《小重山二首 其一》(薛昭蘊) 宮殿の中ではきれいに飾られた簫の吹奏の音は春一番の風に吹きだすと中段され、春の夜は短く時せわしなくすすむ、気が付くと窓の外にもう明けの鶯が啼いて春を喜んでいる。

2013年12月12日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《論佛骨表》(6)元和十四年韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <889>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3429韓愈詩-227-6ー#4-2
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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『花間集』にある薛侍郎昭蘊十九首:

小重山二首 

浣溪紗八首 

喜遷鶯三首 

離別難一首 

相見歡一首 

醉公子一首 

女冠子二首

謁金門一首

 

薛昭蘊:五代、後蜀の宮司至侍郎。(生卒年未詳)、字、出身地ともに未詳。詞風は温庭筠に近い。『花間集』には十九首の詞が収められている。『花間集』には、薛侍郎昭蘊と記されている。

醇紹緯(生没年未詳)花間集に載せられている詞人。花聞集では薛侍即とあり、侍郎の官についた人であることがわかるだけで、詳しい伝記はわからない。唐書の薛廷老伝によると、廷老の子に保遜があり、保遜の子に紹緯がある。乾寧中に礼部侍郎となった。性質は軽率であり、車に坐して夔州刺史に貶せられたという。ところでその経歴をさらにくわしく見ると、紹緯ほ乾寧3年(896)九月に中書舎人から礼部侍郎にたり、ついで戸部侍郎となり、光化2年(899)六月戸部侍郎から兵郡侍郎に選っている(唐僕尚丞郎表に依る)。これによって唐末に侍郎の官にあった人であることは明らかである。紹緯のことはまた北夢瑣言にも見えている。紹緯は才を侍み物に倣り、亦父(保遜)の風があった、朝省に入る毎に、笏を弄んで歩行し、旁若無人であった。好んで浣渓沙詞を唱したという。

 

今、花間集に侍郎とあり、また、その中に収められた十八首の詞の中、八首の浣渓沙があることから推量して薛昭蘊は紹緯と同じ人物であろうといぅ説が考えられるといわれている。晩年に磎州(渓州に同じであろう、広西に属する)に配せられているが、全唐詩の薛紹緯の条には天復中(唐末の年号、901903)に渓州司馬に貶せられたといぅひおそらくこの頃に貶せられたであろう。なお、北夢瑣言では薛澄州と呼んでいる。澄州もまた広西に属する。また、全唐詩に河東の人とあるのは、おそらく薛氏の出身地を言うのであろう。

 

歴代詩余の詞人姓氏では前局に編入して蜀に仕えて侍郎となったごとく記している。この説に従ってかれが韋荘と同じく蜀に仕えて侍郎となったとしている伝記も見受けられるが、紹澄が紹緯と同一人であるとすると上記の経歴と矛盾を生ずる。王国維は紹緯と薛昭蘊とを兄弟と見て、一門に浣溪沙詞を好んだものがあったと解しているが、この説よりも上にのべた同一人と見る説の方がよいようだ。花間集において温庭筠、皇甫松、韋荘についで薛昭蘊を並べているのも、唐王朝に仕えた人物を先に置いたためであろう。両者を同一人としておいた。

 

小重山二首

其一

(女妓の寵愛された日々とその後の閏怨を詠う。)

春到長門春草青,玉堦華露滴,月朧明。

春が訪れて長門宮にも若草芽吹き青くしげる、美しい階に甘露が滴り、月はおぼろに照っている。

東風吹斷玉簫聲,宮漏促,簾外曉啼鶯。

宮殿の中ではきれいに飾られた簫の吹奏の音は春一番の風に吹きだすと中段され、春の夜は短く時せわしなくすすむ、気が付くと窓の外にもう明けの鶯が啼いて春を喜んでいる。

愁起夢難成,紅粧流宿淚,不勝情。

それが愁いがはじまりつづいて極まってしまい、夢に見たことはかなわないことになってしまう、頬を紅く染めた化粧は夜具まで涙でぬらすほどになり、耐えることができないほどの思いでいる。

手挼裙帶遶宮行,思君切,羅幌暗塵生。

それで、裙のひもを手にまさぐりつつ階をめぐってもとおり行くのである、いよいよ貴君を慕うこのせつなさはどれほどのものであろうか。随分おみかぎりであるために絹のとばりに塵が積もってしまっている。

 

其二

秋到長門秋草黃,畫梁雙鷰去,出宮牆。

玉簫無復理霓裳,金蟬墜,鸞鏡掩休粧。

憶昔在昭陽,舞衣紅綬帶,繡鴛鴦。

至今猶惹御爐香,魂夢斷,愁聽漏更長。

 

 

小重山二首』 現代語訳と訳註

(本文)

其一

春到長門春草青,玉堦華露滴,月朧明。

東風吹斷玉簫聲,宮漏促,簾外曉啼鶯。

愁起夢難成,紅粧流宿淚,不勝情。

手挼裙帶遶宮行,思君切,羅幌暗塵生。

 

 

(下し文)

春は長門に到り 春草 青く、玉堦 華露 滴り、月は朧に明らかに。

東風 玉簫聲の声を吹断す、宮漏 促【せきた】て、簾外 鶯 暁に啼く。

愁い極まり 夢 成り難く、紅粧 宿涙 流る、情に勝えず。

手もて裙帶を挼りつつ階を遶りて行く、君を思うこと切に、羅幌 暗に塵 生ず。

 

 

(現代語訳)

(宮女の寵愛された日々とその後の閏怨を詠う。)

春が訪れて長門宮にも若草芽吹き青くしげる、美しい階に甘露が滴り、月はおぼろに照っている。

宮殿の中ではきれいに飾られた簫の吹奏の音は春一番の風に吹きだすと中段され、春の夜は短く時せわしなくすすむ、気が付くと窓の外にもう明けの鶯が啼いて春を喜んでいる。

それが愁いがはじまりつづいて極まってしまい、夢に見たことはかなわないことになってしまう、頬を紅く染めた化粧は夜具まで涙でぬらすほどになり、耐えることができないほどの思いでいる。

それで、裙のひもを手にまさぐりつつ階をめぐってもとおり行くのである、いよいよ貴君を慕うこのせつなさはどれほどのものであろうか。随分おみかぎりであるために絹のとばりに塵が積もってしまっている。

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(訳注)

小重山二首

『花間集』 には薛昭蘊の作が2首収められている。双調五十八字、前段三十宇六句四平韻、後段二十八字六句四平韻で、⑦5③⑦3⑤/⑤5③⑦3⑤の詞形をとる。

花間集では

韋相莊               小重山一首

薛侍郎昭蘊       小重山二首

歐陽舍人炯       小重山二首

毛秘書熙震       小重山一首

 

一首

(女妓の寵愛された日々とその後の閏怨を詠う。)

前段は、楽しい春の夜、簫の吹奏も早々にして、愛されて気が付けば朝になっていた。宮女の眠れぬ夜の悲しみを述べ、後段は、悲しみの日々を送るうちに、いつしか寝台を覆う薄絹の帳には塵が置くようになってしまったと、帝の訪れのない恨みを訴える。

 

春到長門春草青,玉堦華露滴,月朧明。

春が訪れて長門宮にも若草芽吹き青くしげる、美しい階に甘露が滴り、月はおぼろに照っている。

・長門 漢代の宮殿の名。漢武帝の陳皇后がはじめ天子の寵愛を得ていたが、人の妬みを受けて長門官に別居し、憂悶の日を送っていた。時に司馬相如の文名を聞き、黄金百斤を奉じて長門既を作らせ天子に献上し、再び寵幸を得たという故事に本づく。寵愛を受けていた女性が棄てられることを比喩するもの。

韋荘『小重山』

一閉昭陽春又春,夜寒宮漏永,夢君恩。

臥思陳事暗消魂,羅衣濕,紅袂有啼痕。

歌吹隔重閽,繞庭芳草綠,倚長門

萬般惆悵向誰論?凝情立,宮殿欲黃昏。

126 小重山 韋荘 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-290-5-#44  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2997

・玉堦 玉のきざはし、階段。

・華露 露草に同じ。ここは月の光をうけてきらきらひかるつゆ。階の露は甘露、男女の混じり合いを云う。

・朧月の用語解説 - 霧や靄(もや)などに包まれて、柔らかくほのかにかすんで見える春の夜の月。《季 春》朧月は月が女性を意味し男女の混じり合いを連想させる。

 

東風吹斷玉簫聲,宮漏促,簾外曉啼鶯。

宮殿の中ではきれいに飾られた簫の吹奏の音は春一番の風に吹きだすと中段される、春の夜は短く時せわしなくすすむ、気が付くと窓の外にもう明けの鶯が啼いて春を喜んでいる。

・宮漏 宮中の漏刻。水時計。

・促 水時計の音がほやくせわしくきこえること。

 

愁起夢難成,紅粧流宿淚,不勝情。

愁いがはじまりつづいて極まってしまい、夢に見たことはかなわないことになってしまう、頬を紅く染めた化粧は夜具まで涙でぬらすほどになり、耐えることができないほどの思いでいる。

・夢難成 夢が完成しにくいこと。たのしい夢が愁いに断たれて十分見つくすことが困難になること。

・紅粧 紅をほどこしたうつくしい化粧。ここは陳皇后をさす。

・流宿涙 循涙を流す。宿涙は昨夜から泣きつづけて、枕も布団もぬれてしまうほど涙を流すこと。

 

手挼裙帶遶宮行,思君切,羅幌暗塵生。

それで、裙のひもを手にまさぐりつつ階をめぐってもとおり行くのである、いよいよ貴君を慕うこのせつなさはどれほどのものであろうか。随分おみかぎりであるために絹のとばりに塵が積もってしまっている。

・手挼裙帶 裾(もすそ) のひもを手にとって揉むこと。

・思君切 陳皇后が天子を思うことがはなはだしいこと。

・羅幌 うすぎぬのとばり。

・暗塵生 産暗生といういい方もあり、ひそかに塵がつもっていること。寵愛を失っている状態をあらわすことは。
haqro04