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玉臺 巻四巻43-1-7-1雜詩九首其七 詠雙燕 3.鮑照   Ⅴ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の玉臺新詠巻四ブログ1051010475

(かつて仕えた主人に棄てられた夫婦がその心を二羽の燕になぞらえて詠んだ)

雌雄二羽の燕が雲間の崖のあたりを戯れ、その羽を互いに交わしとんでいる。

それから、南の部屋の小門内に出入し、奥の間、北の座敷のほとりを通り過ぎる。

心の中ではあなたさまの室の幕内に巣をつくりたいと思うのだが、高い柱の立ち並ぶ中は窺うことができない。

考えこんでいるうちに春の季節はくれてゆき、ぶらぶらする間に春景色は移ってゆく。

やむなく悲しく歌いながら、もと目をかけられたところからいとまごいし、泥をくわえて新しい知人を求めて飛んでゆく。

 

 

 

 

玉臺新詠 巻四  (3)鮑照 九首

 

 

3. 鮑照

  巻43雜詩九首

              43-1-1.雜詩九首其一(翫月城西門)

始見西南樓、纎纎如玉鉤。未映東北墀、娟娟似蛾眉。

蛾眉蔽珠籠、玉鉤隔綺窗。三五二八時、千里與君同。

夜移衡漢落、徘徊帷幌中。歸華先委露、別葉早辭風。

客遊厭辛苦、仕子倦飄塵。休澣自公日、晏慰及私晨。

蜀琴抽白雪、郢曲繞陽春。肴乾酒未缺、金壺夕輪。

廻軒駐輕葢、留酌待情人。

 

              43-1-2.雜詩九首其二(代京洛篇)

鳳樓十二重、四八綺窗。肅桷金蓮華、桂柱玉盤龍。

珠簾無隔露、羅幌不勝風。寳帳三千萬、為爾一朝容。

揚芬紫烟上、垂綵綠雲中。春吹廻白日、霜歌落塞鴻。

但懼秋塵起、盛愛逐衰蓬。坐視青滿、卧對錦筵空。

琴筑縱橫散、舞衣不復縫。古來皆歇薄、君意豈獨濃。

惟見雙黃鵠、千里一相從。

 

              43-1-3.雜詩九首其三(擬樂府白頭吟)

直如朱絲繩、清如玉壺冰。何慙宿昔意、猜恨坐相仍。人情賤恩舊、世義逐衰興。

毫髮一為瑕、丘山不可勝。食苗實碩鼠、點白信蒼蠅。鳧鵠遠成美、薪芻前見凌。

申黜褒女進、班去趙升。周王日淪惑、漢帝益嗟稱。心賞猶難恃、貌恭豈易憑。

古來共如此、非君獨撫膺。

 

              43-1-4.雜詩九首其四(採桑詩)

季春梅始落、女工事蠶作。採桑淇洧間、還戲上宮閣。早蒲時結陰、晚篁初解籜。

藹藹霧滿閨、融融景盈幕。乳燕逐草蟲、巢蜂拾花萼。是節最暄妍、佳服又新爍。

歛歎對回塗、揚歌弄場藿。抽琴試思、薦珮果成託。承君郢中美、服義久心諾。

衞風古愉豔、鄭俗舊浮薄。虛願悲渡湘、空賦笑瀍洛。盛明難重來、淵意為誰涸。

君其且調絃、桂酒妾行酌。

 

43-1-5. 43-1-5.雜詩九首其五(夢還詩)

銜淚出郭門、撫劍無人逵。沙風闇塞起、離心眷畿。

夜分就孤枕、夢想暫言歸。

孀婦當笑、繅絲復鳴機。慊欵論久別、相將還綺帷。

靡靡簷下涼、朧朧窗裏煇。

刈蘭爭芬芳、採菊競葳蕤。開奩奪香蘇、探袖解纓徽。

寐中長路近、覺後大江違。

驚起空歎息、恍惚神魂飛。白水漫浩浩、高山壯巍巍。

波潮異往復、風霜改榮衰。此土非吾土、慷慨當訴誰。

 

              43-1-6.雜詩九首其六(擬古)

河畔草未黃、胡雁已矯翼。秋蛩扶吟、寒婦晨夜織。

征人還、流傳舊相識。聞君上隴時、東望久歎息。

宿昔衣帶改、旦暮異容色。念此憂如何、夜長憂向多。

明鏡塵匣中、寳瑟生網羅。

 

              43-1-7.雜詩九首其七(詠雙燕)

雙燕戲雲崖、羽翮始差池。出入南閨裏、經過北堂陲。意欲巢君幕、層楹不可窺。

沈吟芳晚、徘徊韶景移。悲歌辭舊愛、銜泥覓新知。

 

              43-2-8.雜詩九首其八贈故人二首其一

寒灰滅更燃、夕華晨更鮮。春氷雖暫解、冬氷復還堅。佳人捨我去、賞愛長絶緣。

歡至不留時、每感輒傷年。

 

              43-2-9.雜詩九首其九贈故人二首其二

雙劍將別離、先在匣中鳴。煙雨交將夕、從此遂分形。雌沈江水、雄飛入楚城。

江深無底、楚城有崇扄。一為天地別、豈直阻幽明。神物終不隔、千祀儻還并。

 

 

飽照(421465?)字は明通、東海(江蘇省)の人、宋の元嘉・大明時代の詩人。謝霊運・森延之と並び称せられた。初め中書舎人に任ぜられたが、後に臨海王子頊のために出でて参軍となり、叛乱に座し、反乱を起こした兵士に殺害された。

その詩は選逸を以て称せられ、特に楽府に長じ、漢・魏の作家も及ばぬところを発揮し、後代李白・杜甫の先駆ともなった。

 

 

          

 

 

 

 

玉臺新詠集 鮑照.雜詩九首其七《詠雙燕》

 

 

 

 

 

.雜詩九首其六(擬古)

(河畔の家に住んでいる思婦が瀧西征戍の夫を思いやって詠う)

河畔草未黃、胡雁已矯翼。

黄河のほとり、草はまだ黄ばまぬのに、朗の雁はすでに翼をあげて飛んできます。

秋蛩扶吟、寒婦晨夜織。

秋のこおろぎは戸口の両わきに吟じている。妻は寒さに向かうので、朝晩、はた織り仕事に懸命にいそしんでいる。

征人還、流傳舊相識。

時に昨年のこと出征の人が帰って来ていうには、戦地での知り合い人だとのことであった。

〔雜詩九首其の六(古に擬す)〕

#1

河畔 草未だ黄ばまず、胡雁 己に翼を矯ぐ。

秋蟄 戸を挟みて吟じ、寒婦 晨夜に織る。

去歳 征人還る。流博す 舊相識と。

#2

聞君上隴時、東望久歎息。

うわさに聞けば、夫は隴坂に上った時に、わたしの居る東の方を眺めて長いこと嘆息して居られたとのことであった。

宿昔衣帶改、旦暮異容色。

そして、それからは痩せて、衣も帯も体に合わなくなり、明け暮れごとに姿かたちも違って来られたとのことであった。

念此憂如何、夜長憂向多。

そのことを思うてわたしの心配はいかばかりであろうか、秋が深まり、夜長になるにつれて、その心配は猶更募るはかりである。

明鏡塵匣中、寳瑟生網羅。

それからは立派な鏡にだって、匣におさめて塵の積もるままにされ、立派な瑟琴にも蜘妹の網が張られているのである。

#2

聞くならく 君 隴に上りし時、東望して久しく欺息す。

宿昔 衣帯改まり、且暮 容色を異にすと。

此を念うて憂如何、夜長うして憂多きに向ふ。

明鏡 塵匣の中、寶琴 網羅を生ず。

 

雜詩九首其七(詠雙燕)

(かつて仕えた主人に棄てられた夫婦がその心を二羽の燕になぞらえて詠んだ)

雙燕戲雲崖、羽翮始差池。

雌雄二羽の燕が雲間の崖のあたりを戯れ、その羽を互いに交わしとんでいる。

出入南閨裏、經過北堂陲。

それから、南の部屋の小門内に出入し、奥の間、北の座敷のほとりを通り過ぎる。

意欲巢君幕、層楹不可窺。

心の中ではあなたさまの室の幕内に巣をつくりたいと思うのだが、高い柱の立ち並ぶ中は窺うことができない。

沈吟芳晚、徘徊韶景移。

考えこんでいるうちに春の季節はくれてゆき、ぶらぶらする間に春景色は移ってゆく。

悲歌辭舊愛、銜泥覓新知。

やむなく悲しく歌いながら、もと目をかけられたところからいとまごいし、泥をくわえて新しい知人を求めて飛んでゆく。

 

雜詩九首其の七(雙燕を詠ず)

雙燕 雲崖に戯れ、羽翮 始めて差池す。

南閨の裏に出入し、北堂の陲を経過す。

意に君が幕に巣くはんと欲するも、層楹 窺ふ可からず。

沈吟して 芳歳 晩れ、層楹して 韶景移る。

悲歌 舊愛を辞し、泥を銜んで新知を覓む。

 

 

雜詩九首其七《詠雙燕》現代語訳と訳註解説

(本文)

雜詩九首其七(詠雙燕)

雙燕戲雲崖、羽翮始差池。

出入南閨裏、經過北堂陲。

意欲巢君幕、層楹不可窺。

沈吟芳晚、徘徊韶景移。

悲歌辭舊愛、銜泥覓新知。

 

(下し文)

雜詩九首其の七(雙燕を詠ず)

雙燕 雲崖に戯れ、羽翮 始めて差池す。

の裏に出入し、北堂のを経過す。

意に君が幕に巣くはんと欲するも、層楹 窺ふ可からず。

沈吟して 芳歳 晩れ、層楹して 韶景移る。

悲歌 舊愛を辞し、泥をんで新知をむ。

 

(現代語訳)

(かつて仕えた主人に棄てられた夫婦がその心を二羽の燕になぞらえて詠んだ)

雌雄二羽の燕が雲間の崖のあたりを戯れ、その羽を互いに交わしとんでいる。

それから、南のへやの小門内に出入し、奥の間、北の座敷のほとりを通り過ぎる。

心の中ではあなたさまの室の幕内に巣をつくりたいと思うのだが、高い柱の立ち並ぶ中は窺うことができない。

考えこんでいるうちに春の季節はくれてゆき、ぶらぶらする間に春景色は移ってゆく。

やむなく悲しく歌いながら、もと目をかけられたところからいとまごいし、泥をくわえて新しい知人を求めて飛んでゆく。

 

(訳注)

雜詩九首其七(詠雙燕)

1. (かつて仕えた主人に棄てられた夫婦がその心を二羽の燕になぞらえて詠んだ)

2. かつて仕えた主人に棄てられた夫婦がその心を二羽の燕になぞらえて詠んだ詩。一本には「双」の字がなく、「詠燕」ともある。

 

雙燕戲雲崖、羽翮始差池。

雌雄二羽の燕が雲間の崖のあたりを戯れ、その羽を互いに交わしとんでいる。

3. 差池 『詩経』邶風 燕燕篇に「燕燕于飛、差池其羽。」(燕燕ここに飛び其の羽を差池す)とある。羽をたがいちがいにして飛ぶさま。

 

出入南閨裏、經過北堂陲。

それから、南のへやの小門内に出入し、奥の間、北の座敷のほとりを通り過ぎる。

 

意欲巢君幕、層楹不可窺。

心の中ではあなたさまの室の幕内に巣をつくりたいと思うのだが、高い柱の立ち並ぶ中は窺うことができない。

4. 層楹 廂までの高い壁をいう。

 

沈吟芳晚、徘徊韶景移。

考えこんでいるうちに春の季節はくれてゆき、ぶらぶらする間に春景色は移ってゆく。

 

悲歌辭舊愛、銜泥覓新知。

やむなく悲しく歌いながら、もと目をかけられたところからいとまごいし、泥をくわえて新しい知人を求めて飛んでゆく。

5. 銜泥 「泥」巣作りのための泥をいう。『芸文類衆』には「涙」に作る。