牛嶠《更漏子三首 其二》彼男との夢めみることから覚めおどろく、錦のきれいな屏風のおくの閏にも、同じ月明かりが照らしているはずなのに、離れ離れに暮らす二人の心は別々になってしまった。春も進み、閏の外青草が茂り、青の人の帰りを望んでいるけれど、今もなお消息は知れない。

 

2013年10月22日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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更漏子三首

其一

(秋の夜長に時を告げる、女の侘しさを詠う。)その一

星漸稀,漏頻轉,何處輪臺聲怨。

星屑の空もようやく疎らになってきて、時を告げるのもしきりに転じてきた。あの人はどこの高楼に通っているのか、車輪の声が怨みに思うのです。

香閣掩,杏花紅,月明楊柳風。

もう、お香をたいていて楼閣を被っている、杏の花はこんな夜でも紅を保っていたものです。月は明るく照らし、男と女は楊柳となったのです。そして、そこに風が通り抜けたのです。

挑錦字,記情事,惟願兩心相似。

すぐれて美しい詩句をかかげて示され、そして、心の思いを書き記してくれたものです。ただこの二人の心が互いに似ていることを願ったのです。

收淚語,背燈眠,玉釵橫枕邊。

涕とあの人への言葉を収め、一人で燈火を背に横になるのです。あの人にもらった耀く簪も枕の傍においてしまっている。

更漏子【こうろうし】三首 其の一

星 漸【ようや】く稀れにして,漏 頻に轉じ,何處にか輪臺 聲怨す。

香 閣掩い,杏花の紅,月明く 楊柳 風す。

錦字を挑げ,情事を記し,惟だ願う 兩つながらの心 相い似る。

淚 語を收め,燈を背にして眠り,玉釵 枕邊に橫わる。

 

其二

(秋の夜長に時を告げる、女の侘しさを詠う。)その二

春夜闌,更漏促,金燼暗挑殘燭。

春の短い夜も半ば過ぎ、時の流れは急いで過ぎてゆく、金で飾った燭台の灯芯の燃えさしをかき立てるだけだ。

驚夢斷,錦屏深,兩明月心。

彼男との夢めみることから覚めおどろく、錦のきれいな屏風のおくの閏にも、同じ月明かりが照らしているはずなのに、離れ離れに暮らす二人の心は別々になってしまった。

閨艸碧,望歸客,還是不知消息。

春も進み、閏の外青草が茂り、青の人の帰りを望んでいるけれど、今もなお消息は知れない。

辜負我,悔憐君,告天天不聞。

私を裏切ったあの人に、情を捧げたことが悔やまれてならない。天に告げてみたけれど天は答えてくれなくてなにも聞えない。

其二

春夜 闌【たけなわ】,更漏 促し,金燼【きんじん】暗く 殘燭を挑【かか】ぐ。

驚夢 斷え,錦屏 深く,兩 明月の心。

閨艸 碧に,歸客を望み,還お 是れ消息を知らず。

我に辜負【こふ】す,君を憐れみしを悔い,天に告ぐるも天は聞かず。

 

 

其三

南浦情,紅粉淚,爭柰兩人深意。

低翠黛,卷征衣,馬嘶霜葉飛。

招手別,寸腸結,還是去年時節。

書托鴈,夢歸家,覺來江月斜。

美女画55101道観

 

『更漏子三首 其二』 現代語訳と訳註

(本文)

更漏子三首 其二

春夜闌,更漏促,金燼暗挑殘燭。

驚夢斷,錦屏深,兩明月心。

閨艸碧,望歸客,還是不知消息。

辜負我,悔憐君,告天天不聞。

 

 

(下し文)

其二

春夜 闌【たけなわ】,更漏 促し,金燼【きんじん】暗く 殘燭を挑【かか】ぐ。

驚夢 斷え,錦屏 深く,兩 明月の心。

閨艸 碧に,歸客を望み,還お 是れ消息を知らず。

我に辜負【こふ】す,君を憐れみしを悔い,天に告ぐるも天は聞かず。

 

 

(現代語訳)

(秋の夜長に時を告げる、女の侘しさを詠う。)その二

春の短い夜も半ば過ぎ、時の流れは急いで過ぎてゆく、金で飾った燭台の灯芯の燃えさしをかき立てるだけだ。

彼男との夢めみることから覚めおどろく、錦のきれいな屏風のおくの閏にも、同じ月明かりが照らしているはずなのに、離れ離れに暮らす二人の心は別々になってしまった。

春も進み、閏の外青草が茂り、青の人の帰りを望んでいるけれど、今もなお消息は知れない。

私を裏切ったあの人に、情を捧げたことが悔やまれてならない。天に告げてみたけれど天は答えてくれなくてなにも聞えない。

 

 

(訳注)

更漏子三首 其二

(春の短い夜に夢からさめ、女の侘しさを詠う。)その二

約束を破った男を恨む詞。前段は春の夜半過ぎに目が覚めた時の様子を詠じる。後段は夜明けの後、高殿から男の帰りを待ち望んでも消息知れずで、不安な男を愛したことを後悔し、天に男の不実を訴えるが、天は耳を傾けてくれぬと、天に対する恨みを述べる。

 

春夜闌,更漏促,金燼暗挑殘燭。

春の短い夜も半ば過ぎ、時の流れは急いで過ぎてゆく、金で飾った燭台の灯芯の燃えさしをかき立てるだけだ。

○春夜闌 春の真夜中過ぎ。春の一番良い時期を過ぎてしまうこと。闌は盛りを過ぎるの意。

○更漏促 春の夜は短く、その上時間が早く経過すること。更漏は水時計。ここでは時間、春が過ぎ去ることを意味する。

○金燼暗挑殘燭 暗くなった灯火の芯の燃えさしをかき立てる。女の若さをかき立てること。挑はかき立てる。

 

驚夢斷,錦屏深,兩明月心。

彼男との夢めみることから覚めおどろく、錦のきれいな屏風のおくの閏にも、同じ月明かりが照らしているはずなのに、離れ離れに暮らす二人の心は別々になってしまった。

○驚夢断 男との良かったころを夢見ることから、はっと夢が覚め、おどろくこと。

〇両郷明月心 同じ月明かりが照らしているはずなのに、離れ離れに暮らす二人の心は別々になってしまったこと。

 

閨艸碧,望歸客,還是不知消息。

春も進み、閏の外青草が茂り、青の人の帰りを望んでいるけれど、今もなお消息は知れない。

○帰客 帰り来る旅人。ここでは女が帰りを待ちち望んでいる男を指す。

○還是 相変わらず、今もなお。

 

辜負我,悔憐君,告天天不聞。

私を裏切ったあの人に、情を捧げたことが悔やまれてならない。天に告げてみたけれど天は答えてくれなくてなにも聞えない。

○辜負 背く、裏切る。

○憐 愛惜を注ぐ。
杏の花001