玉臺新詠 全十巻 訳注解説

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之   唐五代詞詩・花間集・玉臺新詠 中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。 5年以上のブログ連載。(魚玄機・薛濤・花間集)完掲載 現在《玉臺新詠》完全版連載中 予定(文選【詩篇】文選【賦篇 楚辞 詩經 ・・・・)

閨情詩

中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。
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温庭筠の詞詩を約60首程度掲載の後、魚玄機50首程度連載し,薛濤約百首、韋莊五十首
森鴎外小説 『魚玄機』 彼女の詩を冷静に、客観的に分析 過去の女性蔑視の見方を排除して解釈 訳註解説
現在、『花間集』全詩500首、全首連載が終了した。いま、500首全首、見直し、改訂版Ver.2.1として、根本的に語訳、注釈をやり直して掲載しています。出来るだけ(改訂版Ver.2.1)と記している詩を読まれることを薦めます。
現在 玉臺新詠 訳注解説連載中
   玉臺新詠 概要 目録・目次 http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/list1.html

牛嶠《巻四17菩薩蠻七首 其七》『花間集』168全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6112

牛嶠  菩薩蠻七首其七  

玉樓冰簟鴛鴦錦,粉融香汗流山枕。

簾外轆轤聲,斂眉含笑驚。

柳陰煙漠漠,低鬢蟬釵落。

須作一生拚,盡君今日歡。

菩薩蠻七首その七:(夏の夜、高貴なものの閨で、寝る間を惜しんで愛し合い、うとうととしている間に短い夜は過ぎて、朝の支度の音が聴こえてきたり、熱帯夜であったのであろう、宮女たちが簾の外に打ち水をする、起きてしまうとどうしようと思ってみると、わが君は、眼を開けた微笑みながら驚いて、もっとこのままでいたいといってくると詠う。)寝牀の上では、日が昇前の柳の木かげに霞深く漂い広がっている、うなじの鬢低く垂れ、金の蝉飾りの簪が抜け落ちる。参朝の時が来るというのに、離れがたく「わが身がどうなろうともう構わない、今日はあなた様の今日の歓びを尽くしてください。」と。

牛嶠《巻四17菩薩蠻七首 其七》『花間集』168全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6112

 
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(改訂版Ver.2.1

菩薩蠻七首 其一

(寵愛を受ける時は短く、ツバメが来て、しばらくヒナがうるさくし始める頃にはすでに寵愛を失う。そのごは、毎日、寵愛を受けていた時と同じようにただ、待ち続ける毎日が繰り返される。まるでどこか北の遠くの遼陽に送り出した人を待つ寡婦と同じようになってしまうと詠う)

舞裙香暖金泥鳳,畫梁語鷰驚殘夢。

香炉の火が暖かく、香付の舞衣裳のスカートには金泥の鳳模様がきれいである、赤青の塗りの梁の上の燕が鳴き交わすと名残りの夢は破られてしまう。

門外柳花飛,玉郎猶未歸。

宮殿門の外は春もさかり、池端からの並木の柳絮の花が舞い飛ぶのが終わると約束の春は過ぎてしまう、愛しいひとはそれでも未だに帰って来ない。

愁勻紅粉淚,眉剪春山翠。

妃嬪の憂いは、涙で頬紅と白粉がくずれてはなおしても崩れてしまう。眉は春山の翠のようにかいて整えたので涙で何もかも崩れてしまう。

何處是遼陽,錦屏春晝長。

待つのが定めというものの、ここの錦屏風の閨の内の、春の日の長い昼間に、怠惰になって何もする気になれない、ほんとに愛しの人は遼陽の様な遠方にでも行ったのかと感じられ、ほんとうは何処にいいているか。

(菩薩蠻七首 其の一)

舞裙 香 暖かく 金泥の鳳,畫梁【がりょう】語る 殘夢を驚く。

門外 柳花 飛,玉郎 猶お未だ歸らず。

愁は紅粉の淚を勻【あまね】し,眉は春山の翠を剪る。

何處か 是れ遼陽なる,錦屏 春晝 長し。

 

(改訂版Ver.2.1

菩薩蠻七首其二

菩薩蠻七首その二(別離し、この春、そのまま行楽に出かけられるのを見送るものの、これから違った生活をするどうにかして前向きに生きてゆくを詠う。)

柳花飛處鶯聲急,暗街春色香車立。

柳絮が飛びが飛び交うところになり、晩春にうつっていくから鶯の啼き声さえ、どうやら急ぎ始めたようだ。暮れなずむ街、すっかり春の景色に満ち溢れ日には香をたきこめた御車の列が行楽の地に向かう。

金鳳小簾開,臉波和恨來。

金の鳳凰の刺繍の小窓のすだれを開いて見送ってから、清らかな目になにだの波をたたえて、恨む気持ちを和ませてやってくる。

今宵求夢想,難到青樓上。

今宵からは夢の中であのお方のことを思い浮かべるだけだ。青樓の高殿のあたりに行くこともかなわない。

贏得一場愁,鴛衾誰並頭。

ここの場所だけは愁いを催すことはなく次第に前向きな気持ちになってゆくようだ、思うことは、「誰かが鴛鴦の布団に並んで頭を並べてくれるということ」と。

(菩薩蠻七首 其の二)

柳花 飛ぶ處 鶯聲急なり,暗き街 春色 香車立つ。

金鳳 小簾開き,臉波 和みて恨み來る。

今宵 夢想を求め,青樓の上に到れ難し。

贏得【えいとく】 一場愁い,鴛衾【おうきん】 誰ぞ頭を並べん。

 

(改訂版Ver.2.1

菩薩蠻七首 其三

玉釵風動春幡急,交枝紅杏籠煙泣。

奇麗に輝く簪が風に揺れ、見上げれば立春の旗が大きくなびいている、杏の花がいっぱいの木の枝が交差していて、春になっても寵愛を失ったまま、庭には一杯に咲く日にも、香炉の煙に涙が止まらない。

樓上望卿卿,寒新雨晴。

高樓に上がって「あなたさま」と甘えてみる。でも窓辺に時折り吹く風は冷たいと思っていたら雨がふり、やがて晴れに変わり気持ちも新たになる。

薰爐蒙翠被,帳鴛鴦睡。

何處有相知,羨他初畫眉。

閨に戻って夕刻から薰爐に火を容れてあたたかくなって、翡翠のはねをかざった掛け布団のなかにはいった、刺繍のとばりのなかに、鴛鴦のようにふたりが眠っている。

それが寵愛を失った今、何処にいるのかは互いにわかってはいるけれどどうにもしようがない、他の妃嬪を羨むことで、初めての形のまゆずみをほどこす。

 

(菩薩蠻七首 其の三)

玉釵 風動き春幡急なり,交枝 紅杏 籠煙り泣く。

樓上 望み卿卿,寒 新らたに雨晴る。

薰爐 蒙翠被り,帳 鴛鴦の睡。

何處にか 相い知る有る,他を羨む初めて眉を畫く。

 

(改訂版Ver.2.1

菩薩蠻七首 其四

菩薩蠻七首その四:(巫山の地に立って昔の「巫山の雲雨」を思われる、しかし、今ここには、山月、山花、燈燭の影、それもこれもなにごともなくときはながれていると詠う。)

畫屏重疊巫陽翠,楚神尚有行雲意。

奇麗に書かれた屏風が幾重に重ねられた向こうには巫陽の翡翠の扇やかけ布団が残されている。楚山の神女巫陽を愛した楚王の気持ちは雲が流れていく雲と同じように想いを届ける。

朝暮幾般心,向他情漫深。

特にそれが「朝雲暮雨」ということを、いくどとなく朝が来れば想い、夕方になると思いをかき立てられる。しかし、ここにいて、ほかの人の情に接するたびに何とはなしにさらに深く思われてくる。

風流今古隔,作瞿塘客。

巫陽、襄王の美風の名残りは、昔のこととなってしまって今はなにもない。だから、いまはここに立って、空しく瞿塘峡を下って云った楚王の事を思ってこの詩を作る。

山月照山花,夢迴燈影斜。

そして、山影より月がのぼって、山やそこのさく花も照らしている。このやまにまつわる夢はいろいろと廻り回り、燈火も付けたままでなにごともなく影を斜めにしている。

(菩薩蠻七首 其の四)

畫屏 重疊 巫陽の翠,楚神 尚お行雲の意有り。

朝暮 幾か般心す,他に向う 情 漫深す。

風流 今古と隔り,作すは瞿塘の客を。

山月 山花を照し,夢は迴る 燈影斜なり。

(改訂版Ver.2.1

菩薩蠻七首 其五

(春の行楽に街で最も美しいといわれる、高貴な人の娘が門前から出かけようとすると街中の人が一目見ようと集まってくる。そこに白馬に乗った貴公子が、金の鞭をわざと落として気をひこうとしたという詩)

風簾鷰舞鶯啼柳,粧臺約鬢低纖手。

風が簾を通り抜け、つばめが舞い飛び交い、鶯が啼いて柳がしげってきて、春光明媚である、美しい人は、化粧台に向かい、髪を整えかぼそい手を低くしてでかけようとする。

釵重髻盤珊,一枝紅牡丹。

特別な簪は重く下がり、髻に挿すとゆらゆら揺れている。この美しい人は、どこにいても一枝の紅い牡丹が咲いているかのような存在である。

門前行樂客,白馬嘶春色。

美しい人が出て來るからとその門前には春の野へ行楽に向かう男女がひとめみようとあつまってくる。貴公子が騎乗した白馬が嘶いて、春景色は満開である。

故故墜金鞭,迴頭應眼穿。

貴公子は、馬上から人目を引くため故意に、金で飾られた鞭を堕してみて、美しい人は頭を廻して目を丸くしている。

(菩薩蠻七首 其の五)

風簾 鷰舞い鶯柳に啼く,粧臺 鬢を約し纖手を低れる。

釵重く髻 盤珊たり,一枝の紅牡丹。

門前 行樂の客,白馬 春色に嘶く。

故故にして 金鞭を墜とし,頭を迴して應に眼穿つ。

(改訂版Ver.2.1

菩薩蠻七首 其六

綠雲鬢上飛金雀,愁眉斂翠春煙薄。

雲型の黒髪の上に髪飾りの金細工の雀が飛んでるように飾られている。初めは何もわからず愁いおびた眉にもなったが、翡翠の羽のかけ布団にはいって、春霞は薄く漂う毎日を過ごす。

香閣掩芙蓉,畫屏山幾重。

香のただよう高閣殿には芙蓉の美女たちがあふれるほどいて、そこにはきれいな絵の屏風があり、山がいくえにも重り、つらなっている。

寒天欲曙,猶結同心苣。

秋も深まり窓も凍りつく寒空に、よながなのに、もう朝になろうとする。それでもなお、「同心結」萵苣の組み合わせが織り込まれているかけ布団の中で結ばれる。

啼粉羅衣,問郎何日歸。

今日も涙で化粧は落ち、閨に着る上着も落ちた涙で汚れている。それでも、寵愛を受けるための準備は続ける。「同心結」の約束があるというものの、聞いてみたいという「(わたしのところへ)いつ帰って來るのですか」と。

(菩薩蠻七首 其の六)

綠雲 鬢上 金雀飛び,愁眉 斂翠 春煙薄し。

香閣 芙蓉に掩れ,畫屏 山幾重なり。

寒 天欲曙,猶お心苣を同じうするを結ぶ。

啼き粉れ 羅衣をし,郎に問う 何れの日にか歸らん。

菩薩蠻七首 其七

玉樓冰簟鴛鴦錦,粉融香汗流山枕。

美しい宮殿の高楼には、寝牀にひんやりとの竹筵の簟がしかれ、鴛鴦の錦がかけられる、白粉は汗に溶けても香しきもので山形状の枕に流れおちる。

簾外轆轤聲,斂眉含笑驚。

夏の夜は短く、簾の外では、早くも打ち水用の水を汲む暁櫨のおとが響きわたる、まだ一緒にいたいから、こまったものと眉をひそめ、笑み浮かべつつ顔を見合わせて驚いた顔をする。

柳陰煙漠漠,低鬢蟬釵落。

寝牀の上では、日が昇前の柳の木かげに霞深く漂い広がっている、うなじの鬢低く垂れ、金の蝉飾りの簪が抜け落ちる。

須作一生,盡君今日歡。

参朝の時が来るというのに、離れがたく「わが身がどうなろうともう構わない、今日はあなた様の今日の歓びを尽くしてください。」と。

(菩薩蠻七首 其の七)

玉樓の冰簟【ひょうてん】鴛鴦の錦,粉は香しき汗に融け 山枕に流る。

簾外 轆轤【ろくろ】の聲,眉を斂め 笑いを含みて驚く。

柳陰 煙【もや】漠漠たり,低き鬢 蟬釵【ぜんさ】落つ。

須【すべから】く一生 拚【す】つるを作すべし,君の今日の歡びを盡くせ。

 

(改訂版Ver.2.1

『菩薩蠻七首其七』 現代語訳と訳註

(本文)

菩薩蠻七首其七

玉樓冰簟鴛鴦錦,粉融香汗流山枕。

簾外轆轤聲,斂眉含笑驚。

柳陰煙漠漠,低鬢蟬釵落。

須作一生拚,盡君今日歡。

 

 

(下し文)

(菩薩蠻七首其の七)

玉樓の冰簟【ひょうてん】鴛鴦の錦,粉は香しき汗に融け 山枕に流る。

簾外 轆轤【ろくろ】の聲,眉を斂め 笑いを含みて驚く。

柳陰 煙【もや】漠漠たり,低き鬢 蟬釵【ぜんさ】落つ。

須【すべから】く一生 拚【す】つるを作すべし,君の今日の歡びを盡くせ。

 

(現代語訳)

菩薩蠻七首その七:(夏の夜、高貴なものの閨で、寝る間を惜しんで愛し合い、うとうととしている間に短い夜は過ぎて、朝の支度の音が聴こえてきたり、熱帯夜であったのであろう、宮女たちが簾の外に打ち水をする、起きてしまうとどうしようと思ってみると、わが君は、眼を開けた微笑みながら驚いて、もっとこのままでいたいといってくると詠う。)

美しい宮殿の高楼には、寝牀にひんやりとの竹筵の簟がしかれ、鴛鴦の錦がかけられる、白粉は汗に溶けても香しきもので山形状の枕に流れおちる。

夏の夜は短く、簾の外では、早くも打ち水用の水を汲む暁櫨のおとが響きわたる、まだ一緒にいたいから、こまったものと眉をひそめ、笑み浮かべつつ顔を見合わせて驚いた顔をする。

寝牀の上では、日が昇前の柳の木かげに霞深く漂い広がっている、うなじの鬢低く垂れ、金の蝉飾りの簪が抜け落ちる。

参朝の時が来るというのに、離れがたく「わが身がどうなろうともう構わない、今日はあなた様の今日の歓びを尽くしてください。」と。

 

(訳注)

菩薩蠻七首其七

(男と一夜をともにした女の姿態と歓情とを詠う。)その七

男と一夜をともにした女の姿態と歓情とを詠う。前段は、寝台の様子と、愛に燃える女性の姿態、そして、外で水を汲む釣瓶の概観の音で目を覚まし、朝の訪れを悲しみながらも、傍らに男のいることを確かめ、男に向かって微笑むさまを描く。最後の女の言葉は、かなり直接的であり官能的である。

唐教坊の曲名。『花間集』41首、温庭筠14首、韋荘5首、牛嶠7首収められている。双調四十四字、前段二十四字四句二仄韻二平韻、後段二十字四句二仄韻二平韻で、❼❼⑤⑤/❺❺⑤⑤の詞形をとる。

菩薩蠻七首 其一

舞裙香暖金泥,畫梁語鷰驚殘

門外柳花,玉郎猶未

愁勻紅粉,眉剪春山

何處是遼,錦屏春晝

●○○●○△●  ●○●●○○△

○●●○○  ●○△●○

○○○●●  ○●○○●

△●●○○  ●△○●△菩薩蠻七首 其二

柳花飛處鶯聲,暗街春色香車

金鳳小簾,臉波和恨

今宵求夢,難到青樓

贏得一場,鴛衾誰並

●○○●○○●  ●○○●○○●

○●●○○  △○△●△

○○○△●  △●○○●

○●●○○  ○○○●○

菩薩蠻七首 其三

玉釵風動春幡,交枝紅杏籠煙

樓上望卿寒新雨

薰爐蒙翠,繡帳鴛鴦

何處有相,羨他初畫

●○△●○○●  ○○○●△○●

○●△○○  △○○●○

△○○●●  ●●○○●

△●●△○  ○△○●○

菩薩蠻七首 其四

畫屏重疊巫陽,楚神尚有行雲

朝暮幾般,向他情漫

風流今古,虛作瞿塘

山月照山,夢迴燈影

●△△●○○●  ●○△●△○●

○●△○○  ●△○●△

△○○●●  ○●△○●

○●●○○  △△○●○

菩薩蠻七首 其五

風簾鷰舞鶯啼,粧臺約鬢低纖

釵重髻盤,一枝紅牡

門前行樂,白馬嘶春

故故墜金,迴頭應眼穿

△○●●○○●  ?○●●○○●

○△●○○  ●○○●○

○○△●●  ●●○○●

●●●○○  △○△●△

菩薩蠻七首其六

綠雲鬢上飛金,愁眉斂翠春煙

香閣掩芙,畫屏山幾

寒天欲,猶結同心

啼粉,問郎何日

●○●●○○●  ○○●●○○●

○●●○○  ●△○△△

○○○●●  △●○○●

○●○○△  ●○△●○

菩薩蠻七首 其七

玉樓冰簟鴛鴦,粉融香汗流山

簾外轆轤,斂眉含笑

柳陰煙漠,低鬢蟬釵

須作一生,盡君今日

●○○●○○●  ●○○△○○△

○●●○○  ●○○●○

●○○●●  ○●○○●

○●●△●  ●○○●○

 

玉樓冰簟鴛鴦錦,粉融香汗流山枕。

美しい宮殿の高楼には、寝牀にひんやりとの竹筵の簟がしかれ、鴛鴦の錦がかけられる、白粉は汗に溶けても香しきもので山形状の枕に流れおちる。

○氷簟 ひんやりとした竹筵。簟は竹の皮を蒔くはいで編んだ夏用の敷物。氷の上で寝るほどの涼しい簟で編んだしきもの。高級品で庶民の手にするものではない。

鄭羣贈簟 #1 Ⅱ韓退之(韓愈)詩307 紀頌之の漢詩ブログ998

李商隠『可歎』
幸會東城宴末廻、年華憂共水相催。
梁家宅裏秦宮入、趙后樓中赤鳳來。
冰簟且眠金鏤枕、瓊筵不酔玉交杯。
宓妃愁坐芝田館、用盡陳王八斗才。
可歎 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集-96

温庭筠『瑤瑟怨』 

冰簟銀床夢不成,碧天如水夜雲輕。

雁聲遠過瀟湘去,十二樓中月自明。

○駕駕錦 オシドリ模様の錦の掛布。

山枕 枕のこと。山形をした枕で、真ん中が窪み、両端が山の形で高い凹形の枕をいう。温庭筠の更漏子詞に「山枕蹴、錦余寒」、顧鼻の甘州子詞に山枕上、長是怯農鐘」とある。閨情詩の場合の山は女性がベットで横たわることをいい、屏風の山の画とかさなりあうことをれんそうさせ、枕に横たわる裸体の女性を思い浮かべて読んでみると状況がよくわかる。この語を花間集の中で以下のように使用している。

花間集「山枕」の語について

溫庭筠

巻一14

菩薩蠻十四首其十四

山枕隱穠粧,綠檀金鳳凰。

溫庭筠

巻一17

更漏子六首其三

山枕膩,錦衾寒,覺來更漏殘。

牛嶠

巻四10

應天長二首其二

玉釵橫,山枕膩,寶帳鴛鴦春睡美。

牛嶠

巻四21

菩薩蠻七首其七

玉樓冰簟鴛鴦錦,粉融香汗流山枕。

顧夐

巻六43

甘州子五首其一

山枕上,私語口脂香。

顧夐

巻六44

甘州子五首其二

山枕上,幾點淚痕新。

顧夐

巻六45

甘州子五首其三

山枕上,長是怯晨鐘。

顧夐

巻六46

甘州子五首其四

山枕上,翠鈿鎮眉心。

顧夐

巻六47

甘州子五首其五

山枕上,燈背臉波橫。

顧夐

巻七13

酒泉子七首其五

雲鬟半墜懶重篸,淚侵山枕濕。

顧夐

巻七18

獻衷心

金閨裡,山枕上,始應知。

温庭筠『菩薩蠻十三』 

竹風輕動庭除冷,珠簾月上玲瓏影。

山枕隱濃妝,綠檀金鳳凰。

兩蛾愁黛淺,故國宮遠。

春恨正關情,畫樓殘點聲。

『菩薩蠻十三』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-13-13-#13 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1668

 

簾外轆轤聲,斂眉含笑驚。

夏の夜は短く、簾の外では、早くも打ち水用の水を汲む暁櫨のおとが響きわたる、まだ一緒にいたいから、こまったものと眉をひそめ、笑み浮かべつつ顔を見合わせて驚いた顔をする。

○轆轤 釣瓶井戸の壇櫨。滑車。情事の際の声を云う。「斂眉含笑驚」もエクスタシーを表現するもの。

○斂眉 眉をひそめて怪訝な顔をする。

含笑驚 笑いを含んだ顔つきをして驚いているという顔つきの表現。

 

柳陰煙漠漠,低鬢蟬釵落。

寝牀の上では、日が昇前の柳の木かげに霞深く漂い広がっている、うなじの鬢低く垂れ、金の蝉飾りの簪が抜け落ちる。

○蟬釵 蝉の飾りの付いた簪。

温庭筠『菩薩蠻 五』

杏花含露團香雪,綠楊陌上多離別。

燈在月朧明,覺來聞曉鶯。

玉鈎褰翠幕,妝淺舊眉薄。

春夢正關情,鏡中蟬輕。

『菩薩蠻 五』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-5-5-#5 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1636

 

須作一生拚,盡君今日歡。

参朝の時が来るというのに、離れがたく「わが身がどうなろうともう構わない、今日はあなた様の今日の歓びを尽くしてください。」と。

〇一生拚 一生を捨てる。ここでは我が身がどうなっても構わないことを言う。情事のエクスタシーでいう言葉として理解する。

○盡君今日歡 逐語訳すれば、あなたの今日の歓びを尽くしなさい。今日は私を思う存分に愛して下さいということ。こういう表現は、酒を酌み交わす語句として使われるが、実際の生活の中では、閨の言葉として使われていたのであろう。

牛嶠《巻四06應天長二首其二》『花間集』157全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6057

牛嶠  應天長二首 其二  

雙眉澹薄藏心事,清夜背燈嬌又醉。

玉釵橫,山枕膩,寶帳鴛鴦春睡美。

別經時,無恨意,虛道相思憔悴。

莫信綵牋書裏,賺人腸斷字。

(別離の後、手紙では、口先だけのうまいことを言うだけで、誠実さに欠けた男とおもうのに、また、騙される言葉であるのに、なぜか、期待して待っているという女の心を詠う。)

牛嶠《巻四06應天長二首其二》『花間集』157全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6057

 

 
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顧夐《甘州子五首其四》 露桃の花が咲く林の奥深き所に小さな高殿があり、そこでは玉の杯を手にして、甘州子の琴の調べを聴く。酔い潰れる前に帰りついて靑い扉を閉めて閏の鴛鴦模様の掛け布団に入る。月は上にあり女の襟元照らしている。女は横になり、ふたり枕をならべる、緑色の花鈿の化粧した女と眉もここをも合体する。


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13-13《甘州子五首其四》顧太尉(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-466-13-(13) 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3877

 

 

甘州子五首 其一

(役所が引けて、西域地方から来た、お香の香りの女の閨に招かれ、秋の夜長を二人で過ごす。)

一爐龍麝錦帷旁,屏掩映,燭熒煌。

錦の帳の傍ら香炉より龍涎香と麝香の二つの香が一筋になって立ち上り、屏風に照り映えて浮びあがり、御招きした閨に灯火きらめく。

禁樓刁斗喜初長,羅薦繡鴛鴦。

宮中で時刻を知らせるためにならせる鈴音が、今、初更の時を告げる。夜はまだこれからで長いから、嬉しくおもう。ベッドのうえには薄絹の鴛駕の縫い取り模様の敷物の上にまねかれる、

山枕上,私語口脂香。

女は横になり、ふたり枕をならべる、耳元にささやく時に口紅の香がする。

(甘州子五首 其の一)

一爐の龍麝【りょうじゃ】錦帷【きんい】の旁ら,屏 掩て映し,燭 熒煌【けいこう】たり。

禁樓の刁斗【ちょうと】 初めて長きを喜び,羅薦【らせん】繡りの鴛鴦あり。

山 枕の上に,私語 口脂の香。

 

其二

(出会うきっかけも、逢瀬をどんなに素晴らしく過ごしても心配で仕方なかったのが、現実になり、一年に一度の河を渡ってくることもなくなってしまった女を詠う。)

每逢清夜與良晨,多悵望,足傷神。

お逢いするときは必ず清々しい夜でした、それに、素晴らしい夜明けを迎えたものです。でもそんな素晴らしい時間を過ごせばすごすごとに将来のことが心配で仕方がない気持ちで遙か先を眺めたり、立ち直れないほど深く心を傷めたりしたのです。

雲迷水隔意中人,寂寞繡羅茵。

男の浮気心で、よその女にうつつをぬかし始めると天の川の水は隔てられてお慕いする人は河を渡ってこないことになるのです。閨の鳳凰の刺繍の敷物の牀の上は誰もいなくて心が満たされず 、ものさびしい限りです。

山枕上,幾點淚痕新。

いつものように牀に横になるのですが、はらはらと落ちた涙の模様ができていて、今宵はそこにまた新しい模様が加わるのです。

(甘州子五首 其の二)

逢う每に 清夜と良晨【りょうしん】となり,悵望すること多く,神を傷ましむに足りたり。

雲 迷えば 水 隔つもの 意中の人も,寂寞【せきばく】たり 繡の羅茵【らいん】には。

山 枕の上,幾ばくの點【てん】淚痕【るいこん】新たにせん。

 

其三

(仙郷のような女の里で劉郎・阮郎として過ごした様子を詠う。)

曾如劉阮訪仙蹤,深洞客,此時逢。

男はかつて劉郎とか、阮郎とよばれ、仙界の里を訪れたこともあったのです。洞穴の奥深い所に案内され、この時こそ最高と思って過ごしたものです。

綺筵散後繡衾同,款曲見韶容。

綵絹の縁取りの筵の敷物の上で宴をして終わった後には鳳凰の縫い取りのある布団の中に並んではいった。打ち解けた甘州子の楽曲が流れる中、奇麗な顔立ちを見続けたのです。

山枕上,長是怯晨鐘。

女は横になり、ふたり枕をならべる、夜長のこんな時間を過ごしていると朝を告げる鐘の音が聞こえて來るのに怯えるようになるのです。

(甘州子五首 其の三)

曾て劉阮の如く仙を訪ねた蹤あり,洞を深くし客あり,此の時逢う。

綺筵 散後 繡衾 同じゅうし,曲を款めて韶を見て容く。

山 枕の上,是を長くして 晨鐘に怯る。
 

 其四

(桃の花のもとで宴会をし、甘州子を聞き、月が上にあるうちに、酔いつぶれる前に閨に入る閨を詠う)

露桃花裏小樓深,持玉盞,聽瑤琴。

露桃の花が咲く林の奥深き所に小さな高殿があり、そこでは玉の杯を手にして、甘州子の琴の調べを聴く。

醉歸青瑣入鴛衾,月色照衣襟。

酔い潰れる前に帰りついて靑い扉を閉めて閏の鴛鴦模様の掛け布団に入る。月は上にあり女の襟元照らしている。

山枕上,翠鈿鎮眉心。

女は横になり、ふたり枕をならべる、緑色の花鈿の化粧した女と眉もここをも合体する。

(甘州子五首其の四)

露桃 花の裏 小樓深くして,玉盞【ぎょくさん】を持ち,瑤琴を聽く。

醉うて青瑣に歸り 鴛衾に入り,月色 衣襟を照らす。

山 枕上し,翠鈿 眉心を鎮う。

 

其五

紅鑪深夜醉調笙,敲拍處,玉纖輕。

小屏古畫岸低平,煙月滿閑庭。

山枕上,燈背臉波橫。

海棠花05
 

 

『甘州子五首其四』 現代語訳と訳註

(本文)

甘州子五首其四

露桃花裏小樓深,持玉盞,聽瑤琴。

醉歸青瑣入鴛衾,月色照衣襟。

山枕上,翠鈿鎮眉心。

 

(下し文)

(甘州子五首其の四)

露桃 花の裏 小樓深くして,玉盞【ぎょくさん】を持ち,瑤琴を聽く。

醉うて青瑣に歸り 鴛衾に入り,月色 衣襟を照らす。

山 枕上し,翠鈿 眉心を鎮う。

 

 

(現代語訳)

(桃の花のもとで宴会をし、甘州子を聞き、月が上にあるうちに、酔いつぶれる前に閨に入る閨を詠う)

露桃の花が咲く林の奥深き所に小さな高殿があり、そこでは玉の杯を手にして、甘州子の琴の調べを聴く。

酔い潰れる前に帰りついて靑い扉を閉めて閏の鴛鴦模様の掛け布団に入る。月は上にあり女の襟元照らしている。

女は横になり、ふたり枕をならべる、緑色の花鈿の化粧した女と眉もここをも合体する。

花蕊夫人006
 

(訳注)

甘州子五首

唐の教坊の曲名。『花問集』には顧夐の五首のみ所収。単調三十三字、七句五平韻で、⑦3③⑦⑤3⑤の詞形をとる。

甘州子は西域から花街に来た娘をいう。 唐の長安は当時世界最大の都市で、国際交流都市であった。そこには青い目の娘がいた。特にペルシャ系、トルコ系の美女が詩に登場している。雅楽に「甘州子」がある。中国の雅楽は,〈雅正の楽〉の意で俗楽に対立し,儒教の礼楽思想に基づいて成立,発展したために狭義には天地宗廟の祭祀楽を意味するが,広義には国家,宮廷の儀式や宴饗の楽も含める。狭義の雅楽は古来の雅楽器を用い,堂上登歌(どうじようとうか),堂下楽懸(どうかがくけん)の2種の楽を奏し,八佾(はちいつ)の舞を舞うという一定の形式を有する。

甘州(かんしゅう)は中国にかつて存在した州。現在の中華人民共和国甘粛省張掖市に比定される。南北朝時代には西魏により西涼州が設置され、553年(廃帝3年)に甘州と改称された。その後、隋代は、隋朝が成立すると当初は甘州が設置され27県を管轄した。607年(大業3年)には郡制施行に伴い武威郡と改称された。

 

其四

(桃の花のもとで宴会をし、甘州子を聞き、月が上にあるうちに、酔いつぶれる前に閨に入る閨を詠う)

【解説】 桃花の時節、男女の逢瀬を詠う。「小楼 深く」「青瑣に歸り」の語は、二人の出会いが秘められたものであることを暗示し、酔って女の閏に帰った後の静かな情景描写は、酔う前に布団に入り込み、「翠鈿鎮眉心」と合体することを表す

 

露桃花裏小樓深,持玉盞,聽瑤琴。

露桃の花が咲く林の奥深き所に小さな高殿があり、そこでは玉の杯を手にして、甘州子の琴の調べを聴く。

○露桃 露井の傍らに植えられた桃。露井は屋根なしの井戸。

○瑤琴 玉を飾った琴。ここは琴の音で「甘州子」を意識させる。

 

醉歸青瑣入鴛衾,月色照衣襟。

酔い潰れる前に帰りついて靑い扉を閉めて閏の鴛鴦模様の掛け布団に入る。月は上にあり女の襟元照らしている。

○青瑣 青く塗られ連鎖模様の彫刻が施された扉。青い扉は東の扉であることは西の閨を連想させる。

 

山枕上,翠鈿鎮眉心。

女は横になり、ふたり枕をならべる、緑色の花鈿の化粧した女と眉もここをも合体する。

○鎮眉心 上から押さえる。男の眉と女の眉を重ね、心を重ね合わすこと。

 花鴨004

13-12《甘州子五首其三》顧太尉敻(顧夐【こけい】)55首 Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-465-13-(12) 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3872

顧夐《甘州子五首其三》 男はかつて劉郎とか、阮郎とよばれ、仙界の里を訪れたこともあったのです。洞穴の奥深い所に案内され、この時こそ最高と思って過ごしたものです。綵絹の縁取りの筵の敷物の上で宴をして終わった後には鳳凰の縫い取りのある布団の中に並んではいった。打ち解けた楽曲が流れる中、奇麗な顔立ちを見続けたのです。

 


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 杏の花0055

 

甘州子五首 其一

(役所が引けて、西域地方から来た、お香の香りの女の閨に招かれ、秋の夜長を二人で過ごす。)

一爐龍麝錦帷旁,屏掩映,燭熒煌。

錦の帳の傍ら香炉より龍涎香と麝香の二つの香が一筋になって立ち上り、屏風に照り映えて浮びあがり、御招きした閨に灯火きらめく。

禁樓刁斗喜初長,羅薦繡鴛鴦。

宮中で時刻を知らせるためにならせる鈴音が、今、初更の時を告げる。夜はまだこれからで長いから、嬉しくおもう。ベッドのうえには薄絹の鴛駕の縫い取り模様の敷物の上にまねかれる、

山枕上,私語口脂香。

女は横になり、ふたり枕をならべる、耳元にささやく時に口紅の香がする。

(甘州子五首 其の一)

一爐の龍麝【りょうじゃ】錦帷【きんい】の旁ら,屏 掩て映し,燭 熒煌【けいこう】たり。

禁樓の刁斗【ちょうと】 初めて長きを喜び,羅薦【らせん】繡りの鴛鴦あり。

山 枕の上に,私語 口脂の香。

 

其二

(出会うきっかけも、逢瀬をどんなに素晴らしく過ごしても心配で仕方なかったのが、現実になり、一年に一度の河を渡ってくることもなくなってしまった女を詠う。)

每逢清夜與良晨,多悵望,足傷神。

お逢いするときは必ず清々しい夜でした、それに、素晴らしい夜明けを迎えたものです。でもそんな素晴らしい時間を過ごせばすごすごとに将来のことが心配で仕方がない気持ちで遙か先を眺めたり、立ち直れないほど深く心を傷めたりしたのです。

雲迷水隔意中人,寂寞繡羅茵。

男の浮気心で、よその女にうつつをぬかし始めると天の川の水は隔てられてお慕いする人は河を渡ってこないことになるのです。閨の鳳凰の刺繍の敷物の牀の上は誰もいなくて心が満たされず 、ものさびしい限りです。

山枕上,幾點淚痕新。

いつものように牀に横になるのですが、はらはらと落ちた涙の模様ができていて、今宵はそこにまた新しい模様が加わるのです。

(甘州子五首 其の二)

逢う每に 清夜と良晨【りょうしん】となり,悵望すること多く,神を傷ましむに足りたり。

雲 迷えば 水 隔つもの 意中の人も,寂寞【せきばく】たり 繡の羅茵【らいん】には。

山 枕の上,幾ばくの點【てん】淚痕【るいこん】新たにせん。

 

其三

(仙郷のような女の里で劉郎・阮郎として過ごした様子を詠う。)

曾如劉阮訪仙蹤,深洞客,此時逢。

男はかつて劉郎とか、阮郎とよばれ、仙界の里を訪れたこともあったのです。洞穴の奥深い所に案内され、この時こそ最高と思って過ごしたものです。

綺筵散後繡衾同,款曲見韶容。

綵絹の縁取りの筵の敷物の上で宴をして終わった後には鳳凰の縫い取りのある布団の中に並んではいった。打ち解けた甘州子の楽曲が流れる中、奇麗な顔立ちを見続けたのです。

山枕上,長是怯晨鐘。

女は横になり、ふたり枕をならべる、夜長のこんな時間を過ごしていると朝を告げる鐘の音が聞こえて來るのに怯えるようになるのです。

(甘州子五首 其の三)

曾て劉阮の如く仙を訪ねた蹤あり,洞を深くし客あり,此の時逢う。

綺筵 散後 繡衾 同じゅうし,曲を款めて韶を見て容く。

山 枕の上,是を長くして 晨鐘に怯る。

 

其四

露桃花裏小樓深,持玉盞,聽瑤琴。

醉歸青瑣入鴛衾,月色照衣襟。

山枕上,翠鈿鎮眉心。

 

其五

紅鑪深夜醉調笙,敲拍處,玉纖輕。

小屏古畫岸低平,煙月滿閑庭。

山枕上,燈背臉波橫。

鸂鶒けいせき001
 

『甘州子五首其三』 現代語訳と訳註

(本文)

甘州子五首其三

曾如劉阮訪仙蹤,深洞客,此時逢。

綺筵散後繡衾同,款曲見韶容。

山枕上,長是怯晨鐘。

 

(下し文)

(甘州子五首 其の三)

曾て劉阮の如く仙を訪ねた蹤あり,洞を深くし客あり,此の時逢う。

綺筵 散後 繡衾 同じゅうし,曲を款めて韶を見て容く。

山 枕の上,是を長くして 晨鐘に怯る。

 

 

(現代語訳)

(仙郷のような女の里で劉郎・阮郎として過ごした様子を詠う。)

男はかつて劉郎とか、阮郎とよばれ、仙界の里を訪れたこともあったのです。洞穴の奥深い所に案内され、この時こそ最高と思って過ごしたものです。

綵絹の縁取りの筵の敷物の上で宴をして終わった後には鳳凰の縫い取りのある布団の中に並んではいった。打ち解けた甘州子の楽曲が流れる中、奇麗な顔立ちを見続けたのです。

女は横になり、ふたり枕をならべる、夜長のこんな時間を過ごしていると朝を告げる鐘の音が聞こえて來るのに怯えるようになるのです。

 

(訳注)

甘州子五首

唐の教坊の曲名。『花問集』には顧夐の五首のみ所収。単調三十三字、七句五平韻で、⑦3③⑦⑤3⑤の詞形をとる。

甘州子は西域から花街に来た娘をいう。 唐の長安は当時世界最大の都市で、国際交流都市であった。そこには青い目の娘がいた。特にペルシャ系、トルコ系の美女が詩に登場している。雅楽に「甘州子」がある。中国の雅楽は,〈雅正の楽〉の意で俗楽に対立し,儒教の礼楽思想に基づいて成立,発展したために狭義には天地宗廟の祭祀楽を意味するが,広義には国家,宮廷の儀式や宴饗の楽も含める。狭義の雅楽は古来の雅楽器を用い,堂上登歌(どうじようとうか),堂下楽懸(どうかがくけん)の2種の楽を奏し,八佾(はちいつ)の舞を舞うという一定の形式を有する。

甘州(かんしゅう)は中国にかつて存在した州。現在の中華人民共和国甘粛省張掖市に比定される。南北朝時代には西魏により西涼州が設置され、553年(廃帝3年)に甘州と改称された。その後、隋代は、隋朝が成立すると当初は甘州が設置され27県を管轄した。607年(大業3年)には郡制施行に伴い武威郡と改称された。

 

其三

(仙郷のような女の里で劉郎・阮郎として過ごした様子を詠う。)

 

曾如劉阮訪仙蹤,深洞客,此時逢。

男はかつて劉郎とか、阮郎とよばれ、仙界の里を訪れたこともあったのです。洞穴の奥深い所に案内され、この時こそ最高と思って過ごしたものです。

劉阮 劉郎、阮郎 ○劉郎 別れ去る愛しい男。仙桃を味わった浦島太郎のような人物である劉晨=劉郎である夢心地の状態にある男、何年も訪れてくれなくなっているのでこのようにいう。12年もたっていることと、全く景色が変わって、ここにいる女を含めみんなが全く変わっていたというものだ。 劉禹錫『再遊玄都觀』「百畝庭中半是苔,桃花淨盡菜花開。種桃道士今何歸,前度劉郞今又來。」○阮郎 別れ去って久しく帰らぬ愛しい男。後漢の劉展、阮肇は天台山に薬草を採りに入り、道に迷って仙女に出合い、しばらくともに暮らした。しかし家のことが思い起こされ、帰ってみると、既に数世が過ぎ、見知った人は誰もいなかった。そこで再び山に尋ね入ったが、仙女を探し当てられなかったと言う。以来、阮郎、劉部は、別れ去る男や別れ去って久しく帰らぬ愛しい男を指すようになった。・檀郎/安仁/潘郎 晋の潘岳のあざな。彼は美男子であり、詩人であったが、妻の死にあい「悼亡」の詩三首を作った。後世、妻の死をなげいた模擬作が多く作られた。潘岳の幼名が檀奴だったので、「檀郎」は夫や恋い慕う男を意味する。・潘岳:安仁。滎陽(けいよう)中牟(河南省)の人。陸機と並ぶ美文の文学の大家で,錦を敷きのべたような絢爛(けんらん)たる趣をたたえられた。ことに人の死を悼む哀傷の詩文を得意とし,亡妻への尽きぬ思いをうたった〈悼亡詩(とうぼうし)〉3首はよく知られる。絶世の美男として,また権門の間を巧みに泳ぎまわる軽薄才子として,とかく話題にこと欠かなかった。八王の乱の渦中で悲劇的な刑死を遂げた。和凝『天仙子二首』其二「洞口春紅飛蔌蔌,仙子含愁眉黛綠。阮郎何事不歸來,懶燒金,慵篆玉。流水桃花空斷續。天仙子二首 其二  和學士凝(和凝【わぎょう】)二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」情けの強い男を「潘郎」といい、劉郞、阮郎、檀郎、安仁など色町の女が男をそう呼んだ。

 あと足あと。「蹤跡/先蹤・追蹤」

 

綺筵散後繡衾同,款曲見韶容。

綵絹の縁取りの筵の敷物の上で宴をして終わった後には鳳凰の縫い取りのある布団の中に並んではいった。打ち解けた甘州子の楽曲が流れる中、奇麗な顔立ちを見続けたのです。

 1 打ち解けた心 。真心。よしみ。「款待・款談/交款」2 取り決めの条項。「条款・定款・約款」3 まとまった 金額。「借款」4 金石にくぼませて彫った文字。また、書画に書きつける文字。

韶容 1.清新的光。 2.的容貌。 : 古代曲名。

 

山枕上,長是怯晨鐘。

女は横になり、ふたり枕をならべる、夜長のこんな時間を過ごしていると朝を告げる鐘の音が聞こえて來るのに怯えるようになるのです。。

山枕上 女性が横たわることを山という表現をする。
むくげの花01

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顧夐 甘州子五首 其一》 錦の帳の傍ら香炉より龍涎香と麝香の二つの香が一筋になって立ち上り、屏風に照り映えて浮びあがり、御招きした閨に灯火きらめく。宮中で時刻を知らせるためにならせる鈴音が、今、初更の時を告げる。夜はまだこれからで長いから、嬉しくおもう。ベッドのうえには薄絹の鴛駕の縫い取り模様の敷物の上にまねかれる、

 

2014年3月8日

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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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甘州子五首

其一

(役所が引けて、西域地方から来た、お香の香りの女の閨に招かれ、秋の夜長を二人で過ごす。)

一爐龍麝錦帷旁,屏掩映,燭熒煌。

錦の帳の傍ら香炉より龍涎香と麝香の二つの香が一筋になって立ち上り、屏風に照り映えて浮びあがり、御招きした閨に灯火きらめく。

禁樓刁斗喜初長,羅薦繡鴛鴦。

宮中で時刻を知らせるためにならせる鈴音が、今、初更の時を告げる。夜はまだこれからで長いから、嬉しくおもう。ベッドのうえには薄絹の鴛駕の縫い取り模様の敷物の上にまねかれる、

山枕上,私語口脂香。

女は横になり、ふたり枕をならべる、耳元にささやく時に口紅の香がする。

 

(甘州子五首 其の一)

一爐の龍麝【りょうじゃ】錦帷【きんい】の旁ら,屏 掩て映し,燭 熒煌【けいこう】たり。

禁樓の刁斗【ちょうと】 初めて長きを喜び,羅薦【らせん】繡りの鴛鴦あり。

山 枕の上に,私語 口脂の香。

 

其二

每逢清夜與良晨,多悵望,足傷神。

雲迷水隔意中人,寂寞繡羅茵。

山枕上,幾點淚痕新。

 

其三

曾如劉阮訪仙蹤,深洞客,此時逢。

綺筵散後繡衾同,款曲見韶容。

山枕上,長是怯晨鐘。

 

其四

露桃花裏小樓深,持玉盞,聽瑤琴。

醉歸青瑣入鴛衾,月色照衣襟。

山枕上,翠鈿鎮眉心。

 

其五

紅鑪深夜醉調笙,敲拍處,玉纖輕。

小屏古畫岸低平,煙月滿閑庭。

山枕上,燈背臉波橫。

木蓮001
 

 

『甘州子五首其一』 現代語訳と訳註

(本文)

甘州子五首 其一

一爐龍麝錦帷旁,屏掩映,燭熒煌。

禁樓刁斗喜初長,羅薦繡鴛鴦。

山枕上,私語口脂香。

 

(下し文)

(甘州子五首 其の一)

一爐の龍麝【りょうじゃ】錦帷【きんい】の旁ら,屏 掩て映し,燭 熒煌【けいこう】たり。

禁樓の刁斗【ちょうと】 初めて長きを喜び,羅薦【らせん】繡りの鴛鴦あり。

山 枕の上に,私語 口脂の香。

 

(現代語訳)

(役所が引けて、西域地方から来た、お香の香りの女の閨に招かれ、秋の夜長を二人で過ごす。)

錦の帳の傍ら香炉より龍涎香と麝香の二つの香が一筋になって立ち上り、屏風に照り映えて浮びあがり、御招きした閨に灯火きらめく。

宮中で時刻を知らせるためにならせる鈴音が、今、初更の時を告げる。夜はまだこれからで長いから、嬉しくおもう。ベッドのうえには薄絹の鴛駕の縫い取り模様の敷物の上にまねかれる、

女は横になり、ふたり枕をならべる、耳元にささやく時に口紅の香がする。

 木蘭00

 

(訳注)

甘州子五首

唐の教坊の曲名。『花問集』には顧夐の五首のみ所収。単調三十三字、七句五平韻で、⑦3③⑦⑤3⑤の詞形をとる。

甘州子は西域から花街に来た娘をいう。 唐の長安は当時世界最大の都市で、国際交流都市であった。そこには青い目の娘がいた。特にペルシャ系、トルコ系の美女が詩に登場している。雅楽に「甘州子」がある。中国の雅楽は,〈雅正の楽〉の意で俗楽に対立し,儒教の礼楽思想に基づいて成立,発展したために狭義には天地宗廟の祭祀楽を意味するが,広義には国家,宮廷の儀式や宴饗の楽も含める。狭義の雅楽は古来の雅楽器を用い,堂上登歌(どうじようとうか),堂下楽懸(どうかがくけん)の2種の楽を奏し,八佾(はちいつ)の舞を舞うという一定の形式を有する。

甘州(かんしゅう)は中国にかつて存在した州。現在の中華人民共和国甘粛省張掖市に比定される。南北朝時代には西魏により西涼州が設置され、553年(廃帝3年)に甘州と改称された。その後、隋代は、隋朝が成立すると当初は甘州が設置され27県を管轄した。607年(大業3年)には郡制施行に伴い武威郡と改称された。

 

其一

(役所が引けて、西域地方から来た、お香の香りの女の閨に招かれ、秋の夜長を二人で過ごす。)

長い夜の共寝の喜びを詠う。末尾、愛しの女のささやく口許から口紅の香りが漂うという表現、夜の濃密な男女の愛の姿を描き出している。

 

一爐龍麝錦帷旁,屏掩映,燭熒煌。

錦の帳の傍ら香炉より龍涎香と麝香の二つの香が一筋になって立ち上り、屏風に照り映えて浮びあがり、招かれた閨に灯火きらめきあかるい。

龍麝 龍涎香と麝香。龍涎は鯨の内分泌物が固まってできた動物性の香料。高貴な香料で大食国(サラセン国)の近海から採れる。麝香は麝香鹿から採れる香料。なお龍を龍脳香と解する説もある。

掩映 屏風全体を掩い映える。

熒煌 きらきらする、輝く。

 

禁樓刁斗喜初長,羅薦繡鴛鴦。

宮中で時刻を知らせるためにならせる鈴音が、今、初更の時を告げる。夜はまだこれからで長いから、嬉しくおもう。ベッドのうえには薄絹の鴛駕の縫い取り模様の敷物の上にまねかれる、

禁楼刁斗 宮中で時刻を知らせるためにならせる鈴。刁斗は鈴。

喜初長 夜の最初の時刻の知らせがあったばかりなのに、一緒にいる夜が長いのが嬉しいという意。

羅薦 うす絹の床敷。

 

山枕上,私語口脂香。

女は横になり、ふたり枕をならべる、耳元にささやく時に口紅の香がする。

山枕上 女性が横たわることを山という表現をする。
鸂鶒けいせき001
DCF00207
 

12 -11 望梅花一首  和學士凝(和凝【わぎょう】)二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-438-12-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3737

和凝《望梅花》 季節が変わって、春芽生えて成長した草草が全部萎れ、枯れたのも消えていった。12月も暮れて雪が積もり根雪として残り、進んだ足跡も残っていた。どんなことが起こったとしてもあの楽しい思い出の詰まった洛陽のようなところはどこにもない、ただ、今、耳に聞こえてきた、あの洛陽で聞いていた「横笛曲」にある「梅花落」の曲は何処の娼屋の家で演奏されているのだろうか。


2014年2月11日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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班孟堅(班固)《東都賦》(35)(白雉の詩) 文選 賦 賦<113―35>18分割35回 Ⅱ李白に影響を与えた詩1037kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3733 (35)(白雉の詩)
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《別趙子》#3韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <950>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3734韓愈詩-245
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ282 《遊城南十六首:風折花枝》 韓愈kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3736 (02/11)
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『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩韓愈全詩李白全集文選花間集 古詩源 玉台新詠

 

12 -11 望梅花一首  和學士凝二十首Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-438-12-#11   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3737(梅花を望む)

 

      
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 ■ 和學士凝(和凝【わぎょう】)二十首  
 1六巻12 -1 小重山二首其一 和學士凝二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-428-12-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3687和凝 
 2六巻12 -2 小重山二首其二 和學士凝二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-429-12-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3692和凝 
 3六巻12 -3 臨江仙二首 其一  和學士凝二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-430-12-#3  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3697和凝 
 4六巻12 -4 臨江仙二首其二 和學士凝二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-431-12-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3702和凝 
 5六巻12 -5 菩薩蠻一首 其一 和學士凝二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-432-12-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3707和凝 
 6六巻12 -6 山花子二首 其一 和學士凝二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-433-12-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3712和凝 
 7六巻12 -7 山花子二首 其二  和學士凝二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-434-12-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3717和凝 
 8六巻12 -8 河滿子二首 其一 和學士凝二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-435-12-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3722和凝 
 9六巻12 -9 河滿子二首 其二  和學士凝二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-436-12-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3727和凝 
 10六巻12 -10 薄命女一首 其一 和學士凝(和凝【わぎょう】)二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-437-12-#10  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3732和凝 
 11六巻12 -11 望梅花一首  和學士凝(和凝【わぎょう】)二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-438-12-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3737和凝 
 12六巻12 -12 天仙子二首 其一 和學士凝(和凝【わぎょう】)二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-439-12-#12  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3742和凝 
 13六巻12 -13 天仙子二首 其二  和學士凝(和凝【わぎょう】)二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-440-12-#13  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3747和凝 
 14六巻12 -14 春光好二首 其一 和學士凝(和凝【わぎょう】)二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-441-12-#14  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3752和凝 
 15六巻春光好二首 其二和凝 
 16六巻採桑子一首 和凝 
 17六巻柳枝三首  其一和凝 
 18六巻柳枝三首  其二和凝 
 19六巻柳枝三首  其三和凝 
 20六巻漁父一首  其一和凝 
      


和學士凝(和凝)二十首 和凝,字成績,五代詞人。曾官翰林學士知制誥等職。

12 -6 山花子二首 其一 和學士凝二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-433-12-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3712

 

 

望梅花

(昔は雅な生活をし、たのしいおもいをしたことを年の暮れ、枯れ枝に春の予感を見て、また若いころを思い出すと、何処からか笛の音が聞えて来た、)

春草全無消息,臈雪猶餘蹤跡。

季節が変わって、春芽生えて成長した草草が全部萎れ、枯れたのも消えていった。12月も暮れて雪が積もり根雪として残り、進んだ足跡も残っていた。

越嶺寒枝香自拆,冷豔奇芳堪惜。

秦嶺山脈を越えると枯葉の落ちた枝には新たな息吹がその枝から出ていて、手折ってみると萌えの香りがしてきた。こんなように冷ややかな色気というのはその中に秘めているもので、年増になって変わってきた香には我慢するに堪えないと思うのです。

何事壽陽無處覓,吹入誰家橫笛。

どんなことが起こったとしてもあの楽しい思い出の詰まった洛陽のようなところはどこにもない、ただ、今、耳に聞こえてきた、あの洛陽で聞いていた「横笛曲」にある「梅花落」の曲は何処の娼屋の家で演奏されているのだろうか。

(梅花を望む)

春草 全無にして息を消し,臈雪【ろうせつ】猶お蹤跡に餘る。

越嶺 寒枝 香れば自ら拆り,冷豔【れいえん】奇芳 惜しむを堪えん。

何事ぞ壽陽 覓むる處無し 誰が家か「橫笛」の曲を,吹き入るは。

海棠花05
 

『望梅花』 現代語訳と訳註

(本文) 望梅花

春草全無消息,臈雪猶餘蹤跡。

越嶺寒枝香自拆,冷豔奇芳堪惜。

何事壽陽無處覓,吹入誰家橫笛。

 

(下し文)

(梅花を望む)

春草 全無にして息を消し,臈雪【ろうせつ】猶お蹤跡に餘る。

越嶺 寒枝 香れば自ら拆り,冷豔【れいえん】奇芳 惜しむを堪えん。

何事ぞ壽陽 覓むる處無し 誰が家か「橫笛」の曲を,吹き入るは。 

 

(現代語訳)

(昔は雅な生活をし、たのしいおもいをしたことを年の暮れ、枯れ枝に春の予感を見て、また若いころを思い出すと、何処からか笛の音が聞えて来た、)

季節が変わって、春芽生えて成長した草草が全部萎れ、枯れたのも消えていった。12月も暮れて雪が積もり根雪として残り、進んだ足跡も残っていた。

秦嶺山脈を越えると枯葉の落ちた枝には新たな息吹がその枝から出ていて、手折ってみると萌えの香りがしてきた。こんなように冷ややかな色気というのはその中に秘めているもので、年増になって変わってきた香には我慢するに堪えないと思うのです。

どんなことが起こったとしてもあの楽しい思い出の詰まった洛陽のようなところはどこにもない、ただ、今、耳に聞こえてきた、あの洛陽で聞いていた「横笛曲」にある「梅花落」の曲は何処の娼屋の家で演奏されているのだろうか。

 

(訳注)

望梅花

(昔は雅な生活をし、たのしいおもいをしたことを年の暮れ、枯れ枝に春の予感を見て、また若いころを思い出すと、何処からか笛の音が聞えて来た、)

唐の教坊の曲名。『花間集』には和擬と孫光憲のそれぞれ一篇の二篇所収。単調三十八字、六句四仄韻で、6❻❼❻7❻の詞形をとる。

和學士凝(和凝)

望梅花一首

孫少監光憲

望梅花一首

 

春草全無消息,臈雪猶餘蹤跡。

季節が変わって、春芽生えて成長した草草が全部萎れ、枯れたのも消えていった。12月も暮れて雪が積もり根雪として残り、進んだ足跡も残っていた。

臈雪【ろうせつ】 陰暦12月に降る雪。臘雪・臈雪・﨟雪.

蹤跡 1 事が行われたあと。事跡。踪跡(そうせき)2 あとを追うこと。追跡。また、行方。踪跡。

 

越嶺寒枝香自拆,冷豔奇芳堪惜。

秦嶺山脈を越えると枯葉の落ちた枝には新たな息吹がその枝から出ていて、手折ってみると萌えの香りがしてきた。こんなように冷ややかな色気というのはその中に秘めているもので、年増になって変わってきた香には我慢するに堪えないと思うのです。

越嶺 秦嶺山脈を越えること。

冷豔 【れいえん】冷艶。冷ややかな美しさ。

堪惜 おしむにたえる。

 

何事壽陽無處覓,吹入誰家橫笛。

どんなことが起こったとしてもあの楽しい思い出の詰まった洛陽のようなところはどこにもない、ただ、今、耳に聞こえてきた、あの洛陽で聞いていた「横笛曲」にある「梅花落」の曲は何処の娼屋の家で演奏されているのだろうか。

壽陽 ここは洛陽をいう。江蘇、南から秦嶺山脈を越えて行く、妓女が若くて華やかな頃、男の旅に同行して洛陽の早春を楽しんだのだろう。楽しい思い出の残る「洛陽」ということ。壽陽には、壽陽縣(山西省晋中市に位置する県)、明穆宗の壽陽公主(名朱堯娥,明穆宗之女)・壽:(1)めでたいこと。 (2)めでたいことを祝うこと。また、祝いの言葉や儀式。ことほぎ。・陽:① 日。日の光。「陽光/斜陽・春陽・夕陽・太陽・朝陽・落陽」② ひなた。山の南側。川の北側。「山陽・洛陽(らくよう)」③ 明るく暖かい。「陽春」④ うわべをいつわる。

橫笛 橫笛:漢代の「横笛曲」にある「梅花落」という笛曲。中国古代音楽於いての楽器は、竪箜篌・琵琶・五絃・笙・橫笛・簫・篳篥・羯鼓・. 腰鼓・荅臘などがある。
王屋山00
 

12 -9 河滿子二首 其二  和學士凝(和凝【わぎょう】)二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-436-12-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3727

和凝《河滿子二首 其二》 魚箋雁書を写し取るようにあのひとにこの身を捧げ何度も尽くしたものです。それはまるで花の首飾りのようで春の日差しの中で輝いていました。巫山で夢に神女と契った神女は朝には巫山の雲となり夕べには雨になって交情したというのに、それも今、目にすることはなくなりました。仏教の教えのように心を「無」にしてみるけれど、忘れられない楽しい夢は残り、慕う気持ちは何時までも続いているのです。


2014年2月9日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 12 -9 河滿子二首 其二  和學士凝二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-436-12-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3727
 
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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
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登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
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温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
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12 -9 河滿子二首 其二  和學士凝二十首Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-436-12-#9   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3727

 

 

和學士凝二十首

小重山二首

其一

其二

 

臨江仙二首

其一

其二

 

菩薩蠻一首

其一

 

 

山花子二首

其一

其二

 

河滿子二首

其一

其二

 

薄命女一首

其一

 

 

望梅花一首

其一

 

 

天仙子二首

其一

其二

 

春光好二首

其一

其二

 

採桑子一首

其一

 

 

柳枝三首

其一

其二

其三

漁父一首

其一

 

 

和學士凝(和凝)二十首 和凝,字成績,五代詞人。曾官翰林學士知制誥等職。

12 -1 小重山二首其一 和學士凝二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-428-12-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3687

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12 -3 臨江仙二首 其一  和學士凝二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-430-12-#3  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3697

12 -4 臨江仙二首其二 和學士凝二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-431-12-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3702

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河滿子二首

其一

(年増の芸妓が昔を思い出し、無邪気に遊ぶ少女を見て羨ましく詠う。)

正是破瓜年幾,含情慣得人饒。

まさにあの十六歳の年で初体験をしてもう何年になるのでしょうか。いまでは思いを込め、甘えて自分の方から求めるようになりました。 

桃李精神鸚鵡舌,可堪虛度良宵。

芸妓などの世界に桃李のように男があつまって來るということで麗しい春の情が満ちているということは今では、口上手に鸚鵡のように話します。そんなわたしも、こんなに素晴らしい夜なのに空しく過ごす夜になってしまったのです。 

卻愛藍羅裙子,羨他長束纖腰。

愛することなくして(無邪気に)藍色のうすぎぬのスカートを身に着けて、今の若い女は、いつもしなやかに細い腰をしめているのは羨ましくなるのです。

 

其二

(年増の芸妓が昔を思い出し、芸妓の卵の少女を見て羨ましくおもい詠う。その二。)

寫得魚牋無限,其如花鏁春輝。

魚箋雁書を写し取るようにあのひとにこの身を捧げ何度も尽くしたものです。それはまるで花の首飾りのようで春の日差しの中で輝いていました。

目斷巫山雲雨,空教殘夢依依。

巫山で夢に神女と契った神女は朝には巫山の雲となり夕べには雨になって交情したというのに、それも今、目にすることはなくなりました。仏教の教えのように心を「無」にしてみるけれど、忘れられない楽しい夢は残り、慕う気持ちは何時までも続いているのです。

卻愛熏香小鴨,羨他長在屏幃。

愛情なんかまだ縁のないような、お香の薫る閨にまだ幼い芸妓の卵が居ます。この閨の四面屏風と戸張の檻から出られないこの身にとってはそんなむじゃきな女の子を羨ましいと思うのです。

tsubame
 
(河滿子二首其の二)

魚牋を寫得する限り無く,其は花の如く春輝に鏁す

目斷す 巫山の雲雨に,空しく教う 殘夢 依依なるを。

卻て熏香 小鴨を愛し,他を羨むは長しく屏幃にる在を。
 

 

『河滿子二首』 現代語訳と訳註

(本文)

河滿子二首 其二

寫得魚牋無限,其如花鏁春輝。

目斷巫山雲雨,空教殘夢依依。

卻愛熏香小鴨,羨他長在屏幃。

 

(下し文)

(河滿子二首其の二)

魚牋を寫得する限り無く,其は花の如く春輝に鏁す

目斷す 巫山の雲雨に,空しく教う 殘夢 依依なるを。

卻て熏香 小鴨を愛し,他を羨むは長しく屏幃にる在を。

 

(現代語訳)

(年増の芸妓が昔を思い出し、芸妓の卵の少女を見て羨ましくおもい詠う。その二。)

魚箋雁書を写し取るようにあのひとにこの身を捧げ何度も尽くしたものです。それはまるで花の首飾りのようで春の日差しの中で輝いていました。

巫山で夢に神女と契った神女は朝には巫山の雲となり夕べには雨になって交情したというのに、それも今、目にすることはなくなりました。仏教の教えのように心を「無」にしてみるけれど、忘れられない楽しい夢は残り、慕う気持ちは何時までも続いているのです。

愛情なんかまだ縁のないような、お香の薫る閨にまだ幼い芸妓の卵が居ます。この閨の四面屏風と戸張の檻から出られないこの身にとってはそんなむじゃきな女の子を羨ましいと思うのです。

 

(訳注)

河滿子二首

唐の教坊曲、花間集には河滿子は五首あり、和凝は二首所収。単調三十六字、三平韻6⑥6⑥6⑥の詞形をとる。

和學士凝(和凝)

河滿子二首

孫少監光憲

河滿子一首

毛秘書熙震

河滿子二首

 

 

 

 

 翠冠001

其二

(年増の芸妓が昔を思い出し、芸妓の卵の少女を見て羨ましくおもい詠う。その二。)

 

寫得魚牋無限,其如花鏁春輝。

魚箋雁書を写し取るようにあのひとにこの身を捧げ何度も尽くしたものです。それはまるで花の首飾りのようで春の日差しの中で輝いていました。

牋(箋)魚箋雁書《「漢書」蘇武伝の、匈奴(きょうど)に捕らえられた前漢の蘇武が、手紙を雁の足に結びつけて放ったという故事から》便り。手紙。かりのたまずさ。かりのたより。かりのふみ。雁書。雁使(がんし)。≪双鯉≫の詩、或いは”魚腹蔵書”の故事と、漢朝 蘇武の”雁足伝書”故事を連想し”魚雁”をも書簡の別名として”魚腸雁足”、”雁封鯉素”” 魚雁沈浮”等に用いています。「鯉魚尺素」の略。鯉の腹の中から白絹(=素)に書かれた手紙が出てきた故事による。 「古楽府」飲馬長城窟行

花鏁 はなのくびかざり。・鏁【じょう】 〔錠・鏁・鎖〕① 戸・箱の蓋(ふた)などにつけて,自由に開閉できないようにする金具。1 金属製の輪を数多くつなぎ合わせて、ひもや綱のようにしたもの。かなぐさり。「犬を―でつなぐ」「懐中時計の―」. 2 物と物とを結びつけているもの。

 

目斷巫山雲雨,空教殘夢依依。

巫山で夢に神女と契った神女は朝には巫山の雲となり夕べには雨になって交情したというのに、それも今、目にすることはなくなりました。仏教の教えのように心を「無」にしてみるけれど、忘れられない楽しい夢は残り、慕う気持ちは何時までも続いているのです。

巫山雲雨 男女の交情をいう。楚王:蜀の国。ここの巫山県の東部に巫山がある。現・四川省のこと。・雲雨:男女の交情をいう。楚の襄王が巫山で夢に神女と契ったことをいう。神女は朝には巫山の雲となり夕べには雨になるという故事からきている。

宋玉『高唐賦』によると、楚の襄王と宋玉が雲夢の台に遊び、高唐の観を望んだところ、雲気(雲というよりも濃い水蒸気のガスに近いもの(か))があったので、宋玉は「朝雲」と言った。襄王がそのわけを尋ねると、宋玉は「昔者先王嘗游高唐,怠而晝寢,夢見一婦人…去而辭曰:妾在巫山之陽,高丘之阻,旦爲朝雲,暮爲行雨,朝朝暮暮,陽臺之下。」と答えた。「巫山之夢」。婉約の詩詞によく使われるが、千載不磨の契りといった感じのものではなく、もっと、気楽な契りをいう。

牛希濟『臨江仙七首』其一

峭碧參差十二峯,冷煙寒樹重重。

宮殿是仙蹤,金鑪珠帳,香靄晝偏濃。

一自楚王驚夢斷,人間無路相逢。

至今雲雨帶愁容,月斜江上,征棹動晨鐘。

10 -5 臨江仙七首其一 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-402-10-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3557

空教【くうきょう】仏語。三時教(さんじきょう)の一。有()に執着している者を悟らせるため、すべては空であると説く教法。

依依 思い慕うさま。離れがたいさま。ここでは心配して心をその人に寄せること。

 

 

卻愛熏香小鴨,羨他長在屏幃。

愛情なんかまだ縁のないような、お香の薫る閨にまだ幼い芸妓の卵が居ます。この閨の四面屏風と戸張の檻から出られないこの身にとってはそんなむじゃきな女の子を羨ましいと思うのです。

卻愛:愛することをしりぞける。卻:ひとえに。 あえて、かえって、逆に。かつて。しりぞける。

小鴨【こがも】利用しやすい仲のよい可愛い女。「従兄弟同士は鴨の味」(いとこ婚。)いとこ同士の夫婦の仲はとても睦まじいということ。

カモ科の鳥。全長約38センチ、日本のカモ類では最小。雄は背が灰色がかった色で、顔は茶色、目の後方が緑色。雌は全体に淡褐色。冬鳥として各地の池沼に渡来するが、北日本では繁殖するものもある。たかぶがも。《季 冬》

この二首其二の最終聯は其一の変化形である。

和凝『河滿子二首其一』「卻愛藍羅裙子、羨他長束繊腰」(愛することなくして(無邪気に)藍色のうすぎぬのスカートを身に着けて、今の若い女は、いつもしなやかに細い腰をしめているのは羨ましくなるのです。)

○卻愛:愛することをしりぞける。卻:ひとえに。 あえて、かえって、逆に。かつて。しりぞける。○藍:藍色。 ○羅裙子:うすぎぬのスカート。○羨:うらやましく思う。 ・他:それ。その少女のスカートを指す。○長:いつも。いつまでも。とこしえに。=常。 ○束:(帯を)しめる。 ○繊腰:(若い女性の)細い腰。
花鴨004
 

12 -3 臨江仙二首 其一  和學士凝(和凝【わぎょう】)二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-430-12-#3  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3697

和凝《臨江仙二首 其一》あれほどに妖艶に咲き誇った海棠花も香りが衰えるもので、この銭塘江のほとりの晩春の景色も変わろうとしているころには、小さい高楼は霧霞の薄い衣にまかれ、ぼんやりと薄暗くぼんやりしているのです。若くてみどりの黒髪のもとどりにした髪型で初めてお座敷に出て、刺繍の簾にかこまれた閨です。麝香は部屋中にただよっていて、鸞の佩び玉は風の中にあるように揺れました。


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Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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12 -3 臨江仙二首 其一  和學士凝二十首Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-430-12-#3   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3697

 

 

張舍人泌

臨江仙一

毛文錫(毛司徒文錫)

臨江一首

牛學士希濟

臨江

和學士凝

臨江仙二首

(顧太尉

臨江仙三首

孫少監光憲

臨江仙二首

魏太尉承班

臨江仙二首

閻處士選

臨江仙二首

毛秘書熙震

臨江仙二首

李秀才珣

臨江仙二首

張泌:湘江の女神、娥皇と女英の所縁の地を巡り、そこにいる道妓を思いを詠う。)

毛文錫:(湘江の女神、娥皇と女英の所縁の地を巡り、そこにいる道妓を思いを詠う。)

牛希濟:1.(三峡の巫峡を下る際に立ち寄った聖女の祠で夢かうつつかの時を過ごして神に見守られて急流を下っていく。)

2.(東方朔『海内十洲記』の中で高尚な出会い―(女のもとを訪ねる男の気持ちを詠う。)

3.(渭水の傍、手を携えてゆけば人間社会の障壁なんか何もなくなる世界に行けるのだと詠う。)

4. (長江にかこまれた黄帝の霊廟近くの聖女祠、女妓のところに通う男を詠う。)

5. (船に乗って洛陽に入る。洛陽の宮城には女の悲しいこと、果たせぬ恋もあったということを詠う)

6. (三方を漢水にかこまれた襄陽の大堤の花街に行くのに理由などあろうかということを詠う)

7. (洞庭湖に面した渡し場に、君山島に、羅浮山にそれぞれ仙郷として女妓たちがいる。)

 

臨江仙二首 其一

(会稽の歓楽街の女の若いころもてはやされたものが今では盛りを過ぎて、尋ねる人もなく初夏を迎えようとしている)

海棠香老春江晚,小樓霧縠濛。

あれほどに妖艶に咲き誇った海棠花も香りが衰えるもので、この銭塘江のほとりの晩春の景色も変わろうとしているころには、小さい高楼は霧霞の薄い衣にまかれ、ぼんやりと薄暗くぼんやりしているのです。

翠鬟初出繡簾中,麝煙鸞珮蘋風。

若くてみどりの黒髪のもとどりにした髪型で初めてお座敷に出て、刺繍の簾にかこまれた閨です。麝香は部屋中にただよっていて、鸞の佩び玉は風の中にあるように揺れました。

碾玉釵搖鸂鶒戰,雪肌雲鬢將融。

磨かれた宝玉の髪飾りと簪が揺れ、仲の良いケイセキが爭っているよう、真白な雪のような肌、両鬢にくも型の流行の髪型、まさにそれらが見事に融和していました。

含情遙指碧波東,越王臺殿蓼花紅。

あの人を思う気持ちではるか向こうを指さします。その先には仙郷に続く海原が東に向かって広がっているのです。ここは越王が復讐で西施を呉に献上した朝廷があったところに夏を迎えた今でも、蓼の花が赤く咲いているのです。

 

其二

披袍窣地紅宮錦,鶯語時囀輕音。

碧羅冠子穩犀簪,鳳皇雙颭步搖金。

肌骨細勻紅玉軟,臉波微送春心。

嬌羞不肯入鴛衾,蘭膏光裏兩情深。

 

王屋山00
 

『臨江仙二首』 現代語訳と訳註

(本文)

臨江仙二首 其一

海棠香老春江晚,小樓霧縠濛。

翠鬟初出繡簾中,麝煙鸞珮蘋風。

碾玉釵搖鸂鶒戰,雪肌雲鬢將融。

含情遙指碧波東,越王臺殿蓼花紅。

 

(下し文)

(臨江仙二首 其の一)

海棠 香老 春江の晚,小樓 霧縠し 濛す。

翠鬟 初めに出でて 繡簾の中,麝煙 鸞珮 風に蘋す。

碾玉 釵搖して鸂鶒の戰,雪肌 雲鬢 將に融る。

含情 遙指 碧波の東,越王の臺殿 蓼花 紅なり。

 

(現代語訳)

(会稽の歓楽街の女の若いころもてはやされたものが今では盛りを過ぎて、尋ねる人もなく初夏を迎えようとしている)

あれほどに妖艶に咲き誇った海棠花も香りが衰えるもので、この銭塘江のほとりの晩春の景色も変わろうとしているころには、小さい高楼は霧霞の薄い衣にまかれ、ぼんやりと薄暗くぼんやりしているのです。

若くてみどりの黒髪のもとどりにした髪型で初めてお座敷に出て、刺繍の簾にかこまれた閨です。麝香は部屋中にただよっていて、鸞の佩び玉は風の中にあるように揺れました。

磨かれた宝玉の髪飾りと簪が揺れ、仲の良いケイセキが爭っているよう、真白な雪のような肌、両鬢にくも型の流行の髪型、まさにそれらが見事に融和していました。

あの人を思う気持ちではるか向こうを指さします。その先には仙郷に続く海原が東に向かって広がっているのです。ここは越王が復讐で西施を呉に献上した朝廷があったところに夏を迎えた今でも、蓼の花が赤く咲いているのです。

 

(訳注)

臨江仙二首

唐の教坊の曲名。『花間集』には初めに示した表のとおり、二十六首所収。和凝の作は二首収められている。双調五十八字、前段二十六字四句三平韻で、後段二十七字四句三平韻7⑥⑦⑥/7⑥⑦⑦の詞形をとる。

 

其一

(会稽の歓楽街の女の若いころもてはやされたものが今では盛りを過ぎて、尋ねる人もなく初夏を迎えようとしている)

 

海棠香老春江晚,小樓霧縠濛。

あれほどに妖艶に咲き誇った海棠花も香りが衰えるもので、この銭塘江のほとりの晩春の景色も変わろうとしているころには、小さい高楼は霧霞の薄い衣にまかれ、ぼんやりと薄暗くぼんやりしているのです。

江 下句八句目に「越王臺殿」とあり、会稽、紹興の歓楽街を示すもので、銭塘江のこと。

/空濛【くうもう】小雨や霧のために、ぼんやりと薄暗いさま。濛: 煙雨迷茫的樣子。如:「剛下過一場雨,山間一片濛的景色。」亦作「空濛」。武元衝『題嘉陵驛』「悠悠風旆繞山川,山驛空濛雨作煙。路半嘉陵頭已白,蜀門西更上靑天。」(武元衝が蜀に入る途上で詠った詩。)ゆつたりと落ち着いて風に靡く旗の行列が秦嶺山脈、大巴山の大山脈と、岷山の大山脈の間の地溝帯を嘉陵江の流れるそれらの山川を繞【めぐ】って進んでいる。山の中の宿場、嘉陵江を渡る手前側では綿谷、利州、渡し場では吉柏津、対岸に渡った益昌とつづくあたりをいう。 津に辿り着いたが、髪の毛は白くなってしまった。蜀の剣閣へは西の方に向かい、更に青天に上【のぼ】るような嶮しい登り道が続いている。

 

翠鬟初出繡簾中,麝煙鸞珮蘋風。

若くてみどりの黒髪のもとどりにした髪型で初めてお座敷に出て、刺繍の簾にかこまれた閨です。麝香は部屋中にただよっていて、鸞の佩び玉は風の中にあるように揺れました。

翠鬟 若いみどりの黒髪のもとどり、張泌『浣溪沙十首其四』「依約殘眉理舊黃,翠鬟擲一簪長,暖風晴日罷朝粧。閑折海棠看又撚,玉纖無力惹餘香,此情誰會倚斜陽。」

浣渓沙 十首 其四 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-342-7-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3257

牛嶠『酒泉子一首』

記得去年,煙暖杏園花發。

雪飄香,江艸綠,柳絲長。

鈿車纖手捲簾望,眉學春山樣。

鳳釵低裊翠鬟上,落梅粧。

6 -26 酒泉子一首 牛嶠ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-409-6-#26  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3592

 

碾玉釵搖鸂鶒戰,雪肌雲鬢將融。

磨かれた宝玉の髪飾りと簪が揺れ、仲の良いケイセキが爭っているよう、真白な雪のような肌、両鬢にくも型の流行の髪型、まさにそれらが見事に融和していました。

碾玉 うすのような形の磨かれた髪飾りの宝飾。

鸂鶒 えんおうのこと。兄弟の喩えにされる鳥。杜甫はよく使う。鸂鶒【けいせき】紫おしどり。謝霊運『鸂鶒賦』「覧水禽之萬族、信莫麗干鸂鶒。」(水禽之萬族を覧るに、信に干鸂鶒麗しきは莫し。)水鳥。いろいろに書く。鳥の名。常葉の大きなもので、紫色が多いので、紫鷲喬ともいう。
杜甫『春水生 二絶其一』
二月六夜春水生,門前小灘渾欲平。
鸕鸂鸂鶒莫漫喜。吾與汝曹俱眼明。

春水生 二絶其一 杜甫 成都(4)浣花渓の草堂(4 - 9)  杜甫 <414  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2015 杜甫詩1000-414-597/1500

杜甫『江頭五詠:鸂鶒』

故使籠寬織,須知動損毛。

看雲莫悵望,失水任呼號。

六翮曾經剪,孤飛卒未高【孤飛只未高】。

且無鷹隼慮,留滯莫辭勞。

(江頭の五詠:鸂鶒【けいせき】)

故【ことさら】に籠をして織を寛にせしむ、須【すべか】らく知るべし動けば毛を損するを。

雲を看て 猶お悵望す、水を失して呼号するに任す。

六翮【ろくかく】曾て剪らるるを経たり、孤飛 卒【つい】に未だ高からず。

且つ鷹隼【ようしゅん】の慮り無し、留滞 労を辞する莫れ。

 

含情遙指碧波東,越王臺殿蓼花紅。

あの人を思う気持ちではるか向こうを指さします。その先には仙郷に続く海原が東に向かって広がっているのです。ここは越王が復讐で西施を呉に献上した朝廷があったところに夏を迎えた今でも、蓼の花が赤く咲いているのです。

碧波東 東海の蒼海の東には仙界の三山がある。この詩の仙郷は娼屋、会稽の道教の本山の傍の歓楽街を示すものである。

越王 春秋時代後期の越の王勾践(未詳 - 紀元前465年)は、范蠡の補佐を得て当時華南で強勢を誇っていた呉を滅ぼした。春秋五覇の一人に数えられることもある。句践とも表記される。越王允常の子で、楚の恵王の外祖父にあたる。この時、復讐のための策謀として献上した美女たちの中に、西施や鄭旦がいた。きれいな女たちはここに集められてきたこと、集まったこと、ここではその故事を連想させる。

蓼花 たでの花。タデ科 一年草または多年草。草丈20cm2m前後(種類によって異なる)。花期610月。花色 赤紫、ピンクなど。ここは女の盛りを過ぎた年増女を示すものであること。
蓼花01
 

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