古詩 爲焦仲卿妻作§5-#1〔無名氏〕

 

2017314

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-041§5 古詩 爲焦仲卿妻作§5-#1〔無名氏〕 Ⅴ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の玉臺新詠巻一ブログ 8343

府吏の馬は前を進んでゆき、その嫁の車は後につづいていく。ポコポコとひずめの音、ごろごろがらがらと車の音をひびかせている、二人は共に大道への出口に差し掛かったので会うことができる。府吏は馬からおりて車の中へはいり、頭をひくめ耳へ口よせてささやきかわした。「わたしは誓う、どんなことがあってもあなたをそのまま隔てたままにはしない。それは私の出張がおわるしばらくの間、実家に帰っていてほしい。」

 

 

 

 

玉臺新詠 巻一

 

 

 

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焦仲卿妻作 (原文と分割)

 (1)
序曰:漢末建安中,廬江府小吏焦仲卿妻劉氏,為仲卿母所遣,自誓不嫁。

其家逼之,乃投水而死。仲卿聞之,亦自縊於庭樹。時人傷之,為詩雲爾。

序(2

孔雀東南飛,五裏一徘徊。


焦仲卿妻作-§(1)#1

十三能織素,十四學裁衣。十五彈箜篌,十六誦詩書。

十七為君婦,心中常苦悲。君既為府吏,守節情不移。

賤妾留空房,相見常日稀。

§(1)#2
雞鳴入機織,夜夜不得息。三日斷五疋,大人故嫌遲。

非為織作遲,君家婦難為。妾不堪驅使,徒留無所施。

便可白公姥,及時相遣歸 。

 

焦仲卿妻作-§(2)-1
府吏得聞之,堂上
阿母。兒已薄祿相,幸複得此婦。

結髮同枕席,黃泉共為友。共事二三年,始而未為久。

§(2)-2
女行無偏斜,何意致不厚。阿母謂府潰何乃太區區。

此婦無禮節,舉動自專由。吾意久懷忿,汝豈得自由。

§(2)-3

東家有賢女,自名秦羅敷。可憐體無比,阿母為汝求。

便可速遣之,遣去慎莫留。府吏長跪告,伏惟阿母。

§(2)-4

今若遣此婦,終老不復娶。阿母得聞之,槌床便大怒。

小子無所畏,何敢助婦語。吾已失恩義,會不相從許。

 

焦仲卿妻作-§(3)-#1
府吏默無聲,再拜還入。舉言謂新婦,哽咽不能語。

我自不驅卿,逼迫有阿母。卿但暫還家,吾今且赴府。

§(3)-#2
不久當歸還,還必相迎取。以此下心意,慎勿違吾語。

新婦謂府吏,勿複重紛紜。往昔初陽,謝家來貴門。

§(3)-#3
奉事循公姥,進止敢自專?晝夜勤作息,伶俜縈苦辛。

謂言無罪過,供養卒大恩。仍更被驅遣,何言複來還?

§(3)-#4
妾有繡腰襦,葳蕤自生光。紅羅複鬥帳,四角垂香囊。

箱簾六七十,綠碧青絲繩。物物各具異,種種在其中。

§(3)-#5
人賤物亦鄙,不足迎後人。留待作遣施,於今無會因。

時時為安慰,久久莫相忘。

 

焦仲卿妻作-§(4)-1
雞鳴外欲曙,新婦起嚴妝。著我繡夾裙,事事四五通。

足下躡絲履,頭上玳瑁光。腰若流紈素,耳著明月璫。

§(4)-2
指如削蔥根,口如含珠丹。纖纖作細步,精妙世無雙。

上堂謝阿母,阿母怒不止。昔作女兒時,生小出野裏。

§(4)-3
本自無教訓,兼愧貴家子。受母錢帛多,不堪母驅使。

今日還家去,念母勞家裏 。卻與小姑別,淚落連珠子。

§(4)-4
新婦初來時,小姑始扶床。今日被驅遣,小姑如我長。

勤心養公姥,好自相扶將。初七及下九,嬉戲莫相忘。

出門登車去,涕落百餘行。

 

焦仲卿妻作-§(5)-#1
府吏馬在前,新婦車在後。隱隱何甸甸,俱會大道口。

下馬入車中,低頭共耳語。誓不相隔卿,且暫還家去。

§(5)-#2

吾今且赴府,不久當還歸。誓天不相負,新婦謂府吏,感君區區懷。

君既若見錄,不久望君來。君當作磐石,妾當作蒲葦。

§(5)-#3

蒲葦韌如絲,磐石無轉移。我有親父兄,性行暴如雷。

恐不任我意,逆以煎我懷。舉手長勞勞,二情同依依 。

 

焦仲卿妻作-§(6)-#1
入門上家堂,進退無顏儀。阿母大拊掌,不圖子自歸。

十三教汝織,十四能裁衣。十五彈箜篌,十六知禮儀。

§(6)-#2
十七遣汝嫁,謂言無誓違。汝今何罪過,不迎而自歸?

蘭芝慚阿母,兒實無罪過。阿母大悲摧。還家十餘日,縣令遣媒來。

§(6)-#3

雲有第三郎,窈窕世無雙。年始十八九,便言多令才。

阿母謂阿女,汝可去應之。

§(6)-#4
阿女含淚答,蘭芝初還時,府吏見叮嚀,結誓不別離。

今日違情義,恐此事非奇。自可斷來信,徐徐更謂之。

§(6)-#5
阿母白媒人,貧賤有此女。始適還家門,不堪吏人婦。

豈合令郎君?幸可廣問訊,不得便相許。

 

焦仲卿妻作-§(7)-#1
媒人去數日,尋遣丞請還。有蘭家女,承籍有宦官。

雲有第五郎,嬌逸未有婚。遣丞為媒人,主簿通語言。

§(7)-#2
太守家,有此令郎君。既欲結大義,故遣來貴門。

阿母謝媒人,女子先有誓,老姥豈敢言。阿兄得聞之,悵然心中煩。

§(7)-#3
舉言謂阿妹,作計何不量。先嫁得府吏,後嫁得郎君。

否泰如天地,足以榮汝身。不嫁義郎體,其往欲何雲。

§(7)-#4
蘭芝仰頭答,理實如兄言。謝家事夫君,中道還兄門。

處分適兄意,那得自任專。雖與府吏約,後會永無緣。

登即相許和,便可作婚姻 。

 

焦仲卿妻作-§(8) -#1
媒人下床去,諾諾複爾爾。還部白府君,下官奉使命,言談大有緣 。

府君得聞之,心中大歡喜。視曆複開書,便利此月,六合正相應。

§(8) -#2
良吉三十日,今已二十七,卿可去成婚。交語速裝束,絡繹如浮雲。

青雀白鵠舫,四角龍子幡。婀娜隨風轉,金車玉作輪。

§(8) -#3
躑躅青驄馬,流蘇金縷鞍。齎錢三百萬,皆用青絲穿。

雜彩三百疋,交廣市鮭珍。從人四五百,鬱鬱登郡門。

§(8) -#4
阿母謂阿女,適得府君書,明日來迎汝。何不作衣裳,

莫令事不舉。阿女默無聲,手巾掩口啼,淚落便如瀉。

§(8) -#5
移我琉璃榻,出置前廳下。左手持刀尺,右手執綾羅。

朝成繡夾裙,晚成單羅衫。暗暗日欲暝,愁思出門啼。

 

焦仲卿妻作-§(9)-#1
府吏聞此變,因求假暫歸。未至二三裏,摧藏馬悲哀。

新婦識馬聲,躡履相逢迎。悵然遙相望,知是故人來。

§(9)-#2
舉手拍馬鞍,嗟歎使心傷。自君別我後,人事不可量。

果不如先願,又非君所詳。我有親父母,逼迫兼弟兄。

§(9)-#3
以我應他人,君還何所望。府吏謂新婦,賀君得高遷。

磐石方且厚,可以卒千年。蒲葦一時韌,便作旦夕間。

§(9)-#4
卿當日勝貴,吾獨向黃泉。新婦謂府吏,何意出此言。

同是被逼迫,君爾妾亦然。黃泉下相見,勿違今日言。

§(9)-#5
執手分道去,各各還家門。生人作死別,恨恨那可論。

念與世間辭,千萬不復全。

 

焦仲卿妻作-§(10)-#1
府吏還家去,上堂拜阿母。今日大風寒,寒風摧樹木,嚴霜結庭蘭。

兒今日冥冥,令母在後單。

§(10)-#2
故作不良計,勿複怨鬼神。命如南山石,四體康且直。

阿母得聞之,零淚應聲落。汝是大家子,仕宦於台閣。

§(10)-#3
慎勿為婦死,貴賤情何薄。東家有賢女,窈窕豔城郭。

阿母為汝求,便複在旦夕。府吏再拜還,長歎空房中,作計乃爾立。

§(10)-#4
轉頭向裏,漸見愁煎迫。其日牛馬嘶,新婦入青廬。

暗暗黃昏後,寂寂人定初。我命今日,魂去屍長留。

§(10)-#5
攬裙絲履,舉身赴清池。府吏聞此事,心知長別離。

徘徊庭樹下,自掛東南枝。

 

焦仲卿妻作-§(11)-#1
兩家求合葬,合葬華山傍。東西植松柏,左右種梧桐。

枝枝相覆蓋,葉葉相交通。中有雙飛鳥,自名為鴛鴦。

§(11)-#2
仰頭相向鳴,夜夜達五更。行人駐足聽,寡婦起彷徨。

多謝後世人,戒之慎勿忘。

玉臺新詠タイトル002
紅葉002
 

玉臺新詠 §5-#1

古詩 爲焦仲卿妻作

巻一 -41

〔無名氏〕

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焦仲卿妻作-§(5)-#1
府吏馬在前,新婦車在後。
府吏の馬は前を進んでゆき、その嫁の車は後につづいていく。
隱隱何甸甸,俱會大道口。
ポコポコとひずめの音、ごろごろがらがらと車の音をひびかせている、二人は共に大道への出口に差し掛かったので会うことができる。
下馬入車中,低頭共耳語。
府吏は馬からおりて車の中へはいり、頭をひくめ耳へ口よせてささやきかわした。
誓不相隔卿,且暫還家去。
「わたしは誓う、どんなことがあってもあなたをそのまま隔てたままにはしない。それは私の出張がおわるしばらくの間、実家に帰っていてほしい。」

§(5)-#2

吾今且赴府,不久當還歸。

誓天不相負,新婦謂府吏,感君區區懷。

君既若見錄,不久望君來。

君當作磐石,妾當作蒲葦。

§(5)-#3

蒲葦韌如絲,磐石無轉移。

我有親父兄,性行暴如雷。

恐不任我意,逆以煎我懷。

舉手長勞勞,二情同依依 。

 

府吏の馬は前に在り,新婦の車は後に在る。
隱隱として何ぞ甸甸【でんでん】たる,俱に大道の口に會す。
下馬して車中に入り,低頭して共に耳語す。
誓って卿を相い隔てず,且つ暫く家に還り去る。

吾 今且【まさ】に府に赴【おもむ】かんとす,久しからずして當に還歸すべし。
天に誓って相い負【そむ】かず,新婦 府吏に謂う,君が區區【くく】の懷いに感ず。
君 既に若し錄せられなば,久しからずして君の來るを望まん。
君は當に磐石【ばんじゃく】と作【な】るべし,妾は當に蒲葦【ぼい】と作るべし。
蒲葦は韌【じん】となりて絲の如く,磐石は轉移無し。我には親父兄有り,性行 暴なること雷の如し。
恐らくは我が意に任ぜざらん,逆【あらかじ】め以って我が懷いを煎る。
手を舉げて長【とこしえ】に勞勞し,二情 同じく依依とす。

 

 

《爲焦仲卿妻作》現代語訳と訳註解説
(
本文)

焦仲卿妻作-§(5)-#1
府吏馬在前,新婦車在後。隱隱何甸甸,俱會大道口。

下馬入車中,低頭共耳語。誓不相隔卿,且暫還家去。

 

(下し文)
府吏の馬は前に在り,新婦の車は後に在る。
隱隱として何ぞ甸甸【でんでん】たる,俱に大道の口に會す。
下馬して車中に入り,低頭して共に耳語す。
誓って卿を相い隔てず,且つ暫く家に還り去る。

 

(現代語訳)

府吏の馬は前を進んでゆき、その嫁の車は後につづいていく。
ポコポコとひずめの音、ごろごろがらがらと車の音をひびかせている、二人は共に大道への出口に差し掛かったので会うことができる。
府吏は馬からおりて車の中へはいり、頭をひくめ耳へ口よせてささやきかわした。
「わたしは誓う、どんなことがあってもあなたをそのまま隔てたままにはしない。それは私の出張がおわるしばらくの間、実家に帰っていてほしい。」

 

(訳注) 
焦仲卿妻作 

焦仲卿の妻、劉氏の為に作った詩

この詩は中国においては比較的に少ない叙事詩の傑作で、冒頭の一句をとって「孔雀東南飛」の題名でよばれることもある。全篇一七四五字、古今稀に見る長篇である。無名氏の作でその所作の年代については諸説があって一様ではないが、おそらくはこの故事発生の建安年後に、そんなに時節が経ていない頃に、詩人の手に成り、その後流転して多くの詩人の手が加わってストーリー、詩の体裁も整っていたものと思われる。

詩の作意については附記の序文に明らかである。

後世に影響を与えた詩で、初唐、劉希夷はじめ数多くの詩人に、特に白居易の『長恨歌』の祖型になったともいわれているのである。

 

府吏馬在前,新婦車在後。
府吏の馬は前を進んでゆき、その嫁の車は後につづいていく。


隱隱何甸甸,俱會大道口。
ポコポコとひずめの音、ごろごろがらがらと車の音をひびかせている、二人は共に大道への出口に差し掛かったので会うことができる。
90.隠隠・甸甸 車馬の響。


下馬入車中,低頭共耳語。
府吏は馬からおりて車の中へはいり、頭をひくめ耳へ口よせてささやきかわした。


誓不相隔卿,且暫還家去。
「わたしは誓う、どんなことがあってもあなたをそのまま隔てたままにはしない。それは私の出張がおわるしばらくの間、実家に帰っていてほしい。」