浣溪紗八首 其五 (薛昭蘊)ちらっと初めて会ったその地を見て、また後逢瀬を重ねたところに来て見る、そしてその後もかわいそうであり、あわれでもあることが続く。今は却って来て見るとそこは寂しい所でしかなく思いをどんなに思ってみてもそれは暗くなってしまうものでしかない。今になってみればあの人との情事は仙郷での出来事のように遠いものになってしまった

2013年12月18日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《論佛骨表》(12)#8-2韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <895>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3459韓愈詩-227-12
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ 227  《洛橋晚望》 孟郊  唐宋詩  kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3461 (12/18)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
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綬帶鳥00
 浣溪沙八首其一

浣溪の沙八首 其の一(渡し場付近の娼屋の女性のかなしみを詠う)

紅蓼渡頭秋正雨,印沙鷗跡自成行,整鬟飄袖野風香。

渡し場のあたりに紅蓼があきのまさ雨が降っている、砂浜にカモメの足跡が残り、女は後を追うように行く方向にあるいている。髷の髻からかみが垂れ、袖が揺れ、野の風が香りをのせて吹き寄せてくる。

不語含嚬深浦裏,幾迴愁煞棹舡郎,鷰歸帆盡水茫茫。

語りもしないし、苦々しさを含んで、船津の裏の奥の方に消え、幾度も廻って憂い顔の船頭が舟歌を詠って行く遊び人の男をのせていく。

 

浣溪沙八首其二

其の二(湘水の港町の妓女が、旅から戻ってくる男を待つ、そして次の年も同じように待つ、全く音信もなくなって空しく春過す。)

鈿匣菱花錦帶垂,靜臨蘭檻卸頭時,約鬟低珥等歸期。

顔面の上に飾物や、菱花の鏡を用意して、宝飾箱があり、横には西の帯が垂れたままにある。この静けさは、蘭のかおる女の閨に広がり、今、頭飾りを取り去ろうとしている髪の毛の頭頂で左右に分け,それぞれ耳のわきで輪をつくって束ねた結い方を整えようとしているのは、旅から戻ってくる約束の日が来たからなのだ。

茂茂艸青湘渚闊,夢餘空有漏依依,二年終日損芳菲。

春も盛んになり野山に草木が繁茂して、ここ湘水には緑がいっぱいに広がっている。夢をしっかり見るころに、ひたひたと水時計の音がむなしく響いてくる。もう二回目の春は終わろうとしている春の花が咲きみだれて、やがてその香はなくなって來るのだ。

 

浣溪沙八首其三

其の三(官妓から妾妻に迎えられたものの寒食の時から見むきもされない女を詠う)

粉上依稀有淚痕,郡庭花落欲黃昏,遠情深恨與誰論。

逢いたいのに逢えなかった娘はお白粉塗をぬった頬に徴かに残った涙跡があり、郡役所の官舎の庭に咲く花は散り夕闇となる。思いは遠くにいるあの人のこと、深き恨みを誰に話したらいいのだろうか。

記得去年寒食日,延秋門外卓金輪,日斜人散暗消魂。

忘れもしない去年の寒食の日の行楽での事、延秋の門の外れに車止め、日は傾きてあの人は花が散るように魂消え失せてしまった時でもあるのだ。

美女004

浣溪紗八首 其四

(浣溪紗八首 其の四 春になると春水に、柳に、蜂に、琴に、雲霧に、月にあの人のことを思い出してしまう。)

握手河橋柳似金,蜂鬚輕惹百花心,蕙風蘭思寄清琴。

手を握りあったのは河橋のたもとの柳が金のように芽吹き繁る下でした。蜂はその鬚でもって、輕やかに百花の芯に惹かれ、飛び回るのです。花のかおりが風に乗って吹いて来て、そのなかの蘭のはなに思いよせると、いつのまにか清がしい琴の音に寄ってしまうのです。

意滿便同春水滿,情深還似酒盃深,楚煙湘月兩沉沉。

あの人への思いは胸いっぱいであり、ちょうど今、川いっぱいの春の増水とおなじのようなのです,あのひとのおもい、やさしさはとても深く、だから、また、酒盃をいっぱいに何度も注いでくれることのようでした,楚の巫女と皇帝の化身である靄、カスミが漂い、舜の後を追って湘水に身を投げた娥皇と女英が月に化身している,そのふたつの思いは、やがて沉沉とおさまっていくものです。


浣溪沙八首其五

(郊外の乙女の時に好きになって、何年かたって春別れて秋になっても合いには来てくれない道女の心を詠う)

簾下三間出寺牆,滿街垂楊綠陰長,嫩紅輕翠間濃粧。

簾を下している三つ季節をすごしていって寺の土塀の牆を出でいく,街には楊柳が垂れ綠を濃くして、もう夏も過ぎ、陰を長くしている,まだお紗奈を遺して頬を赤く染めている翡翠の飾りも軽く揺れている、その娘も、今やその間に小池省に変わっている。

瞥地見時猶可可,卻來閑處暗思量,如今情事隔仙

ちらっと初めて会ったその地を見て、また後逢瀬を重ねたところに来て見る、そしてその後もかわいそうであり、あわれでもあることが続く。今は却って来て見るとそこは寂しい所でしかなく思いをどんなに思ってみてもそれは暗くなってしまうものでしかない。今になってみればあの人との情事は仙郷での出来事のように遠いものになってしまった。

 

浣溪沙八首其六

江館清秋纜客舡,故人相送夜開筵,麝煙蘭焰簇花鈿。

正是斷魂迷楚雨,不堪離恨咽湘絃,月高霜白水連天。

 

浣溪沙八首其七

傾國傾城恨有餘,幾多紅淚泣姑蘇,倚風凝睇雪肌膚。

主山河空落日,越王宮殿半平蕪,藕花菱蔓滿重湖。

 

浣溪沙八首其八

越女淘金春水上,步搖雲鬢珮鳴璫,渚風江草又清香。

不為遠山凝翠黛,只應含恨向斜陽,碧桃花謝憶劉郎。

漢詩ブログ001
 

 

『浣溪沙八首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣溪沙八首其五

簾下三間出寺牆,滿街垂楊綠陰長,嫩紅輕翠間濃粧。

瞥地見時猶可可,卻來閑處暗思量,如今情事隔仙

 

(下し文)

1781180
其五

簾下 三間 寺牆を出づ,街に滿る楊を垂れ綠陰長くす,嫩紅【どんこう】輕翠【けいすい】 濃粧を間にす。

瞥地 見時 猶お可可とし,卻って來る 閑處 思量を暗くす,如今 情事 仙

 

 

(現代語訳)

(郊外の乙女の時に好きになって、何年かたって春別れて秋になっても合いには来てくれない道女の心を詠う)

簾を下している三つ季節をすごしていって寺の土塀の牆を出でいく,街には楊柳が垂れ綠を濃くして、もう夏も過ぎ、陰を長くしている,まだお紗奈を遺して頬を赤く染めている翡翠の飾りも軽く揺れている、その娘も、今やその間に小池省に変わっている。

ちらっと初めて会ったその地を見て、また後逢瀬を重ねたところに来て見る、そしてその後もかわいそうであり、あわれでもあることが続く。今は却って来て見るとそこは寂しい所でしかなく思いをどんなに思ってみてもそれは暗くなってしまうものでしかない。今になってみればあの人との情事は仙郷での出来事のように遠いものになってしまった。

 

(訳注)

『花間集』には薛昭蘊の作が八首収められている。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦の詞形をとる。韋荘の浣渓抄の解説参照。

  韋荘(韋相莊)        浣溪紗五首

  薛侍郎昭蘊   浣溪紗八首

  牛學士希濟   浣溪紗四首

  (顧太尉     浣溪紗八首

  孫少監光憲   浣溪紗九首

  閻處士選      浣溪紗一首

  毛秘書熙震   浣溪紗七首

  李秀才珣      浣溪紗四首

 

其五

(郊外の乙女の時に好きになって、何年かたって春別れて秋になっても合いには来てくれない道女の心を詠う)

 

簾下三間出寺牆,滿街垂楊綠陰長,嫩紅輕翠間濃粧。

簾を下している三つ季節をすごしていって寺の土塀の牆を出でいく,街には楊柳が垂れ綠を濃くして、もう夏も過ぎ、陰を長くしている,まだお紗奈を遺して頬を赤く染めている翡翠の飾りも軽く揺れている、その娘も、今やその間に小池省に変わっている。

・三間 ①柱の三区間。②昼間の午前、正午、午後。③季節の三季。春、夏、秋。

・嫩 1 発芽して最初に出る葉。双子葉植物で2枚出る。《季 春》2 人間の幼少のころ。また、物事の初め。「栴檀(せんだん)は―より芳(かんば)し」3 名香の一。伽羅(きゃら)で香味は苦甘。羅国。ふたばあおい双葉葵。

 

瞥地見時猶可可,卻來閑處暗思量,如今情事隔仙

ちらっと初めて会ったその地を見て、また後逢瀬を重ねたところに来て見る、そしてその後もかわいそうであり、あわれでもあることが続く。今は却って来て見るとそこは寂しい所でしかなく思いをどんなに思ってみてもそれは暗くなってしまうものでしかない。今になってみればあの人との情事は仙郷での出来事のように遠いものになってしまった。

・猶可可 その後もかわいそうであり、あわれでもあることが続いている。
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