玉臺新詠 全十巻 訳注解説

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之   唐五代詞詩・花間集・玉臺新詠 中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。 5年以上のブログ連載。(魚玄機・薛濤・花間集)完掲載 現在《玉臺新詠》完全版連載中 予定(文選【詩篇】文選【賦篇 楚辞 詩經 ・・・・)

虞美人

中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。
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温庭筠の詞詩を約60首程度掲載の後、魚玄機50首程度連載し,薛濤約百首、韋莊五十首
森鴎外小説 『魚玄機』 彼女の詩を冷静に、客観的に分析 過去の女性蔑視の見方を排除して解釈 訳註解説
現在、『花間集』全詩500首、全首連載が終了した。いま、500首全首、見直し、改訂版Ver.2.1として、根本的に語訳、注釈をやり直して掲載しています。出来るだけ(改訂版Ver.2.1)と記している詩を読まれることを薦めます。
現在 玉臺新詠 訳注解説連載中
   玉臺新詠 概要 目録・目次 http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/list1.html

13-6《 虞美人六首 其六 》顧太尉敻(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集」Gs-458-13-(6) 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3837

顧夐 虞美人六首 其六 》 貴公子は、艶めかしく良い色気を持っていて、それは飾り珠の花より美しいのであるから、聖女祠の三天といわれる美女であると雖も、そう遅くない時期には別れを告げられるだろう。聖女子は蓮の花の冠を付け、揺れることのないしっかりした感じの簪を付け、額に花鈿を化粧し髪の横に櫛箆を付け、完全な装いをしている、風がヒューと吹くと薄絹の袖が揺れ、緑の黒髪が軽く動く。この輝かしい艶やかな雰囲気は絵にするには難しい。

2014年3月3日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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張平子(張衡)《西京賦》(20)(甘泉官)#9-1 文選 賦<114―(20)>31分割68回 Ⅱ李白に影響を与えた詩1057 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3833
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●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《次石頭驛寄江西王十中丞閣老〔仲舒也。時為江南西道觀察使,愈自袁還朝作寄。〕》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <970>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3834韓愈詩-263
・李商隠詩 (1)・李商隠詩 (2)●韓愈index-1 青年期・孟郊、張籍と交遊・汴州の乱に遭遇●韓愈詩index-2[800年貞元16年 33歳~804年貞元20年 37歳]●韓愈詩index-3 [805年貞元21年 38歳]陽山から江陵府参事軍 36首●韓愈詩index-4 [806年元和元年 39歳]江陵府参事軍・権知国子博士 51首(1)
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杜甫詩 作時(1) 青年李白杜甫詩 作時(2)青年期・就活杜甫詩 (3)755~756安史の乱に彷徨杜甫詩 (4)作時757年;至徳二年、46歳 安史軍捕縛、脱出、左拾遺杜甫詩 (5)作時758年;乾元元年、47歳 左拾遺、朝廷内疎外、左遷杜甫詩 (6)759年;乾元二年、48歳 秦州抒情詩 
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●花間集全詩●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集
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薛濤の全詩花間集(1)花間集(2)花間集(3)花間集(4)花間集(5)
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13-6 虞美人六首 其六 》顧太尉(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集」Gs-458-13-(6)  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3837

 

 

虞美人六首 其六

(美しい女子が見初められ、道教の祠で結婚の儀式をするが、将来的には男の浮気で捨てられることを心配して詠う)
少年豔質勝瓊英,早晚別三清。

貴公子は、艶めかしく良い色気を持っていて、それは飾り珠の花より美しいのであるから、聖女祠の三天といわれる美女であると雖も、そう遅くない時期には別れを告げられるだろう。

蓮冠穩篸鈿篦橫,飄飄羅袖碧雲輕,畫難成。

聖女子は蓮の花の冠を付け、揺れることのないしっかりした感じの簪を付け、額に花鈿を化粧し髪の横に櫛箆を付け、完全な装いをしている、風がヒューと吹くと薄絹の袖が揺れ、緑の黒髪が軽く動く。この輝かしい艶やかな雰囲気は絵にするには難しい。

遲遲少轉腰身裊,翠靨眉心小。

少し遅れがちにぷいっとそっぽを向いて腰をうごかし体をしなやかに動かす、唇の横に緑の靨鈿の化粧をし、眉は心配な気持ちをあらわして小さく書かれた。

醮壇風急杏花香。

結婚の儀式の祭壇の前に立つと風が急に吹いて来て杏の花の香りがしてくる。

此時恨不駕鸞皇,訪劉郎。

この時仙郷に行く馬車にのくことが出来なかったことは恨みに思うのだ、やっぱりここ訪れたこの人はやがて帰っていく「劉郎」の様な人なのだ。

 

虞美人六首 其の六

少年 豔質にして瓊英に勝れり,早晚 三清に別る。

蓮冠 穩篸 鈿篦橫たえ,飄飄として羅袖 碧雲輕くし,畫 成し難し。

遲遲として少轉し腰身裊【じょう】にし,翠靨【すいよう】 眉心小さきなり。

醮壇【しょうたん】 風急にして杏花香る。

此の時 鸞皇に駕らざるを恨み,劉郎を訪る。

 

 

『虞美人六首 其六』 現代語訳と訳註

(本文)

虞美人六首 其六

少年豔質勝瓊英,早晚別三清。

蓮冠穩篸鈿篦橫,飄飄羅袖碧雲輕,畫難成。

遲遲少轉腰身裊,翠靨眉心小。

醮壇風急杏花香。

此時恨不駕鸞皇,訪劉郎。

 

(下し文)

虞美人六首 其の六

少年 豔質にして瓊英に勝れり,早晚 三清に別る。

蓮冠 穩篸 鈿篦橫たえ,飄飄として羅袖 碧雲輕くし,畫 成し難し。

遲遲として少轉し腰身裊【じょう】にし,翠靨【すいよう】 眉心小さきなり。

醮壇【しょうたん】 風急にして杏花香る。

此の時 鸞皇に駕らざるを恨み,劉郎を訪る。

 

(現代語訳)

(美しい女子が見初められ、道教の祠で結婚の儀式をするが、将来的には男の浮気で捨てられることを心配して詠う)

貴公子は、艶めかしく良い色気を持っていて、それは飾り珠の花より美しいのであるから、聖女祠の三天といわれる美女であると雖も、そう遅くない時期には別れを告げられるだろう。

聖女子は蓮の花の冠を付け、揺れることのないしっかりした感じの簪を付け、額に花鈿を化粧し髪の横に櫛箆を付け、完全な装いをしている、風がヒューと吹くと薄絹の袖が揺れ、緑の黒髪が軽く動く。この輝かしい艶やかな雰囲気は絵にするには難しい。

少し遅れがちにぷいっとそっぽを向いて腰をうごかし体をしなやかに動かす、唇の横に緑の靨鈿の化粧をし、眉は心配な気持ちをあらわして小さく書かれた。

結婚の儀式の祭壇の前に立つと風が急に吹いて来て杏の花の香りがしてくる。

この時仙郷に行く馬車にのくことが出来なかったことは恨みに思うのだ、やっぱりここ訪れたこの人はやがて帰っていく「劉郎」の様な人なのだ。

 

(訳注)

3 –虞美人六首 其六

『花間集』には顧夐の作が六首収められている。双調五十八字、前後段五句二十九字二仄韻三平韻で、❼❺⑦⑦③/❼❺⑦⑦③の詞形をとる。他の男が手を出せない、美しい女妓、宮女を虞美人としてうたうもの。

 

海棠花022

虞美人六首其

(美しい女子が見初められ、道教の祠で結婚の儀式をするが、将来的には男の浮気で捨てられることを心配して詠う)

 

少年豔質勝瓊英,早晚別三清。

貴公子は、艶めかしく良い色気を持っていて、それは飾り珠の花より美しいのであるから、聖女祠の三天といわれる美女であると雖も、そう遅くない時期には別れを告げられるだろう。

瓊英 玉のように美しい輝くばかりの花。瓊:赤い玉という意味。美しい玉、玉のように美しい、赤い玉、サイコロという意味がある。〔説文解字・巻一〕には「赤玉なり。玉に從ひ聲」とある。[1]〔詩経・衞風・木瓜〕の「之れに報ずるに瓊琚を以ってす」について、〔毛伝〕で「瓊、玉の美なる者なり」と注しており、美しい玉という意味、また瓊のように美しいという修飾語として用いられる。瓊筵・瓊琚・瓊漿・瓊楼玉宇。・英 咲いても実のならないはな。はなぶさ。美しい。優れている。姪よ。芽。めばえ。*瓊花 隋から唐の時代、「瓊花(チウンホア)」は「玉蘂」とも呼ばれ、その芳香のある黄白色の花が愛でられたという。ただ不稔であったために、「聚八仙」という台木に接ぎ木して増やしていたそうだが、やがて元軍の進入とともに絶え、その後は残った台木の「聚八仙」が「瓊花」と呼ばれるようになったという。この花は薛濤らしい花である。

三清(さんせい)は、道教の最高神格のこと。「太元」を神格化 ... 老君)の三柱。 それぞれ道教における天上界の最高天「玉清境」「上清境」「太清境」に住し、この三天のことも「三清」と呼ぶ。道観(道教寺院)にはしばしば「三清殿」と称する三清を祀る建物がある。

 

蓮冠穩篸鈿篦橫,飄飄羅袖碧雲輕,畫難成。

聖女子は蓮の花の冠を付け、揺れることのないしっかりした感じの簪を付け、額に花鈿を化粧し髪の横にへらを付け、完全な装いをしている、風がヒューと吹くと薄絹の袖が揺れ、緑の黒髪が軽く動く。この輝かしい艶やかな雰囲気は絵にするには難しい。

蓮冠 頭巾蓮冠 三元(さんげん)とは、1年の中で上元(じょうげん)・中元(ちゅうげん)・下元(かげん)の3つの日の総称である。

篦の用語解説 - 1 竹・木・象牙(ぞうげ)・金属などを細長く薄く平らに削り、先端を少しとがらせた道具。布や紙に折り目や印をつけ、または物を練ったり塗ったりするのに用いる。2 「篦鮒(へらぶな)」の略。

穩篸  穩:おだやか。揺れ動かない。 篸:かんざし。

鈿 花鈿の用語解説 - 仏粧は唐代に入ってからさらに中国の特徴的な化粧として完成した。〈的〉は紅で眉間にさまざまな紋様を描く〈花鈿(かでん)・花子(かし)〉に発達し,また唇の両側に黒点や緑点を描く〈靨鈿(ようでん)・粧靨(しようよう)〉がうまれた。さらに女子俑(よう)に見られるように両ほおに紅で華やかな草花模様を描くようになった。

 

遲遲少轉腰身裊,翠靨眉心小。

少し遅れがちにぷいっとそっぽを向いて腰をうごかし体をしなやかに動かす、唇の横に緑の靨鈿の化粧をし、眉は心配な気持ちをあらわして小さく書かれた。

靨とは?名字辞典。 〔笑()(くぼ)の意〕 (1)笑うと、頬にできる小さなくぼみ。 (2)ほくろ。靨鈿のこと。

 

醮壇風急杏花香。

結婚の儀式の祭壇の前に立つと風が急に吹いて来て杏の花の香りがしてくる。

醮壇 仲良くすることを祈願して作醮の時、一番大事な仕事は壇を設けることで、醮壇は外壇と内壇があります。外壇は各方位の祭り場として建てられ、各方位の壇がお互いに競争するので、いつも全力を尽くして華麗で壮観な醮壇を見せてくれる。

醮:酒を飲み干す。結婚の儀式に返杯をしないこと。嫁入りする。道士が祭壇をつくる。

 

此時恨不駕鸞皇,訪劉郎。

この時仙郷に行く馬車にのくことが出来なかったことは恨みに思うのだ、やっぱりここ訪れたこの人はやがて帰っていく「劉郎」の様な人なのだ。

鸞の用語解説 - 1 「鸞鳥(らんちょう)」に同じ。2 中国で、天子の馬車の軛(くびき)、または天子の旗などにつけた鈴。音を鸞鳥の鳴き声に擬したものという。皇の用語解説 - [音]コウ(クヮウ)(漢) オウ(ワウ)(呉) [訓]きみ すめらぎ すべらぎ[学習漢字]6年〈コウ〉1 天の偉大な神。造物主。「皇天」2 天子。王。君主。

『詩経』『春秋左氏伝』『論語』などでは「聖天子の出現を待ってこの世に現れる」といわれる瑞獣(瑞鳥)のひとつとされる。

劉郎 別れ去る愛しい男。仙桃を味わった浦島太郎のような人物である劉晨=劉郎である夢心地の状態にある男、何年も訪れてくれなくなっているのでこのようにいう。12年もたっていることと、全く景色が変わって、ここにいる女を含めみんなが全く変わっていたというものだ。 

劉禹錫『再遊玄都觀』

百畝庭中半是苔,桃花淨盡菜花開。

種桃道士今何歸,前度劉郞今又來。

再遊玄都觀 本文 劉禹錫 薛濤関連 唐五代詞・宋詩 薛濤-239--#95 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2742

白居易『贈薛濤』

蛾眉山勢接雲霓,欲逐劉郎北路迷。

若似剡中容易到,春風猶隔武陵溪。

贈薛濤 白居易 全唐詩 巻462  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-131--#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2202

牛嶠『女冠子 其三』

星冠霞帔,住在蘂珠宮裏。佩叮

明翠搖蟬翼,纖珪理宿粧。

醮壇春艸綠,藥院杏花香。

青鳥傳心事,寄劉郎

女冠子四首 其三 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-316-5-#57-7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3127

牛嶠『夢江南二首 其二』

紅繡被,兩兩間鴛鴦。

不是鳥中偏愛爾,為緣交頸睡南塘,全勝薄情郎

夢江南二首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】 ⅩⅫ唐五代詞、「花間集」 Gs-319-6-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3142 

○阮郎 別れ去って久しく帰らぬ愛しい男。後漢の劉展、阮肇は天台山に薬草を採りに入り、道に迷って仙女に出合い、しばらくともに暮らした。しかし家のことが思い起こされ、帰ってみると、既に数世が過ぎ、見知った人は誰もいなかった。そこで再び山に尋ね入ったが、仙女を探し当てられなかったと言う。以来、阮郎、劉部は、別れ去る男や別れ去って久しく帰らぬ愛しい男を指すようになった。・檀郎/安仁/潘郎 晋の潘岳のあざな。彼は美男子であり、詩人であったが、妻の死にあい「悼亡」の詩三首を作った。後世、妻の死をなげいた模擬作が多く作られた。潘岳の幼名が檀奴だったので、「檀郎」は夫や恋い慕う男を意味する。・潘岳:安仁。滎陽(けいよう)中牟(河南省)の人。陸機と並ぶ美文の文学の大家で,錦を敷きのべたような絢爛(けんらん)たる趣をたたえられた。ことに人の死を悼む哀傷の詩文を得意とし,亡妻への尽きぬ思いをうたった〈悼亡詩(とうぼうし)〉3首はよく知られる。絶世の美男として,また権門の間を巧みに泳ぎまわる軽薄才子として,とかく話題にこと欠かなかった。八王の乱の渦中で悲劇的な刑死を遂げた。

江南二首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】 ⅩⅫ唐五代詞、「花間集」 Gs-319-6-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3142
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13-5《 虞美人六首 其五 》顧太尉敻(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集」Gs-457-13-(5) 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3832

顧夐 虞美人六首 其五  この閨のまわりにも春の景色が深くなってくるという年増美人の場合でも、起きて思い焦がれ、寝ては夢想して待つのも疲れ果てる。春蕪のように白くてやわらかいその身も、春の日の長いのも共に恨んでしまうことになる。高麗鶯でさえ愛嬌よく囀って、香しくにおい立つほど優美であっても、汚されてしまうのは美人でもそうである。杏の花さく枝に絵のように美しくても霞がかかれば見えないし、窓を閉めれば見えはしない。

2014年3月2日

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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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花間集『虞美人』十四首

毛文錫(毛司徒文錫)

虞美人二首

顧太尉

虞美人六首

孫少監光憲

虞美人(虞每人)二首

鹿太保虔扆

虞美人一首 

閻處士選

虞美人二首

李秀才珣

虞美人一首

 

 

虞美人六首

其一

曉鶯啼破相思夢,簾看金泥鳳。

宿粧猶在酒初醒,翠翹慵整倚雲屏,轉娉婷。

香檀細畫侵桃臉,羅袂輕輕斂。

佳期堪恨再難尋,綠蕪滿院柳成陰,負春心。

(逢えなくても我慢してきた春の心が約束の日にも訪ねてくれず、心も体も満たされず、女の浮気心を目覚めさせることを詠う。)

夜も眠りにつけずうとうととしていると、春を告げに鶯が啼き、あの人と過ごす夢の続きを破られてしまう。起き上がり、寝床を離れて金泥の鳳模様の簾を巻き上げてみる。

寝化粧はそのまま残っていて、酒はいくら飲んでも初めから酔いはしなかった、鏡を見て、翡翠の簪を物憂げの心でなおしてみて、雲母の屏風に寄り添ってみる。どうみてもこれだけ艶めかしさいっぱいなのだ。 

香しき薄紅色の白粉を眉尻から頬にかけてすかしを入れて、桃の花のように優しい顔に化粧をなおした。涙がにじむので薄絹の袂でそっとなんども拭う。

逢瀬の約束の日というのに、再び語り合うことが出来ないという、恨めしき気持ちのまま堪えなければいけないのだ。奥の院の庭一面に草花は生えさきみだれ、やがて柳のはがしげって暗く影を為す季節になろうという、春になればあの人と情を交わし合うという期待はやぶられてしまった、もうその気持ちは失って他の人に思いを寄せることになるのだろうか。

鴛鴦 対浴して銀塘 暖かに、水面 蒲梢 短し。

垂楊 低く払う 麹塵の波、蛟絲 網を結びて 露珠 多く、円荷に滴る。

遙かに思うは 桃葉 呉江の碧ならんこと、便ち是れ 天河 隔つ。

錦鱗紅髭 影 沈沈として、相い思うも 空しく夢の相い尋ぬる 有るのみ、意 任え難し

 

其二

觸簾風送景陽鐘,鴛被繡花重。

曉幃初卷冷煙濃,翠勻粉黛好儀容,思嬌慵。

起來無語理朝粧,寶匣鏡凝光。

綠荷相倚滿池塘,露清枕簟藕花香,恨悠揚。

(逢えなくて、別れてもなおわすれることもできないでいる、うらむだけでは生きていけないと廣い気持ちになろうと思いなおすと詠う。)

そよ風が簾を揺らしていく、春麗らかな昼下がり時を告げる鐘の音が聞えてくる。閨には鴛鴦の刺繍に牡丹の花が重ねて刺繍している蒲団がかけられている。

とばりに明け方の日差しが当たってきたのではじめて巻き上げてみると、朝未だ冷たく朝もやがまだ濃く漂う。眉の緑が薄くなっているので粉の眉でなおすとやっと美しい晴れやかな顔になった。だけど、この艶やかさをだれに見せるともないので物憂げな気持ちになってしまう。

また、起き上がって窓辺に立って見ても、誰に話すこともなく、朝の化粧に整えてみる。どの飾にしようかと宝物の小箱を手にとると、その二朝日が射しこんで鏡が反射するように輝いた。

まだ緑の蓮の葉と蕾はそれぞれ寄り添っていて池の端にはいっぱいに繁っている。自分の身は清廉なもので枕にも、簟のシーツにもきれいなもので・別れたのに忘れられずに花の香りをこの閨に広げている。どんなに恨んでみても落ち着いてあの人のことを思い続けよう。

 

(虞美人六首、其の二)

簾觸れ 風送りて 景陽の鐘,鴛の繡の花重るを被う。

曉の幃 初めて卷き 煙濃を冷くし,翠 勻【すくな】く 粉黛す 好く儀容し,嬌やかと慵うくを思う。

起き來りて 語らる無く 朝粧を理【おさめ】る,寶匣 鏡 光を凝【かため】る。

綠荷【ろくか】相い倚り 池塘に滿つ,露清く 枕簟【ちんてん】藕花【ぐうか】の香,悠揚【ゆうよう】を恨む。

 

 

其三

翠屏閑掩垂珠箔,絲雨籠池閣。

露粘紅藕咽清香,謝娘嬌極不成狂,罷朝粧。

小金鸂鶒沉煙細,膩枕堆雲髻。

淺眉微斂炷檀輕,舊懽時有夢魂驚,悔多情。

(あれほどもてはやされた乙女のころが思い出され、どうしてこうなったのか悔やんで暮らす女を詠う)その三

翡翠に飾られた屏風の閨は、金箔、銀箔の簾は静かに垂れて、今は何事もなく静けさに被われる、糸を引く雨は池に降り、そのむこうに籠の中のように高閣がある。

おなじ絲でも紅いれんこんの絲は、その露はねばりからまって、清らかなほのかな香りのなかで、むせびなくものである。生娘だったころは喘ぎ声を限りに叫んだものだが決して狂ったわけではない。そんなとき、朝が来ても、疲れ果てて朝の化粧なおしをする気になれないものだった。

金糸のおしどりのとばりにお香の煙が細くたなびきやがて消えてゆく、情事を重ねて枕に残る汗と脂ののこる枕にまた雲型の髪をまたのせる。

年を重ねると眉が少し薄れてしまうが眉間にしわを作ってしまうし、白檀を少し焚くと軽やかに立ち上るだけにしてしまう。あれは少し前のことみたいなのに、夢の中では乙女のころのままのことが思い出されて驚いて起きてしまう。あの夢多かりし頃を懐かしんでまた悔やんでしまう。

(其の三)

翠屏 閑かに掩う 珠箔を垂れ,絲の雨 籠池の閣。

露粘 紅藕 清香に咽び,謝娘 嬌極めて 不成狂,罷朝粧。

小金 鸂鶒 煙細やかに沉み,膩枕 雲髻を堆す。

淺眉 微斂 檀輕やかに炷【くゆら】せ,舊懽れ有る時に夢魂に驚き,多情を悔む。

 

其四

碧梧桐映紗晚,花謝鶯聲懶。

小屏屈曲掩青山,翠幃香粉玉爐寒,兩蛾攢。

顛狂少年輕離別,辜負春時節。

畫羅紅袂有啼痕,魂消無語倚閨門,欲黃昬。

(貴公子にもてあそばれた女を詠う。)

番いの鳳凰が棲むという梧桐の葉が茂った中で二人過していたというのに、日が西に傾くと閨の薄絹の窓に影を映す。咲きほこっていた花は鶯が春を告げるのをやめてしまうと枯れ始める。(見るもの聞くものすべて厭になってくる)

小さな閨の屏風には春の山が画かれ折れ曲がって立ち、牀には空しく青い山のようにおんなが横たわる、翡翠のとばり、香りの高い白粉をつけ、飾がかがやく香炉には香が消えて久しく寒々としている。ここには二人の同じ境遇の女が集まっている。

女に狂ってあちこちの女に手を出している貴公子は軽い気持ちで別れていく、それを罪悪感のない気持ちでやってしまうのは女にとってこの春の季節に背いた生活を強いていることになる。

うす絹に描かれた赤い袂を泣きぬれた涙の跡が残っている。男を求める思いは消え、話す人も言葉もなく花街の入り口の門に寄り添って佇む。今しも黄昏時になろうとしている。

(其の四)

碧の梧桐 紗の晚を映し,花 鶯聲の懶を謝す。

小屏 屈曲 青山を掩い,翠幃 香粉 玉爐の寒,兩つながらの蛾を攢める。

狂を顛じて少年 離別を輕くし,辜 春の時節に負【そむ】く。

羅に畫く紅の袂 啼痕有り,魂消 語無く閨門に倚り,黃昬ならんと欲す。

 

其五

(美しい時には男は持ち上げてくれるし、そのもとに帰って来るものだが、歳を重ねると見向かれもされないもの、人生はそうしためぐりあわせであると詠う。)

閨春色勞思想,恨共春蕪長。

この閨のまわりにも春の景色が深くなってくるという年増美人の場合でも、起きて思い焦がれ、寝ては夢想して待つのも疲れ果てる。春蕪のように白くてやわらかいその身も、春の日の長いのも共に恨んでしまうことになる。

黃鸝嬌囀泥芳妍,杏枝如畫倚輕煙,鏁前。

高麗鶯でさえ愛嬌よく囀って、香しくにおい立つほど優美であっても、汚されてしまうのは美人でもそうである。杏の花さく枝に絵のように美しくても霞がかかれば見えないし、窓を閉めれば見えはしない。

凭欄愁立雙蛾細,柳影斜搖砌。

女は愁いのままに立ちつくし、欄干にもたれかかるけれど、二つ並んだ嫦娥が若くかく細腰であれば、柳の影が斜めになり閨の建物の端の方で揺れていることだろう。

玉郎還是不還家,教人魂夢逐楊花,繞天涯。

色男はここの若い女のもとに帰るけれど、年増の愛妾の家には帰ることはない。こうして人というものは教えられ、思いやる心を持ち、夢見ても、若いしなやかな柳の花を追いかけるものなの。地の果てまで行ってみても同じこと、人生廻り廻るのである。

(其の五)

閨 春色を深くし 思い想うに勞【つか】れ,春と蕪の長きを共に恨む。

黃鸝【こうり】 嬌囀【きょうてん】して 芳妍を泥し,杏枝 畫の如く 輕煙 倚り,前に鏁す。

欄に凭【もた】れ 愁立して雙蛾 細く,柳影 斜にして砌【みぎり】に搖れる。

玉郎 是に還り 家に還らず,人に教えるは 魂夢 楊花を逐い,天涯を繞る。

 

其六

少年豔質勝瓊英,早晚別三清。

蓮冠穩篸鈿篦橫,飄飄羅袖碧雲輕,畫難成。

遲遲少轉腰身裊,翠靨眉心小。

醮壇風急杏花香。

此時恨不駕鸞皇,訪劉郎。

 

 

『虞美人六首』 現代語訳と訳註

(本文)

其五

深閨春色勞思想,恨共春蕪長。

黃鸝嬌囀泥芳妍,杏枝如畫倚輕煙,鏁前。

凭欄愁立雙蛾細,柳影斜搖砌。

玉郎還是不還家,教人魂夢逐楊花,繞天涯。

 

(下し文)

(其の五)

閨 春色を深くし 思い想うに勞【つか】れ,春と蕪の長きを共に恨む。

黃鸝【こうり】 嬌囀【きょうてん】して 芳妍を泥し,杏枝 畫の如く 輕煙 倚り,前に鏁す

欄に凭【もた】れ 愁立して雙蛾 細く,柳影 斜にして砌【みぎり】に搖れる。

玉郎 是に還り 家に還らず,人に教えるは 魂夢 楊花を逐い,天涯を繞る。

 

 

(現代語訳)

(美しい時には男は持ち上げてくれるし、そのもとに帰って来るものだが、歳を重ねると見向かれもされないもの、人生はそうしためぐりあわせであると詠う。)

この閨のまわりにも春の景色が深くなってくるという年増美人の場合でも、起きて思い焦がれ、寝ては夢想して待つのも疲れ果てる。春蕪のように白くてやわらかいその身も、春の日の長いのも共に恨んでしまうことになる。

高麗鶯でさえ愛嬌よく囀って、香しくにおい立つほど優美であっても、汚されてしまうのは美人でもそうである。杏の花さく枝に絵のように美しくても霞がかかれば見えないし、窓を閉めれば見えはしない。

女は愁いのままに立ちつくし、欄干にもたれかかるけれど、二つ並んだ嫦娥が若くかく細腰であれば、柳の影が斜めになり閨の建物の端の方で揺れていることだろう。

色男はここの若い女のもとに帰るけれど、年増の愛妾の家には帰ることはない。こうして人というものは教えられ、思いやる心を持ち、夢見ても、若いしなやかな柳の花を追いかけるものなの。地の果てまで行ってみても同じこと、人生廻り廻るのである。

 杏の花01

(訳注)

3 –虞美人六首 其五

『花間集』には顧夐の作が六首収められている。双調五十八字、前後段五句二十九字二仄韻三平韻で、❼❺⑦⑦③/❼❺⑦⑦③の詞形をとる。他の男が手を出せない、美しい女妓、宮女を虞美人としてうたうもの。

 

虞美人六首其五

(美しい時には男は持ち上げてくれるし、そのもとに帰って来るものだが、歳を重ねると見向かれもされないもの、人生はそうしためぐりあわせであると詠う。)

 

深閨春色勞思想,恨共春蕪長。

この閨のまわりにも春の景色が深くなってくるという年増美人の場合でも、起きて思い焦がれ、寝ては夢想して待つのも疲れ果てる。春蕪のように白くてやわらかいその身も、春の日の長いのも共に恨んでしまうことになる。

春蕪 春の七草のひとつ「すずな」は「カブ」のことで、春蕪と秋蕪がある。春蕪は皮が薄くてやわらかい。蕪:1 雑草が茂って荒れる。荒れ地。「荒蕪・平蕪」2 粗雑で入り乱れている。「蕪雑・蕪辞」3 野菜の名。カブ。カブラ。「蕪菁(ぶせい)

《「かぶら(蕪)」の女房詞「おかぶ」からかという》アブラナ科の越年草。根は肥大して球形などになり、白のほか赤・黄・紫色もある。根元から出る葉はへら状。春、黄色の十字形の花を総状につける。古く中国から渡来し、野菜として栽培。多くの品種がある。

 

黃鸝嬌囀泥芳妍,杏枝如畫倚輕煙,鏁前。

高麗鶯でさえ愛嬌よく囀って、香しくにおい立つほど優美であっても、汚されてしまうのは美人でもそうである。杏の花さく枝に絵のように美しくても霞がかかれば見えないし、窓を閉めれば見えはしない。

黄鸝 高麗鶯。杜甫『大雲寺贊公房四首其一』「黃鸝度結構,紫鴿下罘」(黄鶴結構を度り 紫鵠宋恩より下る。)高麗鶯は屋根、軒裏の野地組のあたりをわたりあるいている、紫色の家鳩は城壁の四隅にある見張り小屋のうさぎ網から庭へおりてくる。

大雲寺贊公房四首其一#2 杜甫 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 1652

杜甫『蜀相』

丞相祠堂何處尋,錦官城外柏森森。

映堦碧草自春色,隔葉黄鸝空好音。

三顧頻煩天下計,兩朝開濟老臣心。

出師未捷身先死,長使英雄涙滿襟。

 

嬌囀 あいそよくさえずっている。囀:テン(ten)舞楽で詩句を諷詠すること。

牛嶠『應天長二首其一』

玉樓春望晴煙滅,舞衫斜卷金調

黃鸝嬌囀聲初歇,杏花飄盡攏山雪。

鳳釵低赴節,筵上王孫愁

鴛鴦對㘅羅結,兩情深夜月。

應天長二首 其一 牛嶠 ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-322-6-#9 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3157

芳妍 香しくにおい立つほど優美なこと、美しいこと。

鏁 くさり、 とざす

 

凭欄愁立雙蛾細,柳影斜搖砌。

女は愁いのままに立ちつくし、欄干にもたれかかるけれど、二つ並んだ嫦娥が若くかく細腰であれば、柳の影が斜めになり閨の建物の端の方で揺れていることだろう。

凭欄 欄干にもたれかかる。

柳影斜搖 性行為の男性のシルエットを比喩するもので、ここでは男性との性行為を思い浮かべている。

 

玉郎還是不還家,教人魂夢逐楊花,繞天涯。

色男はここの若い女のもとに帰るけれど、年増の愛妾の家には帰ることはない。こうして人というものは教えられ、思いやる心を持ち、夢見ても、若いしなやかな柳の花を追いかけるものなの。地の果てまで行ってみても同じこと、人生廻り廻るのである。

玉郎 きらめき耀く高級官僚。色男。

薛濤『上王尚書』「碧玉雙幢白玉郎,初辭天帝下扶桑。手持云篆題新榜,十萬人家春日長。」(王尚書にたてまつる。)碧玉の雙幢【そうとう】白玉郎、初めて天帝を辞して 扶桑に下る。手に雲篆【うんてん】を持して 新榜【しんぼう】に題す、十萬の人家 春 日長し。

上王尚書 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-218-84-#78  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2637

天涯 1 空のはて。2 故郷を遠く離れた地。
紫燕00
 

13-4《 虞美人六首 其四 》顧太尉敻(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集」Gs-456-13-(4) 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3827

顧夐 虞美人六首 其四 番いの鳳凰が棲むという梧桐の葉が茂った中で二人過していたというのに、日が西に傾くと閨の薄絹の窓に影を映す。咲きほこっていた花は鶯が春を告げるのをやめてしまうと枯れ始める。(見るもの聞くものすべて厭になってくる)小さな閨の屏風には春の山が画かれ折れ曲がって立ち、牀には空しく青い山のようにおんなが横たわる、翡翠のとばり、香りの高い白粉をつけ、飾がかがやく香炉には香が消えて久しく寒々としている。ここには二人の同じ境遇の女が集まっている。


2014年3月1日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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13-4 虞美人六首 其四 》顧太尉(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集」Gs-456-13-(4)  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3827

 

 

花間集『虞美人』十四首

毛文錫(毛司徒文錫)

虞美人二首

顧太尉

虞美人六首

孫少監光憲

虞美人(虞每人)二首

鹿太保虔扆

虞美人一首 

閻處士選

虞美人二首

李秀才珣

虞美人一首

 

 

虞美人六首

其一

(逢えなくても我慢してきた春の心が約束の日にも訪ねてくれず、心も体も満たされず、女の浮気心を目覚めさせることを詠う。)

曉鶯啼破相思夢,簾看金泥鳳。

夜も眠りにつけずうとうととしていると、春を告げに鶯が啼き、あの人と過ごす夢の続きを破られてしまう。起き上がり、寝床を離れて金泥の鳳模様の簾を巻き上げてみる。

宿粧猶在酒初醒,翠翹慵整倚雲屏,轉娉婷。

寝化粧はそのまま残っていて、酒はいくら飲んでも初めから酔いはしなかった、鏡を見て、翡翠の簪を物憂げの心でなおしてみて、雲母の屏風に寄り添ってみる。どうみてもこれだけ艶めかしさいっぱいなのだ。 

香檀細畫侵桃臉,羅袂輕輕斂。

香しき薄紅色の白粉を眉尻から頬にかけてすかしを入れて、桃の花のように優しい顔に化粧をなおした。涙がにじむので薄絹の袂でそっとなんども拭う。

佳期堪恨再難尋,綠蕪滿院柳成陰,負春心。

逢瀬の約束の日というのに、再び語り合うことが出来ないという、恨めしき気持ちのまま堪えなければいけないのだ。奥の院の庭一面に草花は生えさきみだれ、やがて柳のはがしげって暗く影を為す季節になろうという、春になればあの人と情を交わし合うという期待はやぶられてしまった、もうその気持ちは失って他の人に思いを寄せることになるのだろうか。

(虞美人六首其の一)

曉の鶯 啼き破りて相いに夢を思い,簾 金泥の鳳を看る。

宿粧 猶お酒 初めの醒る在り,翠翹 慵じて雲屏にる倚を整え,轉た娉婷たり。

香檀 細かに畫き 桃臉を侵し,羅袂 輕輕として斂む。

佳期 恨むに堪え 再び尋ね難き,綠蕪 院に滿ち 柳 陰を成し,春心に負く。 

其二

(逢えなくて、別れてもなおわすれることもできないでいる、うらむだけでは生きていけないと廣い気持ちになろうと思いなおすと詠う。)

觸簾風送景陽鐘,鴛被繡花重。

そよ風が簾を揺らしていく、春麗らかな昼下がり時を告げる鐘の音が聞えてくる。閨には鴛鴦の刺繍に牡丹の花が重ねて刺繍している蒲団がかけられている。

曉幃初卷冷煙濃,翠勻粉黛好儀容,思嬌慵。

とばりに明け方の日差しが当たってきたのではじめて巻き上げてみると、朝未だ冷たく朝もやがまだ濃く漂う。眉の緑が薄くなっているので粉の眉でなおすとやっと美しい晴れやかな顔になった。だけど、この艶やかさをだれに見せるともないので物憂げな気持ちになってしまう。

起來無語理朝粧,寶匣鏡凝光。

また、起き上がって窓辺に立って見ても、誰に話すこともなく、朝の化粧に整えてみる。どの飾にしようかと宝物の小箱を手にとると、その二朝日が射しこんで鏡が反射するように輝いた。

綠荷相倚滿池塘,露清枕簟藕花香,恨悠揚。

まだ緑の蓮の葉と蕾はそれぞれ寄り添っていて池の端にはいっぱいに繁っている。自分の身は清廉なもので枕にも、簟のシーツにもきれいなもので・別れたのに忘れられずに花の香りをこの閨に広げている。どんなに恨んでみても落ち着いてあの人のことを思い続けよう。

 

(虞美人六首、其の二)

簾觸れ 風送りて 景陽の鐘,鴛の繡の花重るを被う。

曉の幃 初めて卷き 煙濃を冷くし,翠 勻【すくな】く 粉黛す 好く儀容し,嬌やかと慵うくを思う。

起き來りて 語らる無く 朝粧を理【おさめ】る,寶匣 鏡 光を凝【かため】る。

綠荷【ろくか】相い倚り 池塘に滿つ,露清く 枕簟【ちんてん】藕花【ぐうか】の香,悠揚【ゆうよう】を恨む。

其三

(あれほどもてはやされた乙女のころが思い出され、どうしてこうなったのか悔やんで暮らす女を詠う)その三

翠屏閑掩垂珠箔,絲雨籠池閣。

翡翠に飾られた屏風の閨は、金箔、銀箔の簾は静かに垂れて、今は何事もなく静けさに被われる、糸を引く雨は池に降り、そのむこうに籠の中のように高閣がある。

露粘紅藕咽清香,謝娘嬌極不成狂,罷朝粧。

おなじ絲でも紅いれんこんの絲は、その露はねばりからまって、清らかなほのかな香りのなかで、むせびなくものである。生娘だったころは喘ぎ声を限りに叫んだものだが決して狂ったわけではない。そんなとき、朝が来ても、疲れ果てて朝の化粧なおしをする気になれないものだった。

小金鸂鶒沉煙細,膩枕堆雲髻。

金糸のおしどりのとばりにお香の煙が細くたなびきやがて消えてゆく、情事を重ねて枕に残る汗と脂ののこる枕にまた雲型の髪をまたのせる。

淺眉微斂炷檀輕,舊懽時有夢魂驚,悔多情。

年を重ねると眉が少し薄れてしまうが眉間にしわを作ってしまうし、白檀を少し焚くと軽やかに立ち上るだけにしてしまう。あれは少し前のことみたいなのに、夢の中では乙女のころのままのことが思い出されて驚いて起きてしまう。あの夢多かりし頃を懐かしんでまた悔やんでしまう。

(其の三)

翠屏 閑かに掩う 珠箔を垂れ,絲の雨 籠池の閣。

露粘 紅藕 清香に咽び,謝娘 嬌極めて 不成狂,罷朝粧。

小金 鸂鶒 煙細やかに沉み,膩枕 雲髻を堆す。

淺眉 微斂 檀輕やかに炷【くゆら】せ,舊懽れ有る時に夢魂に驚き,多情を悔む。
 

其四

其四

(貴公子にもてあそばれた女を詠う。)

碧梧桐映紗晚,花謝鶯聲懶。

番いの鳳凰が棲むという梧桐の葉が茂った中で二人過していたというのに、日が西に傾くと閨の薄絹の窓に影を映す。咲きほこっていた花は鶯が春を告げるのをやめてしまうと枯れ始める。(見るもの聞くものすべて厭になってくる)

小屏屈曲掩青山,翠幃香粉玉爐寒,兩蛾攢。

小さな閨の屏風には春の山が画かれ折れ曲がって立ち、牀には空しく青い山のようにおんなが横たわる、翡翠のとばり、香りの高い白粉をつけ、飾がかがやく香炉には香が消えて久しく寒々としている。ここには二人の同じ境遇の女が集まっている。

顛狂少年輕離別,辜負春時節。

女に狂ってあちこちの女に手を出している貴公子は軽い気持ちで別れていく、それを罪悪感のない気持ちでやってしまうのは女にとってこの春の季節に背いた生活を強いていることになる。

畫羅紅袂有啼痕,魂消無語倚閨門,欲黃昬。

うす絹に描かれた赤い袂を泣きぬれた涙の跡が残っている。男を求める思いは消え、話す人も言葉もなく花街の入り口の門に寄り添って佇む。今しも黄昏時になろうとしている。

(其の四)

碧の梧桐 紗の晚を映し,花 鶯聲の懶を謝す。

小屏 屈曲 青山を掩い,翠幃 香粉 玉爐の寒,兩つながらの蛾を攢める。

狂を顛じて少年 離別を輕くし,辜 春の時節に負【そむ】く。

羅に畫く紅の袂 啼痕有り,魂消 語無く閨門に倚り,黃昬ならんと欲す。

 

其五

深閨春色勞思想,恨共春蕪長。

黃鸝嬌囀泥芳妍,杏枝如畫倚輕煙,鏁前。

凭欄愁立雙蛾細,柳影斜搖砌。

玉郎還是不還家,教人魂夢逐楊花,繞天涯。

 

其六

少年豔質勝瓊英,早晚別三清。

蓮冠穩篸鈿篦橫,飄飄羅袖碧雲輕,畫難成。

遲遲少轉腰身裊,翠靨眉心小。

醮壇風急杏花香。

此時恨不駕鸞皇,訪劉郎。

 

 

『虞美人六首』 現代語訳と訳註

(本文) 虞美人六首

其四

碧梧桐映紗晚,花謝鶯聲懶。

小屏屈曲掩青山,翠幃香粉玉爐寒,兩蛾攢。

顛狂少年輕離別,辜負春時節。

畫羅紅袂有啼痕,魂消無語倚閨門,欲黃昬。

 杏の花01

(下し文)

(其の四)

碧の梧桐 紗晚をし,花 鶯聲の懶を謝す。

小屏 屈曲 青山を掩い,翠幃 香粉 玉爐の寒,兩つながらの蛾を攢める。

狂を顛じて少年 離別を輕くし,辜 春の時節に負【そむ】く。

羅に畫く紅の袂 啼痕有り,魂消 語無く閨門に倚り,黃昬ならんと欲す。

 

(現代語訳)

(貴公子にもてあそばれた女を詠う。)

番いの鳳凰が棲むという梧桐の葉が茂った中で二人過していたというのに、日が西に傾くと閨の薄絹の窓に影を映す。咲きほこっていた花は鶯が春を告げるのをやめてしまうと枯れ始める。(見るもの聞くものすべて厭になってくる)

小さな閨の屏風には春の山が画かれ折れ曲がって立ち、牀には空しく青い山のようにおんなが横たわる、翡翠のとばり、香りの高い白粉をつけ、飾がかがやく香炉には香が消えて久しく寒々としている。ここには二人の同じ境遇の女が集まっている。

女に狂ってあちこちの女に手を出している貴公子は軽い気持ちで別れていく、それを罪悪感のない気持ちでやってしまうのは女にとってこの春の季節に背いた生活を強いていることになる。

うす絹に描かれた赤い袂を泣きぬれた涙の跡が残っている。男を求める思いは消え、話す人も言葉もなく花街の入り口の門に寄り添って佇む。今しも黄昏時になろうとしている。

 蜀の山50055

 

(訳注)

3 -4 虞美人六首 其四

『花間集』には顧夐の作が六首収められている。双調五十八字、前後段五句二十九字二仄韻三平韻で、❼❺⑦⑦③/❼❺⑦⑦③の詞形をとる。他の男が手を出せない、美しい女妓、宮女を虞美人としてうたうもの。

 

虞美人六首其四

(貴公子にもてあそばれた女を詠う。)詩の初めに、「碧梧桐」は詩詞で凋落を意味する語で、同様に「紗」:さびい閨、「花謝」:花が凋む、「鶯聲懶」:鶯が啼かなくなる―春が終わる、「掩青山」:春の山に被われる―女は横になっているだけ。「玉爐寒」:香炉にお香を焚かない。-人が来ない。「兩蛾攢」:同じ境遇の女が二人。「顛狂少年」:色ボケ、好き勝手なことをする貴公子。「輕離別」「辜」「負春時節」「有啼痕」「魂消」「無語」「倚閨門」「欲黃昬」とすべての語が妓女が女として生きていくのが嫌になったという語で作られた悲しい詞である。閨怨詩の五句のテキストである。

 

碧梧桐映紗晚,花謝鶯聲懶。

番いの鳳凰が棲むという梧桐の葉が茂った中で二人過していたというのに、日が西に傾くと閨の薄絹の窓に影を映す。咲きほこっていた花は鶯が春を告げるのをやめてしまうと枯れ始める。(見るもの聞くものすべて厭になってくる)

梧桐 梧桐の葉に棲む鳳凰のつがい。鳳凰は梧桐の木に棲むとされる。『詩経』大雅・巻阿に「鳳凰鳴けり、彼の高岡に。梧桐生ぜり、彼の朝陽に」。その鄭玄の箋に「鳳凰の性は、梧桐に非ざれは棲まず。竹の実に非ざれは食わず」。

・梧桐 こどう 立秋の日に初めて葉を落とす。大きな葉を一閒一枚落としてゆく青桐は凋落を象徴するもの。特に井戸の辺の梧桐は砧聲と共に秋の詩には欠かせない。李煜「采桑子其二」李煜「烏夜啼」温庭筠「更漏子」李白「贈舎人弟台卿江南之」李賀「十二月楽詞」などおおくある。玄宗と楊貴妃を喩える場合もある。

 

 

小屏屈曲掩青山,翠幃香粉玉爐寒,兩蛾攢。

小さな閨の屏風には春の山が画かれ折れ曲がって立ち、牀には空しく青い山のようにおんなが横たわる、翡翠のとばり、香りの高い白粉をつけ、飾がかがやく香炉には香が消えて久しく寒々としている。ここには二人の同じ境遇の女が集まっている。

攢 []集める,集めまとめる攒钱金を集める. []群がる,密集する.

青山 ここでの山は女性が横たわった姿を言い、青いは若いことを示す。若い女性が何もすることがなくて、ただ横になっているだけのようすをいう。

 

顛狂少年輕離別,辜負春時節。

女に狂ってあちこちの女に手を出している貴公子は軽い気持ちで別れていく、それを罪悪感のない気持ちでやってしまうのは女にとってこの春の季節に背いた生活を強いていることになる。

顛狂 気が狂う。動作が落ち着かないことの喩え。顛:てっぺん。物の先端。逆さになる。ひっくり返る。杜甫『句漫興九首、其五』「腸斷春江欲盡頭,杖藜徐步立芳洲。顛狂柳絮隨風去,輕薄桃花逐水流。」(腸斷 春江 盡きんと欲するの頭【ほと】り,藜【あかざ】に杖して徐【おもむろ】に步み芳洲に立つ。顛狂 柳絮 風に隨って去り,輕薄 桃花 水流に逐う。)

少年 ・少年 貴族の子弟が酒屋において傲慢に酒を貪ったさまをうたう。(762)宝応元年、杜甫51歳の成都での作品。李白や、王維の同名の作品は楽府、音楽に合わせて歌うように詩を読むものであるが、杜甫のこの詩は七言絶句の形式の歌行である。同種の『貧孝行』がある。唐詩で「少年」といえば、

王維 『少年行』
新豐美酒斗十千,咸陽遊侠多少年。
相逢意氣爲君飮,繋馬高樓垂柳邊。 
李白17少年行
少年行      
五陵年少金市東、銀鞍白馬度春風。
落花踏尽遊何処、笑入胡姫酒肆中。

 王昌齢『少年行』
走馬遠相尋,西樓下夕陰。結交期一劍,留意贈千金。高閣歌聲遠,重門柳色深。夜闌須盡飲,莫負百年心。
いなせな若者や壮士を詠う。

杜甫 少年行 

馬上誰家白面郎、臨階下馬坐人牀。

不通姓氏麤豪甚、指點銀瓶索酒嘗。

少年行 杜甫 蜀中転々 杜甫 <501>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2695 杜甫詩1000-501-733/1500

韓愈『遊城南十六首:嘲少年』

直把春償酒,都將命乞花。

祗知閒信馬,不覺誤隨車。

(城南に遊ぶ十六首:少年を嘲る)

直【ただち】に春を把って酒を償【つぐな】い、都【すべ】て命を將って花を乞【あた】う。

祗だ知る 閑に馬に信【まか】するを、覚えず 誤って車に随ふを。

遊城南十六首:嘲少年 韓愈(韓退之) <182>Ⅱ中唐詩793 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2949

 

辜 (1) 罪无辜罪のない.(2) [](好意・期待などを)無にする,背く

 

畫羅紅袂有啼痕,魂消無語倚閨門,欲黃昬。

うす絹に描かれた赤い袂を泣きぬれた涙の跡が残っている。男を求める思いは消え、話す人も言葉もなく花街の入り口の門に寄り添って佇む。今しも黄昏時になろうとしている。
美女画55101道観
 

13-3《 虞美人六首 其三 》顧太尉敻(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集」Gs-455-13-(3) 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3822

顧夐《 虞美人六首 其三 》年を重ねると眉が少し薄れてしまうが眉間にしわを作ってしまうし、白檀を少し焚くと軽やかに立ち上るだけにしてしまう。あれは少し前のことみたいなのに、夢の中では乙女のころのままのことが思い出されて驚いて起きてしまう。あの夢多かりし頃を懐かしんでまた悔やんでしまう。


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虞美人六首

其一

(逢えなくても我慢してきた春の心が約束の日にも訪ねてくれず、心も体も満たされず、女の浮気心を目覚めさせることを詠う。)

曉鶯啼破相思夢,簾看金泥鳳。

夜も眠りにつけずうとうととしていると、春を告げに鶯が啼き、あの人と過ごす夢の続きを破られてしまう。起き上がり、寝床を離れて金泥の鳳模様の簾を巻き上げてみる。

宿粧猶在酒初醒,翠翹慵整倚雲屏,轉娉婷。

寝化粧はそのまま残っていて、酒はいくら飲んでも初めから酔いはしなかった、鏡を見て、翡翠の簪を物憂げの心でなおしてみて、雲母の屏風に寄り添ってみる。どうみてもこれだけ艶めかしさいっぱいなのだ。 

香檀細畫侵桃臉,羅袂輕輕斂。

香しき薄紅色の白粉を眉尻から頬にかけてすかしを入れて、桃の花のように優しい顔に化粧をなおした。涙がにじむので薄絹の袂でそっとなんども拭う。

佳期堪恨再難尋,綠蕪滿院柳成陰,負春心。

逢瀬の約束の日というのに、再び語り合うことが出来ないという、恨めしき気持ちのまま堪えなければいけないのだ。奥の院の庭一面に草花は生えさきみだれ、やがて柳のはがしげって暗く影を為す季節になろうという、春になればあの人と情を交わし合うという期待はやぶられてしまった、もうその気持ちは失って他の人に思いを寄せることになるのだろうか。

(虞美人六首其の一)

曉の鶯 啼き破りて相いに夢を思い,簾 金泥の鳳を看る。

宿粧 猶お酒 初めの醒る在り,翠翹 慵じて雲屏にる倚を整え,轉た娉婷たり。

香檀 細かに畫き 桃臉を侵し,羅袂 輕輕として斂む。

佳期 恨むに堪え 再び尋ね難き,綠蕪 院に滿ち 柳 陰を成し,春心に負く。 

其二

(逢えなくて、別れてもなおわすれることもできないでいる、うらむだけでは生きていけないと廣い気持ちになろうと思いなおすと詠う。)

觸簾風送景陽鐘,鴛被繡花重。

そよ風が簾を揺らしていく、春麗らかな昼下がり時を告げる鐘の音が聞えてくる。閨には鴛鴦の刺繍に牡丹の花が重ねて刺繍している蒲団がかけられている。

曉幃初卷冷煙濃,翠勻粉黛好儀容,思嬌慵。

とばりに明け方の日差しが当たってきたのではじめて巻き上げてみると、朝未だ冷たく朝もやがまだ濃く漂う。眉の緑が薄くなっているので粉の眉でなおすとやっと美しい晴れやかな顔になった。だけど、この艶やかさをだれに見せるともないので物憂げな気持ちになってしまう。

起來無語理朝粧,寶匣鏡凝光。

また、起き上がって窓辺に立って見ても、誰に話すこともなく、朝の化粧に整えてみる。どの飾にしようかと宝物の小箱を手にとると、その二朝日が射しこんで鏡が反射するように輝いた。

綠荷相倚滿池塘,露清枕簟藕花香,恨悠揚。

まだ緑の蓮の葉と蕾はそれぞれ寄り添っていて池の端にはいっぱいに繁っている。自分の身は清廉なもので枕にも、簟のシーツにもきれいなもので・別れたのに忘れられずに花の香りをこの閨に広げている。どんなに恨んでみても落ち着いてあの人のことを思い続けよう。

 

(虞美人六首、其の二)

簾觸れ 風送りて 景陽の鐘,鴛の繡の花重るを被う。

曉の幃 初めて卷き 煙濃を冷くし,翠 勻【すくな】く 粉黛す 好く儀容し,嬌やかと慵うくを思う。

起き來りて 語らる無く 朝粧を理【おさめ】る,寶匣 鏡 光を凝【かため】る。

綠荷【ろくか】相い倚り 池塘に滿つ,露清く 枕簟【ちんてん】藕花【ぐうか】の香,悠揚【ゆうよう】を恨む。

其三

(あれほどもてはやされた乙女のころが思い出され、どうしてこうなったのか悔やんで暮らす女を詠う)その三

翠屏閑掩垂珠箔,絲雨籠池閣。

翡翠に飾られた屏風の閨は、金箔、銀箔の簾は静かに垂れて、今は何事もなく静けさに被われる、糸を引く雨は池に降り、そのむこうに籠の中のように高閣がある。

露粘紅藕咽清香,謝娘嬌極不成狂,罷朝粧。

おなじ絲でも紅いれんこんの絲は、その露はねばりからまって、清らかなほのかな香りのなかで、むせびなくものである。生娘だったころは喘ぎ声を限りに叫んだものだが決して狂ったわけではない。そんなとき、朝が来ても、疲れ果てて朝の化粧なおしをする気になれないものだった。

小金鸂鶒沉煙細,膩枕堆雲髻。

金糸のおしどりのとばりにお香の煙が細くたなびきやがて消えてゆく、情事を重ねて枕に残る汗と脂ののこる枕にまた雲型の髪をまたのせる。

淺眉微斂炷檀輕,舊懽時有夢魂驚,悔多情。

年を重ねると眉が少し薄れてしまうが眉間にしわを作ってしまうし、白檀を少し焚くと軽やかに立ち上るだけにしてしまう。あれは少し前のことみたいなのに、夢の中では乙女のころのままのことが思い出されて驚いて起きてしまう。あの夢多かりし頃を懐かしんでまた悔やんでしまう。

(其の三)

翠屏 閑かに掩う 珠箔を垂れ,絲の雨 籠池の閣。

露粘 紅藕 清香に咽び,謝娘 嬌極めて 不成狂,罷朝粧。

小金 鸂鶒 煙細やかに沉み,膩枕 雲髻を堆す。

淺眉 微斂 檀輕やかに炷【くゆら】せ,舊懽れ有る時に夢魂に驚き,多情を悔む。

其四

碧梧桐映紗晚,花謝鶯聲懶。

小屏屈曲掩青山,翠幃香粉玉爐寒,兩蛾攢。

顛狂少年輕離別,辜負春時節。

畫羅紅袂有啼痕,魂消無語倚閨門,欲黃昬。

 

其五

深閨春色勞思想,恨共春蕪長。

黃鸝嬌囀泥芳妍,杏枝如畫倚輕煙,鏁前。

凭欄愁立雙蛾細,柳影斜搖砌。

玉郎還是不還家,教人魂夢逐楊花,繞天涯。

 

其六

少年豔質勝瓊英,早晚別三清。

蓮冠穩篸鈿篦橫,飄飄羅袖碧雲輕,畫難成。

遲遲少轉腰身裊,翠靨眉心小。

醮壇風急杏花香。

此時恨不駕鸞皇,訪劉郎。


 『虞美人』 現代語訳と訳註

(本文)

虞美人六首

其三

翠屏閑掩垂珠箔,絲雨籠池閣。

露粘紅藕咽清香,謝娘嬌極不成狂,罷朝粧。

小金鸂鶒沉煙細,膩枕堆雲髻。

淺眉微斂炷檀輕,舊懽時有夢魂驚,悔多情。

 

(下し文)

(虞美人六首、其の三)

翠屏 閑かに掩う 珠箔を垂れ,絲の雨 籠池の閣。

露粘 紅藕 清香に咽び,謝娘 嬌極めて 不成狂,罷朝粧。

小金 鸂鶒 煙細やかに沉み,膩枕 雲髻を堆す。

淺眉 微斂 檀輕やかに炷【くゆら】せ,舊懽れ有る時に夢魂に驚き,多情を悔む。

bijo02


 

(現代語訳)

(あれほどもてはやされた乙女のころが思い出され、どうしてこうなったのか悔やんで暮らす女を詠う)その三

翡翠に飾られた屏風の閨は、金箔、銀箔の簾は静かに垂れて、今は何事もなく静けさに被われる、糸を引く雨は池に降り、そのむこうに籠の中のように高閣がある。

おなじ絲でも紅いれんこんの絲は、その露はねばりからまって、清らかなほのかな香りのなかで、むせびなくものである。生娘だったころは喘ぎ声を限りに叫んだものだが決して狂ったわけではない。そんなとき、朝が来ても、疲れ果てて朝の化粧なおしをする気になれないものだった。

金糸のおしどりのとばりにお香の煙が細くたなびきやがて消えてゆく、情事を重ねて枕に残る汗と脂ののこる枕にまた雲型の髪をまたのせる。

年を重ねると眉が少し薄れてしまうが眉間にしわを作ってしまうし、白檀を少し焚くと軽やかに立ち上るだけにしてしまう。あれは少し前のことみたいなのに、夢の中では乙女のころのままのことが思い出されて驚いて起きてしまう。あの夢多かりし頃を懐かしんでまた悔やんでしまう。

 

(訳注)

3 -3 虞美人六首 其三

『花間集』には顧夐の作が六首収められている。双調五十八字、前後段五句二十九字二仄韻三平韻で、❼❺⑦⑦③/❼❺⑦⑦③の詞形をとる。他の男が手を出せない、美しい女妓、宮女を虞美人としてうたうもの。

 

虞美人六首其三

(あれほどもてはやされた乙女のころが思い出され、どうしてこうなったのか悔やんで暮らす女を詠う)その三

翡翠の屏風、金箔のすだれ、雨の絲、レンコンの糸、糸のように立ち上るお香、金糸の刺繍、糸をテーマに年増になった女妓が籠の鳥のように閨で暮らすのを詠う。一夫多妻制、女には、房、閨にいるだけで、自分の意志では何処にも行くことが出来ない時代である。男にとっては通い婚ということであり、結婚しても姓が変わらないのもそこに起因するものである。 

虞美人六首其三

(あれほどもてはやされた乙女のころが思い出され、どうしてこうなったのか悔やんで暮らす女を詠う)その三

翡翠の屏風、金箔のすだれ、雨の絲、レンコンの糸、糸のように立ち上るお香、金糸の刺繍、糸をテーマに年増になった女妓が籠の鳥のように閨で暮らすのを詠う。一夫多妻制、女には、房、閨にいるだけで、自分の意志では何処にも行くことが出来ない時代である。男にとっては通い婚ということであり、結婚しても姓が変わらないのもそこに起因するものである。

 

翠屏 閑掩 垂珠箔,絲雨 籠池閣。

翡翠に飾られた屏風の閨は、金箔、銀箔の簾は静かに垂れて、今は何事もなく静けさに被われる、糸を引く雨は池に降り、そのむこうに籠の中のように高閣がある。

○珠箔 1 金属をごく薄く打ち延ばしたもの。金箔・銀箔・錫箔など。「―を押す」2 人が重んじる .... はく 【×箔】 [人名用漢字] [音]ハク(漢) 1 すだれ。「珠箔」 2 すだれ状のすのこ。「蚕箔」 3 のべがね。「金箔・銀箔」

 

露粘 紅藕 咽清香,謝娘 嬌極 不成狂,罷 朝粧。

おなじ絲でも紅いれんこんの絲は、その露はねばりからまって、清らかなほのかな香りのなかで、むせびなくものである。生娘だったころは喘ぎ声を限りに叫んだものだが決して狂ったわけではない。そんなとき、朝が来ても、疲れ果てて朝の化粧なおしをする気になれないものだった。

○藕 レンコン.藕断丝连《成》(レンコンはちぎっても糸がつながっている>)(男女が)別れたのになお関係を断ち切れずにいる.藕粉 []レンコンの澱粉.◇くず湯のように溶いて食べる.

○咽 のど むせぶ〈イン〉のど。「咽喉(いんこう)」〈エン〉(「嚥(えん)」と通用)飲み込む。「咽下(えんか・えんげ)」〈エツ〉むせぶ。「嗚咽(おえつ)

・謝娘:「あの女性」の意。固有名詞ではあるが、詞では、若くて美しい女性を指す。乙女。マドンナ。

「初識謝娘時。」「はじめて乙女を知った時」といっていました。 ・初識:はじめて知り合ったとき。 

荷葉杯 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-258-5-#12  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2672

○罷 やめる まかる1 仕事を中止する。「罷業・罷工」2 役目をやめさせる。「罷免」3 疲れてやる気がなくなる。

 

小金 鸂鶒 沉煙細,膩枕 堆雲髻。

金糸のおしどりのとばりにお香の煙が細くたなびきやがて消えてゆく、情事を重ねて枕に残る汗と脂ののこる枕にまた雲型の髪をまたのせる。

○鸂鶒【けいせき】おしどり。

鸂鶒けいせき001

淺眉 微斂 炷檀輕,舊懽 時有夢魂驚,悔多情。

年を重ねると眉が少し薄れてしまうが眉間にしわを作ってしまうし、白檀を少し焚くと軽やかに立ち上るだけにしてしまう。あれは少し前のことみたいなのに、夢の中では乙女のころのままのことが思い出されて驚いて起きてしまう。あの夢多かりし頃を懐かしんでまた悔やんでしまう。

○多情 交わす情けが多いこと。ここでは夢多かりし頃を懐かしんでとした。
 

13 -2 虞美人六首 其二 顧太尉敻(顧夐【こけい】)五十五首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-454-13-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3817

顧夐《虞美人其二》(逢えなくて、別れてもなおわすれることもできないでいる、うらむだけでは生きていけないと廣い気持ちになろうと思いなおすと詠う。)まだ緑の蓮の葉と蕾はそれぞれ寄り添っていて池の端にはいっぱいに繁っている。自分の身は清廉なもので枕にも、簟のシーツにもきれいなもので・別れたのに忘れられずに花の香りをこの閨に広げている。どんなに恨んでみても落ち着いてあの人のことを思い続けよう。


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虞美人六首

其一

(逢えなくても我慢してきた春の心が約束の日にも訪ねてくれず、心も体も満たされず、女の浮気心を目覚めさせることを詠う。)

曉鶯啼破相思夢,簾看金泥鳳。

夜も眠りにつけずうとうととしていると、春を告げに鶯が啼き、あの人と過ごす夢の続きを破られてしまう。起き上がり、寝床を離れて金泥の鳳模様の簾を巻き上げてみる。

宿粧猶在酒初醒,翠翹慵整倚雲屏,轉娉婷。

寝化粧はそのまま残っていて、酒はいくら飲んでも初めから酔いはしなかった、鏡を見て、翡翠の簪を物憂げの心でなおしてみて、雲母の屏風に寄り添ってみる。どうみてもこれだけ艶めかしさいっぱいなのだ。 

香檀細畫侵桃臉,羅袂輕輕斂。

香しき薄紅色の白粉を眉尻から頬にかけてすかしを入れて、桃の花のように優しい顔に化粧をなおした。涙がにじむので薄絹の袂でそっとなんども拭う。

佳期堪恨再難尋,綠蕪滿院柳成陰,負春心。

逢瀬の約束の日というのに、再び語り合うことが出来ないという、恨めしき気持ちのまま堪えなければいけないのだ。奥の院の庭一面に草花は生えさきみだれ、やがて柳のはがしげって暗く影を為す季節になろうという、春になればあの人と情を交わし合うという期待はやぶられてしまった、もうその気持ちは失って他の人に思いを寄せることになるのだろうか。

(虞美人六首其の一)

曉の鶯 啼き破りて相いに夢を思い,簾 金泥の鳳を看る。

宿粧 猶お酒 初めの醒る在り,翠翹 慵じて雲屏にる倚を整え,轉た娉婷たり。

香檀 細かに畫き 桃臉を侵し,羅袂 輕輕として斂む。

佳期 恨むに堪え 再び尋ね難き,綠蕪 院に滿ち 柳 陰を成し,春心に負く。 

其二

(逢えなくて、別れてもなおわすれることもできないでいる、うらむだけでは生きていけないと廣い気持ちになろうと思いなおすと詠う。)

觸簾風送景陽鐘,鴛被繡花重。

そよ風が簾を揺らしていく、春麗らかな昼下がり時を告げる鐘の音が聞えてくる。閨には鴛鴦の刺繍に牡丹の花が重ねて刺繍している蒲団がかけられている。

曉幃初卷冷煙濃,翠勻粉黛好儀容,思嬌慵。

とばりに明け方の日差しが当たってきたのではじめて巻き上げてみると、朝未だ冷たく朝もやがまだ濃く漂う。眉の緑が薄くなっているので粉の眉でなおすとやっと美しい晴れやかな顔になった。だけど、この艶やかさをだれに見せるともないので物憂げな気持ちになってしまう。

起來無語理朝粧,寶匣鏡凝光。

また、起き上がって窓辺に立って見ても、誰に話すこともなく、朝の化粧に整えてみる。どの飾にしようかと宝物の小箱を手にとると、その二朝日が射しこんで鏡が反射するように輝いた。

綠荷相倚滿池塘,露清枕簟藕花香,恨悠揚。

まだ緑の蓮の葉と蕾はそれぞれ寄り添っていて池の端にはいっぱいに繁っている。自分の身は清廉なもので枕にも、簟のシーツにもきれいなもので・別れたのに忘れられずに花の香りをこの閨に広げている。どんなに恨んでみても落ち着いてあの人のことを思い続けよう。

 

(虞美人六首、其の二)

簾觸れ 風送りて 景陽の鐘,鴛の繡の花重るを被う。

曉の幃 初めて卷き 煙濃を冷くし,翠 勻【すくな】く 粉黛す 好く儀容し,嬌やかと慵うくを思う。

起き來りて 語らる無く 朝粧を理【おさめ】る,寶匣 鏡 光を凝【かため】る。

綠荷【ろくか】相い倚り 池塘に滿つ,露清く 枕簟【ちんてん】藕花【ぐうか】の香,悠揚【ゆうよう】を恨む。


 『虞美人』 現代語訳と訳註

(本文)

虞美人六首其二

觸簾風送景陽鐘,鴛被繡花重。

曉幃初卷冷煙濃,翠勻粉黛好儀容,思嬌慵。

起來無語理朝粧,寶匣鏡凝光。

綠荷相倚滿池塘,露清枕簟藕花香,恨悠揚。

(下し文)

(虞美人六首、其の二)

簾觸れ 風送りて 景陽の鐘,鴛の繡の花重るを被う。

曉の幃 初めて卷き 煙濃を冷くし,翠 勻【すくな】く 粉黛す 好く儀容し,嬌やかと慵うくを思う。

起き來りて 語らる無く 朝粧を理【おさめ】る,寶匣 鏡 光を凝【かため】る。

綠荷【ろくか】相い倚り 池塘に滿つ,露清く 枕簟【ちんてん】藕花【ぐうか】の香,悠揚【ゆうよう】を恨む。

bijo02

 

(現代語訳)

(逢えなくて、別れてもなおわすれることもできないでいる、うらむだけでは生きていけないと廣い気持ちになろうと思いなおすと詠う。)

そよ風が簾を揺らしていく、春麗らかな昼下がり時を告げる鐘の音が聞えてくる。閨には鴛鴦の刺繍に牡丹の花が重ねて刺繍している蒲団がかけられている。

とばりに明け方の日差しが当たってきたのではじめて巻き上げてみると、朝未だ冷たく朝もやがまだ濃く漂う。眉の緑が薄くなっているので粉の眉でなおすとやっと美しい晴れやかな顔になった。だけど、この艶やかさをだれに見せるともないので物憂げな気持ちになってしまう。

また、起き上がって窓辺に立って見ても、誰に話すこともなく、朝の化粧に整えてみる。どの飾にしようかと宝物の小箱を手にとると、その二朝日が射しこんで鏡が反射するように輝いた。

まだ緑の蓮の葉と蕾はそれぞれ寄り添っていて池の端にはいっぱいに繁っている。自分の身は清廉なもので枕にも、簟のシーツにもきれいなもので・別れたのに忘れられずに花の香りをこの閨に広げている。どんなに恨んでみても落ち着いてあの人のことを思い続けよう。

 

 杏の花01

(訳注)

3 -2 虞美人六首 其二

『花間集』には顧夐の作が六首収められている。双調五十八字、前後段五句二十九字二仄韻三平韻で、❼❺⑦⑦③/❼❺⑦⑦③の詞形をとる。他の男が手を出せない、美しい女妓、宮女を虞美人としてうたうもの。

 

虞美人六首其二

(逢えなくて、別れてもなおわすれることもできないでいる、うらむだけでは生きていけないと廣い気持ちになろうと思いなおすと詠う。)その二。

 

觸簾 風送 景陽鐘,鴛被 繡花重。

そよ風が簾を揺らしていく、春麗らかな昼下がり時を告げる鐘の音が聞えてくる。閨には鴛鴦の刺繍に牡丹の花が重ねて刺繍している蒲団がかけられている。

景陽 春麗らかな昼下がり。

 

曉幃 初卷 冷煙濃,翠勻 粉黛 好儀容,思 嬌慵。

とばりに明け方の日差しが当たってきたのではじめて巻き上げてみると、朝未だ冷たく朝もやがまだ濃く漂う。眉の緑が薄くなっているので粉の眉でなおすとやっと美しい晴れやかな顔になった。だけど、この艶やかさをだれに見せるともないので物憂げな気持ちになってしまう。

幃 1≡帷 2(古代の身に帯びる)香袋.

勻 すくない、 ひとしい

儀容 礼儀にかなった姿や態度。容儀。

嬌 あでやか。なまめかしい。

慵 物憂い,けだるい.

 

起來 無語 理朝粧,寶匣 鏡凝光。

また、起き上がって窓辺に立って見ても、誰に話すこともなく、朝の化粧に整えてみる。どの飾にしようかと宝物の小箱を手にとると、その二朝日が射しこんで鏡が反射するように輝いた。

 

綠荷 相倚 滿池塘,露清 枕簟 藕花香,恨 悠揚。

まだ緑の蓮の葉と蕾はそれぞれ寄り添っていて池の端にはいっぱいに繁っている。自分の身は清廉なもので枕にも、簟のシーツにもきれいなもので・別れたのに忘れられずに花の香りをこの閨に広げている。どんなに恨んでみても落ち着いてあの人のことを思い続けよう。

綠荷 蓮の花は夏の花で春は蕾であり、晩春には水面は緑で一杯になり、池の堤の春草とで緑いっぱいになる。

藕【ぐう】レンコン.藕断絲連 《成》(レンコンはちぎっても糸がつながっている>)(男女が)別れたのになお関係を断ち切れずにいる.藕粉 []レンコンの澱粉.

悠揚 ゆったりとしてこせこせしないさま。落ち着いているさま。
海棠花022
 

13 -1 虞美人六首 其一 顧太尉敻(顧夐【こけい】)五十五首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-453-13-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3812

顧夐《虞美人》 (逢えなくても我慢してきた春の心が約束の日にも訪ねてくれず、心も体も満たされず、女の浮気心を目覚めさせることを詠う。)夜も眠りにつけずうとうととしていると、春を告げに鶯が啼き、あの人と過ごす夢の続きを破られてしまう。起き上がり、寝床を離れて金泥の鳳模様の簾を巻き上げてみる。


2014年2月26日 の紀頌之5つのブログ
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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■ 花間集から
温庭筠66首 花間集1・2巻 皇甫松11首 花間集二巻 韋莊47首 花間集二巻 薛昭蘊19首 花間集三巻 牛嶠31首 花間集三・四巻 張泌27首 花間集四巻
毛文錫31首 花間集5巻 牛希濟11首 花間集5巻 欧陽烱17首 花間集5・6巻 和凝20首 花間集6巻 顧夐56首 花間集6・7巻 孫光憲47首 花間集7・8巻
魏承班15首 花間集8・9巻 鹿虔扆6首 花間集9巻 閻選8首 花間集9巻 尹鶚6首 花間集9巻 毛熙震29首 花間集9・10巻 李珣39首 花間集10巻
『花間集』継続中 
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13 -1 虞美人六首 其一 顧太尉(顧夐【こけい】)五十五首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-453-13-#1   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3812 

 

■ 顧太尉敻(顧夐【こけい】)五十六首
1 六巻 虞美人六首,其一 顧夐
2 六巻 虞美人六首,其二 顧夐
3 六巻 虞美人六首,其三 顧夐
4 六巻 虞美人六首,其四 顧夐
5 六巻 虞美人六首,其五 顧夐
6 六巻 虞美人六首,其六 顧夐
7 六巻 河傳三首,其一 顧夐
8 六巻 河傳三首,其二 顧夐
9 六巻 河傳三首,其三 顧夐
10 六巻 甘州子五首 其一 顧夐
11 六巻 甘州子五首 其二 顧夐
12 六巻 甘州子五首 其三 顧夐
13 六巻 甘州子五首 其四 顧夐
14 六巻 甘州子五首 其五 顧夐
15 六巻 玉樓春四首 其一 顧夐
16 六巻 玉樓春四首 其二 顧夐
17 六巻 玉樓春四首 其三 顧夐
18 六巻 玉樓春四首 其四 顧夐
19 六巻 南鄉子 顧夐
20 七巻 浣溪紗八首,其一 顧夐
21 七巻 浣溪紗八首,其二 顧夐
22 七巻 浣溪紗八首,其三 顧夐
23 七巻 浣溪紗八首,其四 顧夐
24 七巻 浣溪紗八首,其五 顧夐
25 七巻 浣溪紗八首,其六 顧夐
26 七巻 浣溪紗八首,其七 顧夐
27 七巻 浣溪紗八首,其八 顧夐
28 七巻 酒泉子七首,其一 顧夐
29 七巻 酒泉子七首,其二 顧夐
30 七巻 酒泉子七首,其三 顧夐
31 七巻 酒泉子七首,其四 顧夐
32 七巻 酒泉子七首,其五 顧夐
33 七巻 酒泉子七首,其六 顧夐
34 七巻 酒泉子七首,其七 顧夐
35 七巻 楊柳枝一首 顧夐
36 七巻 遐方怨一首 顧夐
37 七巻 獻衷心一首 顧夐
38 七巻 應天長一首 顧夐
39 七巻 訴衷情二首 其一 顧夐
40 七巻 訴衷情二首 其二 顧夐
41 七巻 荷葉盃九首,其一 顧夐
42 七巻 荷葉盃九首,其二 顧夐
43 七巻 荷葉盃九首,其三 顧夐
44 七巻 荷葉盃九首,其四 顧夐
45 七巻 荷葉盃九首,其五 顧夐
46 七巻 荷葉盃九首,其六 顧夐
47 七巻 荷葉盃九首,其七 顧夐
48 七巻 荷葉盃九首,其八 顧夐
49 七巻 荷葉盃九首,其九 顧夐
50 七巻 漁歌子一首 顧夐
51 七巻 臨江仙三首 其一 顧夐
52 七巻 臨江仙三首 其二 顧夐
53 七巻 臨江仙三首 其三 顧夐
54 七巻 醉公子二首 其一 顧夐
55 七巻 醉公子二首 其二 顧夐
56 七巻 更漏子一首 顧夐
 

花間集第六巻 顧太尉十八首

花間集第七巻 顧太尉十七首  合計五十五首

 

顧夏(生卒年末詳)、字、出身地ともに未詳。後いら蜀の詞人。初め前蜀の王建に仕えて刺史となり、ついで後蜀の孟知禅に仕えて大尉にまでなった。通正元年(916)、宮廷の摩訶池に黒鶴が飛来したので、詩を作り、禍があると注意を促したと言う。後に孟知禅が後蜀を建国するとこれに仕え大尉まで昇進した。酔公子詞はとくにその当時称賛されたといぅ。況葦の詞凪をうけた花間派の艶美な特色をそなえた詞人として重きをなしていた詞人である。酔公子、訴衷情、荷葉盃等は、特に人々に広く歌い伝えられた。作風は温庭箔に近い。『花間集』には五十五首の詞が収められている。

十国春秋巻五六 歴代詩余巻一〇一詞人姓氏 全唐詩巻三二

顧大尉詞一巻 王国維韓、唐五代二十一家詞輯所収

,生卒年不詳。五代十國後蜀詞人。累官至太尉。

 

 

虞美人六首其一

(逢えなくても我慢してきた春の心が約束の日にも訪ねてくれず、心も体も満たされず、女の浮気心を目覚めさせることを詠う。)
曉鶯啼破相思夢,簾看金泥鳳。

夜も眠りにつけずうとうととしていると、春を告げに鶯が啼き、あの人と過ごす夢の続きを破られてしまう。起き上がり、寝床を離れて金泥の鳳模様の簾を巻き上げてみる。

宿粧猶在酒初醒,翠翹慵整倚雲屏,轉娉婷。

寝化粧はそのまま残っていて、酒はいくら飲んでも初めから酔いはしなかった、鏡を見て、翡翠の簪を物憂げの心でなおしてみて、雲母の屏風に寄り添ってみる。どうみてもこれだけ艶めかしさいっぱいなのだ。 

香檀細畫侵桃臉,羅袂輕輕斂。

香しき薄紅色の白粉を眉尻から頬にかけてすかしを入れて、桃の花のように優しい顔に化粧をなおした。涙がにじむので薄絹の袂でそっとなんども拭う。

佳期堪恨再難尋,綠蕪滿院柳成陰,負春心。

逢瀬の約束の日というのに、再び語り合うことが出来ないという、恨めしき気持ちのまま堪えなければいけないのだ。奥の院の庭一面に草花は生えさきみだれ、やがて柳のはがしげって暗く影を為す季節になろうという、春になればあの人と情を交わし合うという期待はやぶられてしまった、もうその気持ちは失って他の人に思いを寄せることになるのだろうか。

 

其二

觸簾風送景陽鐘,鴛被繡花重。

曉幃初卷冷煙濃,翠勻粉黛好儀容,思嬌慵。

起來無語理朝粧,寶匣鏡凝光。

綠荷相倚滿池塘,露清枕簟藕花香,恨悠揚。

 

其三

翠屏閑掩垂珠箔,絲雨籠池閣。

露粘紅藕咽清香,謝娘嬌極不成狂,罷朝粧。

小金鸂鶒沉煙細,膩枕堆雲髻。

淺眉微斂炷檀輕,舊懽時有夢魂驚,悔多情。

 

其四

碧梧桐映紗晚,花謝鶯聲懶。

小屏屈曲掩青山,翠幃香粉玉爐寒,兩蛾攢。

顛狂少年輕離別,辜負春時節。

畫羅紅袂有啼痕,魂消無語倚閨門,欲黃昬。

 

其五

深閨春色勞思想,恨共春蕪長。

黃鸝嬌囀泥芳妍,杏枝如畫倚輕煙,鏁前。

凭欄愁立雙蛾細,柳影斜搖砌。

玉郎還是不還家,教人魂夢逐楊花,繞天涯。

 

其六

少年豔質勝瓊英,早晚別三清。

蓮冠穩篸鈿篦橫,飄飄羅袖碧雲輕,畫難成。

遲遲少轉腰身裊,翠靨眉心小。

醮壇風急杏花香。

此時恨不駕鸞皇,訪劉郎。

Flower1-001
 

『虞美人六首』 現代語訳と訳註

(本文) 虞美人六首

其一

曉鶯啼破相思夢,簾看金泥鳳。

宿粧猶在酒初醒,翠翹慵整倚雲屏,轉娉婷。

香檀細畫侵桃臉,羅袂輕輕斂。

佳期堪恨再難尋,綠蕪滿院柳成陰,負春心。

 

(下し文)

(虞美人六首其の一)

曉の鶯 啼き破りて相いに夢を思い,簾 金泥の鳳を看る。

宿粧 猶お酒 初めの醒る在り,翠翹 慵じて雲屏にる倚を整え,轉た娉婷たり。

香檀 細かに畫き 桃臉を侵し,羅袂 輕輕として斂む。

佳期 恨むに堪え 再び尋ね難き,綠蕪 院に滿ち 柳 陰を成し,春心に負く。

 

(現代語訳)

(逢えなくても我慢してきた春の心が約束の日にも訪ねてくれず、心も体も満たされず、女の浮気心を目覚めさせることを詠う。)

夜も眠りにつけずうとうととしていると、春を告げに鶯が啼き、あの人と過ごす夢の続きを破られてしまう。起き上がり、寝床を離れて金泥の鳳模様の簾を巻き上げてみる。

寝化粧はそのまま残っていて、酒はいくら飲んでも初めから酔いはしなかった、鏡を見て、翡翠の簪を物憂げの心でなおしてみて、雲母の屏風に寄り添ってみる。どうみてもこれだけ艶めかしさいっぱいなのだ。 

香しき薄紅色の白粉を眉尻から頬にかけてすかしを入れて、桃の花のように優しい顔に化粧をなおした。涙がにじむので薄絹の袂でそっとなんども拭う。

逢瀬の約束の日というのに、再び語り合うことが出来ないという、恨めしき気持ちのまま堪えなければいけないのだ。奥の院の庭一面に草花は生えさきみだれ、やがて柳のはがしげって暗く影を為す季節になろうという、春になればあの人と情を交わし合うという期待はやぶられてしまった、もうその気持ちは失って他の人に思いを寄せることになるのだろうか。

 

 

(訳注)

13 -1 虞美人六首 其一

『花間集』には顧夐の作が六首収められている。双調五十八字、前後段五句二十九字二仄韻三平韻で、❼❺⑦⑦③/❼❺⑦⑦③の詞形をとる。 虞美人六首其一

虞美人六首其一

(逢えなくても我慢してきた春の心が約束の日にも訪ねてくれず、心も体も満たされず、女の浮気心を目覚めさせることを詠う。)
 

花間集『虞美人』十四首

毛文錫(毛司徒文錫)

虞美人二首

顧太尉

虞美人六首

孫少監光憲

虞美人(虞每人)二首

鹿太保虔扆

虞美人一首 

閻處士選

虞美人二首

李秀才珣

虞美人一首

 

虞美人二首 其一 毛文錫【もうぶんせき】  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-365-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3372

虞美人二首 其二 毛文錫【もうぶんせき】  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-366-8-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3377

 

○項羽の愛姫で虞姫ともいう。5年にわたる楚・漢抗争のすえ,前202年に項羽は劉邦の漢軍によって垓下(がいか)(安徽省

霊璧県)に囲まれた(垓下の戦)。夜,四面から聞こえてくる楚の歌に,項羽は郷里の楚も漢におちたことを悟り(四面楚歌),虞美人をかたわらに決別の酒宴をひらいた。項羽は悲憤慷慨し,涙して辞世の詩をうたうと,彼女も唱和し,みな泣き伏したという。虞美人草の名は,彼女の鮮血が化して草花になったという伝から来ている。

秦末・虞美人『虞美人歌』

漢兵已略地,四方楚歌聲。

大王意氣盡,賤妾何聊生。

虞美人の歌)

漢兵 已に地を略し,四方 楚の歌聲。

大王 意氣盡き,賤妾 何ぞ生を聊んぜん。

漢の軍勢がすでに楚の国土を侵略してきたようだ。四方周りは敵の漢軍であるがその中に裏切りなのか故郷の楚の歌声が聞こえる。落胆した覇王項羽大王の意気は尽き果てたのだ。この後、このわたくしは何を頼りに生きていけばいいのでしょうか。 

虞美人歌  秦末・虞美人 詩<118>古代 女性詩 555 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1482

『史記正義』に出てくる楚の項羽(項籍)の女官である虞美人の作といわれる。項羽が、垓下で敗れたときに慷慨悲歌したときの詩

項羽『垓下歌』

力拔山兮氣蓋世,時不利兮騅不逝。

騅不逝兮可奈何,虞兮虞兮奈若何!

であるが、それに対して虞美人が歌い舞った。

項羽と劉邦は戦いと和睦を繰り返しながら、垓下で雌雄を決する一戦を迎える。この時、項羽の少数の軍勢を大軍で取り囲んだ劉邦は、味方の兵士たちに項羽の祖国楚の歌を歌わせる。この歌を聞いた項羽は味方の兵が寝返ったのだと誤解して絶望する。その絶望の中で歌ったとされるのが、「垓下歌」である。

・西楚覇王・項羽の愛姫・虞姫の唱った歌。 

・この悲劇に基づき後世、同題の詩が作られる。 

・虞美人 項羽の女官。「美人」は位。

・実質上の妻。『史記・項羽本紀』虞姫は、どの戦闘にもついて行った。

毛文錫

虞美人二首 其一

鴛鴦對浴銀塘暖,水面蒲梢短。

垂楊低拂塵波,蛟絲結網露珠多,滴圓荷。

遙思桃葉江碧,便是天河隔。

錦鱗紅鬣影沉沉,相思空有夢相尋,意難任。

鴛鴦 対浴して銀塘 暖かに、水面 蒲梢 短し。

垂楊 低く払う 麹塵の波、蛟絲 網を結びて 露珠 多く、円荷に滴る。

遙かに思うは 桃葉 呉江の碧ならんこと、便ち是れ 天河 隔つ。

錦鱗紅髭 影 沈沈として、相い思うも 空しく夢の相い尋ぬる 有るのみ、意 任え難し

(鴛鴦のように過したが、今は高貴な人の妻、二人の間には天の川がある。そこにいるとわかっていても手が届かないもどかしい男の気持ちを詠う。虞美人に男の気持ちは伝わらない。)

鴛鴦は銀色に光る池の水に遊び、堤には春の暖かさがひろがり、それでも水面より顏を出す蒲はまだ短い。

柳の枝は水面に届くほどに垂れて掃き拂うよう、池の波は柳の薄黄の色にそまっている。その水面に映る枝は、蛟が蜘蛛の巣に結べる露の玉のように多くある、円い蓮の葉は露がこぼれ落ちるようだ。 

いまわたしが思いつづけるわたしの東晋の情熱の女妓「桃葉」は遙か碧の呉江のほとりにある。すなわち、ここには二人を引き裂くのは天の川が横たわっている。

 錦の鱗魚は水底深く住んでいて、文を出すすべもなく、これだけ恋い焦がれているのに、ただ夢に尋ねるだけなのだ、この思いはもう堪えがたい。

『虞美人歌』

 

『虞美人二首 其二』

寶檀金縷鴛鴦枕,綬帶盤宮錦。

夕陽低映小明,南園綠樹語鶯鶯,夢難成。

玉鑪香暖頻添,滿地飄輕絮。

珠簾不卷度煙,庭前閑立畫鞦韆,陽天。

(虞美人二首 其の二)

寶檀 金縷 鴛鴦の枕,綬帶 盤宮の錦。

夕陽 低く映え 小の明,南園 綠樹 語るはなり鶯鶯,夢成り難し。

玉鑪 香暖 頻りに添けなくも炷し,滿地 輕絮飄う。

珠簾 不卷 沉煙度り,

庭前 閑立 鞦韆を畫し,陽天を豔す。

(愛し合いながらも別れることになる青春の悲恋をうたう。)

そのころは、女の閨には寶檀に金糸飾りがあり鴛鴦の枕、綬帶鳥図に盤宮錦とありとあらゆる夫婦円満の飾りにかこまれている。夕日も低く照らし、閨の小窓を明るくする。春も終わるころになり南側の庭園に葉もうっそうと茂るころには、愛し合いながらも別れることになる「鶯鶯伝」を語ることになる。夢は、現実になることは難しいものだ。宝玉でできた立派な香炉には、香が暖められてしきりにくゆらせながら立ち上る。そこの池中に軽やかに柳絮の綿が飛び交っている。玉すだれは巻き上げることはなく、その内には、香は深く垂れこめ部屋中に行き渡る。その庭を前にして、あれほど楽しく遊んだ綺麗に画き飾られたブランコがポツンと建っている。そこには天高く太陽が艶やかに光っているだけなのだ。

 曉鶯001

 

曉鶯啼破相思夢,簾看金泥鳳。

夜も眠りにつけずうとうととしていると、春を告げに鶯が啼き、あの人と過ごす夢の続きを破られてしまう。起き上がり、寝床を離れて金泥の鳳模様の簾を巻き上げてみる。

 

宿粧猶在酒初醒,翠翹慵整倚雲屏,轉娉婷。

寝化粧はそのまま残っていて、酒はいくら飲んでも初めから酔いはしなかった、鏡を見て、翡翠の簪を物憂げの心でなおしてみて、雲母の屏風に寄り添ってみる。どうみてもこれだけ艶めかしさいっぱいなのだ。 

宿粧 昨夜の化粧。

翠麺 茹翠の羽を飾った管。

雲屏 雲母を散らした屏風。

転嫁好 いよいよ艶やかである。転は、ますます、いよいよ。焙好は艶やかで美しい。

 

香檀細畫侵桃臉,羅袂輕輕斂。

香しき薄紅色の白粉を眉尻から頬にかけてすかしを入れて、桃の花のように優しい顔に化粧をなおした。涙がにじむので薄絹の袂でそっとなんども拭う。

香檀細画侵桃瞼 香しい紅で眉から頬のあたりに入れたぼかしがかかっていること。・檀は檀色、薄赤色。・桃腺は桃の花のように美しい顔、頬。

羅袂輕輕斂 薄綿の裸で(頬までかかった紅の曇かしを)そっとぬぐい取る。敵は言所に集めるというのが原義。ここで赦の字をわざわざ使ったのは前句の腺と韻を踏まなければならないため。なお別の解釈として、そっと薄絹の枚をおさめて化粧箱を片付ける、ぁるいほ、長い薄絹の袖をそっと巻く、と解する説もある。

 

佳期堪恨再難尋,綠蕪滿院柳成陰,負春心。

逢瀬の約束の日というのに、再び語り合うことが出来ないという、恨めしき気持ちのまま堪えなければいけないのだ。奥の院の庭一面に草花は生えさきみだれ、やがて柳のはがしげって暗く影を為す季節になろうという、春になればあの人と情を交わし合うという期待はやぶられてしまった、もうその気持ちは失って他の人に思いを寄せることになるのだろうか。

負春心 恋心に背く。男を恋しく思いながらも、再会するすべがなく、せっかくの春を無にして、恋心の叶えられぬことを言う。負は背く。春心は冬の間は万物貯え、我慢して春を迎えることで、情を交わし合うこと。逢えなくても我慢してきた春の心が約束の日にも訪ねてくれず、心も体も満たされず、女の浮気心を目覚めさせることを詠う。
木蘭00
 

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