子八首 其六(嶺南山脈を越え、南国の街にはいると異なる樹木の景色のなか、女妓との行楽のようすを詠う。)街道を通って南国地方の街に入った。黒つげの木樹は大きく育ち、葉影が十分にある、こちらには赤い花を咲かせた蓼の花が眩しい。
 

2014年1月24日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
LiveDoorブログ
班孟堅(班固)《東都賦》(17)#9-2 文選 賦<113―17>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩1019 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3643
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
 LiveDoorブログ
《答柳柳州食蝦蟆》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <932>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3644韓愈詩-241-#4
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ746廣徳2年764年―5-#2 《憶昔,二首之一》 蜀中転々 杜甫 <655-#2>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3645 杜甫詩1000-655-2-923/1500749-2
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ264 《誰氏子》 韓愈  kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3646 (01/24)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor11 -10 南鄉子八首 其六 歐陽舍人炯十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-420-11-#10  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3647
 
 ■最近の人気の文・賦・詩・詞(漢詩の5ブログ各部門)
 ■主要詩人の一覧・詩目次・ブログindex
『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩韓愈全詩李白全集文選花間集 古詩源 玉台新詠

 

11 -10 子八首 其六 歐陽舍人炯十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-420-11-#10   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3647

 

 

 

11 欧陽胴(896971)益州華陽(四川)の人。前軾の後主玉柏に仕えて中書舎人となった。前蜀が後唐に亡ぼされたので、王衍に従って洛陽に入ったが、孟知祥が後蜀を建てたので、ふたたび蜀に入って仕官した。蜀主孟証の広政三年(940)花間集の序文を書いた。花間集の南宋晁謙之跋本には、序文の前に武徳軍節度判官撰すとあり、この官にあったものだ。ただし集中に欧陽舎人とあるから、この時同じく中書舎人でを兼務したのかとおもわれるが確実なことはわからない。広政十二年(949) に翰林学士となり、同二十四年(961) に門下侍郎兼戸部尚書同平章事(宰相) となっている。広政二十八年(965)後裾が亡び、宋に降服した。そののち宋に仕えて右散騎常侍から翰林学士をへて左散騎常侍となり、開宝四年(971)七十六歳で卒した。のち工都尚書を贈られた。かれは率直で放縦な性質の人であり、長笛を吹くのが上手であったといぅ。その詞は花間集に十七首を収めている。

その詞は花間派の艶美さのなかにも江南の楽府に見られるような情緒がたたえられ、清らかで可憐な作が多い。漁父歌がとりわけ詞家によろこばれ唱和されたといぅが、これ以外の三字令、南郷子、賀明朝などにもこのような詞風を十分うかがうことができる。

 

 

 

1浣渓沙 三首 其一欧陽烱
2浣渓沙 三首 其二欧陽烱
3浣渓沙 三首 其三欧陽烱
4三字令欧陽烱
5子八首 其一欧陽烱
6子八首 其二欧陽烱
7子八首 其三欧陽烱
8子八首 其四欧陽烱
9子八首 其五欧陽烱
10子八首 其六欧陽烱
11子八首 其七欧陽烱
12子八首 其八欧陽烱
13獻衷心一首欧陽烱
14賀明朝二首 其一欧陽烱
15賀明朝二首 其二欧陽烱
16江城子一首欧陽烱
17鳳樓春一首欧陽烱

歐陽舍人炯

子八首

李秀才珣

子十首

 

 

子 

(長江下流域のあたりか、浙江省会稽・紹興辺りを連想させ、大江に面した樓亭に若い芸妓を侍らせた状況を詠う。)

嫩草如煙,石榴花發海南天。

若々しく柔らかい草原に陽炎が経つ頃も過ぎ、石榴の花は開き始める南国の海辺の郷に居る。

日暮江亭春影淥,鴛鴦浴。

日暮れ近くの水辺の樓亭は春景色の中きれいな水に影を落とす。そばには鴛鴦が水浴びをしている。

水遠山長看不足。

江水のはるか遠くに山並みが長く連なり、ここの春景色は飽きることがない。

 


(昔は、蝶よ、花よと下にも置かない生活をしていたが、今では芭蕉の林の中で粗末な生活をしている女の悲哀を詠うものである。)

畫舸停橈,槿花籬外竹橫橋。

すこし長い旅をしてきたきれいな塗り舟のさおをとめておりてみる。儚い思いを見てきたむくげの花が籬の外に顏を出していて、少し進むと、その横には、竹の橋が架かっている。

水上遊人沙上女,迴顧,笑指芭蕉林裏住。

船旅で港ごとに遊んできた男は、渚に佇む女に目をやる。そして尋ねる。女は振り向き、微笑んで芭蕉の林を指さして、「あそに住んでいます。」と答えを返してくれる。

 


(南国の夕暮れ時に水辺近くの女館についたものの、なじみのおんながいなくてなんにもできないと詠う。)

岸遠沙平,日斜歸路晚霞明。

故郷に帰る船は港を目指すが、岸は遠く砂濱は平らかに広がる。やがて、日は傾きて舟を降りて、帰り路を行けば、空は夕焼けに染まり、夕霞が漂う。

孔雀自憐金翠尾,臨水,認得行人驚不起。

昔馴染みの女妓がいなくて男らしさを示すものの、どうしようもないことで自らを憐れむいがいにない、それは帰る路に孔雀は自分の羽を広げて美しさを示すことしかできず、その美しさゆえに、その尾をあわれにおもうしかないのだ、そしてただどうしようもなく江水を臨むだけ、だから、ここの女たちが旅人のわたしを見てもなにもできなくて飛び立つこともしない。

 

其四

(つぼみの先が必ず北を向く木蘭のように思い続けてくれる女妓と花さく中、睦まじく過すさまを詠う)

洞口誰家,木蘭舡繫木蘭花。

聖女祠の所に来たけれどこの洞口は誰が住んでいる家なのか、ここまでの水路の岸辺に木蘭がつづき、舟を繋いで進むと木蘭の花のように私だけを見てくれているように迎い入れてくれる。

紅袖女郎相引去,游南浦,笑倚春風相對語。

紅い木蘭の花の中に紅い袖の女祠を携えて此処を去る。ここ南の港町で遊んだ時の事。微笑み合い、倚りそいあう、情を交わす時節になる春かぜが抜け、互いに見交わして語り合う。

 

其五

(十六になった女妓が初めてのお化粧したが、何時しか恋しい男を待つ身になったことを詠う。その五)

二八花鈿,胸前如雪臉如蓮。

十六歳になって初めて花鈿の化粧をしました。着物の胸のあたりにはゆきのもようでかざってもらい蓮の花のようなお顔にしてもらいました。

耳墜金鐶穿瑟瑟,霞衣窄,笑倚江頭招遠客。

抱かれると、細黄金の耳飾りは耳から落ちて床に落ちてシャリン、シャリンとなり、ふたりは霞のような薄いころもの中に蕾のようになりました。微笑み合い、寄り添い合う、大江のほとり立って、待ちに待った人をお迎えした時の事でした。

 

其六

(嶺南山脈を越え、南国の街にはいると異なる樹木の景色のなか、女妓との行楽のようすを詠う。)

路入南中,桄榔葉暗蓼花紅。

街道を通って南国地方の街に入った。黒つげの木樹は大きく育ち、葉影が十分にある、こちらには赤い花を咲かせた蓼の花が眩しい。

兩岸人家微雨後,收紅豆,樹底纖纖擡素手。

河川の両岸には人家があり、小雨が少し降ったのちにはもう晴れあがり、唐アズキを収穫している、「くろつぐ」の大樹のもとで若い女の華奢な白い手がもたげて体に回してくる。

 

其七

袖斂鮫綃,採香深洞笑相邀。

藤杖枝頭蘆酒滴,鋪葵席,豆花間晚日。

 

其八

翡翠鵁鶄,白蘋香裏小沙汀。

島上陰陰秋雨色,蘆花撲,數隻漁舡何處宿。

 

 

『南子八首其六』 現代語訳と訳註

(本文)

其六

路入南中,桄榔葉暗蓼花紅。

兩岸人家微雨後,收紅豆,樹底纖纖擡素手。

 

(下し文)

其六

路 南中に入り,桄榔 葉暗くして蓼の花 紅なり。

兩岸 人家は微【かすか】な雨の後,紅豆を收め,樹の底【もと】には纖纖として素手を擡【もたげ】る。

 

 

(現代語訳)

(嶺南山脈を越え、南国の街にはいると異なる樹木の景色のなか、女妓との行楽のようすを詠う。)

街道を通って南国地方の街に入った。黒つげの木樹は大きく育ち、葉影が十分にある、こちらには赤い花を咲かせた蓼の花が眩しい。

河川の両岸には人家があり、小雨が少し降ったのちにはもう晴れあがり、唐アズキを収穫している、「くろつぐ」の大樹のもとで若い女の華奢な白い手がもたげて体に回してくる。

 

 

 

(訳注)


唐の教坊の曲名。『花間集』には十八首所収。欧陽烱の作は八首収められている。二十八字、二十七字で、単調二平韻三仄韻である。

其六は、二十八字単調、五句二平韻三仄韻で④⑦❼❸❼の詞形である。

 

其六

(嶺南山脈を越え、南国の街にはいると異なる樹木の景色のなか、女妓との行楽のようすを詠う。)

桄榔00
 

路入南中,桄榔葉暗蓼花紅。

嶺南山脈を越え、街道を通って南国地方の街に入った。黒つげの木樹は大きく育ち、葉影が十分にある、こちらには赤い花を咲かせた蓼の花が眩しい。

南中 中国の南方の地をさすことば。ここは『其一首』の「海南」と同じく広東地方をさす。

桄榔 桄榔・桄榔子【くろつぐ】. ヤシ科の常緑低木。九州南部の林内に自生。葉は羽状で硬く,長さ2メートルほどで,短い幹に多数束生する。葉柄の下部は黒色の繊維に包まれる。液果は球形で赤熟。

蓼花 たでの花。タデ科 一年草または多年草。草丈20cm2m前後(種類によって異なる)。花期610月。花色 赤紫、ピンクなど。

蓼花00
 

兩岸人家微雨後,收紅豆,樹底纖纖擡素手。

河川の両岸には人家があり、小雨が少し降ったのちにはもう晴れあがり、唐アズキを収穫している、「くろつぐ」の大樹のもとで若い女の華奢な白い手がもたげて体に回してくる。

紅豆 唐小豆・相思子【とうあずき】. マメ科のつる性常緑木本。アフリカ原産。茎は長さ3メートル 内外となり,羽状複葉を互生。花は赤・紫など。扁平な豆果を結ぶ。種子は赤色で一端が黒い。美しいのでビーズなど装飾用とされる。また,毒性があり毒矢に用いる。

纖纖擡素手 纖纖は女の子を形容することば。この句は大樹の下で、二人が横になりやさしい白い手をもたげて男の体に回してきたことを云う。
蓼花01