張泌《浣渓沙 十首 其二》 少し早く起き出し、ここを出て門を出ると、涙があふれて有明けの月を見上げると長く帯のようににじんで見えたのです。あの人とは「袂を分かつ」したのですが、また、夜長の秋を過すことを堪えるだけなのです。夕方の風が抜けてゆき、日が傾いて風流な景色なのに、この愁いに勝るものはないのです。

 

2013年11月5日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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司馬相如 《上林賦 》(34)― #11-4 文選 賦<110-#11-4>13分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩939 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3243
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《晚秋郾城夜會聯句〔韓愈、李正封〕》(5)-#3韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <852>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3244韓愈詩-220-#3
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ681 《望牛頭寺》 蜀中転々18 杜甫 <587>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3245 杜甫詩1000-587-843/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ64  謝靈運(謝康楽) 《擬魏太子鄴中集詩八首 王粲》 魏詩  kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3246 (11/05)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor浣渓沙 十首 其二 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-340-7-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3247
 
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浣渓沙 十首 其二 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ

唐五代詞・ 「花間集」 Gs-340-7-#2   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3247

 

 

浣溪沙十首

其一

(男の旅立ちを見送る女性の情を詠う。)
鈿轂香車過柳堤,樺煙分處馬頻嘶,為他沉醉不成泥。

螺鈿の車は柳の堤の道を進み行きます。樺の灯火の煙は漂い、別れに当たりあの人の馬がしきりに噺くのです。あの人が旅に出ると思うと他の時と違い深酔いするのにどうしても意識は確かなのです。

花滿驛亭香露細,杜鵑聲斷玉蟾低,含情無語倚樓西。

駅亭に花は咲き満ちていて、香しき夜の露は細やかなものです。月は傾きて杜鵑の声途絶え、思いを秘めて言葉なく西にむかったあのひとを高殿に身を寄せておもうのです。

 

(浣溪沙十首 其の一)

鈿轂【でんこく】香車 過柳堤をぐ,樺煙【かえん】分かるる處 馬 頻りに嘶く,他が為に沉醉するも泥を成さず。

花は驛亭に滿ち 香露 細やかなり,杜鵑 聲 斷え 玉蟾【ぎょくぜん】低し,情を含んで語ること無く 樓西に倚る。

 

 

浣溪沙十首其二

(楽しかった日々に別れ、その人を夜明け前に帰っていく人の中に見つけた女の思いを詠う。)

馬上凝情憶舊遊,照花淹竹小溪流,鈿箏羅幕玉搔頭。

あの人が帰っていく、離れがたい気持ちで離れていく姿を追ったものだ。そして、楽しい日々のことを思い起こしたものです、それは、咲き誇る花に朝日に照らされ、竹林の小路に入っていくと、小川が流れているところで、黄金細工で飾られた琴が奏でられ、薄い幔幕の内に紙をかき乱すほど愛されたのです。

早是出門長帶月,可堪分袂又經秋,晚風斜日不勝愁。

少し早く起き出し、ここを出て門を出ると、涙があふれて有明けの月を見上げると長く帯のようににじんで見えたのです。あの人とは「袂を分かつ」したのですが、また、夜長の秋を過すことを堪えるだけなのです。夕方の風が抜けてゆき、日が傾いて風流な景色なのに、この愁いに勝るものはないのです。

(浣溪沙十首其の二)

馬上 凝情 舊遊を憶い,照花 淹竹 小溪の流れ,鈿箏 羅幕 玉として頭を搔く。

早に是こに出門 月も長帶たり,堪える可し 袂を分ち 又た秋も經るを,晚風 斜日 愁に勝らず。

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『浣溪沙十首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣溪沙十首其二

馬上凝情憶舊遊,照花淹竹小溪流,鈿箏羅幕玉搔頭。

早是出門長帶月,可堪分袂又經秋,晚風斜日不勝愁。

 

 

(下し文)

(浣溪沙十首其の二)

馬上 凝情 舊遊を憶い,照花 淹竹 小溪の流れ,鈿箏 羅幕 玉として頭を搔く。

早に是こに出門 月も長帶たり,堪える可し 袂を分ち 又た秋も經るを,晚風 斜日 愁に勝らず。

 

 

(現代語訳)

(楽しかった日々に別れ、その人を夜明け前に帰っていく人の中に見つけた女の思いを詠う。)

あの人が帰っていく、離れがたい気持ちで離れていく姿を追ったものだ。そして、楽しい日々のことを思い起こしたものです、それは、咲き誇る花に朝日に照らされ、竹林の小路に入っていくと、小川が流れているところで、黄金細工で飾られた琴が奏でられ、薄い幔幕の内に紙をかき乱すほど愛されたのです。

少し早く起き出し、ここを出て門を出ると、涙があふれて有明けの月を見上げると長く帯のようににじんで見えたのです。あの人とは「袂を分かつ」したのですが、また、夜長の秋を過すことを堪えるだけなのです。夕方の風が抜けてゆき、日が傾いて風流な景色なのに、この愁いに勝るものはないのです。

 

 

(訳注)

浣溪沙十首 其二

(楽しかった日々に別れ、その人を夜明け前に帰っていく人の中に見つけた女の思いを詠う。)

 

馬上凝情憶舊遊,照花淹竹小溪流,鈿箏羅幕玉搔頭。

あの人が帰っていく、離れがたい気持ちで離れていく姿を追ったものだ。そして、楽しい日々のことを思い起こしたものです、それは、咲き誇る花に朝日に照らされ、竹林の小路に入っていくと、小川が流れているところで、黄金細工で飾られた琴が奏でられ、薄い幔幕の内に紙をかき乱すほど愛されたのです。

・淹竹 小路竹藪に引き込まれる景色。

・鈿箏 箏では柱(じ)と呼ばれる可動式の支柱で弦の音程を調節する。立て琴。箏類の一種で撥弦楽器。中国太古からあって,琴とともに奏されたため〈琴瑟相和す〉の語源となった。構造は箏と同様であるが,弦数は多い。25弦が普通の型。

 

 

早是出門長帶月,可堪分袂又經秋,晚風斜日不勝愁。

少し早く起き出し、ここを出て門を出ると、涙があふれて有明けの月を見上げると長く帯のようににじんで見えたのです。あの人とは「袂を分かつ」したのですが、また、夜長の秋を過すことを堪えるだけなのです。夕方の風が抜けてゆき、日が傾いて風流な景色なのに、この愁いに勝るものはないのです。

・早是出門 夜も眠れず起き出して門を出る。夜明け前に男はこの門を出るので、もしかしたら、あの人を見つけることが出来るかもしれないと思ったのだ。

・長帶月 涙をためたままで月を見るので帯状の月に見えてしまう。有明けの月は、月の後半下弦の月をすぎた頃の月(名残月)だろう。

・晚風斜日 「照花淹竹小溪流」に風が吹き、斜めに日が射すのは風流の極みのはずである。でもそれは愁いの方が勝っているということ。
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