温庭筠《女冠子二首 其二》 半透明の絹の肩掛け、両鬢の雲型の髪を梳く、金細工の鏡には女冠の顔が映り、雪のような肌である。でも、遠山の形の眉は愁いに溢れ、言葉も語るのをやめて、軽い團扇をめぐらせて、今日も来てくれない少し恥ずかしい気持ちを遺して、刺繍に飾られたとばりを降ろしている。

 

2013109

 同じ日の紀頌之5つのブログ

●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場

Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
   LiveDoor

司馬相如 《上林賦 》(7)#3-1 文選 賦<110-#3-1>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩912 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3108

●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ

Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
 LiveDoor

《酬馬侍郎寄酒【案:馬總也。】》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <825  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3109韓愈詩-201

●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"

Ⅲ杜甫詩1000詩集 LiveDoor

662 《桃竹杖引贈章留後》 蜀中転々 杜甫 <568-#2>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3110 杜甫詩1000-568-#2-816/1500

●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている

Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集Fc2

36曹植(曹子建) 《贈丁廙》 魏詩 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3106 (10/08)

●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩

.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor

女冠子二首 其二 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-313-5-#57-(4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3112

 

 ■最近の人気の文・賦・詩・詞(漢詩の5ブログ各部門)

 ■主要詩人の一覧・詩目次・ブログindex

『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-1>文選 雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

女冠子二首 其二 温庭筠  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-313-5-#57-4   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3112

 

 

女冠子二首

其一

含嬌含笑,宿翠殘紅窈窕。

一夜経ても、艶やかな動き、笑みを浮かべる、一夜すごして眉の墨は色褪せ、頬紅の色も薄れたけれどたおやかにせっしてくれる。

鬢如蟬,寒玉簪秋水,輕紗捲碧煙。

雲型の鬢の髪が透けて蝉の羽のようであり、澄んだ秋の水のように冷たく冴える玉の簪がゆれる、翻る薄絹の衣は碧の霞のようで艶めかしい。 

鸞鏡裡,琪樹鳳樓前。

雪のように白い胸が鸞鏡に映る、美しき高樓の前に仙界の琪樹のように立ち、麗しき鳳凰のお伴の前に進む、

寄語青娥伴,早求仙。

そして、嫦娥のような女はお伴の者に次のように言った、「あなたも早く道士におなりなさいな」と。

 

其二

(女冠子二首の二 女道士の風俗を描く。)

霞帔雲髮,鈿鏡仙容似雪。

半透明の絹の肩掛け、両鬢の雲型の髪を梳く、金細工の鏡には女冠の顔が映り、雪のような肌である。

畫愁眉,遮語迴輕扇,含羞下繡帷。

でも、遠山の形の眉は愁いに溢れ、言葉も語るのをやめて、軽い團扇をめぐらせて、今日も来てくれない少し恥ずかしい気持ちを遺して、刺繍に飾られたとばりを降ろしている。

玉樓相望久,花洞恨來遲。

きらびやかに飾られた高楼からはあの人のいる方向を眺めるもの久しいし、花が満開のトンネルには恨みが来るのが遅れてくる。
早晚乘鸞去,莫相遺。

でも、もう春も過ぎようとして鸞鳥に乗って去ろうとしているし、あの人への思いを食いとして残してはならないのに。
 

女冠子二首

其一

嬌を含み笑を含む,宿翠 殘紅 窈窕たり。

鬢は蟬の如く,寒玉 秋水を簪し,輕紗 碧煙を捲く。

雪の 鸞鏡の裡,琪樹 鳳樓の前。

語を寄せ 青娥の伴とし,早に仙を求めよ。

 

其二

霞帔 雲髮,鈿鏡 仙容 雪に似たり。

畫は眉に愁い,語を遮って輕扇を迴らし,羞を含み繡帷を下る。

玉樓 相い望み久しく,花洞 恨み來る遲れる。

早晚 鸞に乘り去り,相いに遺すこと莫れ。

雲髻001
 

 

『女冠子二首』 現代語訳と訳註

(本文)

女冠子二首

其二

霞帔雲髮,鈿鏡仙容似雪。

畫愁眉,遮語迴輕扇,含羞下繡帷。

玉樓相望久,花洞恨來遲。

早晚乘鸞去,莫相遺。

 

 

(下し文)

其二

霞帔 雲髮,鈿鏡 仙容 雪に似たり。

畫は眉に愁い,語を遮って輕扇を迴らし,羞を含み繡帷を下る。

玉樓 相い望み久しく,花洞 恨み來る遲れる。

早晚 鸞に乘り去り,相いに遺すこと莫れ。

 

 

(現代語訳)

(女冠子二首の二 女道士の風俗を描く。)

半透明の絹の肩掛け、両鬢の雲型の髪を梳く、金細工の鏡には女冠の顔が映り、雪のような肌である。

でも、遠山の形の眉は愁いに溢れ、言葉も語るのをやめて、軽い團扇をめぐらせて、今日も来てくれない少し恥ずかしい気持ちを遺して、刺繍に飾られたとばりを降ろしている。

きらびやかに飾られた高楼からはあの人のいる方向を眺めるもの久しいし、花が満開のトンネルには恨みが来るのが遅れてくる。

 でも、もう春も過ぎようとして鸞鳥に乗って去ろうとしているし、あの人への思いを食いとして残してはならないのに。

 

(訳注)

女冠子二首

唐の教坊の曲名。女冠は女道士の意。『花間集』には十九首所収。温庭第の作は二首収められている。双調四十一字、前段二十二字五句二灰韻二乎韻、後段卜八字四句二平韻で、❹.❻.③.5.⑤./5.⑤.5.③の詞形をとる。

 

其二

女道士の風俗を描く。

前段は女道士が愛する人を待っている姿を詠い、後段は過ぎゆく春にこの春も逢えないままに過ぎていくことを描く。一定のお金をもらって女道士になり、そこでおとこをまっている。この詩は、魚玄機が道観に入って過ごしたシーンがかぶってくるようである、あまりにも艶めかしい姿態で措かれているが、この期の女道士や尼僧の住む祠、通観や寺院は、風俗を乱す場として、しばしば取りつぶしにあっている。一歳とると囲われていても捨てられたり、親、兄弟と死別すると多くの女性が駆け込んだのである。(後段に「妓女」について述べる。)

 美女004

 

霞帔雲髮,鈿鏡仙容似雪。

半透明の絹の肩掛け、両鬢の雲型の髪を梳く、金細工の鏡には女冠の顔が映り、雪のような肌である。

・古代の女性の刺繍(し/しゆう)つきの肩掛け.

・鈿鏡 黄金のかざりのある鏡。

 

畫愁眉,遮語迴輕扇,含羞下繡帷。

でも、遠山の形の眉は愁いに溢れ、言葉も語るのをやめて、軽い團扇をめぐらせて、今日も来てくれない少し恥ずかしい気持ちを遺して、刺繍に飾られたとばりを降ろしている。

 

玉樓相望久,花洞恨來遲。

きらびやかに飾られた高楼からはあの人のいる方向を眺めるもの久しいし、花が満開のトンネルには恨みが来るのが遅れてくる。

・玉樓 きらびやかに飾られた高楼。女子専用の祠ということ。

・花洞 満開の花トンネル。

 

早晚乘鸞去,莫相遺。

でも、もう春も過ぎようとして鸞鳥に乗って去ろうとしているし、あの人への思いを食いとして残してはならないのに。

・乘鸞去 春も過ぎようとして鸞鳥に乗って去ろうとしている

・莫相遺 あの人への思いを食いとして残してはならないのに。
木蓮001