春に垂らす碧き絹の帳もそのままに、夏の紅の錦の掛け布団、博山の香炉の香も既に灰となったままなのだ。この夜も眠れず、漏刻のおとに咽び泣き、蟋蟀の声に心をせつなくし、いつしか奥の宮殿の庭一面に雪のような霜の時期になっていることを知る。

 
 2014年9月30日の紀頌之5つのブログ 
 ●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場 
 Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
LiveDoorブログ
96 《秋下荊門 李白 4》index-5 1-5 725年開元十三年25歳<96> Ⅰ李白詩1265 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4873 
 孟浩然 詩 index李白詩index謝霊運 詩 index司馬相如 《 子虛賦 ・上林賦 》揚雄 《 甘泉賦 》 ●諸葛亮(孔明)出師表 
 曹植(曹子建)詩 65首 index文選 賦)兩都賦序・西都賦・東都賦 (班固)《李白 全詩》
  総合案内
(1)漁父辞 屈原『楚辞・九歌』東君 屈原《楚辞 『九辯』》 宋玉  <案内> 
 ●唐を代表する 中唐 韓愈 全500首  
 Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
 LiveDoorブログ
20 -(3) 《上宰相書 -(3)》韓愈(韓退之)ID 793年貞元9年 26歳<1181> Ⅱ唐宋八大家文読本 巻三 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4889 
 ・李商隠詩 (1) 136首の75首・李商隠詩 (2) 135首の61首●韓愈index-1 ・孟郊、張籍と交遊・汴州乱41首●韓愈詩index-2[800年 33歳~804年 37歳]27首●韓愈詩index-3 805年 38歳・]陽山から江陵府 36首●韓愈詩index-4 806年 39歳 江陵府・権知国子博士 51首(1)25首 
 index-5 806年39歳 50首の(2)25首index-6[807年~809年 42歳]20首index-7[810年~811年 44歳] 34首index-8 [812年~814年47歳]46首index-9[815年~816年 49歳] 57首index-10[817年~818年 51歳]・「平淮西碑」28首 
 index-11 819年 52歳 ・『論佛骨表』左遷 38首index-12 820年 53歳 ・9月國子祭酒に。18首index-13 821年~822年 55歳 22首index-14 823年~824年 57歳・病気のため退職。没す。 14首韓愈 哲学・儒学「五原」賦・散文・上奏文・碑文など 
 孟郊張籍     
 ●杜甫の全作品1500首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。" 
 Ⅲ杜甫詩全1500首   LiveDoorブログ765年永泰元年54歲-31 《宴戎州楊使君東樓》 杜甫index-15 杜甫<831> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4890 杜甫詩1500-831-1149/2500765年永泰元年54歲-31 
 杜甫詩(1)736~751年 青年期・李白と交遊期・就活の詩 53首杜甫詩(2)752年~754年、43歳 73首(青年期・就活の詩) 杜甫詩(3)755年~756年、45歳 安史の乱に彷徨う 26首杜甫詩(4)作時757年、46歳 安史軍捕縛、脱出、左拾遺 43首杜甫詩(5)758年;乾元元年、47歳 左拾遺、朝廷疎外、左遷 53首杜甫詩 (6)759年;乾元二年、48歳 三吏三別 官を辞す 44首 
 杜甫詩(7)759年;乾元二年、48歳 秦州抒情詩 66首杜甫詩(8)作時759年、48歳 秦州発、同谷紀行、成都紀行 36首杜甫詩(9)760年;上元元年、49歳 成都浣花渓草堂 45首杜甫詩(10)761年;上元二年、50歳 成都浣花渓草堂 82首杜甫詩(11)762年寶應元年 杜甫51歳  浣花渓草堂~蜀中転々 43首杜甫詩(12)762年寶應元年 杜甫51歳 蜀中転々 49首 
 ●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている 
 Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ 
        
 ●花間集全詩●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集 
 Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor19-486《更漏子二首其一》巻九 毛熙震Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-669-19-(486) 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4892 
 薛濤の全詩花間集(1)花間集(2)花間集(3)花間集(4)花間集(5) 
 魚玄機全詩●花間集(6)●花間集(7)●花間集(8)●花間集(9)●花間集(10) 
 温庭筠66首 花間集1・2巻皇甫松11首 花間集二巻韋莊47首 花間集二巻薛昭蘊19首 花間集三巻牛嶠31首 花間集三・四巻張泌27首 花間集四巻 
 毛文錫31首 花間集5巻牛希濟11首 花間集5巻欧陽烱17首 花間集5・6巻和凝20首 花間集6巻顧夐56首 花間集6・7巻孫光憲47首 花間集7・8巻 
 魏承班15首 花間集8・9巻鹿虔扆6首 花間集9巻閻選8首 花間集9巻尹鶚6首 花間集9巻毛熙震29首 花間集9・10巻李珣39首 花間集10巻 
  ■最近Best5 賦・詩・詞(漢詩4ブログ各部門)漢詩総合サイト 07ch 
 杜甫全詩案内韓愈全詩案内李白全集文選古詩源花間集案内 
 
 

19-486《更漏子二首其一》巻九 毛熙震唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-669-19-(486)  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4892

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花間集 教坊曲『更漏子』十六首

 

 

溫庭筠

巻一

『更漏子六首 一』 

柳絲長,春雨細,

 

 

巻一

『更漏子 二』

星斗稀,鐘鼓歇,

 

 

巻一

『更漏子 三』

金雀釵,紅粉面,

 

 

巻一

『更漏子 四』

相見稀,相憶久,

 

 

巻一

『更漏子六首 五』

背江樓,臨海月,

 

 

巻一

『更漏子首 六』

玉鑪香,紅蠟淚,

 

 

韋相莊

巻三

更漏子一首

鐘鼓寒,樓閣暝

 

 

牛嶠

巻四

更漏子三首 其一

星漸稀,漏頻轉

 

 

巻四

更漏子三首 其二

南浦情,紅粉淚

 

 

巻四

更漏子三首 其三 

春夜闌,更漏促

 

 

毛文錫

巻五

更漏子一首

春夜闌,春恨切

 

 


巻七

更漏子一首

舊歡,新悵望,

 

 

孫光憲

巻八

更漏子二首其一

聽寒更,聞遠鴈,

 

 

巻八

更漏子二首其二

今夜期,來日別,

 

 

毛熙震

巻九

更漏子二首其一

秋色清,河影澹

 

 

巻九

更漏子二首其二

煙月寒,秋夜靜

 

 

 

 

 

 

 

 

毛熙震 更漏子二首

 

更漏子二首其一

(寵愛の無くなった妃賓の深まる秋の夜の宮殿閏の内外の様子を詠う。)

秋色清,河影澹,深燭寒光暗。

初秋の景色、気配は清々しいものになるが。天の川の影は日に日に淡くなってゆく、後宮の奥深き宮殿には誰も訪れず、灯火が寒々と暗い。

綃幌碧,錦衾紅,博山香炷融。

春に垂らす碧き絹の帳もそのままに、夏の紅の錦の掛け布団、博山の香炉の香も既に灰となったままなのだ。

更漏咽,蛩鳴切,滿院霜華如雪。

この夜も眠れず、漏刻のおとに咽び泣き、蟋蟀の声に心をせつなくし、いつしか奥の宮殿の庭一面に雪のような霜の時期になっていることを知る。

新月上,薄雲收,映簾懸玉鉤。

それでも希望を以て新月が上るのを見る、すると薄雲消えて晴になると、垂れ下がる簾に映えて、輝く鉤と新月の鉤型がかさなった。(あのお方は来てはくれないが希望を棄てずに生きて行こう)

(更漏子二首其の一)

秋色は清なり,河影は澹なり,深の燭は寒く 光は暗なり。

綃幌は碧く,錦衾は紅に,博山香炷は融なり。

更漏に咽び,蛩鳴 切なり,院に霜華滿つるは雪の如し。

新月 上り,薄雲 收まり,簾に映える 玉鉤 懸かるを。

 

更漏子二首其二

煙月寒,秋夜靜,漏轉金壺初永。

羅幕下,繡屏空,燈花結碎紅。

人悄悄,愁無了,思夢不成難曉。

長憶得,與郎期,竊香私語時。

 

kairo10681
 

『更漏子二首』 現代語訳と訳註

(本文)

更漏子二首其一

秋色清,河影澹,深燭寒光暗。

綃幌碧,錦衾紅,博山香炷融。

更漏咽,蛩鳴切,滿院霜華如雪。

新月上,薄雲收,映簾懸玉鉤。

 

(下し文)

(更漏子二首其の一)

秋色は清なり,河影は澹なり,深燭は寒く 光は暗なり。

綃幌は碧く,錦衾は紅に,博山香炷は融なり。

更漏に咽び,蛩鳴 切なり,院に霜華滿つるは雪の如し。

新月 上り,薄雲 收まり,簾に映える 玉鉤 懸かるを。

 

(現代語訳)

(寵愛の無くなった妃賓の深まる秋の夜の宮殿閏の内外の様子を詠う。)

初秋の景色、気配は清々しいものになるが。天の川の影は日に日に淡くなってゆく、後宮の奥深き宮殿には誰も訪れず、灯火が寒々と暗い。

春に垂らす碧き絹の帳もそのままに、夏の紅の錦の掛け布団、博山の香炉の香も既に灰となったままなのだ。

この夜も眠れず、漏刻のおとに咽び泣き、蟋蟀の声に心をせつなくし、いつしか奥の宮殿の庭一面に雪のような霜の時期になっていることを知る。

それでも希望を以て新月が上るのを見る、すると薄雲消えて晴になると、垂れ下がる簾に映えて、輝く鉤と新月の鉤型がかさなった。(あのお方は来てはくれないが希望を棄てずに生きて行こう)

DCF00212
 

(訳注)

更漏子二首其一

(寵愛の無くなった妃賓の深まる秋の夜の宮殿閏の内外の様子を詠う。)

一首全体が叙景であり、直接に愛艶、情を語る言葉は用いられてはいないが、暗く寒々とした灯火の光や、燃え尽きて灰となった香、泣き咽ぶような水時計の音、心に迫る蟋蟀の声などから、妃賓の宮殿の独り秋の夜を送る辛い心情が読み取れる。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - 

古来、宮中にはいわゆる「内職」という制度があった。『礼記』「昏義」 に、「古、天子は、后に六宮、三夫人、九嬪、二十七世婦、八十一御妻を立て、以て天下の内治を聴く」とある。唐初の武徳年間(618626)に、唐は隋の制度を参照して完壁で精密な「内官」制度をつくった。その規定では、皇后一人、その下に四人の妃(貴妃、淑妃、徳妃、賢妃各一人)、以下順位を追って、九嬪(昭儀、昭容、昭媛、修儀、修容、修媛、充儀、充容、充媛各一人)、捷好九人美人九人、才人九人、宝林二十七人、御女二十七人、采女二十七人が配置される。上記のそれぞれの女性は官品をもち、合計で122人の多きに達した。皇后だけが正妻であり、その他は名義上はみな「妃嬪」-皇帝の妾とされた。

また、皇太子の東宮にも「内官」があり、太子妃一人、その下に良娣、良媛、承徽、昭訓、奉儀などの品級があった。諸親王の王妃の下にも孺人【じゅじん】等の媵妾【ようしょう】の身分があった。

 

皇后を立てることに比べて、妃嬪を立てることはわりあい簡単であり、家柄はそれほど厳格に問題にされることはなかった。彼女たちの大半は皇子を生むか、あるいは寵愛を受けたために妃嬪の品階を賜った者であったから、その中には身分の低い者もいくらか含まれていた。たとえば、玄宗の趙麗妃は歌妓の出身であった。そうした例もあるが、しかし妃賓でも出身、家柄はやはり大切であった。太宗の楊妃は隋の場帝の娘であったから、「地位と名望が高く、内外の人々が皆注目した」(『新唐書』太宗諸子伝)。玄宗の柳捷好は名門大族の娘であり、玄宗は「その名家を重んじて」(『新唐書』十一宗諸子伝)特別な礼遇を与えた。

 

美人が雲のごとく集まっている後宮において、家柄は一頭地を抜くために必要な第一の跳躍台であった。

 

古代、一貫して国の大小にかかわらず、後宮は国の威信をかけて運営された。国の予算の30%以上も浪費していた。その構図は、貴族社会、富貴社会の一個の家、家系、一族、すべて収入の3050%が、奥方の消費に当てられていたのであるから、消費生活の中で、一部の女性の権限は相当なものであった。また、中国は、収賄贈賄をうまく利用運用するものが富を得る社会制という見方もできる。

 

花間集の多くの詩は、白居易の詞詩の流れをくむもので、後宮の寵愛を失った多くの妃嬪たちを題材にしたものである。少なくとも数十人、多ければ数百人の妃嬪たちの中には短期間の寵愛のものが大半であり、ほとんどの妃嬪が寂しい生涯であったのである。この史実を理解して詞詩を読まないとただの艶詞になってしまう。この時代の女性が男に対して媚を売らなければ生きてゆけなかったというのは、貴族制と生産性、倫理観、であり、男社会がすべてであるかのような基盤の下には、女性がたくましく我慢し、族を実際に動かす制度ががっちりとしたものがあったのである。

 

『花間集』には毛照票の作が二首収められている。双調四十六字、前段二十三字六句二灰韻二平韻、後段二十三字六句三灰韻二平韻で、3❸❻3③⑤/3❸❻❸③⑤ の詞形をとる。宮人の室には漏刻が置かれていた、そういった身分の女性を詠ったもの、何時までも眠りに着けず更漏の時を迎える女性を詠ったものである。

秋色清,河影,深燭寒光

綃幌碧,錦衾,博山香炷

更漏咽,蛩鳴,滿院霜華如

新月,薄雲,映簾懸玉

○●○  ○●△ △●●○△●

○●● ●○○  ●○○●○

△●△  ○○● ●△○△△●

○●● ●○△  ●○○●○

 

秋色清,河影澹,深燭寒光暗。

初秋の景色、気配は清々しいものになるが。天の川の影は日に日に淡くなってゆく、後宮の奥深き宮殿には誰も訪れず、灯火が寒々と暗い。

○秋色 秋の様子、秋気。

○河 天の川。今年もあのお方は来てくれなかったことを連想させる。天の川を鵲が橋を作ってあの方と合わせてくれるのはたった一日、今はそれもかなわない。天の川は所収はっきりと見え、秋が深まるにつれ、次第に薄れて行く。

○深戸 奥深い閏。

 

綃幌碧,錦衾紅,博山香炷融。

春に垂らす碧き絹の帳もそのままに、夏の紅の錦の掛け布団、博山の香炉の香も既に灰となったままなのだ。

○綃幌 寝牀を囲う絹の幌。五行思想によって綃幌を季節の色に変える。この詩は秋で、白色であるはずが、春の緑のままになっていることで、次の「紅」は夏のものであることで、わびしさをいう。

博山香蛙融 博山香炉は、大変高価で、高貴な閨にしかない。その香が燃え尽きて灰となってくずれたこと。融は融解、灰の形が崩れてしまって形をなくすこと。

 

更漏咽,蛩鳴切,滿院霜華如雪。

この夜も眠れず、漏刻のおとに咽び泣き、蟋蟀の声に心をせつなくし、いつしか奥の宮殿の庭一面に雪のような霜の時期になっていることを知る。

更漏 水時計、女官五品以上で執務室に設置された。ここでは水時計から滴る水の音を聞くことが出来るほどの地位であったこと。後宮以外では富貴の者以外は、漏刻は役人の鳴らす鐘の音を聞いて知った。

 

新月上,薄雲收,映簾懸玉鉤。

それでも希望を以て新月が上るのを見る、すると薄雲消えて晴になると、垂れ下がる簾に映えて、輝く鉤と新月の鉤型がかさなった。(あのお方は来てはくれないが希望を棄てずに生きて行こう)

新月 新月、三日月は希望を持つ意味につかわれる。この新月の釣り針の形と簾を止める「玉鉤」の形によって、希望を失わないということの意味になる。

映簾懸玉鉤 玉製の鈎から垂れ下がった簾に(新月の影が)映る。玉鉤は簾を巻いて掛けるカギ。簾をかかげるのは希望を持つための意味となる。前聯の「霜華如雪」が簾をかかげることにつながる。
三日月01