牛嶠《應天長二首 其一》高麗鶯は色よく囀っていたのをはじめてその声を一息入れたのです。そして杏の花が咲き、その花も舞い散りつくす頃、雪のような肌を横たえたのです。女として最高位の鳳凰の簪をいただき、腰を低くして礼節につとめたものです。宴席に出席して、皇帝の子孫の褄としてうれうことなどまったくなかったのです。

 

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應天長二首

其一

(思いを寄せたころから、愛情あふれる生活を詠う詩)

玉樓春望晴煙滅,舞衫斜卷金調

耀くような高楼に上って、あの人と一緒に過ごし、春の景色を眺めるのです、薄い肌着で踊り、斜卷の首輪をつけ、金細工の塗り物を付けていたものをすべて外して本物に変わったのです。

黃鸝嬌囀聲初歇,杏花飄盡攏山雪。

高麗鶯は色よく囀っていたのをはじめてその声を一息入れたのです。そして杏の花が咲き、その花も舞い散りつくす頃、雪のような肌を横たえたのです。

鳳釵低赴節,筵上王孫愁

女として最高位の鳳凰の簪をいただき、腰を低くして礼節につとめたものです。宴席に出席して、皇帝の子孫の褄としてうれうことなどまったくなかったのです。

鴛鴦對㘅羅結,兩情深夜月。

オシドリはそのことに対して感謝し、女としての役割を果たしたのです。二人の心は夜も更けて真上にある月のように誠意ある物なのです。

應天長【おうてんちょう】二首

其一

玉樓 春望 晴れて煙滅し,舞衫 斜卷 金調

黃鸝 嬌囀し聲初めて歇み,杏花 飄盡 攏山の雪。

鳳釵 低く節に赴し,筵上 王孫 愁

鴛鴦 㘅に對し羅結し,兩情 深夜の月。

 

 

其二

雙眉澹薄藏心事,清夜背燈嬌又醉。

玉釵橫,山枕膩,寶帳鴛鴦春睡美。

別經時,無恨意,虛道相思憔悴。

莫信綵牋書裏,賺人腸斷字。

(あれほど愛いをそそいでくれたのに、送ってくれる手紙には人を欺く言葉しかない)

淡く描いた眉、思いを寄せたあの人、秘めたる胸のうちはたかなり、初めて清き夜に灯に背を向けて艶やかにまそして酔いしれたのです。

そして、宝飾で飾る簪が閨の枕元に横たわり、羅衣を着て横になる顔は火照り、テカっています、オシドリ絵の帳はあのひととの春の印影のうちにあったものです。

別れて以来、時は流れ去り、もう、うらむ思いさえなくなってくるのです。手紙には言い訳の心にもないことをあなたは言ってくる、「私はあなたを思い続けてやつれてしまうほどだ」と。

もう信じることはない手紙の中の、人たぶらかす「断腸」の文字。

 

應天長【おうてんちょう】二首 其の二

雙眉 澹薄【たんはく】にして心事を藏す,清夜 燈を背に 嬌として又た醉う。

玉釵 橫たわり,山枕 膩【てか】る,寶帳の鴛鴦 春睡 美【うま】し。

別れて時を經て,無恨の意,虛しく道【い】う相い思うて憔悴【しょうすい】すと。

信ずること莫れ 綵牋【さいせん】書裏,人を賺【たかぶ】らす腸斷の字。

 

 

 

『應天長二首 其一』 現代語訳と訳註

(本文)

應天長二首

其一

玉樓春望晴煙滅,舞衫斜卷金調

黃鸝嬌囀聲初歇,杏花飄盡攏山雪。

鳳釵低赴節,筵上王孫愁

鴛鴦對㘅羅結,兩情深夜月。

 

 

(下し文)

應天長【おうてんちょう】二首

其一

玉樓 春望 晴れて煙滅し,舞衫 斜卷 金調

黃鸝 嬌囀し聲初めて歇み,杏花 飄盡 攏山の雪。

鳳釵 低く節に赴し,筵上 王孫 愁

鴛鴦 㘅に對し羅結し,兩情 深夜の月。

 

 

(現代語訳)

(思いを寄せたころから、愛情あふれる生活を詠う詩)

耀くような高楼に上って、あの人と一緒に過ごし、春の景色を眺めるのです、薄い肌着で踊り、斜卷の首輪をつけ、金細工の塗り物を付けていたものをすべて外して本物に変わったのです。

高麗鶯は色よく囀っていたのをはじめてその声を一息入れたのです。そして杏の花が咲き、その花も舞い散りつくす頃、雪のような肌を横たえたのです。

女として最高位の鳳凰の簪をいただき、腰を低くして礼節につとめたものです。宴席に出席して、皇帝の子孫の褄としてうれうことなどまったくなかったのです。

オシドリはそのことに対して感謝し、女としての役割を果たしたのです。二人の心は夜も更けて真上にある月のように誠意ある物なのです。

鴛鴦おしどり0022
 

 

(訳注)

應天長二首 其一

『花間集』 には牛嶠の作が二首収められている。双調五十字、前段二十七字五句四仄韻、後段二十三字五句四仄韻で、❼❼3❸❼/3❸❻❻❺の詞形をとる。花間集に韋荘二首、顧夐一首の『応天長』がある。

應天長 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-256-5-#10  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2662

應天長 二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-257-5-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2667

其一

(思いを寄せたころから、愛情あふれる生活を詠う詩)

 

玉樓春望晴煙滅,舞衫斜卷金調

耀くような高楼に上って、あの人と一緒に過ごし、春の景色を眺めるのです、薄い肌着で踊り、斜卷の首輪をつけ、金細工の塗り物を付けていたものをすべて外して本物に変わったのです。

 

黃鸝嬌囀聲初歇,杏花飄盡攏山雪。

高麗鶯は色よく囀っていたのをはじめてその声を一息入れたのです。そして杏の花が咲き、その花も舞い散りつくす頃、雪のような肌を横たえたのです。

・黃鸝 コウライウグイスは、動物界脊索動物門鳥綱スズメ目コウライウグイス科に分類される鳥。

・歇 1) 休息する歇一会儿ひと息入れる.(2) 停止する,中止する.(3) 《方》寝る,眠る.《方》短い時間,しばらくの間一歇ごく短い時間.

・攏 (1) 合わせる,まとめる笑得不上嘴笑いで口がしまらない.拢账帳簿をしめる.(2) 離れぬようにする,一つに集める柴火薪を束ねる.(3) (髪を)とかす拢头发髪をとかす.(4) 到着する,近づく.

・山雪 女として雪のような肌を横たえた。

 

鳳釵低赴節,筵上王孫愁

女として最高位の鳳凰の簪をいただき、腰を低くして礼節につとめたものです。宴席に出席して、皇帝の子孫の褄としてうれうことなどまったくなかったのです。

・鳳釵 鳳凰の簪

 

鴛鴦對㘅羅結,兩情深夜月。

オシドリはそのことに対して感謝し、女としての役割を果たしたのです。二人の心は夜も更けて真上にある月のように誠意ある物なのです。

・㘅 馬嚼子。橫在馬口裡駕馭馬的金屬小棒。 2. 含,口含物。3. 接受;擔任。 4. 感謝;感激。 5. 恨,懷恨在心。 6. 互相連接。 7. 官階。官位銜接晉陞的名稱。

・羅結 古代の女性の主な仕事は機を織ることで女としての役割を果たしたという意味。羅(ら、うすもの)は絡み織を用いた、目の粗い絹織物の一種。もともと羅とは鳥や小動物などを捕獲するための網を意味する言葉だったが、絹で織った網のような薄物を指す言葉にもなった。紗や絽と同じく生糸や半練糸を用いる捩織(もじりおり)と言って、経糸を絡み合わせた間に緯糸を通す織り方をする薄く透き通った織物の一種。紗や絽が経糸2本を絡み合わせるのに対して、羅は3本以上の経糸を絡ませて織り目が網のような見た目になるのが特徴。
満月003