牛嶠《菩薩蠻七首 其一》 門の外は春もさかり、柳の架は舞い飛ぶのに、あのひとは未だに帰って来ることはないのです。待つ身の侘しさで愁いは涙をさそい、くずれた化粧を直します。眉は春山の翠のように整えるのです。

 

2013年10月26日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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菩薩蠻七首 其一

(辺境に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。)

舞裙香暖金泥鳳,畫梁語鷰驚殘夢。

舞いに着るのスカートは香しく金泥の鳳模様がきれい、塗りの梁の上の燕が鳴き交わすと名残りの夢は破られる思いになってしまう。

門外柳花飛,玉郎猶未歸。

門の外は春もさかり、柳の架は舞い飛ぶのに、あのひとは未だに帰って来ることはないのです。

愁勻紅粉淚,眉剪春山翠。

待つ身の侘しさで愁いは涙をさそい、くずれた化粧を直します。眉は春山の翠のように整えるのです。

何處是遼陽,錦屏春晝長。

あの人がいるという遼陽は何処なのでしょう、ここの錦屏風の閨の内には春の昼はただ長くなってゆくのです。

 

其二

柳花飛處鶯聲急,暗街春色香車立。

金鳳小簾開,臉波和恨來。

今宵求夢想,難到青樓上。

贏得一場愁,鴛衾誰並頭。

 

其三

玉釵風動春幡急,交枝紅杏籠煙泣。

樓上望卿卿,寒新雨晴。

薰爐蒙翠被,繡帳鴛鴦睡。

何處有相知,羨他初畫眉。

 

其四

畫屏重疊巫陽翠,楚神尚有行雲意。

朝暮幾般心,向他情漫深。

風流今古隔,虛作瞿塘客。

山月照山花,夢迴燈影斜。

 

其五

風簾鷰舞鶯啼柳,粧臺約鬢低纖手。

釵重髻盤珊,一枝紅牡丹。

門前行樂客,白馬嘶春色。

故故墜金鞭,迴頭應眼穿。

 

其六

綠雲鬢上飛金雀,愁眉斂翠春煙薄。

香閣掩芙蓉,畫屏山幾重。

寒天欲曙,猶結同心苣。

啼粉羅衣,問郎何日歸。

 

其七

玉樓冰簟鴛鴦錦,粉融香汗流山枕。

簾外轆轤聲,斂眉含笑驚。

柳陰煙漠漠,低鬢蟬釵落。

須作一生拚,盡君今日歡。

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『菩薩蠻七首 其一』 現代語訳と訳註

(本文)

菩薩蠻七首

其一

舞裙香暖金泥鳳,畫梁語鷰驚殘夢。

門外柳花飛,玉郎猶未歸。

愁勻紅粉淚,眉剪春山翠。

何處是遼陽,錦屏春晝長。

 

(下し文)

(菩薩蠻七首 其の一)

舞裙 香 暖かく 金泥の鳳,畫梁【がりょう】語る鷰 殘夢を驚く。

門外 柳花 飛,玉郎 猶お未だ歸らず。

愁いて紅粉の淚を勻え,眉は春山の翠を剪る。

何處か 是れ遼陽なる,錦屏 春晝 長し。

 

 

(現代語訳)

(辺境に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。)

舞いに着るのスカートは香しく金泥の鳳模様がきれい、塗りの梁の上の燕が鳴き交わすと名残りの夢は破られる思いになってしまう。

門の外は春もさかり、柳の架は舞い飛ぶのに、あのひとは未だに帰って来ることはないのです。

待つ身の侘しさで愁いは涙をさそい、くずれた化粧を直します。眉は春山の翠のように整えるのです。

あの人がいるという遼陽は何処なのでしょう、ここの錦屏風の閨の内には春の昼はただ長くなってゆくのです。

 

 

(訳注)

菩薩蠻七首 其一

(辺境に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。)

唐教坊の曲名。『花間集』41首、温庭筠14首、韋荘5首、牛嶠7首収められている。双調四十四字、前段二十四字四句二仄韻二平韻、後段二十字四句二仄韻二平韻で、❼❼⑤⑤/❺❺⑤⑤の詞形をとる。

辺境に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。末旬は、遙かな男へ思いを馳せ、屏風の陰に引き籠もり、遅々として進まぬ春の日長の所在なさについて語る。

 

舞裙香暖金泥鳳,畫梁語鷰驚殘夢。

舞いに着るのスカートは香しく金泥の鳳模様がきれい、塗りの梁の上の燕が鳴き交わすと名残りの夢は破られる思いになってしまう。

○春暖 薫きしめた香の香りが暖かく感じられる。

 

門外柳花飛,玉郎猶未歸。

門の外は春もさかり、柳の架は舞い飛ぶのに、あのひとは未だに帰って来ることはないのです。

○柳花 綿毛の生えた柳の種。

○玉郎 美男。ここでは愛しい男の意。

 

愁勻紅粉淚,眉剪春山翠。

待つ身の侘しさで愁いは涙をさそい、くずれた化粧を直します。眉は春山の翠のように整えるのです。

○春山 女件の美しい眉を言う。皿 「菩薩蛮」 の 「眉黛遠山緑」 の注参照。

 

何處是遼陽,錦屏春晝長。

あの人がいるという遼陽は何処なのでしょう、ここの錦屏風の閨の内には春の昼はただ長くなってゆくのです。

○遼陽 遼寧省南部遼陽。古代より軍事上の重要都市でああった。
李清照0055