巻三-32 雜詩三首其一 七月七日夜詠牛女・擣衣・代古〔謝恵連〕

 

 

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  巻三-32-#1 雜詩三首其一七月七日夜詠牛女〔謝恵連〕 Ⅴ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の玉臺新詠巻二ブログ 10013

(牛郎・織女の二星をながめて、今宵の契りを思い、そして、別れとなるを重いこの詩を詠う)

落ちゆく夕日は軒下や柱のかげに隠れ、さしのぼる月は室の窓を照らしている。

まどかに宿る葉一面の露、所々と音をたてる枝吹く風、

私は広やかな土橡にそうて足を運び、目をしはたいて高い高い大空をさがし見る。

 

 

 

 

玉 臺 新 詠  巻三

謝恵連 雜詩三首

 

 

作者:謝惠連  雜詩三首 

 

雜詩三首其一 《七月七日詠牛女

落日隱楹、升月照房櫳。團團滿葉露、析析振條風。

蹀足循廣塗、瞬目層穹。(櫞:+閻)

雲漢有靈匹、彌年闕相從。遐川阻暱愛、修渚曠清容。

弄杼不成彩、聳轡驚前蹤。昔離秋已兩、今聚夕無雙。

傾河易廻幹、欵顏難久悰。沃若靈駕旋、寂寥雲幄空。

留情顧華寢、遙心逐奔龍。沈吟為爾感、情深意彌重。

留情顧華寢、遙心逐奔龍。沈吟為爾感、情深意彌重。

 

雜詩三首其二 《擣衣》

衡紀無淹度、晷運倐如催。白露滋園菊、秋風落庭槐。

肅肅莎雞羽、烈烈寒螿啼。夕陰結空幕、霄月皓中閨。

美人戒裳服、端飭相招攜。簪玉出北房、鳴金步南階。

楣高砧響發、楹長杵聲哀。微芳起兩袖、輕汗染雙題。

紈素既已成、君子行不歸。裁用笥中刀、縫為萬里衣。

盈篋自予手、幽緘俟君開。腰帶准疇昔、不知今是非。

 

雜詩三首其一 《代古》

客從遠方來、贈我鵠文綾。貯以相思篋、緘以同心繩。

裁為親身服、著以俱寢興。別來經年、歡心不可凌。

瀉酒置井中、誰能辯斗升。合如桮中水、誰能判淄澠。

 

謝恵連(394433)   会稽の太守であった謝方明の子。陳郡陽夏(河南省)の人。謝霊運の従弟にあたる。大謝:霊運に対して小謝と呼ばれ、後に謝朓を加えて“三謝”とも称された。幼いころから聰敏で十歳の時からよく文をつづった。430年元嘉七年、彭城王・劉義康のもとで法曹行参軍となる。詩賦にたくみで、謝霊運に対して小謝と称された。『秋懐』『擣衣』は『詩品』でも絶賛され、また楽府体詩にも優れた。『詩品』中。謝恵連・何長瑜・荀雍・羊濬之らいわゆる四友は謝靈運を頭としたグループであった。とともに詩賦や文章の創作鑑賞を楽しんだ。四友の一人。

酬従弟謝惠連 五首その(1) 謝霊運(康楽) 詩<45>Ⅱ李白に影響を与えた詩432 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1113

西陵遇風獻康楽 その1 謝惠運 詩<46>Ⅱ李白に影響を与えた詩433 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1116


 

 

 

 

 

玉臺新詠集 謝恵連 《雜詩三首》

雜詩三首其一《七月七日詠牛女》

 

 

 

 

 

雜詩三首其一 《七月七日詠牛女

(牛郎・織女の二星をながめて、今宵の契りを思い、そして、別れとなるを重いこの詩を詠う)

落日隱櫞楹、升月照房櫳。

落ちゆく夕日は軒下や柱のかげに隠れ、さしのぼる月は室の窓を照らしている。

團團滿葉露、析析振條風。

まどかに宿る葉一面の露、所々と音をたてる枝吹く風、

蹀足循廣塗、瞬目層穹。

私は広やかな土橡にそうて足を運び、目をしはたいて高い高い大空をさがし見る。

#2

雲漢有靈匹、彌年闕相從。遐川阻暱愛、修渚曠清容。

弄杼不成彩、聳轡驚前蹤。昔離秋已兩、今聚夕無雙。

#3

傾河易廻幹、欵顏難久悰。沃若靈駕旋、寂寥雲幄空。

留情顧華寢、遙心逐奔龍。沈吟為爾感、情深意彌重。

 

(雜詩三首其の一〔七月七日牛女を詠ず〕)

落日は 櫞楹に隠れ、升月は 房櫳を照らす。

團團たり 葉に漏つる露、析析たり條を振ふ風。

足を蹀みて廣塗に循い、目を瞬かせて 層る。

#2

雲漢に匹有り、年をりて相い從うことを開く。

遐川 暱愛を阻て、修渚 清容をくす。

抒を弄するも 彩を成さず、轡をげて前蹤す。

昔離れてより 秋己になり、今りて夕は 無し。

#3

傾河は廻斡し易く、款顔は久しくび難し。

沃若として 靈駕旋り、寂蓼として 雲幄空し。

情を留めて 華寝を顧み、心を遙かにして 奔龍を逐ふ。

沈吟して 爾が爲に感じ、情深くして意は 彌いよ重し。

 

《雜詩三首其一〔七月七日詠牛女〕》現代語訳と訳註解説

(本文)

雜詩三首其一 《七月七日詠牛女》

落日隱櫞楹、升月照房櫳。團團滿葉露、析析振條風。

蹀足循廣塗、瞬目層穹。

 

(下し文)

(雜詩三首其の一〔七月七日牛女を詠ず〕)

落日は 櫞楹に隠れ、升月は 房櫳を照らす。

團團たり 葉に漏つる露、析析たり條を振ふ風。

足を蹀みて廣塗に循い、目を瞬かせて 層穹をる。

 

(現代語訳)

(牛郎・織女の二星をながめて、今宵の契りを思い、そして、別れとなるを重いこの詩を詠う)

落ちゆく夕日は軒下や柱のかげに隠れ、さしのぼる月は室の窓を照らしている。

まどかに宿る葉一面の露、所々と音をたてる枝吹く風、

私は広やかな土橡にそうて足を運び、目をしはたいて高い高い大空をさがし見る。

 

(訳注)

雜詩三首其一 《七月七日詠牛女》

1. (牛郎・織女の二星をながめて、今宵の契りを思い、そして、別れとなるを重いこの詩を詠う)

2. 【題意】 牛郎・織女の二星をながめて所感を述べたもの。

次の詩《擣衣》と共に『文選』に収められている。「詠」の字は、別本に「夜」とするものがある。

3. 牛女 『牛郎織女』(ぎゅうろうしょくじょ)は、中国の神話伝説であり、中国の民間説話の一つとされている。牽牛織女の伝説は後漢以降の文献に見える。『淮南子』俶真訓に「織女」の名が見え、班固《西都賦》には「左牽牛而右織女、似雲漢之無涯」という。

《古詩十九首 第十首》には「迢迢牽牛星,皎皎河漢女。纖纖擢素手,札札弄機杼。終日不成章,泣涕零如雨。河漢清且淺,相去復幾許。盈盈一水間,脈脈不得語。」迢迢【ちょうちょう】たる牽牛星、皎皎【こうこう】たる河漢の女。纖纖【せんせん】として素手【そしゅ】を擢【ぬき】んで、札札【さつさつ】として機抒【きちょ】を弄【ろう】す。終日【しゅうじつ】章を成さず、泣涕【きゅうてい】零【お】ちて雨の如し。河漢清くして且つ浅し、相去る復た幾許【いくばく】ぞ。盈盈【えいえい】たる一水の間、脈脈として語るを得ず。
天の川を隔ててはるかかなたには彦星がいて、こちらにはこうこうと白くかがやく天の川の織姫がいる。そのきわめてほっそりした白い手を織姫はぬき出していて、サッサッとした音で織具の杼【ひ】をいそがしく通している。終日織っても彦星を思う心の乱れでなかなか布地のあや模様ができあがらないのだ、涕、泪で雨のようにこぼれている。この日天の河は清くすんでその上浅いという。彦星との距離も遠くはないのだ。そして逢えば互いに去って行く、また会えるのはどれほどのもないのだ。そうして、天の川は、水みちわたるただ一筋の川となり、二人はそれを隔ててことば一つ交わさず、目と目でじっと見つめるばかりなのだろう。

古詩十九首之十 (10) 漢詩<97漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1404

4. 謝恵連(三九七-四三三)霊運の族弟、陳郡陽夏(河南省) の人、父方明は会稽郡の太守、恵達は幼より文才があり、族兄霊運の親愛を受けた。司徒影城王義旗の法曹参軍となったが、性は軽薄で官位には恵まれなかった。

 

落日隱櫞楹、升月照房櫳。

落ちゆく夕日は軒下や柱のかげに隠れ、さしのぼる月は室の窓を照らしている。

5. 櫞楹 大屋根の廂、軒下や柱。

6. 房櫳 部屋の窓、「櫳」は窓の大なるもの。

 

團團滿葉露、析析振條風。

まどかに宿る葉一面の露、所々と音をたてる枝吹く風、

7. 団団  ① まるいさま。まどかなさま。② 露などが多くつくさま。

蹀足循廣塗、瞬目層穹。

私は広やかな土橡にそうて足を運び、目をしはたいて高い高い大空をさがし見る。

8.  目をくぼる、索(H)め視る意。

9. 層穹 高空。南朝梁沉約《和劉雍州繪博山香爐》:“蛟螭盤其下,驤首盼層穹。”とある。