張泌酒泉子 二首之二都の街路の東には靑門の春明門があり、漢の武帝の作った三十六か所の宮殿にある景色に染められている。宮中の庭を流れる溝水路、天子の車の通路のどちらも人知れず通ってゆける道である。曲江の杏園に春風は吹く。
 

 

2013年11月18日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ 693 《臺上〔得涼字。〕》 蜀中転々 杜甫 <600>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3310 杜甫詩1000-600-856/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ 77《蒿里曲》 無名氏  挽歌 漢・樂府  kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3311 (11/18)
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酒泉子 二首之二 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ
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酒泉子二首 其一

(女性の孤閏の悲しみを詠う。)

春雨打,驚夢覺來天氣曉。

春雨は窓を打つ、うとうとして夢におどろいて、目が覚めてみれば、もう夜が明けはじめたはれた空にかわる。

畫堂深,紅焰小,背蘭缸。

壁に絵がかかれた奥まった閨には、火影小さく、燭台に背を向け横になっている。

酒香噴鼻懶開缸,惆悵更無人共醉。

酒に頼るしかなく物憂げに酒の甕を取れば酒の香りは鼻打つ、やるせなく悲しいのは酌み交わす人がいないことなのだ。

舊巢中,新鷰子,語雙雙。

二人の愛の古巣には、新しき番いの燕だけが、仲睦まじく語らい、鳴き交わす

春雨 窓を打ち、夢を驚かせ覚め来たれは 天気 暁なり。

画堂 深く、紅焔 小さく、蘭鉦【らんこう】を背く。

酒の香り 鼻を噴ち 懶【ものう】く缸【かめ】を開き、惆悵す 更に人の酔いを共にする 無きに。

舊巢の中,新しき鷰子,雙雙と 語る。

 

酒泉子二首 其二

(見向きもされない女性の悲しみを詠う。)

紫陌青門,三十六宮春色。

都の街路の東には靑門の春明門があり、漢の武帝の作った三十六か所の宮殿にある景色に染められている。

御溝輦路暗相通,杏園風。

宮中の庭を流れる溝水路、天子の車の通路のどちらも人知れず通ってゆける道である。曲江の杏園に春風は吹く。

咸陽沽酒寶釵空,笑指未央歸去。

御陵を背にして秦の咸陽の街があり、酒屋で酒を手にし、宝玉の簪には空しい春である。そんなことをわらいとばして、漢で栄えた未央宮を去りかえっていく。

插花走馬落殘紅,月明中。

貴公子たちは花を挿し、馬を我が物顔で走らせ、春も終わりころの残った赤い花も落ち始めている。私の所には今日も来てくれないのか、月はまだ真上にあるというのに。

貴公子たちは花を挿し、馬を我が物顔で走らせ、春も終わりころの残った赤い花も落ち始めている。私の所には今日も来てくれないのか、月はまだ真上にあるというのに。

 長安城の位置関係

 

『酒泉子二首』 現代語訳と訳註

(本文)

其二

紫陌青門,三十六宮春色。

御溝輦路暗相通,杏園風。

咸陽沽酒寶釵空,笑指未央歸去。

插花走馬落殘紅,月明中。

 

(下し文)

酒泉子二首 其の二

紫陌【しはく】青門,三十六宮 春色。

御溝 輦路 暗く相い通ず,杏園の風。

咸陽 沽酒 寶釵の空,笑指 未央 歸り去る。

插花をし 走馬 殘紅を落す,月明の中【うち】。

 

(現代語訳)

(見向きもされない女性の悲しみを詠う。)

都の街路の東には靑門の春明門があり、漢の武帝の作った三十六か所の宮殿にある景色に染められている。

宮中の庭を流れる溝水路、天子の車の通路のどちらも人知れず通ってゆける道である。曲江の杏園に春風は吹く。

御陵を背にして秦の咸陽の街があり、酒屋で酒を手にし、宝玉の簪には空しい春である。そんなことをわらいとばして、漢で栄えた未央宮を去りかえっていく。

貴公子たちは花を挿し、馬を我が物顔で走らせ、春も終わりころの残った赤い花も落ち始めている。私の所には今日も来てくれないのか、月はまだ真上にあるというのに。

貴公子たちは花を挿し、馬を我が物顔で走らせ、春も終わりころの残った赤い花も落ち始めている。私の所には今日も来てくれないのか、月はまだ真上にあるというのに。

 

 

(訳注)

酒泉子二首 其二

(見向きもされない女性の悲しみを詠う。)

『花間集』には張泌の作が二首収められている。双調四十三字、前段二十字四句二平韻二仄韻、後段二十三字四句二平韻で、4❻⑦③/7⑥⑦③の詞形をとる。

女性の孤閏の悲しみを詠う。前段、長安近郊の秦の都、漢の未央宮を詠い、女の身にも昔華やかな時代があったことを連想させ、春景色を詠い、北の五陵の高級居住地域の貴公子を詠い、女性の孤独を際立たせている。

 

紫陌青門,三十六宮春色。

都の街路の東には靑門の春明門があり、漢の武帝の作った三十六か所の宮殿にある景色に染められている。

・紫陌【しはく】都の街路。都の市街。

・三十六宮 漢の武帝がつくった三十六か所の宮殿。李賀『金銅仙人辭漢歌』

杏の花01
 

御溝輦路暗相通,杏園風。

宮中の庭を流れる溝水路、天子の車の通路のどちらも人知れず通ってゆける道である。曲江の杏園に春風は吹く。

・御溝 御溝水の用語解説 - 宮中の庭を流れる溝の水。曲江の芙蓉苑に向かう運河。

・輦路 輦道(れんどう)」に同じ天子の車の通路。興慶宮から曲江の杏園に向かう専用道路。

・杏園 長安の曲江の池の畔(ほとり)にあった杏園で、祝宴を賜り、長安の街を園遊し、咲き誇る牡丹などの花を観賞する慣わしがあった。また、貴族は自邸自慢のボタンを庭を開放して鑑賞させ、合格者の無礼を許した。

・杏園:官吏登用試験(科挙)に合格した進士たちの祝宴会場。科挙に合格した進士には、曲江の池の畔(ほとり)の杏園で、祝宴を賜り、長安の街で園遊し、咲き誇る牡丹などの花を観賞する慣わしがあった。 

・杏園人:科挙に合格し、新たに進士となった人たちを指す。

 

咸陽沽酒寶釵空,笑指未央歸去。

御陵を背にして秦の咸陽の街があり、酒屋で酒を手にし、宝玉の簪には空しい春である。そんなことをわらいとばして、漢で栄えた未央宮を去りかえっていく。

・咸陽 秦朝の首都として大いに栄えた。風水においては山・丘・阜などの南側、河・江・川・湖などの水辺の北側を陽と言う。この都市は九嵕山の南、渭水の北に当たり「咸陽」なためにこの名前がついた。

・沽酒 酒を売買すること。また、その酒。

・未央 前漢の都である長安の南西部にあった宮殿であり、前漢の皇帝の居場所であった。 『三輔黄図』によると漢の高祖7年に、少府陽城延の指揮のもと、丞相蕭何が主導して造営を開始した。

 

插花走馬落殘紅,月明中。

貴公子たちは花を挿し、馬を我が物顔で走らせ、春も終わりころの残った赤い花も落ち始めている。私の所には今日も来てくれないのか、月はまだ真上にあるというのに。
 Ta唐 長安近郊圖  新02