更漏子三首 其三 牛嶠 招いていた手でそのまま別れ、少しの間ではあったものの結ばれたのです。またここを去って、歳を重ねこの季節になる。書簡を雁に託してみた。夢ではこの家に帰ってきた。でも夢が覚めると、月は傾きかけているけれど大江に來てしまう。

 

2013年10月23日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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更漏子三首

其一

(秋の夜長に時を告げる、女の侘しさを詠う。)その一

星漸稀,漏頻轉,何處輪臺聲怨。

星屑の空もようやく疎らになってきて、時を告げるのもしきりに転じてきた。あの人はどこの高楼に通っているのか、車輪の声が怨みに思うのです。

香閣掩,杏花紅,月明楊柳風。

もう、お香をたいていて楼閣を被っている、杏の花はこんな夜でも紅を保っていたものです。月は明るく照らし、男と女は楊柳となったのです。そして、そこに風が通り抜けたのです。

挑錦字,記情事,惟願兩心相似。

すぐれて美しい詩句をかかげて示され、そして、心の思いを書き記してくれたものです。ただこの二人の心が互いに似ていることを願ったのです。

收淚語,背燈眠,玉釵橫枕邊。

涕とあの人への言葉を収め、一人で燈火を背に横になるのです。あの人にもらった耀く簪も枕の傍においてしまっている。

更漏子【こうろうし】三首 其の一

星 漸【ようや】く稀れにして,漏 頻に轉じ,何處にか輪臺 聲怨す。

香 閣掩い,杏花の紅,月明く 楊柳 風す。

錦字を挑げ,情事を記し,惟だ願う 兩つながらの心 相い似る。

淚 語を收め,燈を背にして眠り,玉釵 枕邊に橫わる。

 

其二

(秋の夜長に時を告げる、女の侘しさを詠う。)その二

春夜闌,更漏促,金燼暗挑殘燭。

春の短い夜も半ば過ぎ、時の流れは急いで過ぎてゆく、金で飾った燭台の灯芯の燃えさしをかき立てるだけだ。

驚夢斷,錦屏深,兩明月心。

彼男との夢めみることから覚めおどろく、錦のきれいな屏風のおくの閏にも、同じ月明かりが照らしているはずなのに、離れ離れに暮らす二人の心は別々になってしまった。

閨艸碧,望歸客,還是不知消息。

春も進み、閏の外青草が茂り、青の人の帰りを望んでいるけれど、今もなお消息は知れない。

辜負我,悔憐君,告天天不聞。

私を裏切ったあの人に、情を捧げたことが悔やまれてならない。天に告げてみたけれど天は答えてくれなくてなにも聞えない。

其二

春夜 闌【たけなわ】,更漏 促し,金燼【きんじん】暗く 殘燭を挑【かか】ぐ。

驚夢 斷え,錦屏 深く,兩 明月の心。

閨艸 碧に,歸客を望み,還お 是れ消息を知らず。

我に辜負【こふ】す,君を憐れみしを悔い,天に告ぐるも天は聞かず。

 

 

更漏子三首 其三

(春の短い夜に夢からさめ、女の侘しさを詠う。)その三

南浦情,紅粉淚,爭柰兩人深意。

別れは南の港で思いが残っている、赤い頬に白粉に涙がつたう、争い鵜は何だったのだろうか、この二人の意識が深まるばかりである。

低翠黛,卷征衣,馬嘶霜葉飛。

女は憂いでみどりの眉を深くし、男は旅装を身に着け、馬が嘶き朝未だ来ない別れに春一番に霜と葉が飛ぶ。

招手別,寸腸結,還是去年時節。

招いていた手でそのまま別れ、少しの間ではあったものの結ばれた。またここを去って、歳を重ねこの季節になる。

書托鴈,夢歸家,覺來江月斜。

書簡を雁に託してみた。夢ではこの家に帰ってきた。でも夢が覚めると、月は傾きかけているけれど大江に來てしまう。

 

(更漏子 三首 其の三)

南浦 情あり,紅粉 淚し,柰を爭うて 兩人 意を深くす。

翠黛を低くして,征衣を卷き,馬は嘶き 霜葉 飛ぶ。

手を招いて別れ,寸腸 結び,還た是こ去りて年も時節なり。

書 鴈に托し,夢 家に歸り,覺めて 月斜めになるも江に來る。

木蓮001
 

『更漏子三首 其三』 現代語訳と訳註

(本文)


更漏子三首 其三

南浦情,紅粉淚,爭柰兩人深意。

低翠黛,卷征衣,馬嘶霜葉飛。

招手別,寸腸結,還是去年時節。

書托鴈,夢歸家,覺來江月斜。

 

 

(下し文)

(更漏子 三首 其の三)

南浦 情あり,紅粉 淚し,柰を爭うて 兩人 意を深くす。

翠黛を低くして,征衣を卷き,馬は嘶き 霜葉 飛ぶ。

手を招いて別れ,寸腸 結び,還た是こ去りて年も時節なり。

書 鴈に托し,夢 家に歸り,覺めて 月斜めになるも江に來る。

 

美女004

 

 

(現代語訳)

(春の短い夜に夢からさめ、女の侘しさを詠う。)その三

別れは南の港で思いが残っている、赤い頬に白粉に涙がつたう、争い鵜は何だったのだろうか、この二人の意識が深まるばかりである。

女は憂いでみどりの眉を深くし、男は旅装を身に着け、馬が嘶き朝未だ来ない別れに春一番に霜と葉が飛ぶ。

招いていた手でそのまま別れ、少しの間ではあったものの結ばれた。またここを去って、歳を重ねこの季節になる。

書簡を雁に託してみた。夢ではこの家に帰ってきた。でも夢が覚めると、月は傾きかけているけれど大江に來てしまう。

 

 

(訳注)

更漏子三首 其三

(春の短い夜に夢からさめ、女の侘しさを詠う。)その三

旅だった男を恨む詞。前段は春の夜半過ぎに目が覚めた時の様子を詠じる。

 

 

南浦情,紅粉淚,爭柰兩人深意。

別れは南の港で思いが残っている、赤い頬に白粉に涙がつたう、争い鵜は何だったのだろうか、この二人の意識が深まるばかりである。

○南浦 南の入り江の津。船で行く男を見送る別離の場を象徴する。長江下流域の江南の港、浙江省、会稽、紹興をいう。春から初夏への経過を感じさせ、女盛りを過ぎようとする時間経過も感じさせる。下句の「西風」で完全に別れてしまったことを感じさせるものである。

牛嶠『感恩多二首』其二

自從南浦別,愁見丁香結。

近來情轉深,憶鴛衾。

幾度將書托煙鴈,淚盈襟。

淚盈襟,禮月求天,願君知我心。

温庭筠『荷葉杯』其三 

楚女欲歸南浦,朝雨,濕愁紅。

小船搖漾入花裏,波起,隔西風。・南浦 

荷葉盃 三首 其三 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-306-5-#60  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3077

 

 

低翠黛,卷征衣,馬嘶霜葉飛。

女は憂いでみどりの眉を深くし、男は旅装を身に着け、馬が嘶き朝未だ来ない別れに春一番に霜と葉が飛ぶ。

○征衣 1 旅に出るときの服装。旅装。2 兵士が戦争に行くときの服装。

 

招手別,寸腸結,還是去年時節。

招いていた手でそのまま別れ、少しの間ではあったものの結ばれた。またここを去って、歳を重ねこの季節になる。

 

書托鴈,夢歸家,覺來江月斜。

書簡を雁に託してみた。夢ではこの家に帰ってきた。でも夢が覚めると、月は傾きかけているけれど大江に來てしまう。
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更漏子三首 其三 牛嶠【ぎゅうきょう】  Ⅹ