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玉臺新詠集 巻四 9.謝朓 4•9-1-1雜詩十二首其一贈王主簿二首之一 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11115

 

 

 9.謝朓

 

49-1-1雜詩十二首其一贈王主簿二首之一

 

玉臺新詠集  謝朓詩 訳注解説

 

 

漢文委員会 紀頌之Blog11077

 

 

 

·         雜詩十二首

1.   贈王主簿二首

其一

日落窗中坐  紅妝好顏色

舞衣襞未縫  流黃覆不織

蜻蛉草際飛  遊蜂花上食

一遇長相思  願寄連翩翼

2.    其二

清吹要碧玉  調弦命綠珠

輕歌急綺帶  含笑解羅襦

餘曲詎幾許  高駕且踟躕

徘徊韶景暮  惟有洛城隅

 

3.   同王主簿怨情

掖庭聘國  長門失懽

相逢詠蘼蕪  辭寵悲團扇

花叢亂數蝶  風簾入雙燕

徒使春帶  坐惜紅顏變

平生一顧重  夙昔千金賤

故人心尚永  故心人不見

 

4.   聽妓二首

其一

瓊閨釧響聞  瑤席芳塵滿

要取洛陽人  共命江南管

情多舞態遲  意傾歌弄緩

知君密見親  寸心傳玉腕

5.    其二

上客光四座  佳麗直千金

掛釵報纓  墮珥答琴心

蛾眉已共笑  清香復入襟

歡樂夜方靜  翠帳垂沈沈

 

6.   詠邯鄲故才人嫁為廝養卒婦

生平宮閤裏  出入侍丹墀

開笥方羅縠  窺鏡比蛾眉

初別意未解  去久日生悲

顦顇不自識  嬌羞餘故姿

夢中忽髣髴  猶言承讌私

 

7.   秋夜

秋夜促織鳴  南鄰擣衣急

思君隔九重  夜夜空佇立

北窗輕幔垂  西月光入

何知白露下  坐視前堦濕

誰能長分居  秋盡冬復及

 

8.   雜詠五首

1.   

發翠斜漢裏  蓄寳宕山峯

抽莖類仙掌  銜光似燭龍

飛蛾再三繞  輕花四五重

孤對相思夕  空照舞衣縫

 

2.   

杏梁賓未散  桂明欲

曖色輕幃裏  低光照寳琴

徘徊雲髻影  灼爍綺疏金

恨君秋夜月  遺我洞房陰

 

3.   

本生朝夕池  落景照參差

汀洲蔽杜若  幽渚奪江蘺

遇君時採擷  玉座奉金巵

但願羅衣拂  無使素塵彌

4.    鏡臺

 

玲瓏類丹檻  苕亭似玄闕

對鳳懸清冰  垂龍掛明月

照粉拂紅妝  插花埋雲髮

玉顏徒自見  常畏君情歇

5.    落梅

新葉初冉冉  初蘂新霏霏

逢君後園讌  相隨巧笑歸

親勞君玉指  摘以贈南威

用持插雲髻  翡翠比光輝

日暮長零落  君恩不可追

 

 

朓(464 - 499年)は、南北朝時代、南斉の詩人。字は玄暉。本貫は陳郡陽夏県。同族の謝霊運・謝恵連とともに、六朝時代の山水詩人として名高く、あわせて「三謝」と称される。また謝霊運と併称して「二謝」と呼ぶこともあり、その場合は、謝霊運を「大謝」と呼ぶのに対し、謝朓を「小謝」と呼ぶ(ただし「小謝」の呼称は謝恵連を指すこともある)。宣城郡太守に任じられ、この地で多くの山水詩を残したことから、「謝宣城」とも呼ばれる。竟陵王・蕭子良の西邸に集った文人「竟陵八友」の一人であり、同じく八友の仲間である沈約・王融らとともに「永明体」と呼ばれる詩風を生み出した。

 

 

謝朓詩 雜詩十二詩 贈王主簿二首

雜詩十二首

贈王主簿二首其一

(以前寵愛を一手に受けていた女が、寵愛を失った今の思いを詠う)

日落窗中坐  紅妝好顏色

日の落ちかかる夕暮れ時、窗部屋の中に物憂げに坐っている。紅い装束をした美しい顔色の女である。

舞衣襞未縫  流黃覆不織

舞い衣はひだができて古めかしいが、新しいのはまだ縫えないでいる。機の上の生絹も織り半ばで上を覆いかぶせたままにしてある。

蜻蛉草際飛  遊蜂花上食

庭の草ぎわに衣装を鮮明にして整えている羽を持つカゲロウが飛び舞わり、蜂もあちこち飛び回ってから、花の上に蜜をあさっている。

一遇長相思  願寄連翩翼

それを見て女は、あなたをおもい、寵愛はいつまでもと誓った、だからもう一ど遇いたいと願っています、どうにかして、すぐにでもあの雌雄うち連れて飛ぶ鳥の翼にこの身を託したいものだと。

 

(王主簿に贈る。二首其の一)

日落ち 窗中に坐し、紅妝 顏色を好くす。

舞衣 襞【ひだ】たつも 未だ縫せず、流黃 覆うても織らず。

蜻蛉 草むらの際に飛び、蜂は遊び 花上に食す。

一たび遇わんこと “長相思”、  願わくば連翩たる翼に寄せん。

 

現代譯 訳注解説

(本文)

雜詩十二首

贈王主簿二首其一

日落窗中坐  紅妝好顏色

舞衣襞未縫  流黃覆不織

蜻蛉草際飛  遊蜂花上食

一遇長相思  願寄連翩翼

 

(下し文)

(王主簿に贈る。二首其の一)

日落ち 窗中【そうちゅう】に坐し、紅妝【こうしょう】 顏色を好くす。

舞衣 襞【ひだ】たつも 未だ縫せず、流黃【りゅうおう】 覆うても織らず。

蜻蛉【せいれい】 草むらの際に飛び、蜂は遊び 花上に食す。

一たび遇わんこと “長相思【ちょうそうし】”、  願わくば連翩【れんぺん】たる翼に寄せん。

 

(現代語訳)

(以前寵愛を一手に受けていた女が、寵愛を失った今の思いを詠う)

日の落ちかかる夕暮れ時、窗部屋の中に物憂げに坐っている。紅い装束をした美しい顔色の女である

舞い衣はひだができて古めかしいが、新しいのはまだ縫えないでいる。機の上の生絹も織り半ばで上を覆いかぶせたままにしてある。

庭の草ぎわに衣装を鮮明にして整えている羽を持つカゲロウが飛び舞わり、蜂もあちこち飛び回ってから、花の上に蜜をあさっている。

それを見て女は、あなたをおもい、寵愛はいつまでもと誓った、だからもう一ど遇いたいと願っています、どうにかして、すぐにでもあの雌雄うち連れて飛ぶ鳥の翼にこの身を託したいものだと。

 

 

(訳注解説・字解)

雜詩十二首

現存する詩は200首余り、その内容は代表作とされる山水詩のほか、花鳥風月や器物を詠じた詠物詩、友人・同僚との唱和・離別の詩、楽府詩などが大半を占める。

とりわけ叙景に優れ、謝霊運の山水詩を引き継ぎつつ、美を洞察する感受性は、他の六朝(りくちょう)詩人に類をみない。友人の沈約(しんやく)は謝の五言詩を「二百年来この詩なし」とたたえた。謝も沈約も竟陵王蕭子良(きょうりょうおうしょうしりょう)の文学サロンに出入りした八友の一人であるが、謝の詩は、唐詩の風を先駆けて切り開いており、唐の詩人李白(りはく)や杜甫(とほ)の評価も高い。尚書吏部郎に抜擢(ばってき)されてまもなく、王朝末期にありがちな皇帝廃立の陰謀に巻き込まれ、36歳で獄死した。『謝宣城集』5巻がある。

 

贈王主簿二首其一

(以前寵愛を一手に受けていた女が、寵愛を失った今の思いを詠う)

王主簿、名は季哲、「主簿」は、文書帳簿をつかさどる、漢代以後の官名。王の愛人が王を思う意を叙べている。愛人の代作であろうか。

 

日落窗中坐  紅妝好顏色

日の落ちかかる夕暮れ時、窗部屋の中に物憂げに坐っている。紅い装束をした美しい顔色の女である

窗中 南、西日の入る部屋、屋敷の西側にあることは、側室であろうか、哀れを感じる語である。ここでは、窗部屋と解しておく。

 

舞衣襞未縫  流黃覆不織

舞い衣はひだができて古めかしいが、新しいのはまだ縫えないでいる。機の上の生絹も織り半ばで上を覆いかぶせたままにしてある。

流黄 あやぎぬ、黄繭の糸をもって織るからいったのであろう。ここではまだ練らぬ生絹、機上に織りかけているものを指す。この二句も、主が旅に出たものか、他の女性を寵愛して女のもとを訪れないのいずれかを表現している。

 

蜻蛉草際飛  遊蜂花上食

庭の草ぎわに衣装を鮮明にして整えている羽を持つカゲロウが飛び舞わり、蜂もあちこち飛び回ってから、花の上に蜜をあさっている

蜻蛉 カゲロウ。とんぼに似ているが羽や体が弱々しく、ひらひら飛ぶ昆虫。長い二、三本の尾毛がある。成虫は、夏、水辺をよく飛び、産卵を終えると数時間で死ぬ。衣装を鮮明にして整えている羽をもっているから、寵愛を受けている女性に例えられる。衣冠楚楚《詩經.曹風.蜉蝣》に「蜉蝣之翼,采采衣服。心之憂矣,於我歸息」

 

一遇長相思  願寄連翩翼

それを見て女は、あなたをおもい、寵愛はいつまでもと誓った、だからもう一ど遇いたいと願っています、どうにかして、すぐにでもあの雌雄うち連れて飛ぶ鳥の翼にこの身を託したいものだと。

長相思 「長」は 綿の縁語。綿綿と長く続く意をとる。二人過ごした時の糸をかがってほどけぬようにした「結同心」のことを意味する語である。大事な人を思いしのぶ。「相」は、相互にの意味は、この場合は弱い。相思相愛の相思とは違う。現代語に単相思(片思い)がある。但し、想君思我錦衾寒のとり方によっては、「相互に」の意味になる。ここは、ある時期、ある期間、相互相思であったこと、寵愛を受けていた期間があったことをいう。

古詩十九首之十八首

 

客從遠方來,遺我一端綺。

相去萬餘里,故人心尚爾。

文彩雙鴛鴦,裁為合歡被。

著以長相思,緣以結不解。

以膠投漆中,誰能別離此?

客遠方より乗り、我に一端の綺を遣る。

相去ること萬餘里なるも、故人の心 尚ほ爾り。

文彩は雙鴛鴦、裁ちて合歓の被と為す。

著するに長相思を以てし、縁とるに結不解を以てす。

膠を以て漆中に投ぜば、誰か能く此を別離せん。

李白 長相思【寄遠】,二首之一

 長相思【寄遠】,二首之二