巻三-26 #2 夜聽擣衣一首 〔曹 毘〕
2018年1月10日 |
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巻三-26
#2 夜聽擣衣一首 〔曹 毘〕 Ⅴ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の玉臺新詠巻二ブログ 9859
清らかな風が、そのいろいろの調子を流しつたえ、つむじ風が女のかすかな歌声をそそぎ散らす。
時節の過ぎゆくことの速きをなげき、女の深く沈んだ晴れやらぬ心をいたましく思う。
杵と砧とのうちあう響きは私の心をなやませるが、それはただ声と音そのもののみではない。
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玉臺新詠 巻三 |
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夜聽擣衣
寒興御紈素、佳人治衣䘳。
冬夜清且永、皓月照堂陰。
纎手叠輕素、朗杵叩鳴砧。
#2
清風流繁節、廻飈灑微吟。
嗟此往運速、悼彼幽滯心。
二物感余懷、豈但聲與音。
曹毘(三一七頃在世)字は輔佐、誰国(安徽省)の人、辞賦を善くし、郎中に挙げられ累遷し、著作邸より大学博士・光礁勲に至る。比に「続神女杜蘭香歌十首」あり文彩をもって著わる。別に仏教僧侶、清信
士であった曹毘がいる。
詩は女が夜、衣をうつ砧(きぬた)の響きを聴いて作ったものである。
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東晉詩人 | ||
| 《巻三 夜聽擣衣 一首》 曹毘 | |
| 玉臺新詠集 訳注解説 | |
| 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9859 | |
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夜聽擣衣
(晩秋、初冬の風物詩である、紈り絹を柔らかくするため、「擣衣」を始める、ここでは夫を旅に出している寡婦たちが夜遅くまで、砧をたたいて、夫のもとに衣類を送ってやりたいと思って頑張るのである。その感情を詠ったものである。)
寒興御紈素、佳人治衣䘳。
寒気がおとずれて、冬着の紈を用いる時節となったので、美人たちはきものや、かいまきの用意をはじめる。
冬夜清且永、皓月照堂陰。
冬の夜は、氷のように清く澄み渡って、且つ、夜は永い。月も半ばを過ぎれば、月のでは遅く、ま白い月は、奥座敷のの奥までさしこんでくる。
纎手叠輕素、朗杵叩鳴砧。
女たちは、か細くしなやかな手で軽い絹地をたたみ、朗らかにひびく杵には、鳴りわたる砧をたたく女たちがいる。
#2
清風流繁節、廻飈灑微吟。
清らかな風が、そのいろいろの調子を流しつたえ、つむじ風が女のかすかな歌声をそそぎ散らす。
嗟此往運速、悼彼幽滯心。
時節の過ぎゆくことの速きをなげき、女の深く沈んだ晴れやらぬ心をいたましく思う。
二物感余懷、豈但聲與音。
杵と砧とのうちあう響きは私の心をなやませるが、それはただ声と音そのもののみではない。
(夜 擣衣を聽く)
寒 興りて 紈素を御せんとし、佳人 衣䘳を治む。
冬夜 清く且つ永く、皓月 堂陰を照らす。
纎手もて 輕素を叠み、朗杵もて 砧を叩鳴す。
#2
清風は 繁節を流し、廻飈は 微吟を灑ぐ。
此の往運の速かなるを 嗟き、彼の幽滯の心を悼む。
二物 余が懷いを感ぜしむ、豈に但だ 聲と音とのみならんや。。
《夜聽擣衣》現代語訳と訳註解説
(本文)
#2
清風流繁節、廻飈灑微吟。
嗟此往運速、悼彼幽滯心。
二物感余懷、豈但聲與音。
(下し文)
#2
清風は 繁節を流し、廻飈は 微吟を灑ぐ。
此の往運の速かなるを 嗟き、彼の幽滯の心を悼む。
二物 余が懷いを感ぜしむ、豈に但だ 聲と音とのみならんや。。
(現代語訳)
清らかな風が、そのいろいろの調子を流しつたえ、つむじ風が女のかすかな歌声をそそぎ散らす。
時節の過ぎゆくことの速きをなげき、女の深く沈んだ晴れやらぬ心をいたましく思う。
杵と砧とのうちあう響きは私の心をなやませるが、それはただ声と音そのもののみではない。
(訳注)
夜聽擣衣
1. (晩秋、初冬の風物詩である、紈り絹を柔らかくするため、「擣衣」を始める、ここでは夫を旅に出している寡婦たちが夜遅くまで、砧をたたいて、夫のもとに衣類を送ってやりたいと思って頑張るのである。その感情を詠ったものである。)
2. 擣衣 絹布を砧でうって白練り絹に詩、衣を製する。秋の風物詩として手、出征の夫に送るために作業する女性について詠うものである。楽府題、雜曲歌辞。砧【きぬた】で衣を打つこと。「擣【う】つ砧を臼にいれ、布を杵(棒杵)でつく。砧でつくのは洗濯ではなく、冬用の厚いごわごわした布を柔軟にするため。
#2
清風流繁節、廻飈灑微吟。
清らかな風が、そのいろいろの調子を流しつたえ、つむじ風が女のかすかな歌声をそそぎ散らす。
7. 繁節 きぬたの発する音節の変化をいう。
8. 廻飈 つむじ風。
嗟此往運速、悼彼幽滯心。
時節の過ぎゆくことの速きをなげき、女の深く沈んだ晴れやらぬ心をいたましく思う。
9. 往運 過ぎゆく時運、時節の変化。
10. 幽滞 心の中に滞る物思い。夫への情。
二物感余懷、豈但聲與音。
杵と砧とのうちあう響きは私の心をなやませるが、それはただ声と音そのもののみではない。
11. 二物 杵と砧。