牛嶠《更漏子三首 其一》もう、お香をたいていて楼閣を被っている、杏の花はこんな夜でも紅を保っていたものです。月は明るく照らし、男と女は楊柳となったのです。そして、そこに風が通り抜けたのです。すぐれて美しい詩句をかかげて示され、そして、心の思いを書き記してくれたものです。ただこの二人の心が互いに似ていることを願ったのです。

 



2013年10月21日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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更漏子三首

其一

(秋の夜長に時を告げる、女の侘しさを詠う。)その一

星漸稀,漏頻轉,何處輪臺聲怨。

星屑の空もようやく疎らになってきて、時を告げるのもしきりに転じてきた。あの人はどこの高楼に通っているのか、車輪の声が怨みに思うのです。

香閣掩,杏花紅,月明楊柳風。

もう、お香をたいていて楼閣を被っている、杏の花はこんな夜でも紅を保っていたものです。月は明るく照らし、男と女は楊柳となったのです。そして、そこに風が通り抜けたのです。

挑錦字,記情事,惟願兩心相似。

すぐれて美しい詩句をかかげて示され、そして、心の思いを書き記してくれたものです。ただこの二人の心が互いに似ていることを願ったのです。

收淚語,背燈眠,玉釵橫枕邊。

涕とあの人への言葉を収め、一人で燈火を背に横になるのです。あの人にもらった耀く簪も枕の傍においてしまっている。

更漏子【こうろうし】三首 其の一

星 漸【ようや】く稀れにして,漏 頻に轉じ,何處にか輪臺 聲怨す。

香 閣掩い,杏花の紅,月明く 楊柳 風す。

錦字を挑げ,情事を記し,惟だ願う 兩つながらの心 相い似る。

淚 語を收め,燈を背にして眠り,玉釵 枕邊に橫わる。

 

其二

春夜闌,更漏促,金燼暗挑殘燭。

驚夢斷,錦屏深,兩明月心。

閨艸碧,望歸客,還是不知消息。

辜負我,悔憐君,告天天不聞。

 

其三

南浦情,紅粉淚,爭柰兩人深意。

低翠黛,卷征衣,馬嘶霜葉飛。

招手別,寸腸結,還是去年時節。

書托鴈,夢歸家,覺來江月斜。

美女004

 

『更漏子三首 其一』 現代語訳と訳註

(本文)

更漏子三首 其一

星漸稀,漏頻轉,何處輪臺聲怨。

香閣掩,杏花紅,月明楊柳風。

挑錦字,記情事,惟願兩心相似。

收淚語,背燈眠,玉釵橫枕邊。

 

 

(下し文)

更漏子【こうろうし】三首 其の一

星 漸【ようや】く稀れにして,漏 頻に轉じ,何處にか輪臺 聲怨す。

香 閣掩い,杏花の紅,月明く 楊柳 風す。

錦字を挑げ,情事を記し,惟だ願う 兩つながらの心 相い似る。

淚 語を收め,燈を背にして眠り,玉釵 枕邊に橫わる。

 

 

(現代語訳)

(秋の夜長に時を告げる、女の侘しさを詠う。)その一

星屑の空もようやく疎らになってきて、時を告げるのもしきりに転じてきた。あの人はどこの高楼に通っているのか、車輪の声が怨みに思うのです。

もう、お香をたいていて楼閣を被っている、杏の花はこんな夜でも紅を保っていたものです。月は明るく照らし、男と女は楊柳となったのです。そして、そこに風が通り抜けたのです。

すぐれて美しい詩句をかかげて示され、そして、心の思いを書き記してくれたものです。ただこの二人の心が互いに似ていることを願ったのです。

涕とあの人への言葉を収め、一人で燈火を背に横になるのです。あの人にもらった耀く簪も枕の傍においてしまっている。

 

 

(訳注)

更漏子三首 其一

(秋の夜長に時を告げる、女の侘しさを詠う。)更は五更、夕方から、夜明けまで時を告げることを示す。特に秋以降、待ち侘びる夜が長いことを強調するシチュエーションのものをいう。

『花間集』には牛嶠の作が二首収められている。双調四十六字、前段二十三字六句二仄韻二平韻、後段二十三字六句三仄韻二平韻で、3❸❻3③⑤/❸❸❻3③⑤の詞形をとる。更漏子という題で、花間集には温庭筠、韋莊、牛嶠、毛文錫、孫光憲、毛熙震などの作が収録されている。

123 更漏子 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-282-5-#36  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2957

『更漏子 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-15-2-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1676

『更漏子 二』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-16-2-#2 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1680

『更漏子 三』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-17-2-#3 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1684

『更漏子 四』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-18-2-#4 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1688

『更漏子 五』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-19-2-#5 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1692

『更漏子 六』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-20-2-#6 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1696

 

 

星漸稀,漏頻轉,何處輪臺聲怨。

星屑の空もようやく疎らになってきて、時を告げるのもしきりに転じてきた。あの人はどこの高楼に通っているのか、車輪の声が怨みに思うのです。

・星漸稀 深夜の満点の星屑から時間経過し空が少し明るくなってきた様子を云う。一人で過ごす夜を表現する句である。

・漏頻轉 漏水の水時計がひたひたと過ぎていく様子を云う。

・輪臺聲怨 夜が明ける前から人々が動き始めることを云うもので、この夜も来てくれなかったことで、車輪の音が怨めしく思うのである。又別の意味で、他の高楼で男女の情事の声を怨みに思うということでもある。

 

香閣掩,杏花紅,月明楊柳風。

もう、お香をたいていて楼閣を被っている、杏の花はこんな夜でも紅を保っていたものです。月は明るく照らし、男と女は楊柳となったのです。そして、そこに風が通り抜けたのです。

・香閣掩 お香が夜中中焚かれて高閣に広がっていること、時間経過を示す言葉と、侘しさを示すものである。

・杏花紅 杏の花は女盛りをあらわすものである。こんなに一人で居てもまだ女盛り、女としてそのままであるということ。

・月明楊柳風 月は女性を示し、楊柳は楊が男、柳が女をあらわし、情事が終わった後に汗ばんだところに微風が吹いてきたことを云うのである。ここの三句は楽しかった日々のことをいうものである。

 

挑錦字,記情事,惟願兩心相似。

すぐれて美しい詩句をかかげて示され、そして、心の思いを書き記してくれたものです。ただこの二人の心が互いに似ていることを願ったのです。

・挑錦字 ・錦字 すぐれて美しい詩句。錦字をかかげるというのは、この女性に対して美辞麗句をしめされていたということ。

・記情事 心が動かされる言葉を書き記した。

 

 

收淚語,背燈眠,玉釵橫枕邊。

涕とあの人への言葉を収め、一人で燈火を背に横になるのです。あの人にもらった耀く簪も枕の傍においてしまっている。

・背燈 燈火を後ろに離れて淋しい様子を云う。一人で居るので明るくなくてもよいことをいう。韋荘『更漏子』.

鐘鼓寒,樓閣暝,月照古銅金井。

深院閉,小樓空,落花香露紅。

煙柳重,春霧薄,燈背水窗高閣。

閑倚,暗沾衣,待郎郎不歸。

123 更漏子 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-282-5-#36  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2957

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