玉臺新詠集 巻四 8.王融_ 巻4•8-1-4雜詩五首其四詠幔
訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11083
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巻4•8-1-4雜詩五首其四詠幔 |
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玉臺新詠集 訳注解説 |
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漢文委員会 紀頌之Blog11061 |
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作者:王融
雜詩五首 其一 古意二首
其一
遊禽暮知反、行人獨不歸。坐銷芳草氣、空度明月輝
嚬容入朝鏡、思淚點春衣。巫山彩雲沒、淇上綠條稀
待君竟不至、秋雁雙雙飛。
其二
霜氣下孟津、秋風度函谷。念君淒已寒、當軒卷羅縠。
纎手廢裁縫、曲鬢罷膏沐。千里不相聞、寸心鬰氛氳。
况復飛螢夜、木葉亂紛紛。
雜詩五首其二 詠琵琶
抱月如可明、懷風殊復清。絲中傳意緒、花裏寄春情。
掩抑有奇態、悽愴多好聲。芳袖幸時拂、龍門空自生。
雜詩五首其三 詠幔
幸得與珠綴、羃歷君之楹。月映不辭卷、風來輒自輕。
每聚金鑪氣、時駐玉琴聲。俱願致尊酒、蘭釭當夜明。
雜詩五首其四 巫山高
想象巫山高、薄暮陽臺曲。煙霞乍舒卷、蘅芳時斷續。
彼美如可期、寤言紛在属。撫然坐相思、秋風下庭綠。
雜詩五首 其一 古意二首 其一
(つがいの雁、をみて旅に出て戻らない夫についての意を述べたもの)
遊禽暮知反、行人獨不歸。
明るいとき、飛び、遊ぶ禽でも日暮れには、塒に帰るということを知っているのに、旅に出た夫は、いろんなことがあるだろうが、その身はいまだに帰ってこない。
坐銷芳草氣、空度明月輝
留守居のわたしは春の若草の香りは夫婦の約束のことであり、それもいつとはなしに消え失わせ、また、早くも秋になり、明月の光も空しく見すごしている。
嚬容入朝鏡、思淚點春衣。
朝、鏡に映るのは愁いのためのしかめ顔と姿がうつっているのを見ると、悲しみの涙が春衣に点々としたたりおちるのです。
巫山彩雲沒、淇上綠條稀
男女の情をいう巫山を彩る雲も今は消えて、楚王と神女との契りを偲ぶよすがもなく、淇水のほとりには緑の条もまばらとなって、そこに愛する人を見送ったという歌も遠い昔のこととなってしまう。
待君竟不至、秋雁雙雙飛。
それも、これも、君を待つことしかなにもできないわが身の上に起こることであり、また、秋空につがいの雁が二羽揃うて飛んでゆくのを見つめているのです。
(雜詩五首 其の一 古意二首の其の一)
遊禽は暮に反るを知るも、行人は獨り歸らず。
坐ろに 芳草の氣を銷し、空しく明月の輝を度る
嚬容は朝鏡に入り、思淚は春衣に點ず。
巫山に彩雲沒し、淇上に綠條稀なり。
君を待つ竟に至らず、秋雁 雙雙として飛ぶ。
其二
(故郷を思い出すはずの秋風が吹いてきても、極寒の寒さの中でも、私のもとに帰ってこない、もう何も贈る気はしないし、私自身のことも何もする気にはなれないと詠う)
霜氣下孟津、秋風度函谷。
孟津のほとりは霜の気が下り、函谷関には故郷を思い出させる秋風が吹きわたっていることでしょう。
念君淒已寒、當軒卷羅縠。
あなたは定めしぞっとするような寒さを身にしみ感じて居られると察っし、着物を縫おうと軒ばでうすぎぬの服地を巻き初めました。
纎手廢裁縫、曲鬢罷膏沐。
だけど、気がすすまぬままに、かよわい手での針仕事をやめてしまい、また、ゆがんだ髪を洗うこともせず、髪膏さすことも怠っているのです。
千里不相聞、寸心鬰氛氳。
千里も遠く離れたあなたからは何のお便りも聞かしていただけず、わたしの胸はうつうつとふさがりもつれて何も手につきません。
况復飛螢夜、木葉亂紛紛。
ましてこの螢の飛びかう夜、木の葉がはらはらと乱れ散るのを眺めてはわびしきにたえることはできません。
(雜詩五首 其の一 古意二首の其の二)
(二)(霜気孟津に下る)
霜気 孟津に下り、秋風函谷をわたる。
念う 君が淒として 已に寒からんことを、軒に當りて 羅縠を卷く。
纎手 裁縫を廢し、曲鬢 膏沐を罷む。
千里 相い聞えず、寸心 鬰として氛氳たり。
况んや 復た 飛螢の夜、木葉 亂れて 紛紛たるや。
雜詩五首其二 詠琵琶
(月琴・琵琶の形状・音声さまざまのおもむきを写した詠物詩を詠う)
抱月如可明、懷風殊復清。
月琴琵琶の月のような円い胴をいだくと、あたりを明るくすることができそうだし、器から起こる風を懐にすると、ことさら にすがすがしい気持ちになります。
絲中傳意緒、花裏寄春情。
絃絲の中にわが想いを寄せるお方に心持ちを伝え、琵琶胴体の花模様のうちにあのお方と情を交わす春の思いを寄せるのです。
掩抑有奇態、悽愴多好聲。
また、絃絲をおさえると音には不思議な抑揚と変化がおこり、見ていられないほど悲しむような響きの中に気持ちを和らげるよい音色がこもって聞こえてくるのです。
芳袖幸時拂、龍門空自生。
この器は願わくば美人のかぐわしい袖で時々払ってもらいたい、そうしてもらうと天への門である龍門山の桐もいたずらに生えてくるというのが、生き甲斐を持って生えてくるということになるのです。
(雜詩五首其の二 琵琶を詠む)
月を抱けば 明らかにすべきが如く、風を懷けば 殊に復た清し。
絲中に意緒を傳へ、花裏に春情を寄す。
掩抑すれば 奇態有り、悽愴として 好聲多し。
芳袖 幸に 時に拂えよ、龍門 空しく自ら生ぜん。
雜詩五首其三 詠幔
(楹の場所を飾ることを説明し、そこで月をめでて酒を酌み交わしたいものと詠う)
幸得與珠綴、羃歷君之楹。
仕合わせなことにこの 「まんまく」は珠と綴られて君の家の楹をおおい、あたりに張りめぐらされている。
月映不辭卷、風來輒自輕。
その楹は、月の光が映ずるときほ巻きつけることが意味のないどころか際立ってきれいであるし、風が吹いてくるといつも軽やかにゆらめいている。
每聚金鑪氣、時駐玉琴聲。
この楹の場所は、つねに黄金で作った香炉の気をあつめ、時には玉琴の声をとどめて共鳴するのである。
俱願致尊酒、蘭釭當夜明。
ここで、ただ願わしいのは樽酒を用意し、蘭香をたき、そして夜を照らす燈し皿のもとで華やかな宴を催すならば望ましいことである。
(雜詩五首三首 幔を詠む)
幸 に珠と綴らるるを得て 君の楹に羃歷たり。
月映じて巻くを辭せず、風来れば輒ち自ら軽し。
毎に金鑪の気を究め、時に玉琴の聾を駐む。
但だ願う 樽酒を置き、蘭紅の夜に当たって明かならんことを。
《雜詩五首其二 詠琵琶》現代語訳と訳注解説
雜詩五首其三 詠幔
幸得與珠綴、羃歷君之楹。
月映不辭卷、風來輒自輕。
每聚金鑪氣、時駐玉琴聲。
俱願致尊酒、蘭釭當夜明。
〔下し文〕
(雜詩五首三首 幔を詠む)
幸 に珠と綴らるるを得て 君の楹に羃歷たり。
月映じて巻くを辭せず、風来れば輒ち自ら軽し。
毎に金鑪の気を究め、時に玉琴の聾を駐む。
但だ願う 樽酒を置き、蘭紅の夜に当たって明かならんことを。
〔現代語訳〕
(楹の場所を飾ることを説明し、そこで月をめでて酒を酌み交わしたいものと詠う)
仕合わせなことにこの 「まんまく」は珠と綴られて君の家の楹をおおい、あたりに張りめぐらされている。
その楹は、月の光が映ずるときほ巻きつけることが意味のないどころか際立ってきれいであるし、風が吹いてくるといつも軽やかにゆらめいている。
この楹の場所は、つねに黄金で作った香炉の気をあつめ、時には玉琴の声をとどめて共鳴するのである。
ここで、ただ願わしいのは樽酒を用意し、蘭香をたき、そして夜を照らす燈し皿のもとで華やかな宴を催すならば望ましいことである。
〔訳注解説〕
雜詩五首其三 詠幔 作者:王融(王 元長)
(楹の場所を飾ることを説明し、そこで月をめでて酒を酌み交わしたいものと詠う)
「幔」は「まんまく」の意。この詩を『古文苑』では謝朓の作としているが、誤りであろう。
作者 王融(おうゆう、467年 - 493年)は、中国南北朝時代、南斉の政治家・文学者。字は元長。本貫は琅邪郡臨沂県(現在の山東省臨沂市蘭山区)。六朝時代を代表する名門貴族出身。名門の出身に加えて文才にも優れ、南斉の皇族、竟陵王蕭子良の西邸に集った文人「竟陵八友」の1人に数えられ、同じく八友の仲間である沈約・謝朓らとともに「永明体」と呼ばれる詩風を生み出した。
幸得與珠綴、羃歷君之楹。
仕合わせなことにこの 「まんまく」は珠と綴られて君の家の楹をおおい、あたりに張りめぐらされている。
羃歷 分布覆被の貌、楹柱に赤い布などきれいなぬのでおおい包んでしき連ねるさま。
楹 楹の柱や梁にはいろんな飾りをする。入り口前の左右の柱には、対句の詩を書くので、対聯という。

月映不辭卷、風來輒自輕。
その楹は、月の光が映ずるときほ巻きつけることが意味のないどころか際立ってきれいであるし、風が吹いてくるといつも軽やかにゆらめいている。
每聚金鑪氣、時駐玉琴聲。
この楹の場所は、つねに黄金で作った香炉の気をあつめ、時には玉琴の声をとどめて共鳴するのである。
金鑪 ① 黄金で作った香炉。また、香炉の美称。② 金、または金属をとかす炉。
玉琴 玉で飾った琴。また、琴の美称。前詩では月琴を詠ったが、玉金は総称である。
俱願致尊酒、蘭釭當夜明。
ここで、ただ願わしいのは樽酒を用意し、蘭香をたき、そして夜を照らす燈し皿のもとで華やかな宴を催すならば望ましいことである。
蘭紅 蘭香をもやすあぶら皿。















