牛嶠《菩薩蠻七首 其三》 高樓の上に上がって「卿卿(キョウキョウ)」としたあの人のいる方を望んでみるのです。でも実際には、この窓辺にはもう秋も深まり、雨から晴れに変わり気持ちも新たになるのです。

 

2013年10月28日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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菩薩蠻七首 其一

(辺境に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。)

舞裙香暖金泥鳳,畫梁語鷰驚殘夢。

舞いに着るのスカートは香しく金泥の鳳模様がきれい、塗りの梁の上の燕が鳴き交わすと名残りの夢は破られる思いになってしまう。

門外柳花飛,玉郎猶未歸。

門の外は春もさかり、柳の架は舞い飛ぶのに、あのひとは未だに帰って来ることはないのです。

愁勻紅粉淚,眉剪春山翠。

待つ身の侘しさで愁いは涙をさそい、くずれた化粧を直します。眉は春山の翠のように整えるのです。

何處是遼陽,錦屏春晝長。

あの人がいるという遼陽は何処なのでしょう、ここの錦屏風の閨の内には春の昼はただ長くなってゆくのです。

(菩薩蠻七首 其の一)

舞裙 香 暖かく 金泥の鳳,畫梁【がりょう】語る鷰 殘夢を驚く。

門外 柳花 飛,玉郎 猶お未だ歸らず。

愁いて紅粉の淚を勻え,眉は春山の翠を剪る。

何處か 是れ遼陽なる,錦屏 春晝 長し。

 

其二

(旅に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。)その二

柳花飛處鶯聲急,暗街春色香車立。

柳絮が飛びが飛び交うところには春を告げる鶯も行く春を惜しんで急いでいる。夕方の薄暗さが暗くなっていく春の景色もすっかり進んだ日に香をたきこめた御車が旅立っていく。

金鳳小簾開,臉波和恨來。

金の鳳凰の刺繍の小窓のカーテンを開いて見送る。まぶたに溢れる涙の後には少しづつ怨みの気持ちがやってくる。

今宵求夢想,難到青樓上。

今宵からは夢の中であの人のことを思い浮かべる。もうあの人を見送った東の楼閣に昇って過ごすことなどできないのだ、

贏得一場愁,鴛衾誰並頭。

ここの場所では愁いが追加されてくるばかり、鴛鴦の布団に誰が並んで頭を並べてくれるのでしょう。

(其の二)

柳花 飛ぶ處 鶯聲急なり,暗き街 春色 香車立つ。

金鳳 小簾開き,臉波 和みて恨み來る。

今宵 夢想を求め,青樓の上に到れ難し。

贏得【えいとく】 一場愁い,鴛衾【おうきん】 誰ぞ頭を並べん。

 

其三

(どこにいるかわからない人のことは忘れて新たな気持ちになろうと女の情を詠う。)その三

玉釵風動春幡急,交枝紅杏籠煙泣。

奇麗に輝く簪が蚊座に揺れていて、春の季節の旗が大きくなびく。杏の花がいっぱいの木の枝が交差していて、これからもっと草木が生繁し、匂いがひろがり、春の緑の煙霞に包まれた風景の中で涙するのです。

樓上望卿卿,寒新雨晴。

高樓の上に上がって「卿卿(キョウキョウ)」としたあの人のいる方を望んでみるのです。でも実際には、この窓辺にはもう秋も深まり、雨から晴れに変わり気持ちも新たになるのです。

薰爐蒙翠被,繡帳鴛鴦睡。

夕刻から香炉で薫じて閨に広がり、翡翠の扇がかぶさるようにあり、刺繍のとばりには、鴛鴦が眠っている。

何處有相知,羨他初畫眉。

女は青の人がどこに行っているのかはわからないのです。ほかの女の人には彼氏が来ているのがとてもうらやましいと思っているばかりではどうしようもないので、初めての形の眉を書いてみるのです。

 

(其の三)

玉釵 風動き春幡急なり,交枝 紅杏 籠煙り泣く。

樓上 望み卿卿,寒 新らたに雨晴る。

薰爐 蒙翠被り,繡帳 鴛鴦の睡。

何處にか 相い知る有る,他を羨む初めて眉を畫く。

 

其四

畫屏重疊巫陽翠,楚神尚有行雲意。

朝暮幾般心,向他情漫深。

風流今古隔,虛作瞿塘客。

山月照山花,夢迴燈影斜。

 

其五

風簾鷰舞鶯啼柳,粧臺約鬢低纖手。

釵重髻盤珊,一枝紅牡丹。

門前行樂客,白馬嘶春色。

故故墜金鞭,迴頭應眼穿。

 

其六

綠雲鬢上飛金雀,愁眉斂翠春煙薄。

香閣掩芙蓉,畫屏山幾重。

寒天欲曙,猶結同心苣。

啼粉羅衣,問郎何日歸。

 

其七

玉樓冰簟鴛鴦錦,粉融香汗流山枕。

簾外轆轤聲,斂眉含笑驚。

柳陰煙漠漠,低鬢蟬釵落。

須作一生拚,盡君今日歡。

杏00紅白花00
 

 

『菩薩蠻七首 其二』 現代語訳と訳註

(本文)

菩薩蠻七首 其三

玉釵風動春幡急,交枝紅杏籠煙泣。

樓上望卿卿,寒新雨晴。

薰爐蒙翠被,繡帳鴛鴦睡。

何處有相知,羨他初畫眉。

 

 

 

(下し文)

(其の三)

玉釵 風動き春幡急なり,交枝 紅杏 籠煙り泣く。

樓上 望み卿卿,寒 新らたに雨晴る。

薰爐 蒙翠被り,繡帳 鴛鴦の睡。

何處にか 相い知る有る,他を羨む初めて眉を畫く。

 

 

(現代語訳)

(どこにいるかわからない人のことは忘れて新たな気持ちになろうと女の情を詠う。)その三

奇麗に輝く簪が蚊座に揺れていて、春の季節の旗が大きくなびく。杏の花がいっぱいの木の枝が交差していて、これからもっと草木が生繁し、匂いがひろがり、春の緑の煙霞に包まれた風景の中で涙するのです。

高樓の上に上がって「卿卿(キョウキョウ)」としたあの人のいる方を望んでみるのです。でも実際には、この窓辺にはもう秋も深まり、雨から晴れに変わり気持ちも新たになるのです。

夕刻から香炉で薫じて閨に広がり、翡翠の扇がかぶさるようにあり、刺繍のとばりには、鴛鴦が眠っている。

女は青の人がどこに行っているのかはわからないのです。ほかの女の人には彼氏が来ているのがとてもうらやましいと思っているばかりではどうしようもないので、初めての形の眉を書いてみるのです。

 

 

(訳注)

菩薩蠻七首 其三

(どこにいるかわからない人のことは忘れて新たな気持ちになろうと女の情を詠う。)その三

唐教坊の曲名。『花間集』41首、温庭筠14首、韋荘5首、牛嶠7首収められている。双調四十四字、前段二十四字四句二仄韻二平韻、後段二十字四句二仄韻二平韻で、❼❼⑤⑤/❺❺⑤⑤の詞形をとる。

閨には思い出のものがあるだけ、この春にはあの人は来てくれなかった。何処に行っているかわからない人のことは忘れて新たな気持ちになろうと女の情を詠う。

 

玉釵風動春幡急,交枝紅杏籠煙泣。

奇麗に輝く簪が蚊座に揺れていて、春の季節の旗が大きくなびく。杏の花がいっぱいの木の枝が交差していて、これからもっと草木が生繁し、匂いがひろがり、春の緑の煙霞に包まれた風景の中で涙するのです。

・籠煙 歓楽街の周囲に柳が植えてあり、冬の間に枝の実のようすを籠と表現する。それが、これから草木が生繁る頃がすなわち匂うがごとき春の緑の煙霞に包まれた風景なのだろう。そこには陰陽判じがたい中に宿る生命の気配を感じることができる。

*春になっても男が来てくれない、簪を揺らした風が春の旗を揺らし、杏の花籠

 

樓上望卿卿,寒新雨晴。

高樓の上に上がって「卿卿(キョウキョウ)」としたあの人のいる方を望んでみるのです。でも実際には、この窓辺にはもう秋も深まり、雨から晴れに変わり気持ちも新たになるのです。

・卿卿 貴人と逢ってうれしい状況を云う。男女の情事の際の声を意味する。

 は窗、窓で晩秋の窓を云う。窓を寒いと感じ愧じるころの窓を云う。

 

薰爐蒙翠被,繡帳鴛鴦睡。

夕刻から香炉で薫じて閨に広がり、翡翠の扇がかぶさるようにあり、刺繍のとばりには、鴛鴦が眠っている。

・蒙 1 おおう。かぶさる。こうむる。「蒙塵(もうじん)・蒙霧」2 くらい。物知らずで道理が わからない。「

 

何處有相知,羨他初畫眉。

女は青の人がどこに行っているのかはわからないのです。ほかの女の人には彼氏が来ているのがとてもうらやましいと思っているばかりではどうしようもないので、初めての形の眉を書いてみるのです。
杏の花001