温庭筠河瀆神 三首其二単独に立っている廟社が寒々とした大きな流れに向かいたっている。ここ西陵峡には巫山の巫女の化身の風まじりの雨がしとしとと降る。あの女性は恨みがましく愁いをもってきれいな船の棹に身を寄せている。はらはらと止めどなくまるで玉飾りのように涙を流している。



2013年11月28日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
LiveDoorブログ
班孟堅(班固)《西都賦》(8)#3-2 文選 賦<112―8>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩962 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3358
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
 LiveDoorブログ
《讀皇甫湜公安園池詩書其後〔一本為二首。〕》元和十三年韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <875>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3359韓愈詩-221ー#1
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ 703 《戲作寄上漢中王,二首之二〔自注:王新誕明珠。〕 》 蜀中転々 杜甫 <610>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3360 杜甫詩1000-610-866/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ 87蘇武 《詩四首 其四》 古詩源  漢詩  kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3361 (11/28)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 河瀆神 三首其二 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-363-1-#69  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3362
 
 ■最近の人気の文・賦・詩・詞(漢詩の5ブログ各部門)
 ■主要詩人の一覧・詩目次・ブログindex
『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 花間集 古詩源 玉台新詠

河瀆神 三首其二 温庭筠  Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-363-1-#69   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3362

 

 

河瀆神三首

其一

河上望叢祠,廟前春雨來時。

楚山無限鳥飛遲,蘭棹空傷別離。

何處杜鵑啼不歇,豔紅開盡如血。

蟬鬢美人愁,百花芳草佳節。

 

其二

孤廟對寒潮,西陵風雨蕭蕭。

謝娘惆悵倚欄橈,淚流玉筋千條。

暮天愁聽思歸落,早梅香滿山郭。

迴首兩情蕭索,離魂何處飄泊。

 

其三

銅皷賽神來,滿庭幡蓋徘徊。

水村江浦過風雷,楚山如畫煙開。

離別櫓聲空蕭索,玉容惆悵粧薄。

青麥鷰飛落落,捲簾愁對珠閣。

 

 

河瀆神三首 其一

(道妓の居る祠に向うもの、女妓を伴っておいて出発する者、全くおとずれの居ないもの、鳴くもの喜ぶもの道妓たちの悲喜交々を詠う。)

河上望叢祠,廟前春雨來時。

舟の上より川岸の木立に囲まれた祠に向いながめやる。廟殿の辺りも巫女が成り変わった春雨の降り来ているころだ。

楚山無限鳥飛遲,蘭棹空傷別離。

この雨は楚の山々にもは果てしない思いがとどき、鳥が緩やかに飛びたつ、道女が加わって舟が発ちに空しく別れを傷むものがいる。

何處杜鵑啼不歇,豔紅開盡如血。

何処にでも杜鵑は鳴くつづけ声が絶えることはない。こんなに啼けば「啼いて血を吐くホトトギス」の逸話のように赤き躑躅が血の色に染ったものだということもわかる。

蟬鬢美人愁,百花芳草佳節。

若く美しい蝉の髪の女は愁うことなどまったくない、それは花咲き乱れ草薫る絶頂の良き時を過ごしているのだ。

(河瀆神三首其の一)

河上 叢祠【そうし】を望み,廟前 春雨來たる時。

楚山 限り 無く鳥 飛ぶこと遲く,蘭棹【らんとう】空しく別離を傷【いた】む。

何處にか 杜鵑【ほととぎす】啼き歇【や】まざるに,豔紅【えんこう】開き盡して血の如し。

蟬鬢【ぜんびん】の美人 愁【た】たば,百花 芳草 佳節なり。

 

河瀆神三首 其二

(初めて客をとった女妓がその客が旅に出るという女の情を詠う。)

孤廟對寒潮,西陵風雨蕭蕭。

単独に立っている廟社が寒々とした大きな流れに向かいたっている。ここ西陵峡には巫山の巫女の化身の風まじりの雨がしとしとと降る。

謝娘惆悵倚欄橈,淚流玉筋千條。

あの女性は恨みがましく愁いをもってきれいな船の棹に身を寄せている。はらはらと止めどなくまるで玉飾りのように涙を流している。

暮天愁聽思歸落,早梅香滿山郭。

夕暮れには悲しく響く「思帰の曲」はまるで杜鵑が啼くようである、山里に早梅の香りの満ちてくる頃のことだった。

迴首兩情蕭索,離魂何處飄泊。

男は帰ってゆく、振り返り見ればこの二つの心はうち沈み、別離の思いはどこかにいってさすらうことだろう。

 

(河瀆神【かとくしん】三首其の二)

孤廟 寒潮に対し、西陵 風雨 蕭蕭たり。

謝娘 惆悵として欄橈に倚り、涙 流るること 玉筋 千条。

 

暮大 愁い聴く 思帰落を、早梅の香り 山郭に満つ。

首を迴らせば 両情 蕭索たり、離魂 何処にか飄泊す。

隋堤01
 

『河瀆神三首 其二』 現代語訳と訳註

(本文)

河瀆神三首 其二

孤廟對寒潮,西陵風雨蕭蕭。

謝娘惆悵倚欄橈,淚流玉筋千條。

暮天愁聽思歸落,早梅香滿山郭。

迴首兩情蕭索,離魂何處飄泊。

 

(下し文)

孤廟 寒潮に対し、西陵 風雨 蕭蕭たり。

謝娘 惆悵として欄橈に倚り、涙 流るること 玉筋 千条。

 

暮大 愁い聴く 思帰落を、早梅の香り 山郭に満つ。

首を迴らせば 両情 蕭索たり、離魂 何処にか飄泊す。

 

(現代語訳)

(初めて客をとった女妓がその客が旅に出るという女の情を詠う。)

単独に立っている廟社が寒々とした大きな流れに向かいたっている。ここ西陵峡には巫山の巫女の化身の風まじりの雨がしとしとと降る。

あの女性は恨みがましく愁いをもってきれいな船の棹に身を寄せている。はらはらと止めどなくまるで玉飾りのように涙を流している。

夕暮れには悲しく響く「思帰の曲」はまるで杜鵑が啼くようである、山里に早梅の香りの満ちてくる頃のことだった。

男は帰ってゆく、振り返り見ればこの二つの心はうち沈み、別離の思いはどこかにいってさすらうことだろう。

 

(訳注)

河瀆神三首

唐の教坊の曲名。『花間集』には六首所収。温庭筠の作は三首収められている。双調四十九字、前段二十四字四句四平韻、後段二十五字四句四仄韻で、⑤⑥⑦⑥/❼❻❻❻の詞形をとる。張泌の作が一首、孫光憲の『河瀆神』参照。河瀆神 一首 張泌【ちょうひつ】ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-359-7-#21  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3342

河瀆神三首 其二

(初めて客をとった女妓がその客が旅に出るという女の情を詠う。)

前段第一句、孤廟の孤は一つを意味するが、続く句は、棹に身を寄せ、生娘ではじめての男に不安と悲しみに涙をはらはらと流すさまを言う。後段末句は、振り向けば今一つになったのに.男の愛はどこにもなく、別離の思いを抱いて、旅立っていく男は今からどこかをさまようのであろうと、よくある場面を詠っている。孤の字以外にも、寒、粛歳といった語が女の哀感を高めている。典型的な教坊の曲である。

 

孤廟對寒潮,西陵風雨蕭蕭。

単独に立っている廟社が寒々とした大きな流れに向かいたっている。ここ西陵峡には巫山の巫女の化身の風まじりの雨がしとしとと降る。

〇寒潮 寒々とした川の流れ。

○西陵 長江の三峡中の一つ、西陵峡。巫山の雨を連想させる。神女と雲雨は、雨が宋玉「高唐の賦」にある巫山神女の故事によるもので、懷王と交わった後、神女が「暮には行雨とならん」とどんな時でも一緒にいるといった意味を持つ雨である。楚の懐王が巫山の神女と夢のなかで交わった故事をいう

美女004
 

謝娘惆悵倚欄橈,淚流玉筋千條。

あの女性は恨みがましく愁いをもってきれいな船の棹に身を寄せている。はらはらと止めどなくまるで玉飾りのように涙を流している。

○謝娘 美女、妓女あるいは、愛妾の棲む家。唐の李徳祐が豪邸を築き、愛妾の謝秋娘を住まわせたことに基づく。・謝娘:「あの女性」の意。詞では、若くて美しい女性、乙女という場合もある。また、謝安についての逸話に基づく場合、謝靈運を云う場合もある。

歸國遙二首 其一

香玉,翠鳳寶釵垂菉簌

鈿筐交勝金粟,越羅春水淥。

畫堂照簾殘燭,夢餘更漏促。

謝娘無限心曲,曉屏山斷續。

歸國遙二首 其一 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-300-5-#54  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3047

・謝娘 おとめ。生娘。韋荘『浣渓沙』其三 

惆悵夢餘山月斜、孤燈照壁背窗紗、小樓高閣謝娘家。暗想玉容何所似、一枝春雪凍梅花、満身香霧簇朝霞。

浣渓沙 其三 (惆悵夢餘山月斜) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-266-5-#20  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2877

若くて美しい女性を指す。乙女。マドンナ。韋荘『荷葉杯』

記得那年花下。 深夜。

初識謝娘時。

水堂西面畫簾垂。 攜手暗相期。

惆悵曉鶯殘月。 相別。

從此隔音塵。

如今倶是異鄕人。 相見更無因。

荷葉杯 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-258-5-#12  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2672

惆悵 恨み嘆くこと。うらめしい。うらみがましい。

○欄橈 枠。蘭(木蘭) は棹を美化する。

○玉筋 流れる涙の筋。筋は箸。ここでは、涙の筋を玉の箸に見立てている。

 

暮天愁聽思歸落,早梅香滿山郭。

夕暮れには悲しく響く「思帰の曲」はまるで杜鵑が啼くようである、山里に早梅の香りの満ちてくる頃のことだった。

○思帰落 曲調の名。ホトトギスの鳴き声。

 

迴首兩情蕭索,離魂何處飄泊。

男は帰ってゆく、振り返り見ればこの二つの心はうち沈み、別離の思いはどこかにいってさすらうことだろう。
蓮00