魏承班  訴衷情五首其二

春深花簇小樓臺,風飄錦繡開。新睡覺,步香堦,山枕印紅腮。

鬢亂墜金釵,語檀隈。臨行執手重重囑,幾千迴。

(この詩は君王から寵愛が無くなった宮女のおもいを詠ったもの)その二

春景色は深まり、花は宮女の居る楼閣の望み台に集まっている、風は廻っていて錦の幃、刺繍のとばりを開く。昼寝をして目を覚ますと、少し歩いて犬走りの階段のとこまでお香の香りが届いている。起きて少し経つのに、枕の寝跡が顎から頬にかけてついている。髪は少し乱れたままだし簪が落ち掛けている。話すことは、白檀の寝牀の影での独り言をする。あのころは、あの方に臨行して手を取ってもらって手厚くされ、かさねがさね目をつけられる、そんなことがもう幾千回あったのだ。(それが永遠に続くと思っていた。)

巻九06

訴衷情五首其二

13魏承班

(改訂版Ver.2.1

《花間集》408巻九06

全詩訳注解説-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7304

 

 
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『花間集』 このブログで花間集全詩、訳注解説します。

7)魏承班十五首 鹿虔扆六首 閻選八首 尹鶚六首

 

 

ID

作品名

作者

 

 

■ 魏太尉承班(魏承班【ぎしょうはん】)十五首

 

 

 

1

八巻

菩薩蠻二首其一

魏承班

 

 

2

八巻

菩薩蠻二首其二

魏承班

 

 

3

九巻

滿宮花一首

魏承班

 

 

4

九巻

木蘭花一首

魏承班

 

 

5

九巻

玉樓春二首,其一

魏承班

 

 

6

九巻

玉樓春二首,其二

魏承班

 

 

7

九巻

訴衷情五首,其一

魏承班

 

 

8

九巻

訴衷情五首,其二

魏承班

 

 

9

九巻

訴衷情五首,其三

魏承班

 

 

10

九巻

訴衷情五首,其四

魏承班

 

 

11

九巻

訴衷情五首,其五

魏承班

 

 

12

九巻

子二首,其一

魏承班

 

 

13

九巻

子二首,其二

魏承班

 

 

14

九巻

黃鐘樂一首,

魏承班

 

 

15

九巻

漁歌子一首

魏承班

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魏太尉承班 《訴衷情五首》

訴衷情五首其一

(この詩は君王から寵愛が無くなった、それでも思い続ける妃嬪のおもいを詠ったもの)

高歌宴罷月初盈,詩情引恨情。

念奴の声は、高らかに歌い上げて酒宴はたけなわになり、やがて宴は終る頃月は初めて上空にあがっている。詩を作るその気持ちは恨みの感情に吸引されるものであった。

煙露冷,水流輕,思想夢難成。

冷気は靄に、露が辺りに降りてきた。江水の流れは軽やかに流れる。思い続けていることは、もう夢が現実になることはない。

羅帳裊香平,恨頻生。

うす絹のとばりの内側には緩やかにお香がゆれ、立ち上って閨に水平に広がっている。心はというと、やっぱり恨みが頻りに生れてくる。

思君無計睡還醒,隔層城。

君王を思う気持ちを取り戻すには、はかりごとなどない、眠ったかとも思えば、また、おきあがる。もうこんなことの繰り返しをするだけの生活である。君王の宮城からは幾重にも屋根が隔ててしまった。

(訴衷情五首其の一)

高歌 宴罷り 月 初めて盈つ,詩情は恨情を引く。

煙露 冷やかに,水流 輕やかに,思想 夢 成り難し。

羅帳 裊香 平らかに,恨み 頻に生づ。

君を思い 計無く 睡 還た醒め,層城を隔つ。

 

訴衷情五首其二

(この詩は君王から寵愛が無くなった宮女のおもいを詠ったもの)その二

春深花簇小樓臺,風飄錦繡開。

春景色は深まり、花は宮女の居る楼閣の望み台に集まっている、風は廻っていて錦の幃、刺繍のとばりを開く。

新睡覺,步香堦,山枕印紅腮。

昼寝をして目を覚ますと、少し歩いて犬走りの階段のとこまでお香の香りが届いている。起きて少し経つのに、枕の寝跡が顎から頬にかけてついている。

鬢亂墜金釵,語檀隈。

髪は少し乱れたままだし簪が落ち掛けている。話すことは、白檀の寝牀の影での独り言をする。

臨行執手重重囑,幾千迴。

あのころは、あの方に臨行して手を取ってもらって手厚くされ、かさねがさね目をつけられる、そんなことがもう幾千回あったのだ。(それが永遠に続くと思っていた。)

(訴衷情五首其の二)

春深く 花 小樓臺に簇る,風飄 錦繡開く。

新たに睡から覺め,步めば香堦に,山枕 紅腮に印す。

鬢亂 金釵墜ち,檀隈に語る。

臨行して執手 重重の囑,幾千迴る。

 

 

 

『訴衷情五首』 現代語訳と訳註

(本文)

訴衷情五首其二

春深花簇小樓臺,風飄錦繡開。

新睡覺,步香堦,山枕印紅腮。

鬢亂墜金釵,語檀隈。

臨行執手重重囑,幾千迴。

 

(下し文)

(訴衷情五首其の二)

春深く 花 小樓臺に簇る,風飄 錦繡開く。

新たに睡から覺め,步めば香堦に,山枕 紅腮に印す。

鬢亂 金釵墜ち,檀隈に語る。

臨行して執手 重重の囑,幾千迴る。

 

(現代語訳)

(この詩は君王から寵愛が無くなった宮女のおもいを詠ったもの)その二

春景色は深まり、花は宮女の居る楼閣の望み台に集まっている、風は廻っていて錦の幃、刺繍のとばりを開く。

昼寝をして目を覚ますと、少し歩いて犬走りの階段のとこまでお香の香りが届いている。起きて少し経つのに、枕の寝跡が顎から頬にかけてついている。

髪は少し乱れたままだし簪が落ち掛けている。話すことは、白檀の寝牀の影での独り言をする。

あのころは、あの方に臨行して手を取ってもらって手厚くされ、かさねがさね目をつけられる、そんなことがもう幾千回あったのだ。(それが永遠に続くと思っていた。)

大明宮の圖003
 

 

(訳注)

訴衷情五首其二

(この詩は君王から寵愛が無くなった宮女のおもいを詠ったもの)

『花間集』には魏承班の作が五首収められている。単調四十一字、九句六平韻で、⑦⑤③③⑤ ⑤③⑦③の詞形をとる。

春深花簇小樓  風飄錦繡
新睡覺 步香  山枕印紅
鬢亂墜金釵  語檀
臨行執手重重囑  幾千

○△○●●○○  △○●●○

○●● ●○○  ○△●○○

●●●○○    ●○△

△△●●△△●  △○△

凌波曲舞002
 

春深花簇小樓臺,風飄錦繡開。

春景色は深まり、花は宮女の居る楼閣の望み台に集まっている、風は廻っていて錦の幃、刺繍のとばりを開く。

 [音]ソウ(漢) ゾク(慣) [訓]むらがる群がり集まる。「簇出・簇生」

 

新睡覺,步香堦,山枕印紅腮。

昼寝をして目を覚ますと、少し歩いて犬走りの階段のとこまでお香の香りが届いている。起きて少し経つのに、枕の寝跡が顎から頬にかけてついている。

 1.階段.2等級,レベル.

紅腮 えら【鰓/腮/顋】1 水中にすむ動物の呼吸器官。魚類のものは、ふつう櫛(くし)の歯のような鰓弁(さいべん)に毛細血管が分布し、これに触れる水から酸素をとり、二酸化炭素を出す。2 人のあごの骨の左右に角をなす部分。えらぼね

 

鬢亂墜金釵,語檀隈。

髪は少し乱れたままだし簪が落ち掛けている。話すことは、白檀の寝牀の影での独り言をする。

香木の名。「檀香/栴檀(せんだん)・白檀(びゃくだん)」2 ニシキギ科の落葉樹の名。マユミ。「檀紙」3 梵語の音訳字。布施。「檀家・檀那」〈タン〉木の名。「黒檀・紫檀」

ニシキギ科の落葉低木。山野に生え、葉は楕円形で、対生。雌雄異株。初夏、緑白色の小花が集まって咲き、果実はほぼ四角形で、熟すと四つに裂けて赤い種子が現れる。古くは材で弓を作った。やまにしきぎ。かわくまつづら。《季 花=夏 実=秋》

(「檀弓」とも書く)マユミの木で作った弓。

(かさね)の色目の名。表は蘇芳(すおう)、裏は黄。多く秋に用いる。

 

臨行執手重重囑,幾千迴。

あのころは、あの方に臨行して手を取ってもらって手厚くされ、かさねがさね目をつけられる、そんなことがもう幾千回あったのだ。(それが永遠に続くと思っていた。)

臨行 身分の高い人が出かけて行ってその場に臨むこと。

重重 1 同じことを何度も繰り返すさま。かさねがさね。「の不始末、なにとぞお許しください」2 十分であるさま。よくよく。「

囑 1 ものを頼む。「嘱託/依嘱・委嘱」2 目をつける。「嘱望・嘱目」