牛嶠《夢江南二首其二ここのおしどりの中にはあの人はここにいない、でもあの人を思い愛し続けている。縁を結んだのは鴛鴦が首をまじりあわせるように南の池の端で眠ったのです。いまは、すべてのことはあの情が薄い劉郎のことに堪えることなのです。

 

2013年10月15日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《閒遊,二首之一》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <831>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3139韓愈詩-203
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Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoor664 《閬州東樓筵奉送十一舅往青城縣,得昏字》 蜀中転々 杜甫 <570>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3140 杜甫詩1000-570-822/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor夢江南二首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】 ⅩⅫ唐五代詞、「花間集」 Gs-319-6-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3142
 
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『花間集』継続中

 
夢江南二首

 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】 Ⅹ唐五代詞、「花間集」 Gs-319-6-#6   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3142

 

 

夢江南二首

其一

(春の盛りツバメの巣作りを見てまだ若い家妓の思いを詠う)

㘅泥鷰,飛到畫堂前。

春も盛り、泥くわえ燕はすをつくる。絵塗りの座敷の先に飛んで来る。

占得杏梁安穩處,體輕唯有主人憐,堪羨好因緣。

杏の花、杏の実を彫刻した立派な梁の上に安らかな住処を作る。元気良い身の軽さが家の主に愛でられている。良き因縁の結ばれるのは羨やましいかぎり。

 

夢江南【ぼうこうなん】二首

其の一

泥を㘅【ふく】む鷰【つばめ】,飛びて畫堂の前に到る。

占め得たり 杏梁【きょうりょう】の安穩【あんのん】の處,體 輕くして唯だ主人の憐れむ有り,羨やむに堪えたり 好き因緣を。
 


其二

(鴛鴦の仲睦まじくしているのを見て、自分の気持ちは今も変わらずあの人を愛し続けていることを詠う。)

紅繡被,兩兩間鴛鴦。

女盛りの頬を赤く染めて、刺繍の肩掛けを被う、二つ、ふたつ間をあけておしどりがいる。

不是鳥中偏愛爾,為緣交頸睡南塘,全勝薄情郎。

ここのおしどりの中にはあの人はここにいない、でもあの人を思い愛し続けている。縁を結んだのは鴛鴦が首をまじりあわせるように南の池の端で眠ったのです。いまは、すべてのことはあの情が薄い劉郎のことに堪えることなのです。 

 夢江南【ぼうこうなん】二首

其の二

紅 繡 被い,兩兩にして 鴛鴦を間にす。

鳥 中【あた】る是れならず 爾を偏愛し,交頸するを緣と為し 南塘に睡り,全ては薄き情郎に勝【たえ】ることなり 。
DCF00004
 

『夢江南二首』 現代語訳と訳註

(本文) 夢江南二首

其二

紅繡被,兩兩間鴛鴦。

不是鳥中偏愛爾,為緣交頸睡南塘,全勝薄情郎。

 

 

(下し文)

夢江南【ぼうこうなん】二首

其の二

紅 繡 被い,兩兩にして 鴛鴦を間にす。

鳥 中【あた】る是れならず 爾を偏愛し,交頸するを緣と為し 南塘に睡り,全ては薄き情郎に勝【たえ】ることなり。

 

 

(現代語訳)

(鴛鴦の仲睦まじくしているのを見て、自分の気持ちは今も変わらずあの人を愛し続けていることを詠う。)

女盛りの頬を赤く染めて、刺繍の肩掛けを被う、二つ、ふたつ間をあけておしどりがいる。

ここのおしどりの中にはあの人はここにいない、でもあの人を思い愛し続けている。縁を結んだのは鴛鴦が首をまじりあわせるように南の池の端で眠ったのです。いまは、すべてのことはあの情が薄い劉郎のことに堪えることなのです。

 

 

夢江南二首

『花間集』には牛嶠の作が二首収められている。単調二十七字、五句三平韻で、37⑦⑤の詞形をとる。

<家妓>高官や貴族、商人の家に置かれ、家長の妾姫となった。主人だけではなく、客を歓待する席でも技芸により、これをもてなす役目があった。官妓から、臣下に下賜されて家妓になるものもいた。始皇帝の母にあたる呂不韋の愛人や、西晋の石崇の愛妾である緑珠が有名。

其二

(鴛鴦の仲睦まじくしているのを見て、自分の気持ちは今も変わらずあの人を愛し続けていることを詠う。)

一夫多妻制のころの男女の心の持ち方は理解するのがむつかしい。

 

紅繡被,兩兩間鴛鴦。

女盛りの頬を赤く染めて、刺繍の肩掛けを被う、二つ、ふたつ間をあけておしどりがいる。

・紅 女盛りの女妓をいう。

 

不是鳥中偏愛爾,為緣交頸睡南塘,全勝薄情郎。

ここのおしどりの中にはあの人はここにいない、でもあの人を思い愛し続けている。縁を結んだのは鴛鴦が首をまじりあわせるように南の池の端で眠ったのです。いまは、すべてのことはあの情が薄い劉郎のことに堪えることなのです。

・偏愛 ある物や人だけをかたよって愛すること。また、その愛情。

・薄情郎 夢のような付き合いをしたのにもう心変わりをした情けの薄い男を云う。この時代の情けの強い男を「潘郎」といい、劉郞、阮郎、檀郎、安仁など色町の女が男をそう呼んだ。

 

劉郞 仙桃を味わった浦島太郎のような人物である劉晨=劉郎である夢心地の状態にある男、何年も訪れてくれなくなっているのでこのようにいう。12年もたっていることと、全く景色が変わって、ここにいる女を含めみんなが全く変わっていたというものだ。 

○阮郎 別れ去って久しく帰らぬ愛しい男。後漢の劉展、阮肇は天台山に薬草を採りに入り、道に迷って仙女に出合い、しばらくともに暮らした。しかし家のことが思い起こされ、帰ってみると、既に数世が過ぎ、見知った人は誰もいなかった。そこで再び山に尋ね入ったが、仙女を探し当てられなかったと言う。以来、阮郎、劉部は、別れ去る男や別れ去って久しく帰らぬ愛しい男を指すようになった。・檀郎/安仁/潘郎 晋の潘岳のあざな。彼は美男子であり、詩人であったが、妻の死にあい「悼亡」の詩三首を作った。後世、妻の死をなげいた模擬作が多く作られた。潘岳の幼名が檀奴だったので、「檀郎」は夫や恋い慕う男を意味する。・潘岳:安仁。滎陽(けいよう)中牟(河南省)の人。陸機と並ぶ美文の文学の大家で,錦を敷きのべたような絢爛(けんらん)たる趣をたたえられた。ことに人の死を悼む哀傷の詩文を得意とし,亡妻への尽きぬ思いをうたった〈悼亡詩(とうぼうし)〉3首はよく知られる。絶世の美男として,また権門の間を巧みに泳ぎまわる軽薄才子として,とかく話題にこと欠かなかった。八王の乱の渦中で悲劇的な刑死を遂げた。
鴛鴦おしどり0022