薛昭蘊≪浣溪紗八首 其六≫ 錦江のほとりの官妓の館には清々しい秋の景色が広がり他のお客は綺麗な船でやってきて舟の艫綱を繋いでいる。なじみの人は互いに夜の行楽の宴会を開いて送別の会をしている。麝香の煙が広がり、鸞の花の香りの燈火の中に広がって花の飾り細工の女たちが集められる。


2013年12月19日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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班孟堅(班固)《西都賦》(29)#11(閣道と建章宮)-1 文選 賦<112―29>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩983 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3463
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《論佛骨表》(13)韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <896>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3464韓愈詩-227-13
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ 724 《江陵望幸〔註:廣德元年,復以衛伯玉尹江陵。〕》 蜀中転々 杜甫 <631>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3465 杜甫詩1000-631-887/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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9 8 浣溪紗八首 其六 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-384-9-#8   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3467

 

薛昭蘊:五代、後蜀の官司至侍郎。(生卒年未詳)、字、出身地ともに未詳。詞風は温庭第に近い。『花間集』には十九首の詞が収められている。『花間集』には、薛侍郎昭蘊と記されている。

醇紹撃(生没年未詳)花間集に載せられている詞人。花聞集では薛侍即とあり、侍郎の官についた人であることがわかるだけで、詳しい伝記はわからない。唐書の薛廷老伝によると、廷老の子に保遜があり、保遜の子に紹緯がある。乾寧中に礼部侍郎となった。性質は軽率であり、車に坐して夔州刺史に貶せられたという。ところでその経歴をさらにくわしく見ると、紹緯ほ乾寧3年(896)九月に中書舎人から礼部侍郎にたり、ついで戸部侍郎となり、光化2年(899)六月戸部侍郎から兵郡侍郎に選っている(唐僕尚丞郎表に依る)。これによって唐末に侍郎の官にあった人であることは明らかである。紹緯のことはまた北夢瑣言にも見えている。紹緯は才を侍み物に倣り、亦父(保遜)の風があった、朝省に入る毎に、笏を弄んで歩行し、旁若無人であった。好んで浣渓沙詞を唱したという。

 

今、花間集に侍郎とあり、また、その中に収められた十八首の詞の中、八首の浣渓沙があることから推量して薛昭蘊は紹緯と同じ人物であろうといぅ説が考えられるといわれている。晩年に磎州(渓州に同じであろう、広西に属する)に配せられているが、全唐詩の薛紹緯の条には天復中(唐末の年号、901903)に渓州司馬に貶せられたといぅひおそらくこの頃に貶せられたであろう。なお、北夢瑣言では薛澄州と呼んでいる。澄州もまた広西に属する。また、全唐詩に河東の人とあるのは、おそらく薛氏の出身地を言うのであろう。

 

歴代詩余の詞人姓氏では前局に編入して蜀に仕えて侍郎となったごとく記している。この説に従ってかれが韋荘と同じく蜀に仕えて侍郎となったとしている伝記も見受けられるが、紹澄が紹緯と同一人であるとすると上記の経歴と矛盾を生ずる。王国維は紹緯と薛昭蘊とを兄弟と見て、一門に浣溪沙詞を好んだものがあったと解しているが、この説よりも上にのべた同一人と見る説の方がよいようだ。花間集において温庭筠、皇甫松、韋荘についで薛昭蘊を並べているのも、唐王朝に仕えた人物を先に置いたためであろう。両者を同一人としておいた。

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 浣溪沙八首其一

浣溪の沙八首 其の一(渡し場付近の娼屋の女性のかなしみを詠う)

紅蓼渡頭秋正雨,印沙鷗跡自成行,整鬟飄袖野風香。

渡し場のあたりに紅蓼があきのまさ雨が降っている、砂浜にカモメの足跡が残り、女は後を追うように行く方向にあるいている。髷の髻からかみが垂れ、袖が揺れ、野の風が香りをのせて吹き寄せてくる。

不語含嚬深浦裏,幾迴愁煞棹舡郎,鷰歸帆盡水茫茫。

語りもしないし、苦々しさを含んで、船津の裏の奥の方に消え、幾度も廻って憂い顔の船頭が舟歌を詠って行く遊び人の男をのせていく。

 

浣溪沙八首其二

其の二(湘水の港町の妓女が、旅から戻ってくる男を待つ、そして次の年も同じように待つ、全く音信もなくなって空しく春過す。)

鈿匣菱花錦帶垂,靜臨蘭檻卸頭時,約鬟低珥等歸期。

顔面の上に飾物や、菱花の鏡を用意して、宝飾箱があり、横には西の帯が垂れたままにある。この静けさは、蘭のかおる女の閨に広がり、今、頭飾りを取り去ろうとしている髪の毛の頭頂で左右に分け,それぞれ耳のわきで輪をつくって束ねた結い方を整えようとしているのは、旅から戻ってくる約束の日が来たからなのだ。

茂茂艸青湘渚闊,夢餘空有漏依依,二年終日損芳菲。

春も盛んになり野山に草木が繁茂して、ここ湘水には緑がいっぱいに広がっている。夢をしっかり見るころに、ひたひたと水時計の音がむなしく響いてくる。もう二回目の春は終わろうとしている春の花が咲きみだれて、やがてその香はなくなって來るのだ。

 

浣溪沙八首其三

其の三(官妓から妾妻に迎えられたものの寒食の時から見むきもされない女を詠う)

粉上依稀有淚痕,郡庭花落欲黃昏,遠情深恨與誰論。

逢いたいのに逢えなかった娘はお白粉塗をぬった頬に徴かに残った涙跡があり、郡役所の官舎の庭に咲く花は散り夕闇となる。思いは遠くにいるあの人のこと、深き恨みを誰に話したらいいのだろうか。

記得去年寒食日,延秋門外卓金輪,日斜人散暗消魂。

忘れもしない去年の寒食の日の行楽での事、延秋の門の外れに車止め、日は傾きてあの人は花が散るように魂消え失せてしまった時でもあるのだ。

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浣溪紗八首 其四

(浣溪紗八首 其の四 春になると春水に、柳に、蜂に、琴に、雲霧に、月にあの人のことを思い出してしまう。)

握手河橋柳似金,蜂鬚輕惹百花心,蕙風蘭思寄清琴。

手を握りあったのは河橋のたもとの柳が金のように芽吹き繁る下でした。蜂はその鬚でもって、輕やかに百花の芯に惹かれ、飛び回るのです。花のかおりが風に乗って吹いて来て、そのなかの蘭のはなに思いよせると、いつのまにか清がしい琴の音に寄ってしまうのです。

意滿便同春水滿,情深還似酒盃深,楚煙湘月兩沉沉。

あの人への思いは胸いっぱいであり、ちょうど今、川いっぱいの春の増水とおなじのようなのです,あのひとのおもい、やさしさはとても深く、だから、また、酒盃をいっぱいに何度も注いでくれることのようでした,楚の巫女と皇帝の化身である靄、カスミが漂い、舜の後を追って湘水に身を投げた娥皇と女英が月に化身している,そのふたつの思いは、やがて沉沉とおさまっていくものです。


浣溪沙八首其五

(郊外の乙女の時に好きになって、何年かたって春別れて秋になっても合いには来てくれない道女の心を詠う)

簾下三間出寺牆,滿街垂楊綠陰長,嫩紅輕翠間濃粧。

簾を下している三つ季節をすごしていって寺の土塀の牆を出でいく,街には楊柳が垂れ綠を濃くして、もう夏も過ぎ、陰を長くしている,まだお紗奈を遺して頬を赤く染めている翡翠の飾りも軽く揺れている、その娘も、今やその間に小池省に変わっている。

瞥地見時猶可可,卻來閑處暗思量,如今情事隔仙

ちらっと初めて会ったその地を見て、また後逢瀬を重ねたところに来て見る、そしてその後もかわいそうであり、あわれでもあることが続く。今は却って来て見るとそこは寂しい所でしかなく思いをどんなに思ってみてもそれは暗くなってしまうものでしかない。今になってみればあの人との情事は仙郷での出来事のように遠いものになってしまった。

浣溪沙八首其六

(錦江のほとりの官妓の館の棄てられた女を詠う)

江館清秋纜客舡,故人相送夜開筵,麝煙蘭焰簇花鈿。

錦江のほとりの官妓の館には清々しい秋の景色が広がり他のお客は綺麗な船でやってきて舟の艫綱を繋いでいる。なじみの人は互いに夜の行楽の宴会を開いて送別の会をしている。麝香の煙が広がり、鸞の花の香りの燈火の中に広がって花の飾り細工の女たちが集められる。

正是斷魂迷楚雨,不堪離恨咽湘絃,月高霜白水連天。

この有様はまさに、この女に対する思いというのは断ち切れてしまい、いかに、巫女と皇帝の化身である楚の雨でさえもその降るところを迷ってしまうことになるのだ。離別であり、怨みを持つことに堪えることが出来ずに、舜の娥皇と女英の湘江のほとりで瑟を奏でたように思い続け、月となり、秋も深まって空高くなれば霜としておりて、白く染める。霜で白く染まった景色は天の水平線の彼方で月が照らす錦江(長江)の水に連なっている。

 

浣溪沙八首其七

傾國傾城恨有餘,幾多紅淚泣姑蘇,倚風凝睇雪肌膚。

主山河空落日,越王宮殿半平蕪,藕花菱蔓滿重湖。

 

浣溪沙八首其八

越女淘金春水上,步搖雲鬢珮鳴璫,渚風江草又清香。

不為遠山凝翠黛,只應含恨向斜陽,碧桃花謝憶劉郎。

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『浣溪沙八首』現代語訳と訳註

(本文)

浣溪沙八首其六

江館清秋纜客舡,故人相送夜開筵,麝煙蘭焰簇花鈿。

正是斷魂迷楚雨,不堪離恨咽湘絃,月高霜白水連天。

 

(下し文)

浣溪の沙 八首其の六

江館 清秋 客舡を纜ぎ,故人 相いに夜に筵を開き,麝煙 蘭焰 花鈿【かでん】に簇がるを送る。

正是 斷魂 迷楚雨,不堪 離恨 咽湘絃,月高 霜白 水連天。

 

(現代語訳)

(錦江のほとりの官妓の館の棄てられた女を詠う)

錦江のほとりの官妓の館には清々しい秋の景色が広がり他のお客は綺麗な船でやってきて舟の艫綱を繋いでいる。なじみの人は互いに夜の行楽の宴会を開いて送別の会をしている。麝香の煙が広がり、鸞の花の香りの燈火の中に広がって花の飾り細工の女たちが集められる。

この有様はまさに、この女に対する思いというのは断ち切れてしまい、いかに、巫女と皇帝の化身である楚の雨でさえもその降るところを迷ってしまうことになるのだ。離別であり、怨みを持つことに堪えることが出来ずに、舜の娥皇と女英の湘江のほとりで瑟を奏でたように思い続け、月となり、秋も深まって空高くなれば霜としておりて、白く染める。霜で白く染まった景色は天の水平線の彼方で月が照らす錦江(長江)の水に連なっている。

 

 

(訳注)

『花間集』には薛昭蘊の作が八首収められている。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦の詞形をとる。韋荘の浣渓抄の解説参照。

  韋荘(韋相莊)        浣溪紗五首

  薛侍郎昭蘊   浣溪紗八首

  牛學士希濟   浣溪紗四首

  (顧太尉     浣溪紗八首

  孫少監光憲   浣溪紗九首

  閻處士選      浣溪紗一首

  毛秘書熙震   浣溪紗七首

  李秀才珣      浣溪紗四首

 

其六

(錦江のほとりの官妓の館の棄てられた女を詠う)

 

江館清秋纜客舡,故人相送夜開筵,麝煙蘭焰簇花鈿。

錦江のほとりの官妓の館には清々しい秋の景色が広がり他のお客は綺麗な船でやってきて舟の艫綱を繋いでいる。なじみの人は互いに夜の行楽の宴会を開いて送別の会をしている。麝香の煙が広がり、鸞の花の香りの燈火の中に広がって花の飾り細工の女たちが集められる。

・江館 錦江のほとりの官妓の館。

・纜 ともづなを結んで一夜を共にする。ここでは思う男が他の女たちをはべらせて行楽の宴を開いている。秋と艫綱は別離を意味する。

魚玄機『遣懷』

閑散身無事,風光獨自遊。

斷雲江上月,解纜海中舟。

琴弄蕭梁寺,詩吟庾亮樓。

叢篁堪作伴,片石好為儔。

・解纜 ともづなをといて舟を出発する。

(懐を遣る)

閑散 身に事無く、風光濁り自ら遊ぶ。

雲を断つ 江上の月、纜を解く 海中の舟。

琴は蕭梁の寺に弄し、詩は庚亮の樓に吟ず。

叢篁 伴を作すに堪え、片石 儔を為すに好し。

・簇 むらがる。あつまる。笹竹。小さい竹。

 

正是斷魂迷楚雨,不堪離恨咽湘絃,月高霜白水連天。

この有様はまさに、この女に対する思いというのは断ち切れてしまい、いかに、巫女と皇帝の化身である楚の雨でさえもその降るところを迷ってしまうことになるのだ。離別であり、怨みを持つことに堪えることが出来ずに、舜の娥皇と女英の湘江のほとりで瑟を奏でたように思い続け、月となり、秋も深まって空高くなれば霜としておりて、白く染める。霜で白く染まった景色は天の水平線の彼方で月が照らす錦江(長江)の水に連なっている。

・断魂迷楚雨 楚の宋玉「高唐の賦」にある巫山神女の故事によるもので、懷王と交わった後、神女が「暮には行雨とならん」とどんな時でも一緒にいるといった意味を持つ雨である。楚の懐王が巫山の神女と夢のなかで交わった故事をいう。ここは男が他の女のもとに向かって(断絶)いるため、雨もどこで降ったらよいのか迷ってしまうというもの。。

・湘絃 月夜に舜を惜しんで瑟を爪弾いた。舜の妃となった夷の二人の娘、娥皇と女英を祀った廟。湘水の神とされ,また洞庭湖の水神でもあって,湖中の君山にその祠廟がある。

劉禹錫『瀟湘神』

斑竹枝,斑竹枝,涙痕點點寄相思。

楚客欲聽瑤瑟怨,瀟湘深夜月明時。

『瀟湘神  劉禹錫』  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-54-7-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1832

韋荘『臨江仙一首』

煙收湘渚秋江靜,蕉花露泣愁紅。

五雲雙鶴去無蹤,幾迴魂斷,凝望向長空。

翠竹暗留珠淚怨,閑調寶瑟波中,花鬟月鬢綠雲重。

古祠深殿,香冷雨和風。

臨江仙 一首 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-349-7-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3292

毛文錫『臨江仙』

暮蟬聲盡落斜陽,銀蟾影掛瀟湘。

黃陵廟側水茫茫。楚山紅樹,煙雨隔高唐。

岸泊漁燈風颭碎,白蘋遠散濃香。

靈娥皷琴韻清商,朱絃淒切,雲散碧天長。

臨江仙一首 毛文錫【もうぶんせき】  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-373-8-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3412

・水連天 霜で白く染まった景色は天の水平線の彼方で月が照らす錦江(長江)の水に連なっている。 

「渭上題三首之二」溫庭筠

目極雲霄思浩然,風帆一片水連天。

輕橈便是東歸路,不肯忘機作釣船。

『渭上題三首 之二』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-42-11 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1784

 

魚玄機が宮島に