張泌《浣渓沙 十首 其五》春の細雨は中庭には春なのに寂しさと空しさが広がり、ツバメが飛び交い、鶯が春を告げているのにすだれの檻のながで隔離されているようなものだ。杏の花は恨みを凝り固まるものであり、東の風に向かって門に倚りかかるだけなのだ。

2013年11月8日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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司馬相如《上林賦 》(37)―#13-1  文選 賦<110-#13-1>13分割41回 Ⅱ李白に影響を与えた詩942 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3258
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《晚秋郾城夜會聯句〔韓愈、李正封〕》(8)-#6韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <855>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3259韓愈詩-220-#6
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ684 《甘園》 蜀中転々 杜甫 <590>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3260 杜甫詩1000-590-846/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ67  謝靈運(謝康楽) 《擬魏太子鄴中集詩八首 劉楨》 魏詩  kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3261 (11/08)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor浣渓沙 十首 其五 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-343-7-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3262
 
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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浣渓沙 十首 其五 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ
唐五代詞・ 「花間集」 Gs-343-7-#5   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3262


春爛漫の美女007

浣渓沙 十首 其五

(春には帰って來ると約束して旅に出たまま帰ってこない男を待つ女を詠う)

翡翠屏開繡幄紅,謝娥無力曉粧慵,錦帷鴛被宿香濃。

閉ざされていた翡翠の屏風を開いたら、刺繍のあげばりの中に頬を赤くした人がいる。おしどりが画かれたにしきのとばりの内にも絲番重焚かれたお香が強くかおる。

微雨小庭春寂寞,鷰飛鶯語隔簾櫳,杏花凝恨倚東風。

春の細雨は中庭には春なのに寂しさと空しさが広がり、ツバメが飛び交い、鶯が春を告げているのにすだれの檻のながで隔離されているようなものだ。杏の花は恨みを凝り固まるものであり、東の風に向かって門に倚りかかるだけなのだ。

浣渓沙 十首 其の五

翡翠 屏開き 繡幄【しゅうあく】の紅,謝娥 力無く 曉粧の慵,錦帷 鴛被 宿香濃く。

微雨 小庭 春 寂寞たり,鷰飛 鶯語 簾櫳を隔ち,杏花 凝恨 東風に倚る。
 

『浣渓沙 十首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣渓沙 十首 其五

翡翠屏開繡幄紅,謝娥無力曉粧慵,錦帷鴛被宿香濃。

微雨小庭春寂寞,鷰飛鶯語隔簾櫳,杏花凝恨倚東風。
 

(下し文)

浣渓沙 十首 其の五

翡翠 屏開き 繡幄【しゅうあく】の紅,謝娥 力無く 曉粧の慵,錦帷 鴛被 宿香濃く。

微雨 小庭 春 寂寞たり,鷰飛 鶯語 簾櫳を隔ち,杏花 凝恨 東風に倚る。


(現代語訳)

(春には帰って來ると約束して旅に出たまま帰ってこない男を待つ女を詠う)

閉ざされていた翡翠の屏風を開いたら、刺繍のあげばりの中に頬を赤くした人がいる。おしどりが画かれたにしきのとばりの内にも絲番重焚かれたお香が強くかおる。

春の細雨は中庭には春なのに寂しさと空しさが広がり、ツバメが飛び交い、鶯が春を告げているのにすだれの檻のながで隔離されているようなものだ。杏の花は恨みを凝り固まるものであり、東の風に向かって門に倚りかかるだけなのだ。

 


(訳注)

浣渓沙 十首 其五

(春には帰って來ると約束して旅に出たまま帰ってこない男を待つ女を詠う)

世の中はすべて春を示しているのに、いつまで待っても帰ってこない。前段は男を待つ閨のようすを詠い、後段は、外部の景色様子を詠う。

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翡翠屏開繡幄紅,謝娥無力曉粧慵,錦帷鴛被宿香濃。

閉ざされていた翡翠の屏風を開いたら、刺繍のあげばりの中に頬を赤くした人がいる。おしどりが画かれたにしきのとばりの内にも絲番重焚かれたお香が強くかおる。

・幄 幄舎のこと。四隅に柱を立て、棟・檐(のき)を渡して布帛(ふはく)で覆った仮小屋。祭儀などのときに、臨時に庭に設けるもの。幄。幄の屋()。あげばり。


微雨小庭春寂寞,鷰飛鶯語隔簾櫳,杏花凝恨倚東風。

春の細雨は中庭には春なのに寂しさと空しさが広がり、ツバメが飛び交い、鶯が春を告げているのにすだれの檻のながで隔離されているようなものだ。杏の花は恨みを凝り固まるものであり、東の風に向かって門に倚りかかるだけなのだ。

・寂寞 1 ひっそりとして寂しいさま。じゃくまく。2 心が満たされずにもの寂しいさま。

・鷰飛鶯語 ツバメと鶯、どちらも春の男女生活を意味する言葉。

・隔簾櫳 簾を四方にねやでただすごしているので、すだれのおりとした。

・倚東風 春になって春風が吹けば、東に旅立っていった男を東の門に倚りかかって待つことを云う。

 杏の花001