顧夐《河傳三首其三》 とうとう、棹を挙げてあの人はここから船で去って行った。悲しみにくれ、遠くはるかなさきまで舟の後を追うと、波間に日が輝き、涙と波の輝きで、舟が見えなくなってしまった。あの人の行くところがどこだかわかりはしない。岸辺には花が咲いている、水際にまで草花が咲いているように、同じような女たちが佇んでいて、思い慕って離れにくいのだ。春の季節は変わりやすく小雨が降り始めて、鷓鴣が啼いて一斉に飛び立っていった。女たちも仕方なく立ち去って行った。

2014年3月6日

の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
LiveDoorブログ
張平子(張衡)《西京賦》(23)(建章宮〔一〕)#10-2 文選 賦<114―(23)>31分割68回 Ⅱ李白に影響を与えた詩1060 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3848
孟浩然 詩 index李白詩index謝霊運 詩 index司馬相如 《 子虛賦 ・上林賦 》揚雄 《 甘泉賦 》 ●諸葛亮(孔明)出師表
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
  LiveDoorブログ
《題廣昌館》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <973>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3849韓愈詩-266
・李商隠詩 (1)・李商隠詩 (2)●韓愈index-1 青年期・孟郊、張籍と交遊・汴州の乱に遭遇●韓愈詩index-2[800年貞元16年 33歳~804年貞元20年 37歳]●韓愈詩index-3 [805年貞元21年 38歳]陽山から江陵府参事軍 36首●韓愈詩index-4 [806年元和元年 39歳]江陵府参事軍・権知国子博士 51首(1)
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログこれまでの杜甫詩 (4)作時757年;至徳二年、47歳 安史軍捕縛、脱出、左拾遺  43首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3850 杜甫詩1000-673-inDex-4/1500
杜甫詩(1)736~751年 青年期・李白と交遊期・就活の詩 53首杜甫詩(2)752年;天平勝寶四年、41歳~754年;天平勝寶六年、43歳 73首(青年期・就活の詩) 杜甫詩(3)755年;天平勝寶七年、44歳~756年;至徳元年、45歳 安史の乱に彷徨う 26首杜甫詩(4)作時757年;至徳二年、46歳 安史軍捕縛、脱出、左拾遺 43首杜甫詩(5)758年;乾元元年、47歳 左拾遺、朝廷疎外、左遷 53首杜甫詩 (6)759年;乾元二年、48歳 三吏三別 官を辞す 44首
杜甫詩(7)759年;乾元二年、48歳 秦州抒情詩 66首杜甫詩(8)作時759年;乾元二年、48歳 秦州発、同谷紀行、成都紀行 36首杜甫詩(9)760年;上元元年、49歳 成都浣花渓草堂 45首杜甫詩(10)761年;上元二年、50歳 成都浣花渓草堂 82首杜甫詩(11)762年寶應元年 杜甫51歳  浣花渓草堂~蜀中転々 43首杜甫詩(12)762年寶應元年 杜甫51歳 蜀中転々 49首
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ
      
●花間集全詩●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor13-9《 河傳三首 其三 》顧太尉敻(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集」Gs-461-13-(9) 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3852
薛濤の全詩花間集(1)花間集(2)花間集(3)花間集(4)花間集(5)
魚玄機全詩●花間集(6)●花間集(7)●花間集(8)●花間集(9)●花間集(10)
温庭筠66首 花間集1・2巻皇甫松11首 花間集二巻韋莊47首 花間集二巻薛昭蘊19首 花間集三巻牛嶠31首 花間集三・四巻張泌27首 花間集四巻
毛文錫31首 花間集5巻牛希濟11首 花間集5巻欧陽烱17首 花間集5・6巻和凝20首 花間集6巻顧夐56首 花間集6・7巻孫光憲47首 花間集7・8巻
魏承班15首 花間集8・9巻鹿虔扆6首 花間集9巻閻選8首 花間集9巻尹鶚6首 花間集9巻毛熙震29首 花間集9・10巻李珣39首 花間集10巻
 ■最近の人気の文・賦・詩・詞(漢詩の5ブログ各部門)

杜甫全詩

韓愈全詩

李白全集

文選

古詩源

花間集





13-9《 河傳三首 其三》顧太尉(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集」Gs-461-13-(9)  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3852

 

 

花間集  河傳 詞十八首
        
 1溫助教庭筠河傳三首 温庭筠66首 花間集1・2巻  
 3韋相莊河傳三首 韋莊47首 花間集二巻  
 6張舍人泌河傳二首 張泌27首 花間集四巻  
 11顧太尉河傳三首 顧夐56首 花間集6・7巻  
 12孫少監光憲河傳四首 孫光憲47首 花間集7・8巻  
 15閻處士選河傳一首 閻選8首 花間集9巻  
 18李秀才珣河傳二首 李珣39首 花間集10巻  
        

 

河傳三首 其一

(水辺の娼屋の女が帰ってこない男を思って詠う。)(河を題材にした悲しい三つの逸話 其の一)

鷰颺,晴景。

燕が舞い上がる季節が訪れ、春の盛りの景色、花が輝き鮮やかな景色になる。

屏暖,鴛鴦交頸。

小さな高い窓に日が射し、閨も暖かくなり、中庭内も暖かくなってくる、そこには鴛鴦が頭を交わして喜んでいる。

菱花掩卻翠鬟欹,慵整。海棠簾外影。

菱の花の簪が覆っている緑の黒髪を書き上げ耳をそばだて、物憂げに整えると、海棠の花が簾越しに、日が射し影を落とす。

繡幃香斷金鸂鶒,無消息,心事空相憶。

刺繍のとばりにお香が断たれ、金糸の鸂鶒が残される。それからは音沙汰亡くなってしまった、心に思い浮かべることでもその時の事が思い出され、空しく思い出すだけなのだ。

東風,春正濃。

春を知らせる風が吹き始めても、春の色が萌えからまさに緑濃くなっていっても消息は分からない。

愁紅,淚痕衣上重。

その葉が赤く色づいても愁いの思いは続く、涙の後は頬に残り、流れた涙は上衣に重なって残っている。

(河傳三首 其の一)

鷰颺【まいあが】り,景を晴らす。

は、屏は、暖かに,鴛鴦 頸を交わす。

菱花 卻を掩い翠鬟 欹【そばだ】つ,整を慵く。海棠 簾外の影。

繡幃 香斷し 金の鸂鶒【けいちょく】たり,消息無ければ,心事 空しく相い憶う。

東風あるも,春 正に濃ゆ。

紅に愁い,淚痕 衣の上 重る。

 

河傳三首 其二

(水際近くの娼屋の美しい女も富貴の者の愛妾でしかなく、やがては見向きもされない憐れなものであると詠う)

曲檻,春晚。

折れ曲がり奥まったところの水際の高楼に続く欄干に晩春の夕闇が迫っている。

碧流紋細,綠楊絲軟,露花,鮮杏,

翠に澄み切った緩やかな流れに波紋が細やかに広がり、緑に繁るしだれ柳の枝は柔らかに揺れている。花は露をためていて、杏の花が入り鮮やかに咲き誇る。

枝繁鶯囀,野蕪似剪。

枝は茂り鶯は囀る。野の蕪はきれいに成長して切りそろえた様に頭を並べる。

直是人間到天上,堪遊賞,

こんなことが人の世の中のことが天上の出来事であるならまだしも、遊び事であり、鑑賞されることには耐えられない。

醉眼疑屏障,對池塘,

富貴の者は酔いつぶれた眼でいる。屏風や障子や幔幕で仕切られていることを疑いたくもなる。それは池の端の堤の所での事である。

惜韶光,斷腸為花須盡狂。

れほどのうららかな春の光の中での出来事は人間として惜しむべきことであり、花が咲けば咲くほどに思いは切なく下腹が痛くなるほどせつなく、何もかも全てのこと、ことごとくのものが狂っているとしか思えない。

 

(河傳三首 其の二)

曲の檻,春の晚に。

碧の流れ 紋細やかに,綠の楊 絲軟らかに,露の花,鮮やかな杏に,

枝繁り 鶯囀く,野の蕪 剪に似る。

直ちに是れ人間 天上に到り,遊賞に堪える,

醉眼 屏障【びょうしょう】を疑い,池塘に對す,

韶光を惜み,花の為に斷腸し須らく盡く狂う。

 

其三

(港で見送る女たちが泣き叫ぶ声は猿の鳴き声て一緒になって響くと鷓鴣も飛び立って、もうあきらめていきていくしかない。港の女は何時も辛い別れをしている。)

棹舉,舟去,

とうとう、棹を挙げてあの人はここから船で去って行った。

波光渺渺,不知何處,

悲しみにくれ、遠くはるかなさきまで舟の後を追うと、波間に日が輝き、涙と波の輝きで、舟が見えなくなってしまった。あの人の行くところがどこだかわかりはしない。

岸花汀草共依依,雨微,鷓鴣相逐飛。

岸辺には花が咲いている、水際にまで草花が咲いているように、同じような女たちが佇んでいて、思い慕って離れにくいのだ。春の季節は変わりやすく小雨が降り始めて、鷓鴣が啼いて一斉に飛び立っていった。女たちも仕方なく立ち去って行った。

天涯離恨江聲咽,啼猿切,此意向誰

女の一生では恨み言であってもそれから離れなくてはいけないので、大江には嗚咽と泣き声がするものなのだ。それに合わせて猿が泣くと切なさが増す。だからといって、別れのこの気持ちは誰に話したらいいのだろう。

倚蘭橈,無憀。

きれいなお船の船べりに倚りかかって、何もしないでボーっとする。

魂消,小爐香欲焦。

慕う気持ちも何も消え失せ、香炉のお香も消えかかっている、気持ちを切り替えてまたもやし、焦がそうと思う。

 

其の三

棹は舉ぐ,舟は去る,

波光 渺渺たり,何れの處を知らず,

岸の花と 汀の草 共に依依たり,雨微にして,鷓鴣 相い逐いて飛ぶ。

天涯 恨を離れ 江に聲して咽し,啼いて猿は切なし,此の意 誰に向いて

蘭橈に倚れば,無憀たり。

魂消れば,爐香を小くし焦さんと欲す。

roudai112
 

 

『河傳三首』 現代語訳と訳註

(本文)

河傳三首 其三

棹舉,舟去,

波光渺渺,不知何處,

岸花汀草共依依,雨微,鷓鴣相逐飛。

天涯離恨江聲咽,啼猿切,此意向誰

倚蘭橈,無憀。

魂消,小爐香欲焦。

 

(下し文)

其の三

棹は舉ぐ,舟は去る,

波光 渺渺たり,何れの處を知らず,

岸の花と 汀の草 共に依依たり,雨微にして,鷓鴣 相い逐いて飛ぶ。

天涯 恨を離れ 江に聲して咽し,啼いて猿は切なし,此の意 誰に向いてく。

蘭橈に倚れば,無憀たり。

魂消れば,爐香を小くし焦さんと欲す。

 

(現代語訳)

(港で見送る女たちが泣き叫ぶ声は猿の鳴き声て一緒になって響くと鷓鴣も飛び立って、もうあきらめていきていくしかない。港の女は何時も辛い別れをしている。)

とうとう、棹を挙げてあの人はここから船で去って行った。

悲しみにくれ、遠くはるかなさきまで舟の後を追うと、波間に日が輝き、涙と波の輝きで、舟が見えなくなってしまった。あの人の行くところがどこだかわかりはしない。

岸辺には花が咲いている、水際にまで草花が咲いているように、同じような女たちが佇んでいて、思い慕って離れにくいのだ。春の季節は変わりやすく小雨が降り始めて、鷓鴣が啼いて一斉に飛び立っていった。女たちも仕方なく立ち去って行った。

女の一生では恨み言であってもそれから離れなくてはいけないので、大江には嗚咽と泣き声がするものなのだ。それに合わせて猿が泣くと切なさが増す。だからといって、別れのこの気持ちは誰に話したらいいのだろう。

きれいなお船の船べりに倚りかかって、何もしないでボーっとする。

慕う気持ちも何も消え失せ、香炉のお香も消えかかっている、気持ちを切り替えてまたもやし、焦がそうと思う。

 

(訳注)

河傳三首

『花間集』には顧夐の作が三首収められている。双調五十一字、前段二十五字六句五仄韻、後段二十六字六句五仄韻で、❹❻❷❺❼❸❺❷❺の詞形をとる。

 DCF00048

其三

(港で見送る女たちが泣き叫ぶ声は猿の鳴き声て一緒になって響くと鷓鴣も飛び立って、もうあきらめていきていくしかない。港の女は何時も辛い別れをしている。)

 

棹舉,舟去,

とうとう、棹を挙げてあの人はここから船で去って行った。

 

波光渺渺,不知何處,

悲しみにくれ、遠くはるかなさきまで舟の後を追うと、波間に日が輝き、涙と波の輝きで、舟が見えなくなってしまった。あの人の行くところがどこだかわかりはしない。

渺渺 果てしなく広いさま。遠くはるかなさま。

 

岸花汀草共依依,雨微,鷓鴣相逐飛。

岸辺には花が咲いている、水際にまで草花が咲いているように、同じような女たちが佇んでいて、思い慕って離れにくいのだ。春の季節は変わりやすく小雨が降り始めて、鷓鴣が啼いて一斉に飛び立っていった。女たちも仕方なく立ち去って行った。

依依 依依恋恋をいう。恋い慕うあまり離れられないさま。「依依」は、思い慕って離れにくいさま。 また、木の枝などがしなやかなさまを指す。 「恋恋」は、思い焦がれていつまでもあきらめきれないさま。

鷓鴣 『南越志』「常に日に向ひて飛ぶ。飛びて数ば月に随ふ。蓋し正月の如きは一飛して止む()。霜露を畏れ、早晩出づること稀なり。時有りて夜に飛ぶ。飛べば則ち木葉を以て自ら其の背を覆ふ。古牋に云ふ、偃鼠は河に飲むも腹を満たして止み、鷓鴣は葉を銜ふるも才かに能く身を覆ふとは、此れの謂ひなり。臆前に白円点文有り、多く対ひて啼く、志は常に南に嚮ひ、北に徂くを思はず。」、「鷓鴣は東西に回翔すと雖も、然れども開翅の始め必ず先づ南に翥ぶ」とは、亦胡馬は北に嘶くの義なり。『本草』「鷓鴣は形は母雞に似たり。鳴きて鉤輈格磔と云ふ」と。『嶺表異録』「肉は白くして脆なり。味は雞雉に勝る」と。

「早晩出づること稀なり」とあるのは餌をとる姿が観察されたためだろう。「時有りて夜に飛ぶ。飛べば則ち木葉を以て自ら其の背を覆ふ」とは、シャコの地上で生活し樹上で眠るという習性を指していると考えられるが、陸佃は『荘子』の言を引き、シャコの慎み深さを指していると考えている。ここでは、一羽が鳴きはじめると近くにいるものもすぐにこれに加わるというシャコの習性をいう。

 

天涯離恨江聲咽,啼猿切,此意向誰

女の一生では恨み言であってもそれから離れなくてはいけないので、大江には嗚咽と泣き声がするものなのだ。それに合わせて猿が泣くと切なさが増す。だからといって、別れのこの気持ちは誰に話したらいいのだろう。

 

倚蘭橈,無憀。

きれいなお船の船べりに倚りかかって、何もしないでボーっとする。

蘭橈 お舟。舟の美称。蘭舟。木蘭で作った、かぢ。

『竹枝』  劉禹錫「日出三竿春霧消,江頭蜀客駐蘭橈。憑寄狂夫書一紙,住在成都萬里橋。」(日は 三竿を出で春霧消え,江頭の蜀客 蘭橈を駐む。狂夫に憑りて 書一紙寄す,成都 萬里橋に  住みて在り。)

 

魂消,小爐香欲焦。

慕う気持ちも何も消え失せ、香炉のお香も消えかかっている、気持ちを切り替えてまたもやし、焦がそうと思う。

doteiko012