玉臺 巻四巻43-1-4-1雜詩九首其四 採桑詩 3.鮑照

 

 

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玉臺 巻四巻43-1-4-1雜詩九首其四 採桑詩 3.鮑照   Ⅴ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の玉臺新詠巻四ブログ10349

(春夏の交、桑摘み女が歌声をはりあげて恋人を思う「場馨」の詩を歌い、琴をとり出し、心のうさをはらし、さぎょうをする、そこで出会った男と悦楽することを述べた)

晩春のころには、梅の実が落ち始める、女どもの仕事として養蚕に懸命に従事している。

衛の淇水や、鄭の洧水のほとりの桑の葉をとっている、また、男たちは、同時期に上宮の閣のあたりで遊んでいる。

この頃になると、早出の蒲はもう陰をなすほどに茂り、晩出の篁では籜の皮がぬけ始める。

 

 

 

玉臺新詠 巻四  (3)鮑照 九首

 

 

3. 鮑照

  巻43雜詩九首

              43-1-1.雜詩九首其一(翫月城西門)

始見西南樓、纎纎如玉鉤。未映東北墀、娟娟似蛾眉。

蛾眉蔽珠籠、玉鉤隔綺窗。三五二八時、千里與君同。

夜移衡漢落、徘徊帷幌中。歸華先委露、別葉早辭風。

客遊厭辛苦、仕子倦飄塵。休澣自公日、晏慰及私晨。

蜀琴抽白雪、郢曲繞陽春。肴乾酒未缺、金壺夕輪。

廻軒駐輕葢、留酌待情人。

 

              43-1-2.雜詩九首其二(代京洛篇)

鳳樓十二重、四八綺窗。肅桷金蓮華、桂柱玉盤龍。

珠簾無隔露、羅幌不勝風。寳帳三千萬、為爾一朝容。

揚芬紫烟上、垂綵綠雲中。春吹廻白日、霜歌落塞鴻。

但懼秋塵起、盛愛逐衰蓬。坐視青滿、卧對錦筵空。

琴筑縱橫散、舞衣不復縫。古來皆歇薄、君意豈獨濃。

惟見雙黃鵠、千里一相從。

 

              43-1-3.雜詩九首其三(擬樂府白頭吟)

直如朱絲繩、清如玉壺冰。何慙宿昔意、猜恨坐相仍。人情賤恩舊、世義逐衰興。

毫髮一為瑕、丘山不可勝。食苗實碩鼠、點白信蒼蠅。鳧鵠遠成美、薪芻前見凌。

申黜褒女進、班去趙升。周王日淪惑、漢帝益嗟稱。心賞猶難恃、貌恭豈易憑。

古來共如此、非君獨撫膺。

 

              43-1-4.雜詩九首其四(採桑詩)

季春梅始落、女工事蠶作。採桑淇洧間、還戲上宮閣。早蒲時結陰、晚篁初解籜。

藹藹霧滿閨、融融景盈幕。乳燕逐草蟲、巢蜂拾花萼。是節最暄妍、佳服又新爍。

歛歎對回塗、揚歌弄場藿。抽琴試思、薦珮果成託。承君郢中美、服義久心諾。

衞風古愉豔、鄭俗舊浮薄。虛願悲渡湘、空賦笑瀍洛。盛明難重來、淵意為誰涸。

君其且調絃、桂酒妾行酌。

 

              43-1-5.雜詩九首其五(夢還詩)

銜淚出郭門、撫劍無人逵。沙風闇塞起、離心眷畿。夜分就孤枕、夢想暫言歸。

孀婦當笑、繅絲復鳴機。慊欵論久別、相將還綺帷。靡靡簷下涼、朧朧窗裏煇。

刈蘭爭芬芳、採菊競葳蕤。開奩奪香蘇、探袖解纓徽。寐中長路近、覺後大江違。

驚起空歎息、恍惚神魂飛。白水漫浩浩、高山壯巍巍。波潮異往復、風霜改榮衰。

此土非吾土、慷慨當訴誰。

 

              43-1-6.雜詩九首其六(擬古)

河畔草未黃、胡雁已矯翼。秋蛩扶吟、寒婦晨夜織。

征人還、流傳舊相識。聞君上隴時、東望久歎息。

宿昔衣帶改、旦暮異容色。念此憂如何、夜長憂向多。

明鏡塵匣中、寳瑟生網羅。

 

              43-1-7.雜詩九首其七(詠雙燕)

雙燕戲雲崖、羽翮始差池。出入南閨裏、經過北堂陲。意欲巢君幕、層楹不可窺。

沈吟芳晚、徘徊韶景移。悲歌辭舊愛、銜泥覓新知。

 

              43-2-8.雜詩九首其八贈故人二首其一

寒灰滅更燃、夕華晨更鮮。春氷雖暫解、冬氷復還堅。佳人捨我去、賞愛長絶緣。

歡至不留時、每感輒傷年。

 

              43-2-9.雜詩九首其九贈故人二首其二

雙劍將別離、先在匣中鳴。煙雨交將夕、從此遂分形。雌沈江水、雄飛入楚城。

江深無底、楚城有崇扄。一為天地別、豈直阻幽明。神物終不隔、千祀儻還并。

 

 

飽照(421465?)字は明通、東海(江蘇省)の人、宋の元嘉・大明時代の詩人。謝霊運・森延之と並び称せられた。初め中書舎人に任ぜられたが、後に臨海王子頊のために出でて参軍となり、叛乱に座し、反乱を起こした兵士に殺害された。

その詩は選逸を以て称せられ、特に楽府に長じ、漢・魏の作家も及ばぬところを発揮し、後代李白・杜甫の先駆ともなった。

 


 

 

 

 

 

玉臺新詠集 鮑照.雜詩九首其三《擬樂府白頭吟》

 

 

 

 

 

43-1-3.雜詩九首其三(擬樂府白頭吟)-#1

(男女の愛情の長続きせぬことをなげいた作である。)

直如朱絲繩、清如玉壺冰。

わが心の直きは琴に張られる朱色の絃の如く、また清らかことは玉製の壷中にある氷とかわらぬ。

何慙宿昔意、猜恨坐相仍。

今もなおかねてのその心に憩じるところはないのに、はたからそねみや恨みがいつとはなしに重なって生じてくる。

人情賤恩舊、世義逐衰興。

とかく人情は恩義や縁故などを賎しみ、世間の口の端は景気のよしあしで違ってくる。

-#2

毫髮一為瑕、丘山不可勝。

髪の毛一筋ほどの瑕が丘や山でもささえきれずにやがて崩壊してしまうこともある。

食苗實碩鼠、點白信蒼蠅。

苗を食いあらすのは他ならぬ大鼠、白いものをよごすのは青蝿である。

鳧鵠遠成美、薪芻前見凌。

鳧や鵠は遠地の産であるだけで珍重され、薪や芻は前のものは、後のものの下積みになる。-

 

#3

申黜褒女進、班去趙升。

周の幽王はついに正室であった申后及び太子宜臼を廃し、褒姒を后に、伯服を太子に立てた、また漢の成帝は班婕妤を棄てて趙飛燕を昇せ

周王日淪惑、漢帝益嗟稱。

かくて周王は日毎褒姒におぼれ惑い、漢帝はますます趙飛燕をはめそやすようになった。

心賞猶難恃、貌恭豈易憑。

この人こそはと、わが本心からはめたたえたものでも頼み難いのが世の常、見かけだけの恭しさなど、どうして頼みになろうか。

古來共如此、非君獨撫膺。

それは今に限ったことではなく、昔からみな同じ、何も君だけが胸をうって嘆くには及ばない。

 

.(雜詩九首其の三)

#1

直きは朱絲の縄の如く、清きは玉壷の水の如し。

何ぞ宿昔の意に慙ぢん、猜恨 坐ら相い仍る。

人情は 恩舊を賤しみ、世議は 衰興を逐ふ。

#2

毫髮一たび 瑕を為せば、丘山も勝ふ可からず。

苗を食ふほ 實に碩鼠、白を點ずるは 信に蒼蝿。

鳧鵠は 遠きをもつて美を成し、薪芻は前なるをもって凌がる。

#3

申は黜けられて 褒女進み、班は去りて趙 昇る。

周王は日々に淪惑し、漢帝はます 嗟す。

心賞すら猶おみ難し、貌恭は豈に憑り易からんや。

古来共に此の如し、君のみ濁り 膺を撫するのみに非ず。

 

43-1-4.

雜詩九首其四(採桑詩)

(春夏の交、桑摘み女が歌声をはりあげて恋人を思う「場馨」の詩を歌い、琴をとり出し、心のうさをはらし、さぎょうをする、そこで出会った男と悦楽することを述べた)

季春梅始落、女工事蠶作。

晩春のころには、梅の実が落ち始める、女どもの仕事として養蚕に懸命に従事している。

採桑淇洧間、還戲上宮閣。

衛の淇水や、鄭の洧水のほとりの桑の葉をとっている、また、男たちは、同時期に上宮の閣のあたりで遊んでいる。

早蒲時結陰、晚篁初解籜。

この頃になると、早出の蒲はもう陰をなすほどに茂り、晩出の篁では籜の皮がぬけ始める。

藹藹霧滿閨、融融景盈幕。乳燕逐草蟲、巢蜂拾花萼。

是節最暄妍、佳服又新爍。

歛歎對回塗、揚歌弄場藿。抽琴試思、薦珮果成託。

承君郢中美、服義久心諾。

衞風古愉豔、鄭俗舊浮薄。虛願悲渡湘、空賦笑瀍洛。

盛明難重來、淵意為誰涸。君其且調絃、桂酒妾行酌。

〔雜詩九首其の四(採桑詩)〕

季春 梅始めて落つ、女工 蠶作【さんさく】を事とす。

桑を採る淇洧【きぬ】の間、還た戯る上宮の閣に。

早蒲 時に陰を結び、晩篁初めて籜を解く。

 

藹藹たる霧閏に満ち、融融たる景幕に盈つ。

乳燕草蟲を逐ひ、巣蜂花萼を拾ふ。

是の節 最も暄妍、佳服 又 新爍。

 

歎を歛めて回塗に對し、歌を揚げて場藿を弄す。

琴を抽きて試みに思を抒べ、を薦めて果して託を成す。

君が郢中の美を承け、義に服して久しく心に諾す。

 

衛風は 古の愉艶、鄭俗は 舊 浮薄。

虚願 渡湘を悲しみ、室賦 瀍洛を笑ふ。

盛明 重ねて来り難し、淵意誰が為にか滑れん。

君其れ且く舷を調せよ、桂酒 妾 酌を行はん。

 

 

鮑照.雜詩九首其三《擬樂府白頭吟》現代語訳と訳註解説

(本文)

雜詩九首其四(採桑詩)

季春梅始落、女工事蠶作。採桑淇洧間、還戲上宮閣。

早蒲時結陰、晚篁初解籜。

 

(下し文)

〔雜詩九首其の四(採桑詩)〕

季春 梅始めて落つ、女工 蠶作【さんさく】を事とす。

桑を採る淇洧【きぬ】の間、還た戯る上宮の閣に。

早蒲 時に陰を結び、晩篁初めて籜を解く。

 

(現代語訳)

(春夏の交、桑摘み女が歌声をはりあげて恋人を思う「場馨」の詩を歌い、琴をとり出し、心のうさをはらし、さぎょうをする、そこで出会った男と悦楽することを述べた)

晩春のころには、梅の実が落ち始める、女どもの仕事として養蚕に懸命に従事している。

衛の淇水や、鄭の洧水のほとりの桑の葉をとっている、また、男たちは、同時期に上宮の閣のあたりで遊んでいる。

この頃になると、早出の蒲はもう陰をなすほどに茂り、晩出の篁では籜の皮がぬけ始める。

 

(訳注)

雜詩九首其四(採桑詩)

1. (春夏の交、桑摘み女が歌声をはりあげて恋人を思う「場馨」の詩を歌い、琴をとり出し、心のうさをはらし、さぎょうをする、そこで出会った男と悦楽することを述べた)

2. この詩は巻一楽府に見える、「陌上桑(日出東南隅行)」(古樂府詩六首其一 -#1日出二東南隅行)とは関係ない。下に示す古来有名な「桑間濮上」の男女密会の詩《詩經、國風、鄘風 桑中》の詩に擬したものと考えるべきであろう。春夏の交、桑摘み女が歌を唄い作業をする、そこで出会った男と悦楽することを述べたものである。

《桑中》 〔鄘風4、場所は淇水のほとり(上)のの郷である。〕

爰采唐矣、矣。

云誰之思、美孟姜矣。

期我乎桑中、要我乎上宮、送我乎淇之上矣。

爰采麥矣、之北矣。

云誰之思、美孟弋矣。

期我乎桑中、要我乎上宮、送我乎淇之上矣 。

爰采葑矣、之東矣。

云誰之思、美孟庸矣。

期我乎桑中、要我乎上宮、送我乎淇之上矣。

爰(ここ、そして)に唐(ねなしかずら、木に巻きつく寄生植物)を采(と)る、(里の名、ですが、昧=暗いところでふける、でしょう)のにて

云(ここ)に誰をかこれ思う、美しき孟姜(姜家の姉娘)、

我を桑中に期し、我を上宮(逢引小屋、というけれど)に要す(求める、いざなう、やる)、(そして)我を淇の上(ほとり)に送る。

爰に麥を采る、の北にて。

云に誰をかこれ思う、美しき孟弋(弋家の姉娘)、

我を桑中に期し、我を上宮に要す、(そして)我を淇の上に送る 。

爰に葑(ほう、かぶら)を采る、の東にて。

云に誰をかこれ思う、美しき孟庸(庸家の姉娘)、

我を桑中に期し、我を上宮に要す、(そして)我を淇の上に送る。

 

季春梅始落、女工事蠶作。

晩春のころには、梅の実が落ち始める、女どもの仕事として養蚕に懸命に従事している。

3. 蠶作 養蚕業をおこなう

 

採桑淇洧間、還戲上宮閣。

衛の淇水や、鄭の洧水のほとりの桑の葉をとっている、また、男たちは、同時期に上宮の閣のあたりで遊んでいる。

4. 淇洧 「淇」は衛にあり、「洧」は鄭にある川の名。

5. 上宮 衞の地。地名。『詩経』鄭風桑中篇に「我を上官に要【むか】ふ」の句がある。

孟弋なり。我を桑中に期し、我を上宮に要し、我を洧の上に送る。

 

早蒲時結陰、晚篁初解籜。

この頃になると、早出の蒲はもう陰をなすほどに茂り、晩出の篁では籜の皮がぬけ始める。

6. 籜 筍の皮。