玉-巻三-07 擬古七首其七( 擬涉江采芙) 陸機

 

 

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玉-巻三-07 擬古七首其七( 擬涉江采芙) 陸機 Ⅴ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の玉臺新詠巻二ブログ 9430

(旅立ったあの人を迎えるため、山に登って花を摘むが、あの人のことが心配で歩くことも躊躇して、なかなか手にいっぱいにならず、思いも万里離れていると届かない、もう会えないのだろうかと詠う。)

山に上って美しい花を摘みとるに、深い谷間にはかんはしい蘭の花がたくさんある。

しかしそれをとっても中々手に一はいにはならぬ。それははてしもなくあのうれしい人、夫のことを思うからだ。

故郷はあの方からほ何と遠いことよ。途中には山や川がけわしくへだてて相会うことがむつかしい。

私の深い思いは万里の彼方に集って心おちつかぬままに行きつもどりつただ独り口ずさみなげくのみである。

 

 

 

擬古七首 《陸機》

 

 

玉臺新詠 訳注解説

 

 

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9395

 

 

 

1.擬西北有高樓

高樓一何峻、苕苕峻而安。綺窗出塵冥、飛階躡雲端。

佳人撫琴瑟、纎手清且閑。芳草隨風結、哀響馥若蘭。

#2

玉容誰能顧、傾城在一彈。佇立望日昃、躑躅再三歎。

不怨佇立久、但願歌者歡。思駕歸鴻羽、比翼雙飛翰。

 

2. 擬東城一何高

西山何其峻、層曲崔嵬。零露彌天墜、蕙葉憑林衰。

寒暑相因襲、時逝忽如遺。

#2

三閭結飛轡、大耋悲落暉。曷為牽世務、中心悵有違。

京洛多妖麗、玉顏侔瓊蕤。

#3

閑夜撫鳴琴、惠音清且悲。長歌赴促節、哀響逐高徽。

一唱萬夫歡、再唱梁塵飛。思為河曲鳥、雙遊豊水湄。

 

3. 擬蘭若生春陽

嘉樹生朝陽、凝霜封其條。執心守時信、寒不敢彫。

美人何其曠、灼灼在雲霄。隆想彌年時、長嘯入風飃。

引領望天末、譬彼向陽翹。

 

4. 擬苕苕牽牛星

昭昭天漢暉、粲粲光天步。牽牛西北向、織女東南顧。

華容一何冶、揮手如振素。

#4

怨彼河無梁、悲此年暮。跂彼無良緣、睆焉不得度。

引領望大川、雙涕如霑露。

 

5. 擬青青河畔草

靡靡江蘺草、熠燿生河側。皎皎彼姝女、阿那當軒織。

粲粲妖容姿、灼灼華美色。良人遊不歸、偏棲獨隻翼。

空房來悲風、中夜起歎息。

 

6. 擬庭中有奇樹

歡友蘭時往、迢迢匿音徽。虞淵引景、四節遊若飛。

芳草久已茂、佳人竟不歸。躑躅遵林渚、惠風入我懷。

感物戀所歡、采此欲貽誰。

 

7. 擬涉江采芙蓉

上山采瓊蘂、穹谷饒芳蘭。采采不盈掬、悠悠懷所歡。

一何曠、山川阻且難。沈思鍾萬里、躑躅獨吟歎。


 

玉臺新詠 77

擬古七首其三

〔擬蘭若生春陽〕

-巻に三-02

陸機

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の玉臺新詠ブログ9374

 

擬西北有高樓  #1

(高楼で国を傾けるほどの美人が、琴と瑟を奏でている、聞き手の私に心を寄せてくれることを望んで聞いている。

高樓一何峻、苕苕峻而安。

高楼はなんとけわしくそびえていることよ、それははるかにして、高くしかも安らかに立っている。

綺窗出塵冥、飛階躡雲端。

飾りある窓はほの暗い塵の下界からぬけ出で、空に飛びあがる姿勢の階段は、雲の端をふまえるばかりに高い。

佳人撫琴瑟、纎手清且閑。

かぐわしい気は風のまにまにかおってくるし、かなしげな音色は蘭の香りのただようように響いてくる。

芳草隨風結、哀響馥若蘭。

そこに美人が玉の琴と瑟を弾いている。細やかな手は清く且つのどかに奏でている、

#2

玉容誰能顧、傾城在一彈。

この美人の玉の顔をば誰が愛で顧みるのであろう。彼女の城を傾けさせるほどのうるわしさは、宏を一と弾きするうちにもあらわれている。

佇立望日昃、躑躅再三歎。

わたしはそれにききほれてたたずみ眺めているうちに午後二時ごろ、日も傾むいたが、それでも足は進みかねて、二たび三たびため息をつく。

不怨佇立久、但願歌者歡。

いつまでたたずんでも怨みと思わぬが、ただあの歌う人が聴き手のわたしに心をよせてくださることを望むのみだ。

思駕歸鴻羽、比翼雙飛翰。

願わくは帰りゆく鴻の羽に乗って翼を並べ、二人連れそうて飛びたいものだ。

 

(古に擬す歌 その一)#1

高楼 一に何ぞ峻なる、苕苕 峻にして 安し。

綺窗 塵冥より出づ、飛階 雲端を躡む。

佳人璃宏を撫す、敵手清く且つ開なり。

芳気風に障って結び、哀響酸しきこと蘭の若し。

#2

玉容 誰か能く顧みん、傾城 一彈に在り。

佇立 望みて日昃く、躑躅 再三 歎ず。

怨まず 佇立の久しきを、但 願ふ歌者の歡ばんことを。

思ふ 歸鴻の羽に駕して、翼を 比べ 雙飛して翰たんことを。

 

擬古七首其二 擬東城一何高  #1

(京洛の美人を思っての意を述べて、短い人生を楽しみ遊べと進めて詠う)

西山何其峻、層曲崔嵬。

西の山はなんと高くけわしく、また城壁の四隅の曲がりめの所も勢いよく高くそびえたっている。

零露彌天墜、蕙葉憑林衰。

露は空じゅうから地面におち、林によりそう意の葉も衰えしぼんだ。

寒暑相因襲、時逝忽如遺

暑さから寒さへとうつりかわり、時節のあわただしく過ぎ去ることはくずれおちるようでもある。

#2

三閭結飛轡、大耋悲落暉。

三閭大夫であった屈原は、馬の手綱をかって天空を飛びまわりたいと願ったが、遊び楽しむ時期をはずしてしまい、八十過ぎの老人になって、夕日の傾きおちるのを嘆かねはならなくなる。

曷為牽世務、中心悵有違。

それなのに私はなんで世間の仕事にひきずられ、わが本心にそむいていやいや暮らしているのであろうか。

京洛多妖麗、玉顏侔瓊蕤。

長安や洛陽の都には美しい女も多く、その玉のような務は花ぶさのあでやかさにも劣らぬ。

#3

閑夜撫鳴琴、惠音清且悲。

彼女らはのどかな夜に琴をかきならし、そのよい音色はすみわたり、かつ、悲しくひびく。

長歌赴促節、哀響逐高徽。

長い歌声は急調子の節につれて響き、悲しげな音声は高く張った琴柱の絃から聞こえてくる。

一唱萬夫歡、再唱梁塵飛。

彼女が一たび歌うとそれを聞く万人が感嘆し、二たび唱えると梁の上の塵が舞うほどの素晴らしい演奏である。

思為河曲鳥、雙遊豊水湄。

私は思う、黄河の曲隈に棲む鳥ともなって、雌雄うち連れ、灃水のほとりに飛び交う如く彼女らと遊びたいものだと。

〔古に擬す歌 その二〕(東城 一に何ぞ高きに擬す)

西山は 何ぞ其れ峻しき、層曲は 鬱として崔嵬たり。

零露は 天に彌りて墜ち、蕙葉は 林に憑りて衰ふ。

寒暑は 相い因襲し、時は 逝きて 忽ち遺るるが如し#2

#2

三閭は 飛轡を結び、大耋【だいてつ】は 落暉を悲しむ。

曷為【なんす】れぞ 世務に牽かれて、中心 悵として 違う有り。

京洛には 妖麗多く、玉顏は 瓊蕤に侔し。

#3

閑夜には 鳴琴を撫するに、惠音 清く 且つ 悲し。

長歌は 促節に赴き、哀響は 高徽を逐う。

一唱すれば 萬夫 歡じ、再唱すれば 梁の塵が飛ぶ。

思うは 河曲の鳥と為りて、豊水の湄に 雙遊せんことを。

大明宮含元殿02
大明宮正面 003
 

3. 擬古七首其三 〔擬蘭若生春陽〕

(はなればなれになっている尊敬し、愛している夫に、陽春になっても松柏之操を堅く守り、その思いのたけを、綿々の情を、叙した詩である。)

嘉樹生朝陽、凝霜封其條。

りっぱな松柏が朝日のよくあたるところに生えているが、その枝を霜がすっかりとじこめてしまった。

執心守時信、寒不敢彫。

しかし松柏は固く心を持ちこたえて、信を守りぬき、寒い季節にもあえて凋みはしない。

美人何其曠、灼灼在雲霄。

さてわが夫とのあいだは、何とまあ遠く隔たっている。あのお方は、花のようにかがやいて大空の彼方に居られるのである。

隆想彌年時、長嘯入風飃。

年月がたてば想いは、いやますばかり、声長くうそぶけば、その声は風の中へとはいってしまう。

引領望天末、譬彼向陽翹。

えりくびを延ばしてはるか天のはてを眺める。それは日まわりの花が高く頭をもたげて太陽に向かうと異ならぬ。

3. (古に擬す歌 その三 〔蘭若の春陽に生ずるに擬す〕

嘉樹 朝陽に生ず、凝霜 其の條を封ず。

執心をりて 時信を守り、寒にも 敢えて彫まず。

美人は 何ぞ其れ曠き、灼灼として 雲霄に在り。

隆想は 年時を彌り、長嘯は 風飃に入る。

領を引いて 天末を望むことを、譬う 彼の向陽の翹に。

 

4. 擬苕苕牽牛星

(七夕の季節にちなんで、夜空の銀河を仰いで、織女星が牽牛星を恋う情に託して夫を思う妻の心を詠った。)

昭昭天漢暉、粲粲光天步。

清らかな究め河が明るくかがやき、きらきらとあざやかな星の光が空の歩みにつれててりわたる。

牽牛西北向、織女東南顧。

その中を牽牛星は西北の方からまわり、織女星は東南の方からそれをかえりみる。

華容一何冶、揮手如振素。

その華やかな姿の何となまめかしいことよ。手を振って招くさまは自いねりぎねをうち振るようである。

#2

怨彼河無梁、悲此年暮。

彼女はこの天の河を渡るべき橋のないのを怨み、今年も空しく暮れてゆくのを悲しむ。

跂彼無良緣、睆焉不得度。

爪立ちして待ち望む“ひめ星”に良縁が遂げられず、光りかがやく“ひこ星”も渡っては来てくれない。

引領望大川、雙涕如霑露。

彼女は首をさしのべ、広い天の河を望みつつ、雙眼は涙の露にうるおうのみである。

 

4.(古に擬す歌 その四、枚乗の“苕苕たる牽牛星”に擬す)

昭昭として 清漢 輝き、粲粲として天歩光る。

牽牛は西北に回り、織女東南より顧みる。

華容は一に何ぞ冶なる、手を揮ふこと素を振ふが如し。

#2

彼の河に 梁無きを怨み、此の年歳の暮るるを 悲しむ。

跂たる彼に 良縁無く、睆焉として 度るを得ず。

領を引いて 大川を望み、雙涕は 露に霑へるが如し。

 

5. 擬青青河畔草

(遠行したまま帰ってこない夫、月のように輝く妻がさびしさを詠う)

靡靡江蘺草、熠燿生河側。

なよなよとした細い草稗は、水に映えて、色あざやかに河辺に生えている。

皎皎彼姝女、阿那當軒織。

月にもなぞろうべきあの色白のたおやめは、しなやかなものごしで軒端に機を織っている。

粲粲妖容姿、灼灼華美色。

燦燦とかがやくばかりのなまめかしい姿、照りはゆる花のように麗しい顔色である。

良人遊不歸、偏棲獨隻翼。

その夫は遠く出かけたまま帰って来やしないので、今はひとりずまいの身、あたかも二羽の鳥が一羽だけになったと同じ境遇ということである。

空房來悲風、中夜起歎息。

夫の居ない部屋を吹きぬける風は悲しい、今は、夜なかに起きあがって、ため息をもらしていきている。

5. (古に擬す歌 その五、枚乗の“青青たる河畔の草”に擬す)

靡靡たる 江蘺の草、熠燿として河側に生ず。

皎皎たり 彼の妹女、阿那として 軒に當つて織る。

粲粲として 容姿は妖かしく、灼灼として 顔色は美はし。

良人は 遊びて歸らず、偏棲 濁り 隻翼たり。

空房に 悲風来り、中夜 起きて歎息す。

 

6. 擬古七首其六 擬庭中有奇樹

(悦楽の歓びを与えてくれてすぐに、旅立ったあの人は、幾度春が過ぎても音信不通、また春が過ぎるが今年も、芳しい草花の香りを誰のために贈ればよいのかと詠う。)

歡友蘭時往、迢迢匿音徽。

友は悦楽の歓びを交した蘭の花さく春にでかけたのだけれど、遥々と遠く去って、ずっと音沙汰もとだえたままである。

虞淵引景、四節遊若飛。

天文訓にいう虞淵では、夕日を引きこみ、ひかりはぜつめつするあろうが、四時、四季の過ぎ去ることは、光が飛ぶように速い。

芳草久已茂、佳人竟不歸。

今年も、かぐわしい春の若草はすでに久しい前から茂っているのに、あのよい人はとうとう帰ってはこない。

躑躅遵林渚、惠風入我懷。

歩けば、足は行っては止まり、とぼとぼと林や渚のほとりを彷徨うてばかり、なごやかな風が、わたしのふところに入ってくる。

感物戀所歡、采此欲貽誰。

春のこの景物に心そそられて、あのひととの歓喜のひと時を過ごした閨が恋しい、閨に飾ったこの芳しい草花を摘みとったとしても、誰に贈ることになるのでしょう。

6. (古に擬す歌 その六、 枚乗の“庭中に奇樹有り”に 擬す)

歡友は蘭時に往き、迢迢として音徽 匿る。

虞淵は 絶景を引き、四節は 逝くこと飛ぶが若し。

芳草は 久しく己に茂り、佳人は 竟に歸らず。

躑躅して 林渚に遵ひ、惠風は 我が懐に入る。

物に感じて 歓ぶ所を恋ひ、此を采るも誰にか貽らんと欲する。

 

7. 擬涉江采芙蓉

(旅立ったあの人を迎えるため、山に登って花を摘むが、あの人のことが心配で歩くことも躊躇して、なかなか手にいっぱいにならず、思いも万里離れていると届かない、もう会えないのだろうかと詠う。)

上山采瓊蘂、穹谷饒芳蘭。

山に上って美しい花を摘みとるに、深い谷間にはかんはしい蘭の花がたくさんある。

采采不盈掬、悠悠懷所歡。

しかしそれをとっても中々手に一はいにはならぬ。それははてしもなくあのうれしい人、夫のことを思うからだ。

一何曠、山川阻且難。

故郷はあの方からほ何と遠いことよ。途中には山や川がけわしくへだてて相会うことがむつかしい。

沈思鍾萬里、躑躅獨吟歎。

私の深い思いは万里の彼方に集って心おちつかぬままに行きつもどりつただ独り口ずさみなげくのみである。

7. (古に擬す歌 その六、 枚乗の“江を涉って芙蓉を采る”に 擬す)

山に上りて 瓊蘂 を采る、穹谷に 芳蘭 饒し。

采り采れども 掬に盈たず、悠悠として所歡を懐ふ。

故郷は 一に何ぞ曠【とお】き、山川は 阻【けわ】しくして且つ難し。

沈思は 萬里に鍾【あつま】り、躑躅して 獨り 吟歎す。

宮島0007
 

 

 

 

 

玉臺新詠 巻三

 

 

《擬古七首其七》現代語訳と訳註解説

(本文)

擬涉江采芙蓉

上山采瓊蘂、穹谷饒芳蘭。

采采不盈掬、悠悠懷所歡。

一何曠、山川阻且難。

沈思鍾萬里、躑躅獨吟歎。

 

(下し文)
(古に擬す歌 その六、 枚乗の“江をって芙蓉を采る”に 擬す)

山に上りて 瓊蘂 を采る、穹谷に 芳蘭 饒し。

采り采れども 掬に盈たず、悠悠として所歡を懐ふ。

故郷は 一に何ぞ曠【とお】き、山川は 阻【けわ】しくして且つ難し。

沈思は 萬里に鍾【あつま】り、躑躅して 獨り 吟歎す。

 

(現代語訳)

(旅立ったあの人を迎えるため、山に登って花を摘むが、あの人のことが心配で歩くことも躊躇して、なかなか手にいっぱいにならず、思いも万里離れていると届かない、もう会えないのだろうかと詠う。)

山に上って美しい花を摘みとるに、深い谷間にはかんはしい蘭の花がたくさんある。

しかしそれをとっても中々手に一はいにはならぬ。それははてしもなくあのうれしい人、夫のことを思うからだ。

故郷はあの方からほ何と遠いことよ。途中には山や川がけわしくへだてて相会うことがむつかしい。

私の深い思いは万里の彼方に集って心おちつかぬままに行きつもどりつただ独り口ずさみなげくのみである。

 

(訳注)

擬涉江采芙蓉

84.  (旅立ったあの人を迎えるため、山に登って花を摘むが、あの人のことが心配で歩くことも躊躇して、なかなか手にいっぱいにならず、思いも万里離れていると届かない、もう会えないのだろうかと詠う。)

85. 遠くに離れている夫を思う妻の情を述べた。「古詩十九首」の第六首、また本書枚乗「雑詩」第四首の擬作、『文選』擬古の第四に収めてある。末尾に掲載。

 

上山采瓊蘂、穹谷饒芳蘭。

山に上って美しい花を摘みとるに、深い谷間にはかんはしい蘭の花がたくさんある。

86. 瓊蘂 玉英、蘭花などにたとえる。

87. 穹谷 深い谷。

 

采采不盈掬、悠悠懷所歡。

しかしそれをとっても中々手に一はいにはならぬ。それははてしもなくあのうれしい人、夫のことを思うからだ。

88. 盈掬 両手ですくわれるほどの分量。

 

一何曠、山川阻且難。

故郷はあの方からほ何と遠いことよ。途中には山や川がけわしくへだてて相会うことがむつかしい。

89. 故 夫の居る処を指していったとの解もあるが、今それに従わず、夫の身に代わって想いを設けたと見て、妻の居り場所とする。

 

沈思鍾萬里、躑躅獨吟歎。

私の深い思いは万里の彼方に集って心おちつかぬままに行きつもどりつただ独り口ずさみなげくのみである。

 

 

(古に擬す歌 その六、 枚乗の“江を涉って芙蓉を采る”に 擬す)

山に上りて 瓊蘂 を采る、穹谷に 芳蘭 饒し。

采り采れども 掬に盈たず、悠悠として所歡を懐ふ。

故郷は 一に何ぞ曠【とお】き、山川は 阻【けわ】しくして且つ難し。

沈思は 萬里に鍾【あつま】り、躑躅して 獨り 吟歎す。

 

 

 

 

 

 

 

◆以上七首中第三首を除く外は悉く「古詩十九首」中の擬作に属する。これらの諸篇は原作に比してとりたてていう程の特色もないのに、編者がこれらを採択した理由がわからぬとも考えられる。

しかし玉臺新詠中にあっては、この外にも傳玄に一首(巻二)、謝恵連に一首(同)、劉鑠に四首(巻三)、飽照に二首(同)、何遜に一首(巻五)が見えるのみならず、「古詩十九首」以外の擬作を検すると彩しい数に上るのである。これは 「古詩十九首」が五言の冠亮と称せられる名作であったためばかりでなく、六朝詩人が早くも思想・情感の表現よりも修辞・技巧の文学に傾斜しっつあった一面を示すものであろう。これはまた後に示すように宋斉以後頓に盛んになった詠物詩の流行を来すもので、当代の詩人はそこに争うて技巧を競ったかと思われる。この傾向は六朝末期のlつの風尚でもあり、本書の編者徐陵が、特に擬作・題詠の作品を多く採択した所以も或いはここに在るのでほあるまいか。

 

春雪に草原に集まる動物002
 

 

 

 雑詩九首其四〔古詩十九首 第六首〕
(芳草をとって思う人に遣るのは男女・夫婦の間に多いから、この詩も男女相愛の情を述べたもの。)

涉江采芙蓉,蘭澤多芳草。
江水をわたって蓮の花をとるのである、蘭草の茂った沢があり、たくさんの芳しい草花が咲いている。
采之欲遺誰,所思在遠道。
咲いた芳しい草花をとって誰におくろうというのか。わが思う人は遠い旅路にいったままなのです。

還顧望舊,長路漫浩浩。
ふりかえって故郷の方を眺めると、はてしもない長い路がひろびろと続いているのを見られることでしょう。
同心而離居,憂傷以終老。
慕う思いは、同じ心の二人でありながら、離れはなれにくらしているのです、そのため憂と悲しみにくれてついには老いこんでしまうというものでしょう。

(雑詩九首其の四)

江を捗【わた】りて芙蓉【ふよう】を采る、蘭澤【らんたく】芳草【ほうそう】多し。

之を采りて誰にか遺【おく】らんと欲する、思ふ所は遠道【えんどう】に在り。

還【めぐ】り顧【かえりみ】て 旧郷を望めば、長路漫として浩浩たらん。

同心にして離屈【りきょ】せば、憂傷【ゆうしょう】して以て終に老いなん。