張泌《浣渓沙 十首 其七》咲き誇る花の上に月は照る、香も花冷えの夜は清くふけてゆき、二人のほか誰もいない宴席に神でさえも心を傷めることなので暗くなっていく、そこの艶やかさといえばさながら屏風絵の美人のようにきれいだ。


2013年11月10日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
LiveDoorブログ
司馬相如 《上林賦 》(39)―#13-3  文選 賦<110-#13-3>13分割41回 Ⅱ李白に影響を与えた詩944 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3268
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
 LiveDoorブログ
《晚秋郾城夜會聯句〔韓愈、李正封〕》(10)-#8韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <857>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3269韓愈詩-220-#8
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ 686 《數陪李梓州泛江,有女樂在諸舫,戲為豔曲二首贈李,二首之二》 蜀中転々 杜甫 <592>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3270 杜甫詩1000-592-848/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ 69  謝靈運(謝康楽) 《擬魏太子鄴中集詩八首 阮瑀》 魏詩  kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3271 (11/10)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 浣渓沙 十首 其七 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-345-7-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3272
 
 ■最近の人気の文・賦・詩・詞(漢詩の5ブログ各部門)
 ■主要詩人の一覧・詩目次・ブログindex
『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 花間集 古詩源 玉台新詠


浣渓沙 十首 其七 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-345-7-#7   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3272

 


 


其七

(好色な男の見る宴に侍る細身の妓女を詠う)

花月香寒悄夜塵,綺筵幽會暗傷神,嬋娟依約畫屏人。

咲き誇る花の上に月は照る、香も花冷えの夜は清くふけてゆき、二人のほか誰もいない宴席に神でさえも心を傷めることなので暗くなっていく、そこの艶やかさといえばさながら屏風絵の美人のようにきれいだ。
人不見時還暫語,令纔
後愛微嚬,越羅巴錦不勝春。

人目につかぬその時はまたしばし耳元でささやく、人目をさけての恋は悦楽と苦悶の顔をする。美しき越産の薄絹と蜀産の錦の衣裳も春の思いにまさるものではないのだ。

 


鴛鴦おしどり0022
 


 


『浣渓沙 十首 其七』 現代語訳と訳註

(本文)

浣渓沙 十首 其七

花月香寒悄夜塵,綺筵幽會暗傷神,嬋娟依約畫屏人。

人不見時還暫語,令纔後愛微嚬,越羅巴錦不勝春。

 


 


(下し文)

(浣渓沙 十首 其の七)

花月 香り 寒く 夜塵 悄まり、綺筵の幽会 傷神を暗にし、嬋娟 依約として画屏の人。

人 見ざる時 還た暫く語り、纔かにたしむるの後 愛みて微かに嚬み、越羅、巴錦も春に勝えず。

 


 


(現代語訳)

(好色な男の見る宴に侍る細身の妓女を詠う)

咲き誇る花の上に月は照る、香も花冷えの夜は清くふけてゆき、二人のほか誰もいない宴席に神でさえも心を傷めることなので暗くなっていく、そこの艶やかさといえばさながら屏風絵の美人のようにきれいだ。

人目につかぬその時はまたしばし耳元でささやく、人目をさけての恋は悦楽と苦悶の顔をする。美しき越産の薄絹と蜀産の錦の衣裳も春の思いにまさるものではないのだ。

  

 


 


(訳注)

浣渓沙 十首 其七

(好色な男の見る宴に侍る細身の妓女を詠う)

本詞は解釈の上で異説が多い。ここでは、花の下の誰もいない宴席で人目を避けながら逢瀬を愉しむ男女の恋を詠う。もう一つには、顔を合わせることのできた男女が人目を盗んでしばし語らうさまと解した。前段は、春の夜の宴席、絵辟風の中の美人のような女性は心傷めずにはいられぬことを言う。後段は、人が見ていない時はしばらく語り合うが、男は人目につくと、女をそっと追いやると、彼女はしきりに悲しみの表情を浮かべるさまを詠う。そして最後は、美しい衣裳を纏った女性はこの春の時節に堪えかねるかのようだと結ぶ。なおこの女性は、宴に侍る妓女である。しかしこの詩の前段に、「綺筵幽會」とあることから、宴会の人がいない状態を云うので矛盾する。

 


 


花月香寒悄夜塵,綺筵幽會暗傷神,嬋娟依約畫屏人。

咲き誇る花の上に月は照る、香も花冷えの夜は清くふけてゆき、二人のほか誰もいない宴席に神でさえも心を傷めることなので暗くなっていく、そこの艶やかさといえばさながら屏風絵の美人のようにきれいだ。

○花月 花の下の情事で花の向こうの空の上に月がある。

○悄夜塵 夜の塵が静まる。ここでは夜が清らかにふけゆくことを言う。

○幽会 男女が人目を忍んでこっそり会うこと。

○傷神 人に知られては困る後ろめたい気持ちを云う。神でさえも心を傷めること。

○姉娼 女性の美しきを言う。

○依約 さながら、まるで。

 


人不見時還暫語,令纔後愛微嚬,越羅巴錦不勝春。

人目につかぬその時はまたしばし耳元でささやく、人目をさけての恋は悦楽と苦悶の顔をする。美しき越産の薄絹と蜀産の錦の衣裳も春の思いにまさるものではないのだ。

○令纔後愛微嚬 性にたいしての喜びの表情と悦楽と苦悶の顔をすることをいう。令は強制する。纔は〜するとすぐに。はここでは追いやること。愛はしきりに〜する。は眉をひそめる。

○越羅巴錦 越産の薄絹と蜀産の錦。ともに名品として有名。ここでは女の美しい着物を言う。

 


 

 


花月香寒悄夜塵,綺筵幽會暗傷神,嬋娟依約畫屏人。

月照る花は香も冷ややかに夜は清くふけわたり、宴での忍ぶ逢瀬に人知れず心を傷む。その艶やかさ実に屏風絵の美人のよう。

人不見時還暫語,令纔後愛微嚬,越羅巴錦不勝春。

人目届かぬその時はなおしばし語らうも、人目さけて追いやればしきりに眉を曇らせる。美しき衣裳も春の思いに堪えかねて。

蓮00