牛嶠《西溪子》壁に描かれた高堂の前に立ち、それでも話す人はなく語ることもない。琵琶の弦だけは独り言を理解してくれる。爪弾いた「昭君怨」の調べは閨の奥まで弾いてくるし、翡翠も、嫦娥も一人で暮らす愁いを持っている。これではあちこち男を探して頭を回らすこともできないのです。

 



2013年11月3日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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司馬相如《上林賦 》(32)― #11-2 文選 賦<110-#11-2>13分割40回 Ⅱ李白に影響を与えた詩937 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3233
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《晚秋郾城夜會聯句〔韓愈、李正封〕》(3)韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <850>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3234韓愈詩-220-#1-1
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ679 《泛江送客》 蜀中転々 杜甫 <585>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3235 杜甫詩1000-585-841/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ62  謝靈運(謝康楽) 《擬魏太子鄴中集詩八首 幷序》 魏詩  kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3236 (11/03)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor《西溪子》牛嶠【ぎゅうきょう】 ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」Gs-338-6-#25 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3237
 
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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《西溪子》牛嶠【ぎゅうきょう】 Ⅹ唐五代詞・「花間集」Gs-338-6-#25 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3237

 

 

西溪子

(政略やさだめとして一人になった宮女の思いを詠う)

捍撥雙盤金鳳,蟬鬢玉釵搖動。

綺麗に画かれた琵琶・阮咸の捍撥、二人で遊んだ盤双六、金鳳の簪があり、蝉の髪飾り、輝く宝飾の簪、風に揺れる。

畫堂前,人不語,弦解語。

壁に描かれた高堂の前に立ち、それでも話す人はなく語ることもない。琵琶の弦だけは独り言を理解してくれる。

彈到昭君怨處,翠蛾愁,不迴頭。

爪弾いた「昭君怨」の調べは閨の奥まで弾いてくるし、翡翠も、嫦娥も一人で暮らす愁いを持っている。これではあちこち男を探して頭を回らすこともできないのです。

(西溪子【せいけいし】)

捍撥【かんぱち】雙盤 金鳳あり,蟬鬢 玉釵 搖れ動く。

畫堂の前,人語らず,弦するは語を解す。

彈くは「昭君怨」の處に到り,翠・蛾も愁うなり,頭を迴わせざるなり。

花蕊夫人006
 

 

『西溪子』 現代語訳と訳註

(本文)

西溪子

捍撥雙盤金鳳,蟬鬢玉釵搖動。

畫堂前,人不語,弦解語。

彈到昭君怨處,翠蛾愁,不迴頭。

 

 

(下し文)

(西溪子【せいけいし】)

捍撥【かんぱち】雙盤 金鳳あり,蟬鬢 玉釵 搖れ動く。

畫堂の前,人語らず,弦するは語を解す。

彈くは「昭君怨」の處に到り,翠・蛾も愁うなり,頭を迴わせざるなり。

 

 

(現代語訳)

(政略やさだめとして一人になった宮女の思いを詠う)

綺麗に画かれた琵琶・阮咸の捍撥、二人で遊んだ盤双六、金鳳の簪があり、蝉の髪飾り、輝く宝飾の簪、風に揺れる。

壁に描かれた高堂の前に立ち、それでも話す人はなく語ることもない。琵琶の弦だけは独り言を理解してくれる。

爪弾いた「昭君怨」の調べは閨の奥まで弾いてくるし、翡翠も、嫦娥も一人で暮らす愁いを持っている。これではあちこち男を探して頭を回らすこともできないのです。

 

 

(訳注)

西溪子

(政略やさだめとして一人になった宮女の思いを詠う)

『花間集』には三首所収され、牛嶠の作が一首収められている。双調三十五字、前段十五字四句二平韻、後段二十字四句二灰韻二平韻で、❻❻/3③③6❸❸の詞形をとる。

 

 

捍撥雙盤金鳳,蟬鬢玉釵搖動。

綺麗に画かれた琵琶・阮咸の捍撥、二人で遊んだ盤双六、金鳳の簪があり、蝉の髪飾り、輝く宝飾の簪、風に揺れる。

・捍撥【かんぱち】 琵琶や阮咸(げんかん)などの楽器を捍撥という。すなわち撥のあたる皮張りの表面に濃彩画があるもの。

・雙盤 盤双六(ばんすごろく)と後世に発生して単に「双六」と称した絵双六(えすごろく)の2種類があった。

 

畫堂前,人不語,弦解語。

壁に描かれた高堂の前に立ち、それでも話す人はなく語ることもない。琵琶の弦だけは独り言を理解してくれる。

 

彈到昭君怨處,翠蛾愁,不迴頭。

爪弾いた「昭君怨」の調べは閨の奥まで弾いてくるし、翡翠も、嫦娥も一人で暮らす愁いを持っている。これではあちこち男を探して頭を回らすこともできないのです。

・昭君怨 王昭君の詠った詩題、ここでは筝曲であり、王昭君:前漢の元帝の宮女。竟寧元年(紀元前33年)、匈奴との和親のため、呼韓邪単于に嫁し、「寧胡閼氏」としてその地で没した。名は檣。ともするが、『漢書・元帝紀』では前者「檣」。昭君は字。明君、明妃は、「昭」字をさけたための晋以降の称。

・翠蛾 翡翠は鳥の雄の「赤」を表わし”翠”は雌の「緑」を表わしているが、ここに言う翠はメス、女、蛾は嫦娥も一人で過ごす女。嫦娥 神話中の女性。神話の英雄、羿(がい)が西方極遠の地に存在する理想国西王母の国の仙女にお願いしてもらった不死の霊薬を、その妻の嫦娥がぬすみ飲み、急に身軽くなって月世界まで飛びあがり月姫となった。漢の劉安の「淮南子」覧冥訓に登場する。なお、魯迅(1881l936)にこの神話を小説化した「羿月」がいげつと題する小説がある。

李白 把酒問月

把酒問月、故人賈淳令余問之。

靑天有月來幾時,我今停杯一問之。

人攀明月不可得,月行卻與人相隨。

皎如飛鏡臨丹闕,綠煙滅盡淸輝發。

但見宵從海上來,寧知曉向雲閒沒。

白兔搗藥秋復春,嫦娥孤棲與誰鄰。

今人不見古時月,今月曾經照古人。

古人今人若流水,共看明月皆如此。

唯願當歌對酒時,月光長照金樽裏。

月下獨酌四首 其四

 

李商隠『嫦娥』 

雲母屏風燭影深、長河漸落暁星沈。

嫦娥應悔倫塞薬、碧海青天夜夜心。

李商隠 『嫦娥』 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集約130首 詩の背景1.道教 2.芸妓 3.嫦娥と李商隠

 

菜の花001