薛昭蘊≪浣溪紗八首 其四≫ 手を握りあったのは河橋のたもとの柳が金のように芽吹き繁る下でした。蜂はその鬚でもって、輕やかに百花の芯に惹かれ、飛び回るのです。花のかおりが風に乗って吹いて来て、そのなかの蘭のはなに思いよせると、いつのまにか清がしい琴の音に寄ってしまうのです。
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薛侍郎昭蘊十九首:
小重山二首 其一、其二
小重山二首 其一 薛侍郎昭蘊(薛昭蘊) ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-377-9-#1
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小重山二首 其二 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊 ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-378-9-#2
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浣溪紗八首
浣溪紗八首 其一 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊 ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-379-9-#3
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9 4 浣溪紗八首 其二 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-380-9-#4 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3447
9 5 浣溪紗八首 其三 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-381-9-#5 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3452
喜遷鶯三首
離別難一首
相見歡一首
醉公子一首
女冠子二首
謁金門一首
浣溪の沙八首 其の一(渡し場付近の娼屋の女性のかなしみを詠う)
紅蓼渡頭秋正雨,印沙鷗跡自成行,整鬟飄袖野風香。
渡し場のあたりに紅蓼があきのまさ雨が降っている、砂浜にカモメの足跡が残り、女は後を追うように行く方向にあるいている。髷の髻からかみが垂れ、袖が揺れ、野の風が香りをのせて吹き寄せてくる。
不語含嚬深浦裏,幾迴愁煞棹舡郎,鷰歸帆盡水茫茫。
語りもしないし、苦々しさを含んで、船津の裏の奥の方に消え、幾度も廻って憂い顔の船頭が舟歌を詠って行く遊び人の男をのせていく。
浣溪沙八首其二
其の二(湘水の港町の妓女が、旅から戻ってくる男を待つ、そして次の年も同じように待つ、全く音信もなくなって空しく春過す。)
鈿匣菱花錦帶垂,靜臨蘭檻卸頭時,約鬟低珥等歸期。
顔面の上に飾物や、菱花の鏡を用意して、宝飾箱があり、横には西の帯が垂れたままにある。この静けさは、蘭のかおる女の閨に広がり、今、頭飾りを取り去ろうとしている髪の毛の頭頂で左右に分け,それぞれ耳のわきで輪をつくって束ねた結い方を整えようとしているのは、旅から戻ってくる約束の日が来たからなのだ。
茂茂艸青湘渚闊,夢餘空有漏依依,二年終日損芳菲。
春も盛んになり野山に草木が繁茂して、ここ湘水には緑がいっぱいに広がっている。夢をしっかり見るころに、ひたひたと水時計の音がむなしく響いてくる。もう二回目の春は終わろうとしている春の花が咲きみだれて、やがてその香はなくなって來るのだ。
浣溪沙八首其三
其の三(官妓から妾妻に迎えられたものの寒食の時から見むきもされない女を詠う)
粉上依稀有淚痕,郡庭花落欲黃昏,遠情深恨與誰論。
逢いたいのに逢えなかった娘はお白粉塗をぬった頬に徴かに残った涙跡があり、郡役所の官舎の庭に咲く花は散り夕闇となる。思いは遠くにいるあの人のこと、深き恨みを誰に話したらいいのだろうか。
記得去年寒食日,延秋門外卓金輪,日斜人散暗消魂。
忘れもしない去年の寒食の日の行楽での事、延秋の門の外れに車止め、日は傾きてあの人は花が散るように魂消え失せてしまった時でもあるのだ。
浣溪紗八首 其四
(浣溪紗八首 其の四 春になると春水に、柳に、蜂に、琴に、雲霧に、月にあの人のことを思い出してしまう。)
握手河橋柳似金,蜂鬚輕惹百花心,蕙風蘭思寄清琴。
手を握りあったのは河橋のたもとの柳が金のように芽吹き繁る下でした。蜂はその鬚でもって、輕やかに百花の芯に惹かれ、飛び回るのです。花のかおりが風に乗って吹いて来て、そのなかの蘭のはなに思いよせると、いつのまにか清がしい琴の音に寄ってしまうのです。
意滿便同春水滿,情深還似酒盃深,楚煙湘月兩沉沉。
あの人への思いは胸いっぱいであり、ちょうど今、川いっぱいの春の増水とおなじのようなのです,あのひとのおもい、やさしさはとても深く、だから、また、酒盃をいっぱいに何度も注いでくれることのようでした,楚の巫女と皇帝の化身である靄、カスミが漂い、舜の後を追って湘水に身を投げた娥皇と女英が月に化身している,そのふたつの思いは、やがて沉沉とおさまっていくものです。
『浣溪紗八首』 現代語訳と訳註
(本文)
浣溪紗八首 其四
握手河橋柳似金,蜂鬚輕惹百花心,蕙風蘭思寄清琴。
意滿便同春水滿,情深還似酒盃深,楚煙湘月兩沉沉。
(下し文)
(浣溪紗八首 其の四)
握手 河橋 柳金に似たり,蜂鬚 輕く惹れる 百花の心,蕙風 蘭思 清琴に寄る。
意 滿つは 便ち同うし 春水滿ち,情 深くは 還た酒盃深くすに似たり,楚煙 湘月 兩沉沉。
(現代語訳)
(浣溪紗八首 其の四 春になると春水に、柳に、蜂に、琴に、雲霧に、月にあの人のことを思い出してしまう。)
手を握りあったのは河橋のたもとの柳が金のように芽吹き繁る下でした。蜂はその鬚でもって、輕やかに百花の芯に惹かれ、飛び回るのです。花のかおりが風に乗って吹いて来て、そのなかの蘭のはなに思いよせると、いつのまにか清がしい琴の音に寄ってしまうのです。
あの人への思いは胸いっぱいであり、ちょうど今、川いっぱいの春の増水とおなじのようなのです,あのひとのおもい、やさしさはとても深く、だから、また、酒盃をいっぱいに何度も注いでくれることのようでした,楚の巫女と皇帝の化身である靄、カスミが漂い、舜の後を追って湘水に身を投げた娥皇と女英が月に化身している,そのふたつの思いは、やがて沉沉とおさまっていくものです。

(訳注)
『花間集』には薛昭蘊の作が八首収められている。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦の詞形をとる。韋荘の浣渓抄の解説参照。
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韋荘(韋相莊) 浣溪紗五首
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薛侍郎昭蘊 浣溪紗八首
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牛學士希濟 浣溪紗四首
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顧敻(顧太尉敻) 浣溪紗八首
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孫少監光憲 浣溪紗九首
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閻處士選 浣溪紗一首
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毛秘書熙震 浣溪紗七首
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李秀才珣 浣溪紗四首
其四
(浣溪紗八首 其の四 春になると春水に、柳に、蜂に、琴に、雲霧に、月にあの人のことを思い出してしまう。)
握手河橋柳似金,蜂鬚輕惹百花心,蕙風蘭思寄清琴。
手を握りあったのは河橋のたもとの柳が金のように芽吹き繁る下でした。蜂はその鬚でもって、輕やかに百花の芯に惹かれ、飛び回るのです。花のかおりが風に乗って吹いて来て、そのなかの蘭のはなに思いよせると、いつのまにか清がしい琴の音に寄ってしまうのです。
・鬚 (あごひげ)、髭(ひげ)とは、人間の顔から顎の下にかけて生える毛のこと。髯、鬚とも書き、くちひげ(髭)、ほおひげ(髯)で漢字を使い分ける。
意滿便同春水滿,情深還似酒盃深,楚煙湘月兩沉沉。
あの人への思いは胸いっぱいであり、ちょうど今、川いっぱいの春の増水とおなじのようなのです,あのひとのおもい、やさしさはとても深く、だから、また、酒盃をいっぱいに何度も注いでくれることのようでした,楚の巫女と皇帝の化身である靄、カスミが漂い、舜の後を追って湘水に身を投げた娥皇と女英が月に化身している,そのふたつの思いは、やがて沉沉とおさまっていくものです。
・春水滿 春の雪解け水はきれいな水が増水していることで、皮の中ほどが盛り上がって流れる様子を云う。そしてそれは、男女が布団の中での情事の様子を連想させるのである。
・情深:盃深 ここは男性の心持を表現するもので、思いが深ければ、盃に酒をいっぱいに注ぐこと。この句も男が女に状を示し、連想させる。
















