玉臺新詠 全十巻 訳注解説

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之   唐五代詞詩・花間集・玉臺新詠 中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。 5年以上のブログ連載。(魚玄機・薛濤・花間集)完掲載 現在《玉臺新詠》完全版連載中 予定(文選【詩篇】文選【賦篇 楚辞 詩經 ・・・・)

閨怨詩

中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。
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温庭筠の詞詩を約60首程度掲載の後、魚玄機50首程度連載し,薛濤約百首、韋莊五十首
森鴎外小説 『魚玄機』 彼女の詩を冷静に、客観的に分析 過去の女性蔑視の見方を排除して解釈 訳註解説
現在、『花間集』全詩500首、全首連載が終了した。いま、500首全首、見直し、改訂版Ver.2.1として、根本的に語訳、注釈をやり直して掲載しています。出来るだけ(改訂版Ver.2.1)と記している詩を読まれることを薦めます。
現在 玉臺新詠 訳注解説連載中
   玉臺新詠 概要 目録・目次 http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/list1.html

10和凝 (改)《巻六31柳枝三首其二 》『花間集』282全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6682

和凝  柳枝三首 其二  

瑟瑟羅裙金縷腰,黛眉隈破未重描。

醉來咬損新花子,拽住仙郎盡放嬌。

(見送り、別れて、泣き腫らしたが、その後は、酔いつぶれ、淫らな声を出し、高級官僚、仙人にも愛嬌を振りまく。)その二。

風が寂しく吹き、薄絹のスカートが風にしずかに揺れ、金の練り糸の縫い付けが細い腰にまとわる。見送りがおわれば、涙で眉黛、化粧は崩してしまっても、そのままで、いつまでもなおさず、かさねて化粧をすることはない。それからというもの、閨で酔ってしまい、淫ら声を上げ、顔にポチポチを描いたように新しい化粧を施しているかのよう、こんどは、仙人をつかまえて、愛嬌を振り巻きつくしている。

10和凝 (改)《巻六31柳枝三首其二 》『花間集』282全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6682

 

 
  2015年9月28日 の紀頌之5つのBlog  
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  Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
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  孟郊 張籍          
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7毛文錫《巻五32何滿子一首》『花間集』233全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6437

毛文錫  河滿子  

紅粉樓前月照,碧紗外鶯啼。夢斷遼陽音信,那堪獨守空閨。

恨對百花時節,王孫綠草萋萋。

(秋には月明かりのもとで愛され、春には鶯が啼き、愛された、公孫は、北の守りに遼陽に行ったきり音沙汰ない、それでもただ待つだけ、春爛漫には恨みが増すと気持ちを詠う。)

秋には、頬紅を付けて寝殿前の庭に出れば月明かりに照らされる。春には東の緑色の枠の窓にうす絹が張られている窓辺の外には鶯が啼いて春を告げ、ささやき合う。そのお方は、はるか北の地遼陽に行ったままでそれ以来音信普通で夢は破れてしまい、どうしたってひとり、この寂しい閨を守っていくことに堪えねばならない。また、百花が花開く時期を迎えると、それを見るたびに恨む気持ちになってしまうが、王孫は緑の草草が成長する時期になったので、またどこかで、「嫁にするよ」と若草の様な娘に声をかけている。

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 魏承班15首 花間集8・9巻鹿虔扆6首 花間集9巻閻選8首 花間集9巻尹鶚6首 花間集9巻毛熙震29首 花間集9・10巻李珣39首 花間集10巻 
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妓女は買われてくると、歌舞や酒席での遊戯などを習い、少しでも怠けると仮母に激しく鞭打たれたり殴られたりし、成人に達すると客を取り銭を稼がされた。彼女たちは行動の自由がなく、平生は勝手に門を出ることもできなかった。平康里の妓女は僧が道でお経を講ずるのを最も待ち望んだ。僧が来ると、仮母に千文納めて機を見て外出し、半日間自由の空気を吸うことができたからである。

宴会や遊戯の席

妓女は平生、人に呼ばれて宴会や遊戯の席に侍ったり、あるいは家で客を接待したりした。毎年新たに進士の合格者が発表されると、彼らは盛んに平康里に泊って遊んだ。この時こそ彼女たちの最も多忙な時期であった。長安の妓女の大半は歌や触りといった技芸にそれほど熟達してはいなかったので、往々にしてさかんに客にふざけたりへつらったりした。普段は客席に侍り、話のあいづちをうったり、また客と寝て売春するのが主で、芸は補助的なものであった。こうした点が、地方の楽営妓女と違うところであり、また後世の娼妓と似ているところであった。客席に侍る料金は一般に一席あたり四環(鎧は銅銭の単位)であり、灯ともし時になるとその倍になった。新来の客は倍の料金を払った。新しく進士に合格した者が妓女を買う時は、慣例により一般の客よりも多くの花代を包まねばならなかった。値段は妓女の名声や地位によって決められた。平康里の名妓天水仙苛は少しばかり名声があり、貴公子劉雫が彼女を遊びに呼ぼうとしたが彼女はわざと断った。そこで劉軍は次々と値段を上げ、ついにかれこれ百余金を投じた。また、客は銭の支払いの他に絹布などを贈って礼晶とした。たとえば中央の官僚たちが鄭挙挙の家に集まって酒を飲む時には、座が盛りあがると客はそれぞれ彩給などを御礼に贈った。こうしたことは、客が自ら自由意志で行うことであった。

 

雛妓(半玉)の「初夜権」は高い値段で買い取らねばならなかった。南曲の張住住が成人になろうとした時、金持の陳小鳳は大金を出し「その元を取ろう」とした。彼女はすでに処女を失っていたが、手管を使って処女のごとく振舞って陳を騙した。陳は処女を得たと思い、さらに三緡(一緡は銅銭一千枚)を張家にやった。その他、買断という決まりもあった。つまり妓女が一人の客に独占されることであり、客が毎日仮母に一緒を払うと、この妓女はもう他の客をとれなかった。

 

少し有名な妓女はなじみの客を多くよぶことができたので、豪門や富貴の客から大量の銭と品物が仮母の懐に入った。これらの妓女の生活は一般にかなり裕福であり、賛沢ですらあった。また、ある妓女は仮母に大量の金を儲けさせたが、仮母はいぜんとして彼女にひどく辛くあたった。たとえば楊莱児は仮母にたっぷり金を儲けさせたが、仮母は彼女を虐待した。それで、莱児は身請けされて行く時、仮母を大いに罵り衣を払って去った。やっと鬱憤を晴らしたのである。下層妓女の収入はたいへん少なく、生活はきわめて苦しかった。張住住の家の場合は、抱えている二人の妓女が売れなかったので、置屋は没落し、雑貨を売って生活しなければならなかった。

教坊籍に入らない妓女は官府の統制下になかったので、客から身請けされ堅気となって嫁すことができた。「落籍」の費用は地位によって異なっており、先に述べた王福娘の請け値は 〝一、二百金″であった。これはだいたい中等の値段であり、妓女の標準の値段であった。唐代の小説『李娃伝』の主人公李姓は堅気になろうとして、二十年間の衣食代を自分の貯えた金の中から仮母に返し、身請けされた。この金額は決して少なくはなかったはずである。こうしたことは現実にはそう多いことではなかったであろう。なぜなら、かりに名高い妓女でも普通はこれほど多くのへそくりを工面することは難しかったからである。身請けの大部分は客が見初めたものであって、彼女たちの意志ではどうすることもできなかった。しかし、長安の妓女は総じて地方官妓に比べるといくらか主体性を持っていた。たとえば、王福娘は挙子(科挙受験生)の孫薬を見初め、彼に落籍を頼んだ。また、睦州刺史の柳斉物は名妓の矯陳を好きになった。彼女はそれに応えて「もし科挙に合格して錦帳三十枚をくださるなら、一生お仕えいたします」と答えた。柳斉物は果たして錦帳を数通りそろえて彼女を迎えにきたので、彼女は柳家に嫁いだ(『因話録』巻一。何はともあれ、無理に落籍されたり贈答の具に供されたりするのに比べたらずっとマシであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花間集 教坊曲『河滿子』六首

 

 

作者名/


初句

 

 

毛司徒文錫

巻五

河滿子一首

紅粉樓前月照

 

 

和學士凝(和凝)

巻六

河滿子二首 其一

正是破瓜年幾,

 

 

巻六

河滿子二首 其二

寫得魚牋無限,

 

 

孫少監光憲

巻八

河滿子一首

冠劍不隨君去,

 

 

毛秘書熙震

巻十

河滿子二首 其一

寂寞芳菲暗度,

 

 

巻十

河滿子二首 其二

無語殘粧澹薄,

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

河滿子

(秋には月明かりのもとで愛され、春には鶯が啼き、愛された、公孫は、北の守りに遼陽に行ったきり音沙汰ない、それでもただ待つだけ、春爛漫には恨みが増すと気持ちを詠う。)

紅粉樓前月照,碧紗外鶯啼。

秋には、頬紅を付けて寝殿前の庭に出れば月明かりに照らされる。春には東の緑色の枠の窓にうす絹が張られている窓辺の外には鶯が啼いて春を告げ、ささやき合う。

夢斷遼陽音信,那堪獨守空閨。

そのお方は、はるか北の地遼陽に行ったままでそれ以来音信普通で夢は破れてしまい、どうしたってひとり、この寂しい閨を守っていくことに堪えねばならない。

恨對百花時節,王孫綠草萋萋。

また、百花が花開く時期を迎えると、それを見るたびに恨む気持ちになってしまうが、王孫は緑の草草が成長する時期になったので、またどこかで、「嫁にするよ」と若草の様な娘に声をかけている。

 

(河滿子)

紅粉 樓前にあって 月照す,碧紗 外 鶯啼く。

夢斷 遼陽 音信,那ぞ獨り空閨を守るを堪えん。

恨むは百花時節に對し,王孫 綠草 萋萋たり。

 

 

『河滿子』 現代語訳と訳註

(本文)

河滿子

紅粉樓前月照,碧紗外鶯啼。

夢斷遼陽音信,那堪獨守空閨。

恨對百花時節,王孫綠草萋萋。

 

(下し文)

(河滿子)

紅粉 樓前にあって 月照す,碧紗 外 鶯啼く。

夢斷 遼陽 音信,那ぞ獨り空閨を守るを堪えん。

恨むは百花時節に對し,王孫 綠草 萋萋たり。

 

(現代語訳)

(秋には月明かりのもとで愛され、春には鶯が啼き、愛された、公孫は、北の守りに遼陽に行ったきり音沙汰ない、それでもただ待つだけ、春爛漫には恨みが増すと気持ちを詠う。)

秋には、頬紅を付けて寝殿前の庭に出れば月明かりに照らされる。春には東の緑色の枠の窓にうす絹が張られている窓辺の外には鶯が啼いて春を告げ、ささやき合う。

そのお方は、はるか北の地遼陽に行ったままでそれ以来音信普通で夢は破れてしまい、どうしたってひとり、この寂しい閨を守っていくことに堪えねばならない。

また、百花が花開く時期を迎えると、それを見るたびに恨む気持ちになってしまうが、王孫は緑の草草が成長する時期になったので、またどこかで、「嫁にするよ」と若草の様な娘に声をかけている。

 

(訳注)

河滿子

(秋には月明かりのもとで愛され、春には鶯が啼き、愛された、公孫は、北の守りに遼陽に行ったきり音沙汰ない、それでもただ待つだけ、春爛漫には恨みが増すと気持ちを詠う。)

公孫は、妓女が求める「買断」をして、囲い独占して遊んだ。妓女は一時であっても安心できる条件を求める。うまくいけば妾の末席でも花街の将来はないので喜ばしいことであった。

唐の教坊曲、花間集には河滿子は五首あり、毛文錫は一首所収。単調三十六字、三平韻6⑥6⑥6⑥の詞形をとる。

紅粉樓前月照  碧紗窓外鶯
夢斷遼陽音信  那堪獨守空
恨對百花時節  王孫綠草萋

○●○○●●  ●○○●○○

△●○○○△  △○●●△○

●●●○○●  △○●●○○

 

紅粉樓前月照,碧紗外鶯啼。

秋には、頬紅を付けて寝殿前の庭に出れば月明かりに照らされる。春には東の緑色の枠の窓にうす絹が張られている窓辺の外には鶯が啼いて春を告げ、ささやき合う。

○樓前 寝殿前の庭。

○碧紗 東の緑色の枠の窓にうす絹が張られている窓辺の外

 

夢斷遼陽音信,那堪獨守空閨。

そのお方は、はるか北の地遼陽に行ったままでそれ以来音信普通で夢は破れてしまい、どうしたってひとり、この寂しい閨を守っていくことに堪えねばならない。

○遼陽 遼陽は古代より遼東における中華帝国の中心であった軍事上の重要都市である。

遼陽 遼陽はかつて襄平と称し、この地方一帯を中国が支配する上での中心地となっていた。戦国時代には燕の遼東郡の中心地だった。秦は遼東郡の郡治をここに置き、前漢・後漢の頃に領土が東へ拡大した時期は玄菟郡に属した。404年、高句麗が襄平を占領し、遼東府と改名した。唐が高句麗を滅ぼし(麗唐戦争)て置いた安東都護府は、後に所在地を平壌から襄平に移している。907年建国の遼時代に遼陽と改名され、遼の副都(陪都)・東京遼陽府となった。遼の後の金も東京遼陽府を副都としている。この時期東京にいた皇族の烏禄は、第4代皇帝海陵王に反抗する勢力に擁立され海陵王を滅ぼし、第5代皇帝・世宗として即位、遼陽に白塔などを建設した。・陽:1 日。日の光。「陽光/斜陽・春陽・夕陽・太陽・朝陽・落陽」2 ひなた。山の南側。川の北側。「山陽・洛陽(らくよう)3 明るく暖かい。「陽春」4 うわべをいつわる。

 

恨對百花時節,王孫綠草萋萋。

また、百花が花開く時期を迎えると、それを見るたびに恨む気持ちになってしまうが、王孫は緑の草草が成長する時期になったので、またどこかで、「嫁にするよ」と若草の様な娘に声をかけている。

○王孫 1 帝王の子孫。また、貴族の子弟。2 ツクバネソウの別名。4枚の葉の中心部に黒い果実が付く様子を羽根つきの羽に例えたものであるが、ユリ科の植物としては似つかわしくない姿をしている。花の特徴: 茎先から花の柄を出し、先に淡い黄緑色の花を1つつける。 花には内花被片はなく、4枚の緑色の幅広い外花被片が垂れ下がる。 雄しべは8本である。 雌しべは1本で、先が4つに裂ける。

綠草萋萋 綠草は萌える愛という意味を持つ。萋萋:草木の茂っているさま。さいさい。ここでは数ある草草の中で選ばれ、嫁ぐ詩経のイメージを借り、どこかの娘にこえをかけているというほどの意味。

《詩経·周南·葛覃》

葛之覃兮、施于中谷。

維葉萋萋、黄鳥于飛。

集于灌木、其鳴嘴嘴。

葛の覃(の)びるや、中谷に施(うつ)る。

維(こ)れ葉 萋萋たり、黄鳥于(ここ)に飛ぶ。  

灌木に集(つど)ひ、其の鳴くこと嘴嘴(かいかい)たり。

 

葛之覃兮,旋于中谷。

維葉莫莫,是刈是煮。

為綺為谷,服之無厭。

葛の覃びるや、中谷に旋る。

維れ葉 莫莫たり、是れ刈り 是れ煮(に)て。

綺(ち)と為し谷(げき)と為し、之を服して厭(いと)ふことなし。

 

言告師氏,言告言歸。

薄汗我私,薄澣我衣。

害澣害否,歸寧父母。

言(われ)師氏に告げらる、言(ここ)に告げらる 言に歸(とつ)ぐと。

薄(しば)らく我が私を汗(あら)ひ、薄らく我が衣を澣(すす)がん。

害(いづ)れか澣(すす)ぎ 害れか否(しかせ)ざらん、歸(とつ)ぎて父母を寧(やす)んぜん。

 

葛のツルが伸びて、谷間を覆っている、その葉は青々として、黄鳥が飛んでくるや、灌木に群がっては、皆々として鳴く

 

葛のツルが伸びて、谷間を覆っている、その葉は生い茂り、刈り取って煮て、糸となしても衣となしても、あるいは食べても飽きることがない

 

 わたしは先生から告げられました、この家に嫁ぐのだと告げられました、だから身を洗い、着ている衣も洗いましょう、どれを洗いどれを洗わぬか良く考えましょう、立派な嫁になって両親を安心させてあげましょう

7毛文錫《巻五14贊浦子一首》『花間集』215全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6347

毛文錫  贊浦子  

錦帳添香睡,金鑪換夕薰。懶結芙蓉帶,慵拖翡翠裙。

正是桃夭柳媚,那堪暮雨朝雲。宋玉高唐意,裁瓊欲贈君。

(若くて美しい妃嬪が寵愛を失って、物憂げな毎日を過ごす、高唐の賦のように、同じ化身するなら、佩び玉に化身できたらと詠う。)錦のとばりが垂れ、香りが広がるなかに伴って眠る。黄金の香炉には、夕方には新しい香と交換し燻らせている。物憂げに芙蓉柄の帯を結んでいるし、翡翠の飾りのスカートをだるそうに引きずっている。まさに、このうら若き妃嬪の美しさを詩経に言う「桃のみずみずしいとき」であり、若々しい柳葉の眉もくっきりとしている。それなのにどうして「朝雲暮雨」ではなく、夕暮れに雨のように涙を流し、朝には雲となって物憂げにするという、そんな生活に堪えている。宋玉の「高唐賦」に言う、雨となり雲となってまじわることを思い続けるけれど、それがかなわぬなら、瓊玉に化身し、佩び玉飾りに裁縫してとどける。そうしたら別れなくてもずっと一緒にすごせる。

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毛文錫(毛司徒文錫)    贊浦子一首

毛文錫(生卒年未詳)、字を平珪と言い、南陽(今の河南省南陽)の人。十四歳で進士に及第し、前蜀の王建に仕え、司徒に任じられ、毛司徒と呼ばれた。その後、前覇が亡びると、後主の王衍に従って後唐に降り、さらに後蜀に仕え、欧陽烱、閻選、鹿虔扆、韓琮らと詞をもって後蜀の孟昶に奉仕し「五鬼」と称された。著書に『前局紀事』二巻、『茶譜』一巻がある。毛文錫の詞は大多数が男女の離別の情や傷惜春の情を詠ったものであるが、中には功名富貴を主張したものや、辺境の戦を詠ったものもある。『花間集』には三十一首の詞が収められている。

 

 

贊浦子

(若くて美しい妃嬪が寵愛を失って、物憂げな毎日を過ごす、高唐の賦のように、同じ化身するなら、佩び玉に化身できたらと詠う。)

錦帳添香睡,金鑪換夕薰。

錦のとばりが垂れ、香りが広がるなかに伴って眠る。黄金の香炉には、夕方には新しい香と交換し燻らせている。

懶結芙蓉帶,慵拖翡翠裙。

物憂げに芙蓉柄の帯を結んでいるし、翡翠の飾りのスカートをだるそうに引きずっている。

正是桃夭柳媚,那堪暮雨朝雲。

まさに、このうら若き妃嬪の美しさを詩経に言う「桃のみずみずしいとき」であり、若々しい柳葉の眉もくっきりとしている。それなのにどうして「朝雲暮雨」ではなく、夕暮れに雨のように涙を流し、朝には雲となって物憂げにするという、そんな生活に堪えている。

宋玉高唐意,裁瓊欲贈君。

宋玉の「高唐賦」に言う、雨となり雲となってまじわることを思い続けるけれど、それがかなわぬなら、瓊玉に化身し、佩び玉飾りに裁縫してとどける。そうしたら別れなくてもずっと一緒にすごせる。

 

贊浦子

錦帳 香を添えて睡り,金鑪 夕に換えて薰る。

芙蓉の帶を懶結し,翡翠の裙を慵拖す。

正に是れ 桃夭 柳媚なり,那んぞ 暮雨 朝雲に堪えん。

宋玉 高唐の意,瓊を裁し 君に贈らんと欲す。

 

 

『贊浦子』 現代語訳と訳註

(本文)

贊浦子

錦帳添香睡,金鑪換夕薰。

懶結芙蓉帶,慵拖翡翠裙。

正是桃夭柳媚,那堪暮雨朝雲。

宋玉高唐意,裁瓊欲贈君。

 

(下し文)

贊浦子【さんほし】

錦帳 香を添えて睡り,金鑪 夕に換えて薰る。

芙蓉の帶を懶結し,翡翠の裙を慵拖す。

正に是れ 桃夭 柳媚なり,那んぞ 暮雨 朝雲に堪えん。

宋玉 高唐の意,瓊を裁し 君に贈らんと欲す。

 

(現代語訳)

(若くて美しい妃嬪が寵愛を失って、物憂げな毎日を過ごす、高唐の賦のように、同じ化身するなら、佩び玉に化身できたらと詠う。)

錦のとばりが垂れ、香りが広がるなかに伴って眠る。黄金の香炉には、夕方には新しい香と交換し燻らせている。

物憂げに芙蓉柄の帯を結んでいるし、翡翠の飾りのスカートをだるそうに引きずっている。

まさに、このうら若き妃嬪の美しさを詩経に言う「桃のみずみずしいとき」であり、若々しい柳葉の眉もくっきりとしている。それなのにどうして「朝雲暮雨」ではなく、夕暮れに雨のように涙を流し、朝には雲となって物憂げにするという、そんな生活に堪えている。

宋玉の「高唐賦」に言う、雨となり雲となってまじわることを思い続けるけれど、それがかなわぬなら、瓊玉に化身し、佩び玉飾りに裁縫してとどける。そうしたら別れなくてもずっと一緒にすごせる。

 

(訳注)

贊浦子

(若くて美しい妃嬪が寵愛を失って、物憂げな毎日を過ごす、高唐の賦のように、同じ化身するなら、佩び玉に化身できたらと詠う。)

唐教坊曲名。別名《普子》。『花間集』には毛文錫一首のみ所収。双調四十二字、前段二十字四句二平韻二仄韻、後段二十二字四句二平韻二仄韻で、❺⑤❺⑤/❻⑥❺⑤の詞形をとる。

錦帳 添香  金鑪 換夕
懶結 芙蓉  慵拖 翡翠
正是 桃夭 柳  那堪 暮雨 朝
宋玉 高唐  裁瓊 欲贈

●●○○●  ○○●●△

●●○○●  ○△●●○

△●○△●●  △○●●○○

●●○○●  △○●●○

 

錦帳添香睡,金鑪換夕薰。

錦のとばりが垂れ、香りが広がるなかに伴って眠る。黄金の香炉には、夕方には新しい香と交換し燻らせている。

 

懶結芙蓉帶,慵拖翡翠裙。

物憂げに芙蓉柄の帯を結んでいるし、翡翠の飾りのスカートをだるそうに引きずっている。

拖 ①(重いものを)ずるずる引っ張る,引きずる,引く.他拖着疲倦的身体回到家里。=彼は疲れた体を引きずって家まで。

懶・慵 物憂げにする。物ぐさい ・ ぐうたら ・ 怠惰 ・ もの臭い ・ 気だるい ・ 気怠い・ 不精ったらしい ・ 物臭 ・ 不まじめ

 

正是桃夭柳媚,那堪暮雨朝雲。

まさに、このうら若き妃嬪の美しさを詩経に言う「桃のみずみずしいとき」であり、若々しい柳葉の眉もくっきりとしている。それなのにどうして「朝雲暮雨」ではなく、夕暮れに雨のように涙を流し、朝には雲となって物憂げにするという、そんな生活に堪えている。

桃夭 《「詩経」周南・桃夭から。嫁ぐ若い女性の美しさを桃のみずみずしさにたとえた語》女性の婚期。嫁入りどきをいう。

桃之夭夭、灼灼其華。之子于歸、宜其室家。

桃之夭夭、有粉其實。之子于歸、宜其家室。

桃の夭夭たる、灼灼たり其の華。この子ここに歸【とつ】がば、其の室家に宜しからん。

桃の夭夭たる、粉たり其の實。この子ここに歸がば、其の家室に宜しからん。

柳媚 形容春天綠柳成蔭、繁花似錦的景象。

―化粧―

唐代の女性は、化粧にたいへん気をつかった。普通は、顔、胸、手、唇などに白粉や頬紅をつけ、また肌を白くし、あるいは艶やかにしたが、それ以外に眉を画くことをことのほか重視した。眉毛の画き方はたいへん多く、玄宗は画工に「十眉図」を描かせたことがあり、それらには横雲とか斜月などという美しい名称がつけられていた(『粧楼記』)。ある人は、唐代の女性は眉毛の装飾に凝り、それはいまだかつてなかった水準に達したと述べている。その他、彼女たちは額の上に黄色の粉を塗り、それを「額黄」「花蕊」「蕊黄」といった。また、金箔や色紙を花模様に切り抜いて両眉の間に貼るのが流行り、「花細」、「花子」などと呼んだ。その他、両頬に赤、黄の斑点、あるいは月や銭の図柄を貼るケースもあり、これは「粧靨」靨はえくぼの意)といった。

唐の玄宗皇帝が画工に命じて描かせた《十眉図》に見られるように,鴛鴦眉(八字眉),小山眉(遠山眉),五嶽眉,三峯眉,垂珠眉,月稜眉(却月眉),分稍眉,涵烟眉,払雲眉(横烟眉),倒暈眉の10種類であった。唐の末期には〈血曇粧〉といって目の縁を赤紫に彩った化粧がはやった。

暮雨朝雲 宋玉高唐の賦に言う「朝雲」は、朝の雲。「暮雨」は、夕暮れの雨。男女の契りのたとえと逆になっていることは、泣いて過ごし、夢に思うだけの生活をすること。

 

宋玉高唐意,裁瓊欲贈君。

宋玉の「高唐賦」に言う、雨となり雲となってまじわることを思い続けるけれど、それがかなわぬなら、瓊玉に化身し、佩び玉飾りに裁縫してとどける。そうしたら別れなくてもずっと一緒にすごせる。

宋玉「高唐賦」 楚の懐王が高唐で遊んですごした時、夢の中に女が現れて王と情を交これは、『文選』のに見える話に由来している。「雲雨巫山」一巫山之夢」ともいう。

裁 ① 布を断ち切る。「裁断・裁縫」② 是非善悪を判断して決める。処理する。「裁定・裁判/決裁・親裁・制裁・総裁・仲裁・独裁」3 外見。「体裁」4 裁縫のこと。「

 ① たま。「瓊玉」② 玉のように美しい。「瓊筵(けいえん)・瓊姿」

楚の懐王がみた夢を題材にした宋玉の「高唐賦」に登場する。その内容は巫山の神女が懐王と夢の中で出会い、親しく交わるというものである。なかでも、朝には雲に、夕方には雨になって会いたいという神女の言葉が有名となり、巫山雲雨や朝雲暮雨など男女のかなり親密な様子を表す熟語が生まれた。この故事を題材とした詩に劉禹錫の「巫山神女峰」がある。

・宋玉『高唐賦』「昔者楚襄王與宋玉遊於雲夢之台,望高之觀,其上獨有雲氣,兮直上,忽兮改容,須臾之間,變化無窮。王問玉曰:“此何氣也?”玉對曰:“所謂朝雲者也。”王曰:“何謂朝雲?”玉曰:“昔者先王嘗遊高唐,怠而晝寢,夢見一婦人曰:‘妾,巫山之女也。爲高唐之客。聞君遊高唐,願薦枕席。’王因幸之。去而辭曰:‘妾在巫山之陽,高丘之阻,旦爲朝雲,暮爲行雨。朝朝暮暮,陽臺之下。’旦朝視之,如言。故爲立廟,號曰朝雲。」

・謁 おまいりすること。

謁巫山廟 薛濤  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-242-108-#98  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2592

巫山一段雲一首 毛文錫【もうぶんせき】  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-372-8-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3407

13-18《玉樓春四首其四》顧太尉敻(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-471-13-(18) 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3902

顧夐《玉樓春四首其四》時は廻って又春になって、あの男がこないので思いは募り、愁いで眉にしわを寄せ、心はくもる。春に着るみどりの綾織物を整えるのもおっくうになる間に、夏に着る蜀紅錦の用意する季節になる。別離の時の話にしても、浮気心が過ぎることにしてもあの人と実際に、声を出して言争いをしてみたい。そう考えると涙が珠のようにあふれ出て頬をつたい痕を残す。そして涙の後、涙の痕を隠すためもう少し頬紅を加えて化粧をしなおす。

 

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玉樓春四首

其一

(貴公子にもてあそばれた妾が近くの高楼に行っていて自分の所にはきてくれない夜の嘆きを詠う。)

月照玉樓春漏促,颯颯風搖庭砌竹。

月が高くあがって高殿を照らし、春の夜は短く速く過ぎる、さーつと風は抜けてゆき、庭のみぎりの竹を揺らす。

夢驚鴛被覺來時,何處管絃聲斷續。

あの人がくれた鴛蔦模様の掛け布団の中、浅い眠りに、風の音におどろいて夢が覚めた時、途切れ途切れに聞こ得てくる笛と琴の聞き覚えのある調は何処の高殿からの楽の音でしょうか。

惆悵少年游冶去,枕上兩蛾攢細綠。

それにしてもうらめしいことはあの貴公子はあちこちの女に手を出して帰ってこないことです、妾は枕辺にただひとり、二つなのは細き翠の蛾の眉を書くだけなのです。

曉鶯簾外語花枝,背帳猶殘紅燭。

寝つけぬままに、夜明けの鶯が、簾の外で花の枝にとまって囁き交わす。春も終わりころになると夜は短くなり、帳を背にして、二人で夜を過ごすための紅蝋燭の火はなお燃えさかる。 

(玉樓春四首 其の一)

月 玉樓を照し 春 漏促し,颯颯として風 庭の砌の竹を搖す。

夢 鴛被に驚き 覺めて來たる時こそ,何處なるか 管絃 聲 斷續するを。

惆悵するは 少年 游冶に去るなり,枕上 兩蛾 細綠を攢【ひそ】む。

曉鶯 簾外に 花枝に語り,帳を背にして 猶お 紅の燭を殘す

 

其二

(あれほど女の体を求めてくれ、鸚鵡のように耳元で語り合ったのに、春を過ぎて、歳を重ねた女は、閨の部屋が檻の中で過ごす鸚鵡が籠でくらす様なもので鳴きぬれる日々を過ごすのを詠う。)

柳映玉樓春日晚,雨細風輕煙草軟。

柳の緑が繁り、高殿を水面に映して、春の日は暮れてゆく。春雨の日に、風がそよいで萌える春草を軽くなでてゆく。

畫堂鸚鵡語雕籠,金粉小屏猶半掩。

女のいる鮮やかな色の壁の座敷には鸚鵡のように彫刻で飾られた籠のような閨で話している。花鈿の化粧をして、牀の傍の屏風の内にいつまでもなお二人合体している。

香滅繡幃人寂寂,倚檻無言愁思遠。

ところが今は、香が消え、鳳凰の刺繍のとばりの内は、寂しさが漂っている。誰も来ない高楼の檻の中だけで、何も、誰とも話ができない、あの人のことを思い、愁いの心さえも遠い日のことなのか。

恨郎何處縱疎狂,長使含啼眉不展。

それにしても、私の心を奪ったあの阮郎はどこにいったのか、これだけ思いつづけているのをほったらかしにし続けるのだろうか。もう長い間、泣かせ続けていて、涙にぬれた顔には眉をかくことも出来はしないのだ。

(玉樓春四首其の二)

柳 玉樓を映し 春の日の晚,雨 細く 風 輕く 煙草 軟かなり。

畫堂 鸚鵡 雕籠に語り,金粉 小屏 猶お半ば掩う。

香 滅し 繡幃 人 寂寂たり,檻に倚り 言無く 愁思 遠くなる。

郎も恨み 何處にか 疎しく狂するを縱【ほいままに】し,長く含啼【がんてい】せしめて 眉 展びず。

 木蓮001


其三

(素敵な初秋に素敵な夜を過ごしたのはもう随分昔のこと、昔の日々を思い出しては涙を無出している女は、男の若い新しい女のもとにいるだろう男との思いを忘れることはない。)

月皎露華影細,風送菊香粘繡袂。

月の光が庭に挿し、露にぬれた花弁をきらめかしていて、窓に女の華奢な影を映している。菊の香りが風に乗って届いてきて、二人で交わった後の少し汗ばんだ刺繍の着物の袂に入り込んでくる。

博山爐冷水沉微,惆悵金閨終日閉。

懶展羅衾垂玉淚,羞對菱花篸寶髻。

うすぎぬの布団も物憂いに広げられていて、顔にはぽろぽろと涙を落している。菱花鏡に、竹細工の宝物の簪を髷の髻に挿してくれた日のこと、恥らったあの日を思いだしている。

良宵好事枉教休,無計那他狂耍壻。

あんな素晴らしい夜だったし、あんなに素敵なことをしてくれたのに、もう随分そんなできごとはなくなってしまった。この女にはどんな計画もありはしないが、男はきっとどこかの若い色香の誰かに狂ってしまい、手玉に取られていることだろう。

(其の三)

月皎 露華 影細く,風 菊香を粘繡の袂に送る。

博山 爐冷え 水に微かに沉み,惆悵して 金の閨 終日閉【とざ】。す

羅衾 懶展し 玉淚 垂れるを,菱花に羞對す 篸寶の髻を。

良宵 好事 枉げて休ま教【し】め,計ること無し 那んぞ 壻を耍【からか】うを他狂せんや



其四

(楽しかった日々が過ぎてしまうと短い期間でしかなかった。二人で過ごした思い出の品が残る部屋で過ごすのはつらいことだと詠う。)

拂水雙飛來去鷰,曲檻小屏山六扇。

春になって、見初められたのは、ツバメが水面をさあーと払うようなものであり、そしてツガイの燕のようにかわいがられ、飛び立っても、こちらにかえって来て、そして向うへ去ってゆくというくらしをする、あの男は器楽曲を閨で奏でるのを聞き、小さい屏風の六扇揃っている中で横になっている。それが燕が去るように秋にはこの部屋には来なくなる。

春愁凝思結眉心,綠綺懶調紅錦薦。

時は廻って又春になって、あの男がこないので思いは募り、愁いで眉にしわを寄せ、心はくもる。春に着るみどりの綾織物を整えるのもおっくうになる間に、夏に着る蜀紅錦の用意する季節になる。

話別情多聲欲戰,玉筋痕留紅粉面。

別離の時の話にしても、浮気心が過ぎることにしてもあの人と実際に、声を出して言争いをしてみたい。そう考えると涙が珠のようにあふれ出て頬をつたい痕を残す。そして涙の後、涙の痕を隠すためもう少し頬紅を加えて化粧をしなおす。

鎮長獨立到黃昏,卻怕良宵頻夢見。

重しのようにその場に長く居続け、朝早くから、ただ一人夕暮れまで立ち尽くしている。昔は夜が来るのを楽しみにしたものだが、今は却って、良い宵が来るとしきりにその頃の夢を見てしまい、寝付くことが出来ないので本当に怖くなる。

(玉樓春四首其の四)

水を拂い雙飛し來りて鷰去り,曲檻 小屏 山 六扇あり。

春愁 思うに凝【わだかま】り 眉心を結び,綠綺 紅錦 薦するを懶調【らんちょう】す。

別るを話し 情多くして 聲 戰わんと欲し,玉筋 紅粉の面に痕留す。

鎮のごとく長く 獨り黃昏に到るを立つれば,卻て 良宵 頻りに夢見むことを怕る。

紫燕00
 


 


『玉樓春四首其四』 現代語訳と訳註

(本文)

其四

拂水雙飛來去鷰,曲檻小屏山六扇。

春愁凝思結眉心,綠綺懶調紅錦薦。

話別情多聲欲戰,玉筋痕留紅粉面。

鎮長獨立到黃昏,卻怕良宵頻夢見。

 


(下し文)

(玉樓春四首其の四)

水を拂い雙飛し來りて鷰去り,曲檻 小屏 山 六扇あり。

春愁 思うに凝【わだかま】り 眉心を結び,綠綺 紅錦 薦するを懶調【らんちょう】す。

別るを話し 情多くして 聲 戰わんと欲し,玉筋 紅粉の面に痕留す。

鎮のごとく長く 獨り黃昏に到るを立つれば,卻て 良宵 頻りに夢見むことを怕る。

 


(現代語訳)

(楽しかった日々が過ぎてしまうと短い期間でしかなかった。二人で過ごした思い出の品が残る部屋で過ごすのはつらいことだと詠う。)

春になって、見初められたのは、ツバメが水面をさあーと払うようなものであり、そしてツガイの燕のようにかわいがられ、飛び立っても、こちらにかえって来て、そして向うへ去ってゆくというくらしをする、あの男は器楽曲を閨で奏でるのを聞き、小さい屏風の六扇揃っている中で横になっている。それが燕が去るように秋にはこの部屋には来なくなる。

時は廻って又春になって、あの男がこないので思いは募り、愁いで眉にしわを寄せ、心はくもる。春に着るみどりの綾織物を整えるのもおっくうになる間に、夏に着る蜀紅錦の用意する季節になる。

別離の時の話にしても、浮気心が過ぎることにしてもあの人と実際に、声を出して言争いをしてみたい。そう考えると涙が珠のようにあふれ出て頬をつたい痕を残す。そして涙の後、涙の痕を隠すためもう少し頬紅を加えて化粧をしなおす。

重しのようにその場に長く居続け、朝早くから、ただ一人夕暮れまで立ち尽くしている。昔は夜が来るのを楽しみにしたものだが、今は却って、良い宵が来るとしきりにその頃の夢を見てしまい、寝付くことが出来ないので本当に怖くなる。

杏の花0055
 


(訳注)

玉樓春四首

『花間集』には七首所収。顧夏の作は四首収められている。双調五十六字、前段二十八字四句三仄韻、後段二十八字四句二仄韻で、❼❼7❼/77❼の詞形をとる。

花間集『玉樓春』七首

牛嶠(牛給事嶠)

玉樓春一首

顧夐(顧太尉

玉樓春四首

魏承班(魏太尉承班)

玉樓春二首

 


其四

(楽しかった日々が過ぎてしまうと短い期間でしかなかった。二人で過ごした思い出の品が残る部屋で過ごすのはつらいことだと詠う。)

 


拂水雙飛來去鷰,曲檻小屏山六扇。

春になって、見初められたのは、ツバメが水面をさあーと払うようなものであり、そしてツガイの燕のようにかわいがられ、飛び立っても、こちらにかえって来て、そして向うへ去ってゆくというくらしをする、あの男は器楽曲を閨で奏でるのを聞き、小さい屏風の六扇揃っている中で横になっている。それが燕が去るように秋にはこの部屋には来なくなる。

・曲檻 器楽曲を閨で奏でること。

・六扇 矩形の木枠の骨格に用紙または用布を貼ったもので、この細長いパネルを一扇といい、向かって右から第一扇、第二扇と数える。一隻六扇(六曲)が一般的で、各扇を革紐などでつなぎ、一扇ごとに縁をつけていた。

 


春愁凝思結眉心,綠綺懶調紅錦薦。

時は廻って又春になって、あの男がこないので思いは募り、愁いで眉にしわを寄せ、心はくもる。春に着るみどりの綾織物を整えるのもおっくうになる間に、夏に着る蜀紅錦の用意する季節になる。

・綺 綾の古名で,単色の紋織物をさす。中国では古く戦国時代にすでに〈綺〉の名称があり,《戦国策》鮑彪の注には〈綺は文様のある繒(かとり,上質の平絹)〉とある。また《漢書》地理志の顔師古の注に〈綺は今日いう細かい綾〉とあり,元の《六書故》に,綺は彩糸で文様を織りだした錦に対し,単色で文様をあらわした織物であることが記されている。現存する作例,例えば馬王堆1号漢墓その他の出土例から古代の綺の特色を見ると,ほとんどが平地の経の浮紋織,あるいは平地の経綾の紋織になっている。

四川地方における絹織物

・薦 マコモ植物名。 (1)マコモやわらで織った筵(むしろ) (2)マコモの古名。 「三島江の入江の―をかりにこそ/万葉 2766 (3)「薦被(こもかぶ)(2)」の略。

 


話別情多聲欲戰,玉筋痕留紅粉面。

別離の時の話にしても、浮気心が過ぎることにしてもあの人と実際に、声を出して言争いをしてみたい。そう考えると涙が珠のようにあふれ出て頬をつたい痕を残す。そして涙の後、涙の痕を隠すためもう少し頬紅を加えて化粧をしなおす。

 


鎮長獨立到黃昏,卻怕良宵頻夢見。

重しのようにその場に長く居続け、朝早くから、ただ一人夕暮れまで立ち尽くしている。昔は夜が来るのを楽しみにしたものだが、今は却って、良い宵が来るとしきりにその頃の夢を見てしまい、寝付くことが出来ないので本当に怖くなる。

・鎮 ① 上に置いて押さえる物。重し。 〘仏〙 古代に法華寺などのいくつかの寺において,三綱の上にあって一寺を統轄する僧職の名称。
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13-17《玉樓春四首 其三》顧太尉敻(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-470-13-(17) 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3897

顧夐《玉樓春四首 其三》 あんな素晴らしい夜だったし、あんなに素敵なことをしてくれたのに、もう随分そんなできごとはなくなってしまった。この女にはどんな計画もありはしないが、男はきっとどこかの若い色香の誰かに狂ってしまい、手玉に取られていることだろう。

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13-17《玉樓春四首 其三》顧太尉(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-470-13-(17)  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3897




玉樓春四首

其一

(貴公子にもてあそばれた妾が近くの高楼に行っていて自分の所にはきてくれない夜の嘆きを詠う。)

月照玉樓春漏促,颯颯風搖庭砌竹。

月が高くあがって高殿を照らし、春の夜は短く速く過ぎる、さーつと風は抜けてゆき、庭のみぎりの竹を揺らす。

夢驚鴛被覺來時,何處管絃聲斷續。

あの人がくれた鴛蔦模様の掛け布団の中、浅い眠りに、風の音におどろいて夢が覚めた時、途切れ途切れに聞こ得てくる笛と琴の聞き覚えのある調は何処の高殿からの楽の音でしょうか。

惆悵少年游冶去,枕上兩蛾攢細綠。

それにしてもうらめしいことはあの貴公子はあちこちの女に手を出して帰ってこないことです、妾は枕辺にただひとり、二つなのは細き翠の蛾の眉を書くだけなのです。

曉鶯簾外語花枝,背帳猶殘紅燭。

寝つけぬままに、夜明けの鶯が、簾の外で花の枝にとまって囁き交わす。春も終わりころになると夜は短くなり、帳を背にして、二人で夜を過ごすための紅蝋燭の火はなお燃えさかる。 

(玉樓春四首 其の一)

月 玉樓を照し 春 漏促し,颯颯として風 庭の砌の竹を搖す。

夢 鴛被に驚き 覺めて來たる時こそ,何處なるか 管絃 聲 斷續するを。

惆悵するは 少年 游冶に去るなり,枕上 兩蛾 細綠を攢【ひそ】む。

曉鶯 簾外に 花枝に語り,帳を背にして 猶お 紅の燭を殘す

 

其二

(あれほど女の体を求めてくれ、鸚鵡のように耳元で語り合ったのに、春を過ぎて、歳を重ねた女は、閨の部屋が檻の中で過ごす鸚鵡が籠でくらす様なもので鳴きぬれる日々を過ごすのを詠う。)

柳映玉樓春日晚,雨細風輕煙草軟。

柳の緑が繁り、高殿を水面に映して、春の日は暮れてゆく。春雨の日に、風がそよいで萌える春草を軽くなでてゆく。

畫堂鸚鵡語雕籠,金粉小屏猶半掩。

女のいる鮮やかな色の壁の座敷には鸚鵡のように彫刻で飾られた籠のような閨で話している。花鈿の化粧をして、牀の傍の屏風の内にいつまでもなお二人合体している。

香滅繡幃人寂寂,倚檻無言愁思遠。

ところが今は、香が消え、鳳凰の刺繍のとばりの内は、寂しさが漂っている。誰も来ない高楼の檻の中だけで、何も、誰とも話ができない、あの人のことを思い、愁いの心さえも遠い日のことなのか。

恨郎何處縱疎狂,長使含啼眉不展。

それにしても、私の心を奪ったあの阮郎はどこにいったのか、これだけ思いつづけているのをほったらかしにし続けるのだろうか。もう長い間、泣かせ続けていて、涙にぬれた顔には眉をかくことも出来はしないのだ。

(玉樓春四首其の二)

柳 玉樓を映し 春の日の晚,雨 細く 風 輕く 煙草 軟かなり。

畫堂 鸚鵡 雕籠に語り,金粉 小屏 猶お半ば掩う。

香 滅し 繡幃 人 寂寂たり,檻に倚り 言無く 愁思 遠くなる。

郎も恨み 何處にか 疎しく狂するを縱【ほいままに】し,長く含啼【がんてい】せしめて 眉 展びず。

 木蓮001


其三

(素敵な初秋に素敵な夜を過ごしたのはもう随分昔のこと、昔の日々を思い出しては涙を無出している女は、男の若い新しい女のもとにいるだろう男との思いを忘れることはない。)

月皎露華影細,風送菊香粘繡袂。

月の光が庭に挿し、露にぬれた花弁をきらめかしていて、窓に女の華奢な影を映している。菊の香りが風に乗って届いてきて、二人で交わった後の少し汗ばんだ刺繍の着物の袂に入り込んでくる。

博山爐冷水沉微,惆悵金閨終日閉。

懶展羅衾垂玉淚,羞對菱花篸寶髻。

うすぎぬの布団も物憂いに広げられていて、顔にはぽろぽろと涙を落している。菱花鏡に、竹細工の宝物の簪を髷の髻に挿してくれた日のこと、恥らったあの日を思いだしている。

良宵好事枉教休,無計那他狂耍壻。

あんな素晴らしい夜だったし、あんなに素敵なことをしてくれたのに、もう随分そんなできごとはなくなってしまった。この女にはどんな計画もありはしないが、男はきっとどこかの若い色香の誰かに狂ってしまい、手玉に取られていることだろう。

(其の三)

月皎 露華 影細く,風 菊香を粘繡の袂に送る。

博山 爐冷え 水に微かに沉み,惆悵して 金の閨 終日閉【とざ】。す

羅衾 懶展し 玉淚 垂れるを,菱花に羞對す 篸寶の髻を。

良宵 好事 枉げて休ま教【し】め,計ること無し 那んぞ 壻を耍【からか】うを他狂せんや

其四

拂水雙飛來去鷰,曲檻小屏山六扇。

春愁凝思結眉心,綠綺懶調紅錦薦。

話別情多聲欲戰,玉筋痕留紅粉面。

鎮長獨立到黃昏,卻怕良宵頻夢見。


『玉樓春四首其三』 現代語訳と訳註

(本文)

玉樓春四首其三

月皎露華影細,風送菊香粘繡袂。

博山爐冷水沉微,惆悵金閨終日閉。

懶展羅衾垂玉淚,羞對菱花篸寶髻。

良宵好事枉教休,無計那他狂耍壻。

(下し文)

(玉樓春四首其の三)

月皎 露華 影細く,風 菊香を粘繡の袂に送る。

博山 爐冷え 水に微かに沉み,惆悵して 金の閨 終日閉【とざ】。す

羅衾 懶展し 玉淚 垂れるを,菱花に羞對す 篸寶の髻を。

良宵 好事 枉げて休ま教【し】め,計ること無し 那んぞ 壻を耍【からか】うを他狂せんや。


(現代語訳)

(素敵な初秋に素敵な夜を過ごしたのはもう随分昔のこと、昔の日々を思い出しては涙を無出している女は、男の若い新しい女のもとにいるだろう男との思いを忘れることはない。)

月の光が庭に挿し、露にぬれた花弁をきらめかしていて、窓に女の華奢な影を映している。菊の香りが風に乗って届いてきて、二人で交わった後の少し汗ばんだ刺繍の着物の袂に入り込んでくる。

ところが今は、神仙三山の香炉には冷たい水が張られていて、水没しかけている。悔しい思いは黄金で飾られた閨の扉が一日中閉じられたままなのだ。

うすぎぬの布団も物憂いに広げられていて、顔にはぽろぽろと涙を落している。菱花鏡に、竹細工の宝物の簪を髷の髻に挿してくれた日のこと、恥らったあの日を思いだしている。

あんな素晴らしい夜だったし、あんなに素敵なことをしてくれたのに、もう随分そんなできごとはなくなってしまった。この女にはどんな計画もありはしないが、男はきっとどこかの若い色香の誰かに狂ってしまい、手玉に取られていることだろう。


(訳注)

玉樓春四首

『花間集』には七首所収。顧夏の作は四首収められている。双調五十六字、前段二十八字四句三仄韻、後段二十八字四句二仄韻で、❼❼7❼/77❼の詞形をとる。

花間集『玉樓春』七首

牛嶠(牛給事嶠)

玉樓春一首

顧夐(顧太尉

玉樓春四首

魏承班(魏太尉承班)

玉樓春二首


其三

(素敵な初秋に素敵な夜を過ごしたのはもう随分昔のこと、昔の日々を思い出しては涙を無出している女は、男の若い新しい女のもとにいるだろう男との思いを忘れることはない。)


月皎露華
影細,風送菊香粘繡袂。

月の光が庭に挿し、露にぬれた花弁をきらめかしていて、窓に女の華奢な影を映している。菊の香りが風に乗って届いてきて、二人で交わった後の少し汗ばんだ刺繍の着物の袂に入り込んでくる。

・皎 月の光が白く見えるさま。また 、白くて清らかなさま。

 

博山爐冷水沉微,惆悵金閨終日閉。
ところが今は、神仙三山の香炉には冷たい水が張られていて、水没しかけている。悔しい思いは黄金で飾られた閨の扉が一日中閉じられたままなのだ。

・博山炉  中国の香炉の一種で,豆(とう)形の火皿に先端のとがった山形の蓋をもつ。承盤をともなうものも多く,これは海中に浮かぶ神山にたとえたとみられ,神仙道との関係がうかがわれる。戦国末期にあらわれ,漢代に盛行し,青銅製品には金象嵌をほどこした華麗なものがある。江南では東晋,南朝代に青磁製のものがみられる。南北朝代には仏教徒も用い,仏像の台座正面や供養者の持物にあらわされた。隋・唐代には山形の蓋が蓮華をかたどった緑釉陶もつくられた。


懶展羅衾垂玉淚,羞對菱花篸寶髻。

うすぎぬの布団も物憂いに広げられていて、顔にはぽろぽろと涙を落している。菱花鏡に、竹細工の宝物の簪を髷の髻に挿してくれた日のこと、恥らったあの日を思いだしている。

・篸 本体部分が竹で作られている簪。

・菱花【りょうか】1 ヒシの花。2 《裏面に多くヒシの花を鋳るところから》 金属製の鏡。ここでは菱花鏡をいう。


良宵好事枉教休,無計那他狂耍壻。

あんな素晴らしい夜だったし、あんなに素敵なことをしてくれたのに、もう随分そんなできごとはなくなってしまった。この女にはどんな計画もありはしないが、男はきっとどこかの若い色香の誰かに狂ってしまい、手玉に取られていることだろう。

 

耍壻 婿を手玉に取るというほどの意。耍【し】からかう。もてあそぶ。(1) 操る(2) 発揮する,弄する(3) 《方》遊ぶ (1) ぺらぺらしゃべる.(2) 口先だけうまいことを言う.【婿・壻・聟】むこ. . (親からみて)娘の夫。 . 娘の夫として家に迎える男。 . 結婚する相手の男。は なむこ。

春爛漫の美女007

杏の花01



ところが今は、神仙三山の香炉には冷たい水が張られていて、水没しかけている。悔しい思いは黄金で飾られた閨の扉が一日中閉じられたままなのだ。


月の光が庭に挿し、露にぬれた花弁をきらめかしていて、窓に女の華奢な影を映している。菊の香りが風に乗って届いてきて、二人で交わった後の少し汗ばんだ刺繍の着物の袂に入り込んでくる。

13-16《玉樓春四首其二》顧太尉敻(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-469-13-(16) 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3892

顧夐《玉樓春四首其二》今は、香が消え、鳳凰の刺繍の幃の内は寂しさが漂う。誰も来ない高楼の檻の中だけで、誰とも話ができない、あの人のことを思い、愁いの心さえも遠い日のことなのか。それにしても、私の心を奪ったあの阮郎はどこにいったのか



2014年3月14日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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13-16《玉樓春四首其二》顧太尉(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-469-13-(16)  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3892

 

 

玉樓春四首

其一

(貴公子にもてあそばれた妾が近くの高楼に行っていて自分の所にはきてくれない夜の嘆きを詠う。)

月照玉樓春漏促,颯颯風搖庭砌竹。

月が高くあがって高殿を照らし、春の夜は短く速く過ぎる、さーつと風は抜けてゆき、庭のみぎりの竹を揺らす。

夢驚鴛被覺來時,何處管絃聲斷續。

あの人がくれた鴛蔦模様の掛け布団の中、浅い眠りに、風の音におどろいて夢が覚めた時、途切れ途切れに聞こ得てくる笛と琴の聞き覚えのある調は何処の高殿からの楽の音でしょうか。

惆悵少年游冶去,枕上兩蛾攢細綠。

それにしてもうらめしいことはあの貴公子はあちこちの女に手を出して帰ってこないことです、妾は枕辺にただひとり、二つなのは細き翠の蛾の眉を書くだけなのです。

曉鶯簾外語花枝,背帳猶殘紅燭。

寝つけぬままに、夜明けの鶯が、簾の外で花の枝にとまって囁き交わす。春も終わりころになると夜は短くなり、帳を背にして、二人で夜を過ごすための紅蝋燭の火はなお燃えさかる。 

(玉樓春四首 其の一)

月 玉樓を照し 春 漏促し,颯颯として風 庭の砌の竹を搖す。

夢 鴛被に驚き 覺めて來たる時こそ,何處なるか 管絃 聲 斷續するを。

惆悵するは 少年 游冶に去るなり,枕上 兩蛾 細綠を攢【ひそ】む。

曉鶯 簾外に 花枝に語り,帳を背にして 猶お 紅の燭を殘す

 

其二

(あれほど女の体を求めてくれ、鸚鵡のように耳元で語り合ったのに、春を過ぎて、歳を重ねた女は、閨の部屋が檻の中で過ごす鸚鵡が籠でくらす様なもので鳴きぬれる日々を過ごすのを詠う。)

柳映玉樓春日晚,雨細風輕煙草軟。

柳の緑が繁り、高殿を水面に映して、春の日は暮れてゆく。春雨の日に、風がそよいで萌える春草を軽くなでてゆく。

畫堂鸚鵡語雕籠,金粉小屏猶半掩。

女のいる鮮やかな色の壁の座敷には鸚鵡のように彫刻で飾られた籠のような閨で話している。花鈿の化粧をして、牀の傍の屏風の内にいつまでもなお二人合体している。

香滅繡幃人寂寂,倚檻無言愁思遠。

ところが今は、香が消え、鳳凰の刺繍のとばりの内は、寂しさが漂っている。誰も来ない高楼の檻の中だけで、何も、誰とも話ができない、あの人のことを思い、愁いの心さえも遠い日のことなのか。

恨郎何處縱疎狂,長使含啼眉不展。

それにしても、私の心を奪ったあの阮郎はどこにいったのか、これだけ思いつづけているのをほったらかしにし続けるのだろうか。もう長い間、泣かせ続けていて、涙にぬれた顔には眉をかくことも出来はしないのだ。

(玉樓春四首其の二)

柳 玉樓を映し 春の日の晚,雨 細く 風 輕く 煙草 軟かなり。

畫堂 鸚鵡 雕籠に語り,金粉 小屏 猶お半ば掩う。

香 滅し 繡幃 人 寂寂たり,檻に倚り 言無く 愁思 遠くなる。

郎も恨み 何處にか 疎しく狂するを縱【ほいままに】し,長く含啼【がんてい】せしめて 眉 展びず。

 

其三

月皎露華影細,風送菊香粘繡袂。

博山爐冷水沉微,惆悵金閨終日閉。

懶展羅衾垂玉淚,羞對菱花篸寶髻。

良宵好事枉教休,無計那他狂耍壻。

 

其四

拂水雙飛來去鷰,曲檻小屏山六扇。

春愁凝思結眉心,綠綺懶調紅錦薦。

話別情多聲欲戰,玉筋痕留紅粉面。

鎮長獨立到黃昏,卻怕良宵頻夢見。

海棠花021
 

 

『玉樓春四首其一』 現代語訳と訳註

(本文)

玉樓春四首 其二

柳映玉樓春日晚,雨細風輕煙草軟。

畫堂鸚鵡語雕籠,金粉小屏猶半掩。

香滅繡幃人寂寂,倚檻無言愁思遠。

恨郎何處縱疎狂,長使含啼眉不展。

 

(下し文)

(玉樓春四首其の二)

柳 玉樓を映し 春の日の晚,雨 細く 風 輕く 煙草 軟かなり。

畫堂 鸚鵡 雕籠に語り,金粉 小屏 猶お半ば掩う。

香 滅し 繡幃 人 寂寂たり,檻に倚り 言無く 愁思 遠くなる。

郎も恨み 何處にか 疎しく狂するを縱【ほいままに】し,長く含啼【がんてい】せしめて 眉 展びず。

 

(現代語訳)

(あれほど女の体を求めてくれ、鸚鵡のように耳元で語り合ったのに、春を過ぎて、歳を重ねた女は、閨の部屋が檻の中で過ごす鸚鵡が籠でくらす様なもので鳴きぬれる日々を過ごすのを詠う。)

柳の緑が繁り、高殿を水面に映して、春の日は暮れてゆく。春雨の日に、風がそよいで萌える春草を軽くなでてゆく。

女のいる鮮やかな色の壁の座敷には鸚鵡のように彫刻で飾られた籠のような閨で話している。花鈿の化粧をして、牀の傍の屏風の内にいつまでもなお二人合体している。

ところが今は、香が消え、鳳凰の刺繍のとばりの内は、寂しさが漂っている。誰も来ない高楼の檻の中だけで、何も、誰とも話ができない、あの人のことを思い、愁いの心さえも遠い日のことなのか。

それにしても、私の心を奪ったあの阮郎はどこにいったのか、これだけ思いつづけているのをほったらかしにし続けるのだろうか。もう長い間、泣かせ続けていて、涙にぬれた顔には眉をかくことも出来はしないのだ。

錦雞鳥00
 

(訳注)

玉樓春四首

『花間集』には七首所収。顧夏の作は四首収められている。双調五十六字、前段二十八字四句三仄韻、後段二十八字四句二仄韻で、❼❼7❼/77❼の詞形をとる。

花間集『玉樓春』七首

牛嶠(牛給事嶠)

玉樓春一首

顧夐(顧太尉

玉樓春四首

魏承班(魏太尉承班)

玉樓春二首

 

其二

(あれほど女の体を求めてくれ、鸚鵡のように耳元で語り合ったのに、春を過ぎて、歳を重ねた女は、閨の部屋が檻の中で過ごす鸚鵡が籠でくらす様なもので鳴きぬれる日々を過ごすのを詠う。)

 

柳映玉樓春日晚,雨細風輕煙草軟。

柳の緑が繁り、高殿を水面に映して、春の日は暮れてゆく。春雨の日に、風がそよいで萌える春草を軽くなでてゆく。

○柳・春・雨・細・風・輕・煙・草・軟 性行為を連想させる語である。柳は男性、雨は女性、柳が揺れ、草が揺れると、仲良かったころの男女を表現するもの。

 

畫堂鸚鵡語雕籠,金粉小屏猶半掩。

女のいる鮮やかな色の壁の座敷には鸚鵡のように彫刻で飾られた籠のような閨で話している。花鈿の化粧をして、牀の傍の屏風の内にいつまでもなお二人合体している。

○金粉小屏猶半掩 金の白粉は花鈿に使用されたもので、閨の二人の行為を連想させる語である。 花鈿: 仏粧は唐代に入ってからさらに中国の特徴的な化粧として完成した。〈的〉は紅で眉間にさまざまな紋様を描く〈花鈿(かでん)・花子(かし)〉に発達し,また唇の両側に黒点や緑点を描く〈靨鈿(ようでん)・粧靨(しようよう)〉がうまれた。さらに女子俑(よう)に見られるように両ほおに紅で華やかな草花模様を描くようになった。半掩:閨の二人の行為をいい、顧夐『甘州子五首其四』「露桃花裏小樓深,持玉盞,聽瑤琴。醉歸青瑣入鴛衾,月色照衣襟。山枕上,翠鈿鎮眉心。」の「鎮眉心」という表現と同様の意味になる。 鎮眉心:上から押さえる。男の眉と女の眉を重ね、心を重ね合わすこと。

 

香滅繡幃人寂寂,倚檻無言愁思遠。

ところが今は、香が消え、鳳凰の刺繍のとばりの内は、寂しさが漂っている。誰も来ない高楼の檻の中だけで、何も、誰とも話ができない、あの人のことを思い、愁いの心さえも遠い日のことなのか。

倚檻 この時代の女性は自分の意志で何処かに行くことはできない。歳を重ねるとその閨だけの生活になってしまう。この二句は、女の寂しい様子をいうものである。

 

恨郎何處縱疎狂,長使含啼眉不展。

それにしても、私の心を奪ったあの阮郎はどこにいったのか、これだけ思いつづけているのをほったらかしにし続けるのだろうか。もう長い間、泣かせ続けていて、涙にぬれた顔には眉をかくことも出来はしないのだ。

○恨郎/阮郎 別れ去って久しく帰らぬ愛しい男。しかし、もはや、怨みにしか思えない男。後漢の劉展、阮肇は天台山に薬草を採りに入り、道に迷って仙女に出合い、しばらくともに暮らした。しかし家のことが思い起こされ、帰ってみると、既に数世が過ぎ、見知った人は誰もいなかった。そこで再び山に尋ね入ったが、仙女を探し当てられなかったと言う。以来、阮郎、劉部は、別れ去る男や別れ去って久しく帰らぬ愛しい男を指すようになった。

白芷00
 

13-15《玉樓春四首其一》顧太尉敻(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-468-13-(15) 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3887

顧夐《玉樓春四首其一》それにしてもうらめしいことはあの貴公子はあちこちの女に手を出して帰ってこないことです、妾は枕辺にただひとり、二つなのは細き翠の蛾の眉を書くだけなのです。寝つけぬままに、夜明けの鶯が、簾の外で花の枝にとまって囁き交わす。春も終わりころになると夜は短くなり、帳を背にして、二人で夜を過ごすための紅蝋燭の火はなお燃えさかる。 


2014年3月13日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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張平子(張衡)《西京賦》(30)(建章宮の池)#12-2 文選 賦<114―(30)>31分割68回 Ⅱ李白に影響を与えた詩1067 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3883
孟浩然 詩 index李白詩index謝霊運 詩 index司馬相如 《 子虛賦 ・上林賦 》揚雄 《 甘泉賦 》 ●諸葛亮(孔明)出師表
曹植(曹子建)詩 65首 index文選 賦)兩都賦序・西都賦・東都賦 (班固)●張衡『西京賦』●古詩十九詩 無名氏●女性
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・李商隠詩 (1) 136首の75首・李商隠詩 (2) 135首の61首●韓愈index-1 ・孟郊、張籍と交遊・汴州乱41首●韓愈詩index-2[800年 33歳~804年 37歳]27首●韓愈詩index-3 805年 38歳・]陽山から江陵府 36首●韓愈詩index-4 806年 39歳 江陵府・権知国子博士 51首(1)25首
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index-11 819年 52歳 ・『論佛骨表』左遷 38首index-12 820年 53歳 ・9月國子祭酒に。18首index-13 821年~822年 55歳 22首index-14 823年~824年 57歳・病気のため退職。没す。 14首韓愈 哲学・儒学「五原」賦・散文・上奏文・碑文など
孟郊張籍    
●杜甫の全作品1500首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
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杜甫詩(1)736~751年 青年期・李白と交遊期・就活の詩 53首杜甫詩(2)752年~754年、43歳 73首(青年期・就活の詩) 杜甫詩(3)755年~756年、45歳 安史の乱に彷徨う 26首杜甫詩(4)作時757年、46歳 安史軍捕縛、脱出、左拾遺 43首杜甫詩(5)758年;乾元元年、47歳 左拾遺、朝廷疎外、左遷 53首杜甫詩 (6)759年;乾元二年、48歳 三吏三別 官を辞す 44首
杜甫詩(7)759年;乾元二年、48歳 秦州抒情詩 66首杜甫詩(8)作時759年、48歳 秦州発、同谷紀行、成都紀行 36首杜甫詩(9)760年;上元元年、49歳 成都浣花渓草堂 45首杜甫詩(10)761年;上元二年、50歳 成都浣花渓草堂 82首杜甫詩(11)762年寶應元年 杜甫51歳  浣花渓草堂~蜀中転々 43首杜甫詩(12)762年寶應元年 杜甫51歳 蜀中転々 49首
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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●花間集全詩●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集
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13-15《玉樓春四首其一》顧太尉(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-468-13-(15)  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3887

曉鶯001
 

 

玉樓春四首

其一

(貴公子にもてあそばれた妾が近くの高楼に行っていて自分の所にはきてくれない夜の嘆きを詠う。)

月照玉樓春漏促,颯颯風搖庭砌竹。

月が高くあがって高殿を照らし、春の夜は短く速く過ぎる、さーつと風は抜けてゆき、庭のみぎりの竹を揺らす。

夢驚鴛被覺來時,何處管絃聲斷續。

あの人がくれた鴛蔦模様の掛け布団の中、浅い眠りに、風の音におどろいて夢が覚めた時、途切れ途切れに聞こ得てくる笛と琴の聞き覚えのある調は何処の高殿からの楽の音でしょうか。

惆悵少年游冶去,枕上兩蛾攢細綠。

それにしてもうらめしいことはあの貴公子はあちこちの女に手を出して帰ってこないことです、妾は枕辺にただひとり、二つなのは細き翠の蛾の眉を書くだけなのです。

曉鶯簾外語花枝,背帳猶殘紅燭。

寝つけぬままに、夜明けの鶯が、簾の外で花の枝にとまって囁き交わす。春も終わりころになると夜は短くなり、帳を背にして、二人で夜を過ごすための紅蝋燭の火はなお燃えさかる。 

(玉樓春四首 其の一)

月 玉樓を照し 春 漏促し,颯颯として風 庭の砌の竹を搖す。

夢 鴛被に驚き 覺めて來たる時こそ,何處なるか 管絃 聲 斷續するを。

惆悵するは 少年 游冶に去るなり,枕上 兩蛾 細綠を攢【ひそ】む。

曉鶯 簾外に 花枝に語り,帳を背にして 猶お 紅の燭を殘す

 

其二

柳映玉樓春日晚,雨細風輕煙草軟。

畫堂鸚鵡語雕籠,金粉小屏猶半掩。

香滅繡幃人寂寂,倚檻無言愁思遠。

恨郎何處縱疎狂,長使含啼眉不展。

 

其三

月皎露華影細,風送菊香粘繡袂。

博山爐冷水沉微,惆悵金閨終日閉。

懶展羅衾垂玉淚,羞對菱花篸寶髻。

良宵好事枉教休,無計那他狂耍壻。

 

其四

拂水雙飛來去鷰,曲檻小屏山六扇。

春愁凝思結眉心,綠綺懶調紅錦薦。

話別情多聲欲戰,玉筋痕留紅粉面。

鎮長獨立到黃昏,卻怕良宵頻夢見。

tsuki04
 

 

『玉樓春四首其一』 現代語訳と訳註

(本文) 玉樓春四首

其一

月照玉樓春漏促,颯颯風搖庭砌竹。

夢驚鴛被覺來時,何處管絃聲斷續。

惆悵少年游冶去,枕上兩蛾攢細綠。

曉鶯簾外語花枝,背帳猶殘紅燭。

 

(下し文)

(玉樓春四首 其の一)

月 玉樓を照し 春 漏促し,颯颯として風 庭の砌の竹を搖す。

夢 鴛被に驚き 覺めて來たる時こそ,何處なるか 管絃 聲 斷續するを。

惆悵するは 少年 游冶に去るなり,枕上 兩蛾 細綠を攢【ひそ】む。

曉鶯 簾外に 花枝に語り,帳を背にして 猶お 紅の燭を殘す

 

 (現代語訳)

(貴公子にもてあそばれた妾が近くの高楼に行っていて自分の所にはきてくれない夜の嘆きを詠う。)

月が高くあがって高殿を照らし、春の夜は短く速く過ぎる、さーつと風は抜けてゆき、庭のみぎりの竹を揺らす。

あの人がくれた鴛蔦模様の掛け布団の中、浅い眠りに、風の音におどろいて夢が覚めた時、途切れ途切れに聞こ得てくる笛と琴の聞き覚えのある調は何処の高殿からの楽の音でしょうか。

それにしてもうらめしいことはあの貴公子はあちこちの女に手を出して帰ってこないことです、妾は枕辺にただひとり、二つなのは細き翠の蛾の眉を書くだけなのです。

寝つけぬままに、夜明けの鶯が、簾の外で花の枝にとまって囁き交わす。春も終わりころになると夜は短くなり、帳を背にして、二人で夜を過ごすための紅蝋燭の火はなお燃えさかる。 

野鴨0121
 

(訳注)

玉樓春四首

『花間集』には七首所収。顧夏の作は四首収められている。双調五十六字、前段二十八字四句三仄韻、後段二十八字四句二仄韻で、❼❼7❼/77❼の詞形をとる。

花間集『玉樓春』七首

牛嶠(牛給事嶠)

玉樓春一首

顧夐(顧太尉

玉樓春四首

魏承班(魏太尉承班)

玉樓春二首

 

其一

(貴公子にもてあそばれた妾が近くの高楼に行っていて自分の所にはきてくれない夜の嘆きを詠う。)

 

月照玉樓春漏促,颯颯風搖庭砌竹。

月が高くあがって高殿を照らし、春の夜は短く速く過ぎる、さーつと風は抜けてゆき、庭のみぎりの竹を揺らす。

春漏促 春の夜がふけてゆく。漏は水時計。ここでは時間を表す。

颯颯 さーつと風が通り抜ける音。この二句は眠れぬままに過ごす様子をいう。

 

夢驚鴛被覺來時,何處管絃聲斷續。

あの人がくれた鴛蔦模様の掛け布団の中、浅い眠りに、風の音におどろいて夢が覚めた時、途切れ途切れに聞こ得てくる笛と琴の聞き覚えのある調は何処の高殿からの楽の音でしょうか。

鴛被 オシドリ模様の掛け布団。

 

惆悵少年游冶去,枕上兩蛾攢細綠。

それにしてもうらめしいことはあの貴公子はあちこちの女に手を出して帰ってこないことです、妾は枕辺にただひとり、二つなのは細き翠の蛾の眉を書くだけなのです。

惆悵:うらめしい。うらみがましい。

『淸平樂』

野花芳草,  寂寞關山道。

柳吐金絲鶯語早,惆悵香閨暗老。

羅帶悔結同心, 獨凭朱欄思深。

夢覺半床斜月, 小窗風觸鳴琴。

淸平樂 () 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-261-5-#15  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2687


『荷葉杯』

記得那年花下。 深夜。

初識謝娘時。

水堂西面畫簾垂。 攜手暗相期。

惆悵曉鶯殘月。 相別。

從此隔音塵。

如今倶是異鄕人。 相見更無因。

荷葉杯 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-258-5-#12  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2672


『應天長 之二』韋莊

別来半歳青書絶、一寸離腸千萬結。

難相見。易相別、又是玉楼花似雪。

暗相思、無虚説、惆悵夜来煙月。

想得此時情切、 涙沾紅袖

小樓高閣謝娘家。

暗想玉容何所似、一枝春雪凍梅花、

應天長 二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-257-5-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2667


『歸國遙』 韋荘

春欲暮、 滿地落花紅帶雨。

惆悵玉籠鸚鵡、單棲無伴侶。

南望去程何許、問花花不語。

早晩得同歸去、恨無雙翠羽。

歸國遙 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-252-5-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2642

韋荘『菩薩蠻 一』

紅樓別夜堪惆悵。 香燈半捲流蘇帳。

殘月出門時。美人和涙辭。

琵琶金翠羽。絃上黄鶯語。

勸我早歸家。綠窗人似花。

菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617

少年:若者。年若い者。唐詩で「少年」といえば、王維 少年行
新豐美酒斗十千,咸陽遊侠多少年。
相逢意氣爲君飮,繋馬高樓垂柳邊。
李白 17少年行
少年行      
五陵年少金市東、銀鞍白馬度春風。
落花踏尽遊何処、笑入胡姫酒肆中。
杜甫 少年行

馬上誰家白面郎、臨階下馬坐人牀。
不通姓氏麤豪甚、指點銀瓶索酒嘗。
 
王昌齢『少年行』
走馬遠相尋,西樓下夕陰。結交期一劍,留意贈千金。高閣歌聲遠,重門柳色深。夜闌須盡飲,莫負百年心。
いなせな若者や壮士を詠う。

『少年行』 

馬上誰家白面郎、臨階下馬坐人牀。

不通姓氏麤豪甚、指點銀瓶索酒嘗。

少年行 杜甫 蜀中転々 杜甫 <501  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2695 杜甫詩1000-501-733/1500

 

両蛾撰細線 細い翠の眉を肇める。両蛾は蛾の触角に似せて措いた二本の眉。美しい曲線を描いた女性の眉を言う。両の字は眉が左右二本であることから付けられている。贋は集める。ここでは悲しみに眉ねを寄せる、肇めるの意。細線は眉が細く緑色をしていること。

 

曉鶯簾外語花枝,背帳猶殘紅燭。

寝つけぬままに、夜明けの鶯が、簾の外で花の枝にとまって囁き交わす。春も終わりころになると夜は短くなり、帳を背にして、二人で夜を過ごすための紅蝋燭の火はなお燃えさかる。 

○帳 蝋燭の明かりを反射させて牀全体を明るくする。夜を迎えるマナーとして、蝋燭が秋だと夜明け前に消えてしまうが、春の夜は日ごとに短くなる。一人待つ女のようすをあらわす語である。紅燭は二人で夜を過ごすためのものであること。
海棠花05
 

13-14《甘州子五首其五》顧太尉敻(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-467-13-(14) 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3882

顧夐《甘州子五首其五》 女の紅いたたらのような火照った体は夜も更けてくると酔いはかなり回る、それに合わせて笙の笛は「甘州子」の調も佳境になる。そこでは拍子木と鼓も敲かれていて、月に照らされて肌は小金のように輝くようにうつくしい。閨の牀の傍におかれた小さな屏風には古代の絵が描かれていて、窓の外に低く平ら化に岸辺が広がる。靄にかすむ月は真上にあり静かな庭を満面に照らしている。

2014年3月12日の紀頌之5つのブログ
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13-14《甘州子五首其五》顧太尉(顧夐【こけい】)五十五首唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-467-13-(14)  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3882



甘州子五首 其一

(役所が引けて、西域地方から来た、お香の香りの女の閨に招かれ、秋の夜長を二人で過ごす。)

一爐龍麝錦帷旁,屏掩映,燭熒煌。

錦の帳の傍ら香炉より龍涎香と麝香の二つの香が一筋になって立ち上り、屏風に照り映えて浮びあがり、御招きした閨に灯火きらめく。

禁樓刁斗喜初長,羅薦繡鴛鴦。

宮中で時刻を知らせるためにならせる鈴音が、今、初更の時を告げる。夜はまだこれからで長いから、嬉しくおもう。ベッドのうえには薄絹の鴛駕の縫い取り模様の敷物の上にまねかれる、

山枕上,私語口脂香。

女は横になり、ふたり枕をならべる、耳元にささやく時に口紅の香がする。

(甘州子五首 其の一)

一爐の龍麝【りょうじゃ】錦帷【きんい】の旁ら,屏 掩て映し,燭 熒煌【けいこう】たり。

禁樓の刁斗【ちょうと】 初めて長きを喜び,羅薦【らせん】繡りの鴛鴦あり。

山 枕の上に,私語 口脂の香。

 

其二

(出会うきっかけも、逢瀬をどんなに素晴らしく過ごしても心配で仕方なかったのが、現実になり、一年に一度の河を渡ってくることもなくなってしまった女を詠う。)

每逢清夜與良晨,多悵望,足傷神。

お逢いするときは必ず清々しい夜でした、それに、素晴らしい夜明けを迎えたものです。でもそんな素晴らしい時間を過ごせばすごすごとに将来のことが心配で仕方がない気持ちで遙か先を眺めたり、立ち直れないほど深く心を傷めたりしたのです。

雲迷水隔意中人,寂寞繡羅茵。

男の浮気心で、よその女にうつつをぬかし始めると天の川の水は隔てられてお慕いする人は河を渡ってこないことになるのです。閨の鳳凰の刺繍の敷物の牀の上は誰もいなくて心が満たされず 、ものさびしい限りです。

山枕上,幾點淚痕新。

いつものように牀に横になるのですが、はらはらと落ちた涙の模様ができていて、今宵はそこにまた新しい模様が加わるのです。

(甘州子五首 其の二)

逢う每に 清夜と良晨【りょうしん】となり,悵望すること多く,神を傷ましむに足りたり。

雲 迷えば 水 隔つもの 意中の人も,寂寞【せきばく】たり 繡の羅茵【らいん】には。

山 枕の上,幾ばくの點【てん】淚痕【るいこん】新たにせん。

 

其三

(仙郷のような女の里で劉郎・阮郎として過ごした様子を詠う。)

曾如劉阮訪仙蹤,深洞客,此時逢。

男はかつて劉郎とか、阮郎とよばれ、仙界の里を訪れたこともあったのです。洞穴の奥深い所に案内され、この時こそ最高と思って過ごしたものです。

綺筵散後繡衾同,款曲見韶容。

綵絹の縁取りの筵の敷物の上で宴をして終わった後には鳳凰の縫い取りのある布団の中に並んではいった。打ち解けた甘州子の楽曲が流れる中、奇麗な顔立ちを見続けたのです。

山枕上,長是怯晨鐘。

女は横になり、ふたり枕をならべる、夜長のこんな時間を過ごしていると朝を告げる鐘の音が聞こえて來るのに怯えるようになるのです。

(甘州子五首 其の三)

曾て劉阮の如く仙を訪ねた蹤あり,洞を深くし客あり,此の時逢う。

綺筵 散後 繡衾 同じゅうし,曲を款めて韶を見て容く。

山 枕の上,是を長くして 晨鐘に怯る。
 

 其四

(桃の花のもとで宴会をし、甘州子を聞き、月が上にあるうちに、酔いつぶれる前に閨に入る閨を詠う)

露桃花裏小樓深,持玉盞,聽瑤琴。

露桃の花が咲く林の奥深き所に小さな高殿があり、そこでは玉の杯を手にして、甘州子の琴の調べを聴く。

醉歸青瑣入鴛衾,月色照衣襟。

酔い潰れる前に帰りついて靑い扉を閉めて閏の鴛鴦模様の掛け布団に入る。月は上にあり女の襟元照らしている。

山枕上,翠鈿鎮眉心。

女は横になり、ふたり枕をならべる、緑色の花鈿の化粧した女と眉もここをも合体する。

(甘州子五首其の四)

露桃 花の裏 小樓深くして,玉盞【ぎょくさん】を持ち,瑤琴を聽く。

醉うて青瑣に歸り 鴛衾に入り,月色 衣襟を照らす。

山 枕上し,翠鈿 眉心を鎮う。

 

 

其五

(音楽を聴きながら、まだまだ若くて美しい女なのに、宴が終わって、閨に一人で過ごしてしまう寂しさを詠う)

紅鑪深夜醉調笙,敲拍處,玉纖輕。

女の紅いたたらのような火照った体は夜も更けてくると酔いはかなり回る、それに合わせて笙の笛は「甘州子」の調も佳境になる。そこでは拍子木と鼓も敲かれていて、月に照らされて肌は小金のように輝くようにうつくしい。

小屏古畫岸低平,煙月滿閑庭。

閨の牀の傍におかれた小さな屏風には古代の絵が描かれていて、窓の外に低く平ら化に岸辺が広がる。靄にかすむ月は真上にあり静かな庭を満面に照らしている。

山枕上,燈背臉波橫。

女は横になり、ふたり枕をならべたものだったが、横たえた女の向うに燈火が揺れ、一人寝る夜にまぶたに涙があふれ、燈火に紛れて涙が零れ落ちて、額から顎のかけてぬれよこにながれおちる。

 


(甘州子其の五)

紅鑪【こうろ】にして 夜も深く 醉いて笙を調し,敲拍 處にし,玉纖 輕くす。

小屏 古畫あり 岸 低く平かにす,煙月 閑庭に滿つ。

山 枕にり上,燈 背にすれば 臉に波橫にす。

 


 花蕊夫人006


『甘州子五首其五』 現代語訳と訳註

(本文) 甘州子五首其五

紅鑪深夜醉調笙,敲拍處,玉纖輕。

小屏古畫岸低平,煙月滿閑庭。

山枕上,燈背臉波橫。


(下し文)

(甘州子其の五)

紅鑪【こうろ】にして 夜も深く 醉いて笙を調し,敲拍 處にし,玉纖 輕くす。

小屏 古畫あり 岸 低く平かにす,煙月 閑庭に滿つ。

山 枕にり上,燈 背にすれば 臉に波橫にす。

花間集02

(現代語訳)

(音楽を聴きながら、まだまだ若くて美しい女なのに、宴が終わって、閨に一人で過ごしてしまう寂しさを詠う)

女の紅いたたらのような火照った体は夜も更けてくると酔いはかなり回る、それに合わせて笙の笛は「甘州子」の調も佳境になる。そこでは拍子木と鼓も敲かれていて、月に照らされて肌は小金のように輝くようにうつくしい。

閨の牀の傍におかれた小さな屏風には古代の絵が描かれていて、窓の外に低く平ら化に岸辺が広がる。靄にかすむ月は真上にあり静かな庭を満面に照らしている。

女は横になり、ふたり枕をならべたものだったが、横たえた女の向うに燈火が揺れ、一人寝る夜にまぶたに涙があふれ、燈火に紛れて涙が零れ落ちて、額から顎のかけてぬれよこにながれおちる。



(訳注)

甘州子五首

唐の教坊の曲名。『花問集』には顧夐の五首のみ所収。単調三十三字、七句五平韻で、⑦3③⑦⑤3⑤の詞形をとる。

甘州子は西域から花街に来た娘をいう。 唐の長安は当時世界最大の都市で、国際交流都市であった。そこには青い目の娘がいた。特にペルシャ系、トルコ系の美女が詩に登場している。雅楽に「甘州子」がある。中国の雅楽は,〈雅正の楽〉の意で俗楽に対立し,儒教の礼楽思想に基づいて成立,発展したために狭義には天地宗廟の祭祀楽を意味するが,広義には国家,宮廷の儀式や宴饗の楽も含める。狭義の雅楽は古来の雅楽器を用い,堂上登歌(どうじようとうか),堂下楽懸(どうかがくけん)の2種の楽を奏し,八佾(はちいつ)の舞を舞うという一定の形式を有する。

甘州(かんしゅう)は中国にかつて存在した州。現在の中華人民共和国甘粛省張掖市に比定される。南北朝時代には西魏により西涼州が設置され、553年(廃帝3年)に甘州と改称された。その後、隋代は、隋朝が成立すると当初は甘州が設置され27県を管轄した。607年(大業3年)には郡制施行に伴い武威郡と改称された。


其五

(音楽を聴きながら、まだまだ若くて美しい女なのに、宴が終わって、閨に一人で過ごしてしまう寂しさを詠う)

紅鑪深夜醉調笙,敲拍處,玉纖輕。

女の紅いたたらのような火照った体は夜も更けてくると酔いはかなり回る、それに合わせて笙の笛は「甘州子」の調も佳境になる。そこでは拍子木と鼓も敲かれていて、月に照らされて肌は小金のように輝くようにうつくしい。

紅鑪 女の紅いたたらのような火照った体のことをいう。

調笙 笙の笛は「甘州子」の調も佳境になる

敲拍 拍子木と鼓も敲れている

玉纖 小金のように輝くような肌。


小屏古畫岸低平,煙月滿閑庭。

閨の牀の傍におかれた小さな屏風には古代の絵が描かれていて、窓の外に低く平ら化に岸辺が広がる。靄にかすむ月は真上にあり静かな庭を満面に照らしている。

山枕上,燈背臉波橫。

女は横になり、ふたり枕をならべたものだったが、横たえた女の向うに燈火が揺れ、一人寝る夜にまぶたに涙があふれ、燈火に紛れて涙が零れ落ちて、額から顎のかけてぬれよこにながれおちる。

臉 (話し言葉に用い;頭の前面,額 からあごまでの部分を指し)顔.





13-11《甘州子五首 其二》顧太尉敻(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-464-13-(11) 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3867

顧夐《甘州子五首 其二》 お逢いするときは必ず清々しい夜でした、それに、素晴らしい夜明けを迎えたものです。でもそんな素晴らしい時間を過ごせばすごすごとに将来のことが心配で仕方がない気持ちで遙か先を眺めたり、立ち直れないほど深く心を傷めたりしたのです。男の浮気心で、よその女にうつつをぬかし始めると天の川の水は隔てられてお慕いする人は河を渡ってこないことになるのです。閨の鳳凰の刺繍の敷物の牀の上は誰もいなくて心が満たされず 、ものさびしい限りです。


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杜甫詩(1)736~751年 青年期・李白と交遊期・就活の詩 53首杜甫詩(2)752年;天平勝寶四年、41歳~754年;天平勝寶六年、43歳 73首(青年期・就活の詩) 杜甫詩(3)755年;天平勝寶七年、44歳~756年;至徳元年、45歳 安史の乱に彷徨う 26首杜甫詩(4)作時757年;至徳二年、46歳 安史軍捕縛、脱出、左拾遺 43首杜甫詩(5)758年;乾元元年、47歳 左拾遺、朝廷疎外、左遷 53首杜甫詩 (6)759年;乾元二年、48歳 三吏三別 官を辞す 44首
杜甫詩(7)759年;乾元二年、48歳 秦州抒情詩 66首杜甫詩(8)作時759年;乾元二年、48歳 秦州発、同谷紀行、成都紀行 36首杜甫詩(9)760年;上元元年、49歳 成都浣花渓草堂 45首杜甫詩(10)761年;上元二年、50歳 成都浣花渓草堂 82首杜甫詩(11)762年寶應元年 杜甫51歳  浣花渓草堂~蜀中転々 43首杜甫詩(12)762年寶應元年 杜甫51歳 蜀中転々 49首
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13-11《甘州子五首 其二》顧太尉(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-464-13-(11)  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3867

 

 

甘州子五首

其一

一爐龍麝錦帷旁,屏掩映,燭熒煌。

禁樓刁斗喜初長,羅薦繡鴛鴦。

山枕上,私語口脂香。

(役所が引けて、西域地方から来た、お香の香りの女の閨に招かれ、秋の夜長を二人で過ごす。)

錦の帳の傍ら香炉より龍涎香と麝香の二つの香が一筋になって立ち上り、屏風に照り映えて浮びあがり、御招きした閨に灯火きらめく。

宮中で時刻を知らせるためにならせる鈴音が、今、初更の時を告げる。夜はまだこれからで長いから、嬉しくおもう。ベッドのうえには薄絹の鴛駕の縫い取り模様の敷物の上にまねかれる、

女は横になり、ふたり枕をならべる、耳元にささやく時に口紅の香がする。

 

(甘州子五首 其の一)

一爐の龍麝【りょうじゃ】錦帷【きんい】の旁ら,屏 掩て映し,燭 熒煌【けいこう】たり。

禁樓の刁斗【ちょうと】 初めて長きを喜び,羅薦【らせん】繡りの鴛鴦あり。

山 枕の上に,私語 口脂の香。

 

其二

每逢清夜與良晨,多悵望,足傷神。

雲迷水隔意中人,寂寞繡羅茵。

山枕上,幾點淚痕新。

(出会うきっかけも、逢瀬をどんなに素晴らしく過ごしても心配で仕方なかったのが、現実になり、一年に一度の河を渡ってくることもなくなってしまった女を詠う。)

お逢いするときは必ず清々しい夜でした、それに、素晴らしい夜明けを迎えたものです。でもそんな素晴らしい時間を過ごせばすごすごとに将来のことが心配で仕方がない気持ちで遙か先を眺めたり、立ち直れないほど深く心を傷めたりしたのです。

男の浮気心で、よその女にうつつをぬかし始めると天の川の水は隔てられてお慕いする人は河を渡ってこないことになるのです。閨の鳳凰の刺繍の敷物の牀の上は誰もいなくて心が満たされず 、ものさびしい限りです。

いつものように牀に横になるのですが、はらはらと落ちた涙の模様ができていて、今宵はそこにまた新しい模様が加わるのです。

 

甘州子五首 其の二)

逢う每に 清夜と良晨【りょうしん】となり,悵望すること多く,神を傷ましむに足りたり。

雲 迷えば 水 隔つもの 意中の人も,寂寞【せきばく】たり 繡の羅茵【らいん】には。

山 枕の上,幾ばくの點【てん】淚痕【るいこん】新たにせん。

 

其三

曾如劉阮訪仙蹤,深洞客,此時逢。

綺筵散後繡衾同,款曲見韶容。

山枕上,長是怯晨鐘。

 

其四

露桃花裏小樓深,持玉盞,聽瑤琴。

醉歸青瑣入鴛衾,月色照衣襟。

山枕上,翠鈿鎮眉心。

 

其五

紅鑪深夜醉調笙,敲拍處,玉纖輕。

小屏古畫岸低平,煙月滿閑庭。

山枕上,燈背臉波橫。

紫燕00
杏の花0055
 

 

『甘州子五首其二』 現代語訳と訳註

(本文)

甘州子五首其二

每逢清夜與良晨,多悵望,足傷神。

雲迷水隔意中人,寂寞繡羅茵。

山枕上,幾點淚痕新。

 

 

(下し文)

(甘州子五首 其の二)

逢う每に 清夜と良晨【りょうしん】となり,悵望すること多く,神を傷ましむに足りたり。

雲 迷えば 水 隔つもの 意中の人も,寂寞【せきばく】たり 繡の羅茵【らいん】には。

山 枕の上,幾ばくの點【てん】淚痕【るいこん】新たにせん。

 

(現代語訳)

(出会うきっかけも、逢瀬をどんなに素晴らしく過ごしても心配で仕方なかったのが、現実になり、一年に一度の河を渡ってくることもなくなってしまった女を詠う。)

お逢いするときは必ず清々しい夜でした、それに、素晴らしい夜明けを迎えたものです。でもそんな素晴らしい時間を過ごせばすごすごとに将来のことが心配で仕方がない気持ちで遙か先を眺めたり、立ち直れないほど深く心を傷めたりしたのです。

男の浮気心で、よその女にうつつをぬかし始めると天の川の水は隔てられてお慕いする人は河を渡ってこないことになるのです。閨の鳳凰の刺繍の敷物の牀の上は誰もいなくて心が満たされず 、ものさびしい限りです。

いつものように牀に横になるのですが、はらはらと落ちた涙の模様ができていて、今宵はそこにまた新しい模様が加わるのです。

 

(訳注)

甘州子五首

唐の教坊の曲名。『花問集』には顧夐の五首のみ所収。単調三十三字、七句五平韻で、⑦3③⑦⑤3⑤の詞形をとる。

甘州子は西域から花街に来た娘をいう。 唐の長安は当時世界最大の都市で、国際交流都市であった。そこには青い目の娘がいた。特にペルシャ系、トルコ系の美女が詩に登場している。雅楽に「甘州子」がある。中国の雅楽は,〈雅正の楽〉の意で俗楽に対立し,儒教の礼楽思想に基づいて成立,発展したために狭義には天地宗廟の祭祀楽を意味するが,広義には国家,宮廷の儀式や宴饗の楽も含める。狭義の雅楽は古来の雅楽器を用い,堂上登歌(どうじようとうか),堂下楽懸(どうかがくけん)の2種の楽を奏し,八佾(はちいつ)の舞を舞うという一定の形式を有する。

甘州(かんしゅう)は中国にかつて存在した州。現在の中華人民共和国甘粛省張掖市に比定される。南北朝時代には西魏により西涼州が設置され、553年(廃帝3年)に甘州と改称された。その後、隋代は、隋朝が成立すると当初は甘州が設置され27県を管轄した。607年(大業3年)には郡制施行に伴い武威郡と改称された。

 

其二

(出会うきっかけも、逢瀬をどんなに素晴らしく過ごしても心配で仕方なかったのが、現実になり、一年に一度の河を渡ってくることもなくなってしまった女を詠う。)

【解説】出会いの時もほかの女から浮気心であった。だから、素晴らしい夜を重ねてても、心配な気持ちは拭い去られなかった。それが現実になって、何処にいるのかわからなくなってしまい、年に一度も来てくれなくなる。何処にいるのか、遠きにある男を思う女性の恨みを詠う。

 

每逢 清夜與良晨,多悵望,足傷神。

お逢いするときは必ず清々しい夜でした、それに、素晴らしい夜明けを迎えたものです。でもそんな素晴らしい時間を過ごせばすごすごとに将来のことが心配で仕方がない気持ちで遙か先を眺めたり、立ち直れないほど深く心を傷めたりしたのです。

恨望 将来のことが心配で仕方がない気持ちで遙か先を眺める。

足傷神 深く心を傷める。神は心のこと。

 

雲迷 水隔 意中人,寂寞 繡羅茵。

男の浮気心で、よその女にうつつをぬかし始めると天の川の水は隔てられてお慕いする人は河を渡ってこないことになるのです。閨の鳳凰の刺繍の敷物の牀の上は誰もいなくて心が満たされず 、ものさびしい限りです。

雲迷 雲は男で、雨が女。『高唐の賦』ここでは、男の浮気心をいう。多雲雨:多情である。雲雨:男女の交情をいう。楚の襄王が巫山で夢に神女と契ったことをいう。神女は朝は巫山の雲となり夕べには雨になるという故事からきている。宋玉『高唐賦』によると、楚の襄王と宋玉が雲夢の台に遊び、高唐の観を望んだところ、雲気(雲というよりも濃い水蒸気のガスに近いもの(か))があったので、宋玉は「朝雲」と言った。襄王がそのわけを尋ねると、宋玉は「昔者先王嘗游高唐,怠而晝寢,夢見一婦人…去而辭曰:妾在巫山之陽,高丘之阻,旦爲朝雲,暮爲行雨,朝朝暮暮,陽臺之下。」と答えた。「巫山之夢」。婉約の詩詞によく使われるが、千載不磨の契りといった感じのものではなく、もっと、気楽な契りをいう

寂寞 1 ひっそりとして寂しいさま 。じゃくまく。2 心が満たされず にもの寂しいさま。

しとね【茵/褥】とは。意味や解説。座るときや寝るときに下に敷く物。しきもの。ふとん。

 

山枕上,幾點 淚痕新。

いつものように牀に横になるのですが、はらはらと落ちた涙の模様ができていて、今宵はそこにまた新しい模様が加わるのです。

山枕上 女性が横たわることを山という表現をする。
美女画557
 

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顧夐《河傳三首其三》 とうとう、棹を挙げてあの人はここから船で去って行った。悲しみにくれ、遠くはるかなさきまで舟の後を追うと、波間に日が輝き、涙と波の輝きで、舟が見えなくなってしまった。あの人の行くところがどこだかわかりはしない。岸辺には花が咲いている、水際にまで草花が咲いているように、同じような女たちが佇んでいて、思い慕って離れにくいのだ。春の季節は変わりやすく小雨が降り始めて、鷓鴣が啼いて一斉に飛び立っていった。女たちも仕方なく立ち去って行った。

2014年3月6日

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花間集  河傳 詞十八首
        
 1溫助教庭筠河傳三首 温庭筠66首 花間集1・2巻  
 3韋相莊河傳三首 韋莊47首 花間集二巻  
 6張舍人泌河傳二首 張泌27首 花間集四巻  
 11顧太尉河傳三首 顧夐56首 花間集6・7巻  
 12孫少監光憲河傳四首 孫光憲47首 花間集7・8巻  
 15閻處士選河傳一首 閻選8首 花間集9巻  
 18李秀才珣河傳二首 李珣39首 花間集10巻  
        

 

河傳三首 其一

(水辺の娼屋の女が帰ってこない男を思って詠う。)(河を題材にした悲しい三つの逸話 其の一)

鷰颺,晴景。

燕が舞い上がる季節が訪れ、春の盛りの景色、花が輝き鮮やかな景色になる。

屏暖,鴛鴦交頸。

小さな高い窓に日が射し、閨も暖かくなり、中庭内も暖かくなってくる、そこには鴛鴦が頭を交わして喜んでいる。

菱花掩卻翠鬟欹,慵整。海棠簾外影。

菱の花の簪が覆っている緑の黒髪を書き上げ耳をそばだて、物憂げに整えると、海棠の花が簾越しに、日が射し影を落とす。

繡幃香斷金鸂鶒,無消息,心事空相憶。

刺繍のとばりにお香が断たれ、金糸の鸂鶒が残される。それからは音沙汰亡くなってしまった、心に思い浮かべることでもその時の事が思い出され、空しく思い出すだけなのだ。

東風,春正濃。

春を知らせる風が吹き始めても、春の色が萌えからまさに緑濃くなっていっても消息は分からない。

愁紅,淚痕衣上重。

その葉が赤く色づいても愁いの思いは続く、涙の後は頬に残り、流れた涙は上衣に重なって残っている。

(河傳三首 其の一)

鷰颺【まいあが】り,景を晴らす。

は、屏は、暖かに,鴛鴦 頸を交わす。

菱花 卻を掩い翠鬟 欹【そばだ】つ,整を慵く。海棠 簾外の影。

繡幃 香斷し 金の鸂鶒【けいちょく】たり,消息無ければ,心事 空しく相い憶う。

東風あるも,春 正に濃ゆ。

紅に愁い,淚痕 衣の上 重る。

 

河傳三首 其二

(水際近くの娼屋の美しい女も富貴の者の愛妾でしかなく、やがては見向きもされない憐れなものであると詠う)

曲檻,春晚。

折れ曲がり奥まったところの水際の高楼に続く欄干に晩春の夕闇が迫っている。

碧流紋細,綠楊絲軟,露花,鮮杏,

翠に澄み切った緩やかな流れに波紋が細やかに広がり、緑に繁るしだれ柳の枝は柔らかに揺れている。花は露をためていて、杏の花が入り鮮やかに咲き誇る。

枝繁鶯囀,野蕪似剪。

枝は茂り鶯は囀る。野の蕪はきれいに成長して切りそろえた様に頭を並べる。

直是人間到天上,堪遊賞,

こんなことが人の世の中のことが天上の出来事であるならまだしも、遊び事であり、鑑賞されることには耐えられない。

醉眼疑屏障,對池塘,

富貴の者は酔いつぶれた眼でいる。屏風や障子や幔幕で仕切られていることを疑いたくもなる。それは池の端の堤の所での事である。

惜韶光,斷腸為花須盡狂。

れほどのうららかな春の光の中での出来事は人間として惜しむべきことであり、花が咲けば咲くほどに思いは切なく下腹が痛くなるほどせつなく、何もかも全てのこと、ことごとくのものが狂っているとしか思えない。

 

(河傳三首 其の二)

曲の檻,春の晚に。

碧の流れ 紋細やかに,綠の楊 絲軟らかに,露の花,鮮やかな杏に,

枝繁り 鶯囀く,野の蕪 剪に似る。

直ちに是れ人間 天上に到り,遊賞に堪える,

醉眼 屏障【びょうしょう】を疑い,池塘に對す,

韶光を惜み,花の為に斷腸し須らく盡く狂う。

 

其三

(港で見送る女たちが泣き叫ぶ声は猿の鳴き声て一緒になって響くと鷓鴣も飛び立って、もうあきらめていきていくしかない。港の女は何時も辛い別れをしている。)

棹舉,舟去,

とうとう、棹を挙げてあの人はここから船で去って行った。

波光渺渺,不知何處,

悲しみにくれ、遠くはるかなさきまで舟の後を追うと、波間に日が輝き、涙と波の輝きで、舟が見えなくなってしまった。あの人の行くところがどこだかわかりはしない。

岸花汀草共依依,雨微,鷓鴣相逐飛。

岸辺には花が咲いている、水際にまで草花が咲いているように、同じような女たちが佇んでいて、思い慕って離れにくいのだ。春の季節は変わりやすく小雨が降り始めて、鷓鴣が啼いて一斉に飛び立っていった。女たちも仕方なく立ち去って行った。

天涯離恨江聲咽,啼猿切,此意向誰

女の一生では恨み言であってもそれから離れなくてはいけないので、大江には嗚咽と泣き声がするものなのだ。それに合わせて猿が泣くと切なさが増す。だからといって、別れのこの気持ちは誰に話したらいいのだろう。

倚蘭橈,無憀。

きれいなお船の船べりに倚りかかって、何もしないでボーっとする。

魂消,小爐香欲焦。

慕う気持ちも何も消え失せ、香炉のお香も消えかかっている、気持ちを切り替えてまたもやし、焦がそうと思う。

 

其の三

棹は舉ぐ,舟は去る,

波光 渺渺たり,何れの處を知らず,

岸の花と 汀の草 共に依依たり,雨微にして,鷓鴣 相い逐いて飛ぶ。

天涯 恨を離れ 江に聲して咽し,啼いて猿は切なし,此の意 誰に向いて

蘭橈に倚れば,無憀たり。

魂消れば,爐香を小くし焦さんと欲す。

roudai112
 

 

『河傳三首』 現代語訳と訳註

(本文)

河傳三首 其三

棹舉,舟去,

波光渺渺,不知何處,

岸花汀草共依依,雨微,鷓鴣相逐飛。

天涯離恨江聲咽,啼猿切,此意向誰

倚蘭橈,無憀。

魂消,小爐香欲焦。

 

(下し文)

其の三

棹は舉ぐ,舟は去る,

波光 渺渺たり,何れの處を知らず,

岸の花と 汀の草 共に依依たり,雨微にして,鷓鴣 相い逐いて飛ぶ。

天涯 恨を離れ 江に聲して咽し,啼いて猿は切なし,此の意 誰に向いてく。

蘭橈に倚れば,無憀たり。

魂消れば,爐香を小くし焦さんと欲す。

 

(現代語訳)

(港で見送る女たちが泣き叫ぶ声は猿の鳴き声て一緒になって響くと鷓鴣も飛び立って、もうあきらめていきていくしかない。港の女は何時も辛い別れをしている。)

とうとう、棹を挙げてあの人はここから船で去って行った。

悲しみにくれ、遠くはるかなさきまで舟の後を追うと、波間に日が輝き、涙と波の輝きで、舟が見えなくなってしまった。あの人の行くところがどこだかわかりはしない。

岸辺には花が咲いている、水際にまで草花が咲いているように、同じような女たちが佇んでいて、思い慕って離れにくいのだ。春の季節は変わりやすく小雨が降り始めて、鷓鴣が啼いて一斉に飛び立っていった。女たちも仕方なく立ち去って行った。

女の一生では恨み言であってもそれから離れなくてはいけないので、大江には嗚咽と泣き声がするものなのだ。それに合わせて猿が泣くと切なさが増す。だからといって、別れのこの気持ちは誰に話したらいいのだろう。

きれいなお船の船べりに倚りかかって、何もしないでボーっとする。

慕う気持ちも何も消え失せ、香炉のお香も消えかかっている、気持ちを切り替えてまたもやし、焦がそうと思う。

 

(訳注)

河傳三首

『花間集』には顧夐の作が三首収められている。双調五十一字、前段二十五字六句五仄韻、後段二十六字六句五仄韻で、❹❻❷❺❼❸❺❷❺の詞形をとる。

 DCF00048

其三

(港で見送る女たちが泣き叫ぶ声は猿の鳴き声て一緒になって響くと鷓鴣も飛び立って、もうあきらめていきていくしかない。港の女は何時も辛い別れをしている。)

 

棹舉,舟去,

とうとう、棹を挙げてあの人はここから船で去って行った。

 

波光渺渺,不知何處,

悲しみにくれ、遠くはるかなさきまで舟の後を追うと、波間に日が輝き、涙と波の輝きで、舟が見えなくなってしまった。あの人の行くところがどこだかわかりはしない。

渺渺 果てしなく広いさま。遠くはるかなさま。

 

岸花汀草共依依,雨微,鷓鴣相逐飛。

岸辺には花が咲いている、水際にまで草花が咲いているように、同じような女たちが佇んでいて、思い慕って離れにくいのだ。春の季節は変わりやすく小雨が降り始めて、鷓鴣が啼いて一斉に飛び立っていった。女たちも仕方なく立ち去って行った。

依依 依依恋恋をいう。恋い慕うあまり離れられないさま。「依依」は、思い慕って離れにくいさま。 また、木の枝などがしなやかなさまを指す。 「恋恋」は、思い焦がれていつまでもあきらめきれないさま。

鷓鴣 『南越志』「常に日に向ひて飛ぶ。飛びて数ば月に随ふ。蓋し正月の如きは一飛して止む()。霜露を畏れ、早晩出づること稀なり。時有りて夜に飛ぶ。飛べば則ち木葉を以て自ら其の背を覆ふ。古牋に云ふ、偃鼠は河に飲むも腹を満たして止み、鷓鴣は葉を銜ふるも才かに能く身を覆ふとは、此れの謂ひなり。臆前に白円点文有り、多く対ひて啼く、志は常に南に嚮ひ、北に徂くを思はず。」、「鷓鴣は東西に回翔すと雖も、然れども開翅の始め必ず先づ南に翥ぶ」とは、亦胡馬は北に嘶くの義なり。『本草』「鷓鴣は形は母雞に似たり。鳴きて鉤輈格磔と云ふ」と。『嶺表異録』「肉は白くして脆なり。味は雞雉に勝る」と。

「早晩出づること稀なり」とあるのは餌をとる姿が観察されたためだろう。「時有りて夜に飛ぶ。飛べば則ち木葉を以て自ら其の背を覆ふ」とは、シャコの地上で生活し樹上で眠るという習性を指していると考えられるが、陸佃は『荘子』の言を引き、シャコの慎み深さを指していると考えている。ここでは、一羽が鳴きはじめると近くにいるものもすぐにこれに加わるというシャコの習性をいう。

 

天涯離恨江聲咽,啼猿切,此意向誰

女の一生では恨み言であってもそれから離れなくてはいけないので、大江には嗚咽と泣き声がするものなのだ。それに合わせて猿が泣くと切なさが増す。だからといって、別れのこの気持ちは誰に話したらいいのだろう。

 

倚蘭橈,無憀。

きれいなお船の船べりに倚りかかって、何もしないでボーっとする。

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