕃女怨二首』 現代語訳と訳註

(本文)

其二

磧南沙上驚鴈起,飛雪千里。

玉連環,金鏃箭,年年征戰。

畫樓離恨錦屏空,杏花紅。

 

 

(下し文)

其二

磧南【せきなん】の沙上 驚ける鴈は起つ,飛雪 千里。

玉の連環,金の鏃箭【ぞくせん】,年年の征戰。

畫樓の離恨【りこん】錦屏【きんぺい】空,杏花【きょうか】紅。

 

 

(現代語訳)

(北の辺境にいる男が帰って來る知らせがあった女の気持ちを詠う。)

河の中洲北側は石や砂の多い所で砂地のところで雁が起き上がり驚いた。雪深い所から千里も飛んできた。

九連の環、こがねに飾った矢じり、弓、もう何年も征伐の戦いをしてきた。

奇麗な絵が描かれた高楼にはあれだけ恨みに思っていたことと離別した女が空しくしていた錦の屏風の向こうにいる春を告げる杏の花のように可憐な赤い花のようにいる。

 

 

(訳注)

其二

(北の辺境にいる男が帰って來る知らせがあった女の気持ちを詠う。)

 

磧南沙上驚鴈起,飛雪千里。

河の中洲北側は石や砂の多い所で砂地のところで雁が起き上がり驚いた。雪深い所から千里も飛んできた。

・磧南沙上 川の流れに沿う平地で、ふだんは水の流れていない、石や砂の多い所。北の砂漠を連想させ、雁は雁書で書簡が届くこと。

 

玉連環,金鏃箭,年年征戰。

九連の環、こがねに飾った矢じり、弓、もう何年も征伐の戦いをしてきた。

・玉連環 もっとも古い種類の知恵の輪と考えられている。 『戦国策』には、「秦の昭王が斉国に玉連環を贈った」という記述が出てくる。確証はないがこの「玉連環」が、「九連環」と同種のものであるといわれている。

・金鏃箭 金:鏃やじり。箭:1 武器・狩猟具の一。弓の弦(つる)につがえ、距離を隔てた目的物を射るもの。木または竹で作った棒状のもので、一方の端に羽をつけ、他方の端に鏃(やじり)をつける。「―をつがえる」2 木材や石など、かたいもの

 

畫樓離恨錦屏空,杏花紅。

奇麗な絵が描かれた高楼にはあれだけ恨みに思っていたことと離別した女が空しくしていた錦の屏風の向こうにいる春を告げる杏の花のように可憐な赤い花のようにいる。

・離恨 別離の悲しみ。人と別れるつらさ。

・杏花 アンズはバラ科の喬木(きょうぼく)で、原産地は中国。リンゴやモモに似た白または薄ピンクの花を咲かせ、春の訪れを告げるようすは可憐(かれん)で、詩にもうたわれているほど。
海棠花022