《河傳三首其二》こんなことが人の世の中のことが天上の出来事であるならまだしも、遊び事であり、鑑賞されることには耐えられない。富貴の者は酔いつぶれた眼でいる。屏風や障子や幔幕で仕切られていることを疑いたくもなる。それは池の端の堤の所での事である。これほどのうららかな春の光の中での出来事は人間として惜しむべきことであり、花が咲けば咲くほどに思いは切なく下腹が痛くなるほどせつなく、何もかも全てのこと、ことごとくのものが狂っているとしか思えない。


2014年3月5日の紀頌之5つのブログ
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●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
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花間集  河傳 詞十八首
        
 1溫助教庭筠河傳三首 温庭筠66首 花間集1・2巻  
 3韋相莊河傳三首 韋莊47首 花間集二巻  
 6張舍人泌河傳二首 張泌27首 花間集四巻  
 11顧太尉河傳三首 顧夐56首 花間集6・7巻  
 12孫少監光憲河傳四首 孫光憲47首 花間集7・8巻  
 15閻處士選河傳一首 閻選8首 花間集9巻  
 18李秀才珣河傳二首 李珣39首 花間集10巻  
        
  

 

河傳三首 其一

(水辺の娼屋の女が帰ってこない男を思って詠う。)(河を題材にした悲しい三つの逸話 其の一)

鷰颺,晴景。

燕が舞い上がる季節が訪れ、春の盛りの景色、花が輝き鮮やかな景色になる。

屏暖,鴛鴦交頸。

小さな高い窓に日が射し、閨も暖かくなり、中庭内も暖かくなってくる、そこには鴛鴦が頭を交わして喜んでいる。

菱花掩卻翠鬟欹,慵整。海棠簾外影。

菱の花の簪が覆っている緑の黒髪を書き上げ耳をそばだて、物憂げに整えると、海棠の花が簾越しに、日が射し影を落とす。

繡幃香斷金鸂鶒,無消息,心事空相憶。

刺繍のとばりにお香が断たれ、金糸の鸂鶒が残される。それからは音沙汰亡くなってしまった、心に思い浮かべることでもその時の事が思い出され、空しく思い出すだけなのだ。

東風,春正濃。

春を知らせる風が吹き始めても、春の色が萌えからまさに緑濃くなっていっても消息は分からない。

愁紅,淚痕衣上重。

その葉が赤く色づいても愁いの思いは続く、涙の後は頬に残り、流れた涙は上衣に重なって残っている。

(河傳三首 其の一)

鷰颺【まいあが】り,景を晴らす。

は、屏は、暖かに,鴛鴦 頸を交わす。

菱花 卻を掩い翠鬟 欹【そばだ】つ,整を慵く。海棠 簾外の影。

繡幃 香斷し 金の鸂鶒【けいちょく】たり,消息無ければ,心事 空しく相い憶う。

東風あるも,春 正に濃ゆ。

紅に愁い,淚痕 衣の上 重る。

 

河傳三首 其二

(水際近くの娼屋の美しい女も富貴の者の愛妾でしかなく、やがては見向きもされない憐れなものであると詠う)

曲檻,春晚。

折れ曲がり奥まったところの水際の高楼に続く欄干に晩春の夕闇が迫っている。

碧流紋細,綠楊絲軟,露花,鮮杏,

翠に澄み切った緩やかな流れに波紋が細やかに広がり、緑に繁るしだれ柳の枝は柔らかに揺れている。花は露をためていて、杏の花が入り鮮やかに咲き誇る。
枝繁鶯囀,野蕪似剪。

枝は茂り鶯は囀る。野の蕪はきれいに成長して切りそろえた様に頭を並べる。

直是人間到天上,堪遊賞,

こんなことが人の世の中のことが天上の出来事であるならまだしも、遊び事であり、鑑賞されることには耐えられない。

醉眼疑屏障,對池塘,

富貴の者は酔いつぶれた眼でいる。屏風や障子や幔幕で仕切られていることを疑いたくもなる。それは池の端の堤の所での事である。

惜韶光,斷腸為花須盡狂。

これほどのうららかな春の光の中での出来事は人間として惜しむべきことであり、花が咲けば咲くほどに思いは切なく下腹が痛くなるほどせつなく、何もかも全てのこと、ことごとくのものが狂っているとしか思えない。

 

(河傳三首 其の二)

曲の檻,春の晚に。

碧の流れ 紋細やかに,綠の楊 絲軟らかに,露の花,鮮やかな杏に,

枝繁り 鶯囀く,野の蕪 剪に似る。

直ちに是れ人間 天上に到り,遊賞に堪える,

醉眼 屏障【びょうしょう】を疑い,池塘に對す,

韶光を惜み,花の為に斷腸し須らく盡く狂う。

 

其三

棹舉,舟去,

波光渺渺,不知何處,

岸花汀草共依依,雨微,鷓鴣相逐飛。

天涯離恨江聲咽,啼猿切,此意向誰

倚蘭橈,無憀。

魂消,小爐香欲焦。

 

 

『河傳三首』 現代語訳と訳註

(本文)

河傳三首 其二

曲檻,春晚。

碧流紋細,綠楊絲軟,露花,鮮杏,

枝繁鶯囀,野蕪似剪。

直是人間到天上,堪遊賞,

醉眼疑屏障,對池塘,

惜韶光,斷腸為花須盡狂。

 

(下し文)

(其の二)

曲の檻,春の晚に。

碧の流れ 紋細やかに,綠の楊 絲軟らかに,露の花,鮮やかな杏に,

枝繁り 鶯囀く,野の蕪 剪に似る。

直ちに是れ人間 天上に到り,遊賞に堪える,

醉眼 屏障【びょうしょう】を疑い,池塘に對す,

韶光を惜み,花の為に斷腸し須らく盡く狂う。

 

(現代語訳)

(水際近くの娼屋の美しい女も富貴の者の愛妾でしかなく、やがては見向きもされない憐れなものであると詠う)

折れ曲がり奥まったところの水際の高楼に続く欄干に晩春の夕闇が迫っている。

翠に澄み切った緩やかな流れに波紋が細やかに広がり、緑に繁るしだれ柳の枝は柔らかに揺れている。花は露をためていて、杏の花が入り鮮やかに咲き誇る。

枝は茂り鶯は囀る。野の蕪はきれいに成長して切りそろえた様に頭を並べる。

こんなことが人の世の中のことが天上の出来事であるならまだしも、遊び事であり、鑑賞されることには耐えられない。

富貴の者は酔いつぶれた眼でいる。屏風や障子や幔幕で仕切られていることを疑いたくもなる。それは池の端の堤の所での事である。

これほどのうららかな春の光の中での出来事は人間として惜しむべきことであり、花が咲けば咲くほどに思いは切なく下腹が痛くなるほどせつなく、何もかも全てのこと、ことごとくのものが狂っているとしか思えない。

 

roudai112
 

(訳注)

河傳三首

『花間集』には顧夐の作が三首収められている。双調五十一字、前段二十五字六句五仄韻、後段二十六字六句五仄韻で、❹❻❷❺❼❸❺❷❺の詞形をとる。

美女画555
 

其二

(水際近くの娼屋の美しい女も富貴の者の愛妾でしかなく、やがては見向きもされない憐れなものであると詠う)

 

 

曲檻,春晚。

折れ曲がり奥まったところの水際の高楼に続く欄干に晩春の夕闇が迫っている。

 

碧流紋細,綠楊絲軟,露花,鮮杏,

翠に澄み切った緩やかな流れに波紋が細やかに広がり、緑に繁るしだれ柳の枝は柔らかに揺れている。花は露をためていて、杏の花が入り鮮やかに咲き誇る。

○詩題の『河傳』の水際の高楼の盛春から晩春にかけての景色を述べる。この事によって妓女の盛りを過ぎることを連想させる。

 

枝繁鶯囀,野蕪似剪。

枝は茂り鶯は囀る。野の蕪はきれいに成長して切りそろえた様に頭を並べる。

○此の二句は富貴の男が幾人の女を侍らせていること、春の宴、行楽において美女を並べたことをいう。富貴の者が美人を集めて愛妾にして行く。それをあっせん商売にしているものがいることがうかがえる。

 

直是人間到天上,堪遊賞,

こんなことが人の世の中のことが天上の出来事であるならまだしも、遊び事であり、鑑賞されることには耐えられない。

 

醉眼疑屏障,對池塘,

富貴の者は酔いつぶれた眼でいる。屏風や障子や幔幕で仕切られていることを疑いたくもなる。それは池の端の堤の所での事である。

 

惜韶光,斷腸為花須盡狂。

これほどのうららかな春の光の中での出来事は人間として惜しむべきことであり、花が咲けば咲くほどに思いは切なく下腹が痛くなるほどせつなく、何もかも全てのこと、ことごとくのものが狂っているとしか思えない。

○韶光 うららかな春の光。また、のどかな春景色。

腸斷 セックスに満たされぬ思いを言う場合に断腸という語になる。心に思うことは別の語。

温庭筠『酒泉子 (一)』

羅帶惹香,猶系別時紅豆。

淚痕新,金縷舊,斷離腸。

一雙嬌燕語雕梁,還是去年時節。

綠陰濃,芳草歇,柳花狂。

『酒泉子』四首(一)温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-21-3-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1700

李商隠『落花』

高閣客竟去、小園花亂飛。

参差連曲陌、迢遞送斜暉。

腸斷未忍掃、眼穿仍欲稀。

芳心向春盡、所得是沾衣。

高閣 客 竟に去る、小園 花 亂飛す。

参差(しんし)として 曲陌に連なり、迢遞として斜暉を送る。

腸斷れて未だ掃うに忍ばず、眼穿てば 仍 稀ならんと欲す。

芳心 春盡くるに向かい、得る所は 是れ 衣を沾すのみ。

落花 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集-92
茶苑


花間集  河傳 詞十八首
        
 1溫助教庭筠河傳三首 温庭筠66首 花間集1・2巻  
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 11顧太尉河傳三首 顧夐56首 花間集6・7巻  
 12孫少監光憲河傳四首 孫光憲47首 花間集7・8巻  
 15閻處士選河傳一首 閻選8首 花間集9巻  
 18李秀才珣河傳二首 李珣39首 花間集10巻