玉臺新詠集 巻四 9.謝朓 巻4•9-17雜詩十二首其四詠邯鄲故才人嫁為厮養卒婦 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11125
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9.謝朓 |
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巻4•9-1-7雜詩十二首其五秋夜 |
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玉臺新詠集 謝朓詩 訳注解説 |
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1
謝朓詩 雜詩十二詩 贈王主簿二首
雜詩十二首
贈王主簿二首其一
(以前寵愛を一手に受けていた女が、寵愛を失った今の思いを詠う)
日落窗中坐 紅妝好顏色
日の落ちかかる夕暮れ時、窗部屋の中に物憂げに坐っている。紅い装束をした美しい顔色の女である。
舞衣襞未縫 流黃覆不織
舞い衣はひだができて古めかしいが、新しいのはまだ縫えないでいる。機の上の生絹も織り半ばで上を覆いかぶせたままにしてある。
蜻蛉草際飛 遊蜂花上食
庭の草ぎわに衣装を鮮明にして整えている羽を持つカゲロウが飛び舞わり、蜂もあちこち飛び回ってから、花の上に蜜をあさっている。
一遇長相思 願寄連翩翼
それを見て女は、あなたをおもい、寵愛はいつまでもと誓った、だからもう一ど遇いたいと願っています、どうにかして、すぐにでもあの雌雄うち連れて飛ぶ鳥の翼にこの身を託したいものだと。
(王主簿に贈る。二首其の一)
日落ち 窗中に坐し、紅妝 顏色を好くす。
舞衣 襞【ひだ】たつも 未だ縫せず、流黃 覆うても織らず。
蜻蛉 草むらの際に飛び、蜂は遊び 花上に食す。
一たび遇わんこと “長相思”、 願わくば連翩たる翼に寄せん。
2
(二)
(洛陽城の片隅に、二人の美女の歌姫がいて、町のものも遠くからもその歌声を聞こうとあつまる。そうした春の日の情景を詠う)
清吹要碧玉 調弦命綠珠
清らかな吹奏のためにはあの美女の碧玉をむかえて命じるし、絃の調べには石崇の寵妾の縁珠がにあうので侍らせていいつけるのが一番いい。
輕歌急綺帶 含笑解羅襦
女の軽やかに歌う姿に心を動かして、その美しい帯にせまり、女が笑を含んでうすぎぬの袖なしをもぬぐ。
餘曲詎幾許 高駕且踟躕
最後の曲まで歌い残しの曲がどれほどあるのだろうか。それを最後まで聴こうとしているのだろう、車を止めぐずぐずとためらっている。
徘徊韶景暮 惟有洛城隅
そのように楽しみ過ごせば、時の過ぎるのも忘れているあなたを見て、わたしの方はやるせなさにその場を行ったり来たりしているうちに春の日も暮れてゆく。ただ、それはのどかなこの洛陽城の片隅の景色の中におこっただけのことなのである。
(二)
清吹 碧玉を要へ、調弦 綠珠に命ず。
輕歌 綺帶をに急し、含笑 羅襦を解く。
餘曲 詎んぞ幾許【いくばく】、高駕 且つ踟躕す。
徘徊 韶景の暮れるは、惟だ 洛城の隅に有り。
3. 同王主簿怨情
(男の愛を失った婦人の悲しい運命を詠う)
掖庭聘絕國 長門失懽讌
漢延の大奥、掖庭宮から遠く離れた砂漠の向こうの匈奴に迎えられたのは王昭君である、衛子夫が後宮に入ると、子もなく武帝の寵を失って長門宮は冷宮となり、楽しい宴会に侍ることもなかったのは陳皇后である。
相逢詠蘼蕪 辭寵悲團扇
また、離縁されて、もとの夫に逢いたくて詠ったのは“靡蕪の詩”であり、班倢妤が天子の愛を奪われ、斥けられたときのいいぐさは、秋の「うちわ」である。これらは皆男の愛を失った婦人の悲しい運命である。
花叢亂數蝶 風簾入雙燕
花さくくさむらに喋が二つ三つ乱れとび、風にゆられる簾の中には一対の燕が舞いこんでくる。
徒使春帶賒 坐惜紅顏變
それを眺めやるわたしは、棄てられた身の悲しさに痩せ細って、春の帯もいたずらに長すぎるありさま、そぞろに紅の顕もふけてゆくのが惜しまれる。
平生一顧重 夙昔千金賤
日ごろはわたしの一顧を重んじて、昔黄金千金のねうちも賎しめたほどであった。
故人心尚永 故心人不見
わが夫の心は今もなお昔にかわらぬ とは思うのだが、しかし昔ながらの心の人は見るよしもないのが今の世の常、それを思うて限りなくうらめしい。
3. (王主簿の怨情に同じゅうす。)
披庭 絶国に幣され、長門 懽讌を失ふ。
相い蓬いては 蘼蕪を詠じ、寵を辭して 団扇を悲しむ。
花叢には 数蝶乱れ、風簾に 雙燕 入る。
徒らに春帯をして賒からしめ、坐ろに紅粧の変ずるを惜しむ。
生平 一顧に 重く、宿昔に 千金 賎し。
故人の心は 尚お爾り、 故心の人は 見ず。
雜詩十二詩 其三 夜聴妓二首
4〔一〕
(洛陽の美妓たちの歌舞矯態を描いたものである。今夜の宴席の様子が、妓女の腕輪の触れ合う音と、その席に立ちこめている艶やかな雰囲気によって、詠われている。)
瓊閨釧響聞、瑤席芳塵滿。
うるわしい閏から 腕輪の触れあう響きが聞こえ にぎやかな座席には 芳わしい塵が満ちている。
要取洛陽人、共命江南管。
いまや洛陽の美妓を呼び寄せて、みんなで江南の笛を吹かせ合奏している。
情多舞態遲、意傾歌弄緩。
情が溢れて、なまめかしく舞の動きはゆったりと、客を意識してそちらにきもちを傾けていて、それに合わせて歌の調べも緩やかになる。
知君密相親、寸心傳玉椀。
それは あなたが密かに親しみを感じているのを 知って一寸の心のたけを一寸の玉椀で運んで伝えようとしている。
(一)
(其の一 夜 妓を聴く)
瓊閏に 釧響を聞く 堵席に 芳塵 満つ。
洛陽の人を要へ取りて、共に 江南の管を命ず。
情多くして 舞態 遅く、意傾きて 歌弄 緩やかなり。
君の密かに相い親しむを知りて、寸心 玉椀に伝う。
5〔二〕
(超高級官僚の邸宅における春の宴の模様を述べたもの)
上客光四座、佳麗直千金。
身分高い客人たちが満座と集まっている、舞台もかがやき、そこに歓樂する佳麗の美女は皆千金の価値ある光景である。
挂釵報纓絶、墯珥荅琴心。
客の中に冠の纓がちぎれたのを治そうとしているものがいる、美人はその人の纓に簪を使って、冠を正して報いたようで、客は琴心をもって、これに答えている。
娥眉已共笑、清香復入衿。
蛾眉のそろった美人たちは貴賓客と共に笑い歓談している、美女たちの清らかな香りは客のえりもとにまでただよってくる。
歓樂夜方靜、翠帳垂沉沉。
小學堂で演じられる舞の歌曲もおわり、夜はひっそりと静まりかえる、庭の奥の室の内には翠のとばりが深くたれこめて、夜は更に静かにふけわたる。
〔二〕
上客 四座を光らす、佳麗 直い 千金。
挂釵 纓の絶ゆるに報い、墯珥 琴心に荅う。
娥眉 已に 共に笑う、清香 復た 衿に入る。
歓樂 夜 方に靜なり、翠帳 垂れて沉沉たり。
#6
雜詩十二首其四(詠邯鄲故才人嫁為廝養卒婦)
(趙の後宮の妃嬪・才人であった女性の後宮を解放されて、その後のことを述べる)
生平宮閤裏、出入侍丹墀。
常日頃、宮中の奥深い閏閤の中ですごしているし、出るのは閏閤殿から天子の朱ぬりの土縁に面した部屋で、侍っているのである。
開笥方羅縠、窺鏡比蛾眉。
その部屋での、妃嬪たちはすることがなく、箪笥の引き出しを開いてうすぎぬの服地の美をくらべ合わせたり、鏡をのぞいては、朋輩と書き眉の美しさを比較しあったりするのである。
初別意未解、去久日生悲。
幼いとき後宮に入内したわたしが初めて宮中から別れた時、俗世間の生活にただ茫然として、理解することができなかったが、離れて久しくなるにつれ、日に日に悲しさが膨らんでゆくのです。
顦顇不自識、嬌羞餘故姿。
心配事がおおいいのか、病気をしたのが気づかぬうちにやつれたようだが、それでも妃嬪としての矜持と恥じらいの心、気高き妃嬪の姿はまだ残って居る。
夢中忽髣髴、猶言承讌私。
だから、夢の中ではたちまちもとの姿がおぼろに現れる、今でもなお宴席に侍って私恩をいただいているなどと言うこともある。
雜詩十二首其四(詠邯鄲故才人嫁為廝養卒婦)(邯鄲の故の才人が嫁して雑役の卒の婦と為れるを詠ず)
生平 宮閤の裏、出入 丹墀に侍す。
笥を開き 羅縠を方ずれば、鏡を窺って蛾眉を比す。
初め別れしより 意 未だ解けず、去ること久しく 日に悲しみを生ず。
顦顇 自ら識らず、嬌羞 故姿を餘す。
夢中 忽ち 髣髴として、猶お 言う 讌私を承わると。
(秋夜の景を写して空閏を守る思婦の情を叙す。)
秋夜促織鳴、南鄰擣衣急
きりぎりすが鳴く秋の夜、南隣の井戸端からは女たちの砧打つ響きがせわしく聞こえてくる。
思君隔九重、夜夜空佇立
あなたは九重の空のかなたに隔たって しまった。それを思うて夜な夜な独り空しくたたずんでいる。
北窗輕幔垂、西戶月光入
秋も深まれば寒く、澄が入るが、此の窓には軽やかな「まく」が垂れて暖を取る、西の戸口からは月の光がさしこんでくる。
何知白露下、坐視前堦濕
じっと坐して家の前の階のうるおうたのを見ると、知らぬまに白露がおりていた、もう秋も深い。
誰能長分居、秋盡冬復及
それに誰がいつまでもかく別れ別れに住んで居られるのであろう。やがて秋が終わればまた冬がやってくる。
秋夜 促織鳴き、南鄰 擣衣 急なり。
君を思うて 九重を隔つ、夜夜 空しく佇立す。
北窗に 輕幔垂れ、西戶に 月光入る。
何ぞ知らん 白露の下るを、坐して視る 前堦の濕おうを。
誰か能く 長らく分居せん、秋盡きて 冬 復た及ぶ。
現代譯 訳注解説
(本文)
7・雜詩十二首其五 秋夜
秋夜促織鳴、南鄰擣衣急
思君隔九重、夜夜空佇立
北窗輕幔垂、西戶月光入
何知白露下、坐視前堦濕
誰能長分居、秋盡冬復及
(下し文)
7(雜詩十二首其五 秋夜)
秋夜 促織鳴き、南鄰 擣衣 急なり。
君を思うて 九重を隔つ、夜夜 空しく佇立す。
北窗に 輕幔垂れ、西戶に 月光入る。
何ぞ知らん 白露の下るを、坐して視る 前堦の濕おうを。
誰か能く 長らく分居せん、秋盡きて 冬 復た及ぶ。
(現代語訳)
(秋夜の景を写して空閏を守る思婦の情を叙す。)
#7
きりぎりすが鳴く秋の夜、南隣の井戸端からは女たちの砧打つ響きがせわしく聞こえてくる。
あなたは九重の空のかなたに隔たって しまった。それを思うて夜な夜な独り空しくたたずんでいる。
秋も深まれば寒く、澄が入るが、此の窓には軽やかな「まく」が垂れて暖を取る、西の戸口からは月の光がさしこんでくる。
じっと坐して家の前の階のうるおうたのを見ると、知らぬまに白露がおりていた、もう秋も深い。
それに誰がいつまでもかく別れ別れに住んで居られるのであろう。やがて秋が終わればまた冬がやってくる。
(訳注解説・字解)
雜詩十二首
現存する詩は200首余り、その内容は代表作とされる山水詩のほか、花鳥風月や器物を詠じた詠物詩、友人・同僚との唱和・離別の詩、楽府詩などが大半を占める。
とりわけ叙景に優れ、謝霊運の山水詩を引き継ぎつつ、美を洞察する感受性は、他の六朝(りくちょう)詩人に類をみない。友人の沈約(しんやく)は謝の五言詩を「二百年来この詩なし」とたたえた。謝も沈約も竟陵王蕭子良(きょうりょうおうしょうしりょう)の文学サロンに出入りした八友の一人であるが、謝の詩は、唐詩の風を先駆けて切り開いており、唐の詩人李白(りはく)や杜甫(とほ)の評価も高い。尚書吏部郎に抜擢(ばってき)されてまもなく、王朝末期にありがちな皇帝廃立の陰謀に巻き込まれ、36歳で獄死した。『謝宣城集』5巻がある。
雜詩十二首其五 秋夜
(秋夜の景を写して空閏を守る思婦の情を叙す。)
きりぎりすが鳴く秋の夜、南隣の井戸端からは女たちの砧打つ響きがせわしく聞こえてくる。
促織 昆虫「こおろぎ(蟋蟀)」の異名。
擣衣(擣衣・搗衣)【とうい】砧【きぬた】で衣を打つこと。「擣【う】つ砧を臼にいれ、布を杵(棒杵)でつく。砧でつくのは洗濯ではなく、冬用の厚いごわごわした布を柔軟にするため。
李白 四夜呉歌其三「長安一片月,萬戶搗衣聲。」
時は今、秋の末、清らかな一片の月が昇ってくると、その月光は長安城中に満ちている、その明かりの中、どこの家でも砧をたたく音が聞こえてくる。
搗衣(擣衣) 杜甫 <295> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1352 杜甫詩 700- 415
亦知戍不返,秋至拭清砧。已近苦寒月,況經長別心。
寧辭搗衣倦,一寄塞垣深。用盡閨中力,君聽空外音。
思君隔九重、夜夜空佇立
あなたは九重の空のかなたに隔たって しまった。それを思うて夜な夜な独り空しくたたずんでいる。
九重 ① いくえにもかさなっていること。 ② 天子の住む所。宮中。ここのえ。大空を立てよ子それぞれ三等分したことを言う。そのまんなかがてんしのすまいするところということ。
北窗輕幔垂、西戶月光入
秋も深まれば寒く、澄が入るが、此の窓には軽やかな「まく」が垂れて暖を取る、西の戸口からは月の光がさしこんでくる。
北窗輕幔垂 冬を迎え、北側には幔幕をしてだ案某効果を上げる。
何知白露下、坐視前堦濕
じっと坐して家の前の階のうるおうたのを見ると、知らぬまに白露がおりていた、もう秋も深い。
誰能長分居、秋盡冬復及
それに誰がいつまでもかく別れ別れに住んで居られるのであろう。やがて秋が終わればまた冬がやってくる。















