定西番 牛嶠 紫色の辺地の土塁、万里長城、千里にわたって月が明かるくてらす、鎧は凍りつき、物見櫓は寒くこごえる、見る夢だけは蓬か都の長安のことばかり。


定西番 牛嶠【ぎゅうきょう】  Ⅹ
唐五代詞・ 「花間集」 Gs-337-6-#24   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3232


2013年11月2日

 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ678 《送路六侍御入朝》 蜀中転々5P14 杜甫 <584>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3230 杜甫詩1000-584-840/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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定西番

(西域辺境守備・万里長城の兵士の望郷の念を詠う。)

紫塞月明千里,金甲冷,戍樓寒,夢長安。

紫色の辺地の土塁、万里長城、千里にわたって月が明かるくてらす、鎧は凍りつき、物見櫓は寒くこごえる、見る夢だけは蓬か都の長安のことばかり。

鄉思望中天闊,漏殘星亦殘。

故郷偲び望む空は果てしなくひろがっている、長い夜、見張りを続けていると、満天の星空も尽きかけて星もまばらになっている。

畫角數聲嗚咽,雪漫漫。

万里の長城国境守備隊の角笛は咽び泣き兵士も泣く。もう一面の雪の原に変わっていく。

 

(定西番)

紫塞 月 千里に明らかに,金甲 冷え,戍樓 寒く,長安を夢む。

思 望中 天 闊【はる】かに,漏 殘し 星も亦た殘す。

畫角 數聲 嗚咽【おえつ】し,雪 漫漫たり。

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『定西番』 現代語訳と訳註

(本文)

定西番

紫塞月明千里,金甲冷,戍樓寒,夢長安。

思望中天闊,漏殘星亦殘。

畫角數聲嗚咽,雪漫漫。

 

 

(下し文)

(定西番)

紫塞 月 千里に明らかに,金甲 冷え,戍樓 寒く,長安を夢む。

思 望中 天 闊【はる】かに,漏 殘し 星も亦た殘す。

畫角 數聲 嗚咽【おえつ】し,雪 漫漫たり。

 

 

(現代語訳)

(西域辺境守備・万里長城の兵士の望郷の念を詠う。)

紫色の辺地の土塁、万里長城、千里にわたって月が明かるくてらす、鎧は凍りつき、物見櫓は寒くこごえる、見る夢だけは蓬か都の長安のことばかり。

故郷偲び望む空は果てしなくひろがっている、長い夜、見張りを続けていると、満天の星空も尽きかけて星もまばらになっている。

万里の長城国境守備隊の角笛は咽び泣き兵士も泣く。もう一面の雪の原に変わっていく。

 

 

(訳注)

定西番

(西域辺境守備・万里長城の兵士の望郷の念を詠う。)

『花間集』 には牛嶠の作が一首収められている。双調三十五字、前段十五字四句二平韻、後段二十字四句二灰韻二平韻で、63③③/❻⑤❻③の詞形をとる。

国境の守備の実体験のないものが想像して詠う辺塞詩の内容である。西域辺境守備・万里長城の兵士の望郷の念を詠う。後段は、夢の覚めた後、空の果てなる故郷の方を望めば、既に夜明け間近で、星影も薄れて、角笛の音が咽び泣くように響き、大地は一面の雪に覆われていると、辺境の明け方の荒涼とした景色を描写する。唐教坊曲名。唐以降の中国王朝における宮廷に仕える楽人や妓女たちに宮廷音楽を教習させるための機関をさす。楽曲や歌舞の習得を主な目的とするが、官妓にあたる妓女を統括する役割もあった。その後の王朝に引き継がれ、清代まで続いたが、雍正帝の時に廃止された。

『定西番』は宮廷で歌われたこの教坊曲である。

温庭筠『定西番』参照。

『定西番三首(一)』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-27-4-#5 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1724

『定西番三首』(二) 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-28-4-#6 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1728

『定西番三首』(三) 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-29-4-#7 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1732

 

 

紫塞月明千里,金甲冷,戍樓寒,夢長安。

紫色の辺地の土塁、万里長城、千里にわたって月が明かるくてらす、鎧は凍りつき、物見櫓は寒くこごえる、見る夢だけは蓬か都の長安のことばかり。

○紫塞 紫色の土で築いた砦。詩詞では万里の長城をさす。

○金甲 金属製の鎧。

○戊楼 物見櫓。

 

思望中天闊,漏殘星亦殘。

故郷偲び望む空は果てしなくひろがっている、長い夜、見張りを続けていると、満天の星空も尽きかけて星もまばらになっている。

○郷思望中天闊 故郷を偲んで望むと空は果てしなく広がる。

○漏残 ここでは夜が尽きかけることを言う。漏は水時計。残は損なわれる、さびれることであるが、満天の星空に対して空がしらじらしてきた様子を云う。物見やぐらでの見張りで夜通し起きている様子を云う。

 

畫角數聲嗚咽,雪漫漫。

万里の長城国境守備隊の角笛は咽び泣き兵士も泣く。もう一面の雪の原に変わっていく。

○画角 陣営などで合図のために吹き鳴らす胡笳の角笛の類。羌笛 青海地方にいた西方異民族(チベツト系)の吹く笛。ここでは万里の長城の国境守備隊の角笛を聞くこと。
『清溪半夜聞笛』李白
羌笛梅花引、溪隴水情。
寒山秋浦月、腸斷玉關聲。

李白70清溪半夜聞笛 71秋浦歌十七首 其二 72清溪行 73 宿清溪主人

韋荘「江城子二首 其二」「更漏子」の「角聲」「角笛」 の注参照。

温庭筠『定西番 一』

漢使昔年離別,攀弱柳,折寒梅,上高台。

千裏玉關春雪,雁來人不來。

羌笛一聲愁,月徘徊。

『定西番三首()』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-27-4-#5 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1724

韋荘『江城子二首』其二

髻鬟狼藉黛眉長,出蘭房,別檀郎。

角聲嗚咽,星斗漸微茫。

露冷月殘人未起,留不住,淚千行。

104 江城子 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-296-5-#50  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3027

上川主武元衡相國 其二

東閣移尊綺席陳,貂簪龍節更宜春。

軍城畫角三聲歇,云幕初垂紅燭新。

上川主武元衡相國二首 其二 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-203-69-#63  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2562

○雪漫漫 見わたす限り一面の雪。

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