日中は暑かったが夜には水面をかすめた風は涼しさを運んでくるし、東の入り江の湾に広がる。風は水がみなぎり広がっている太湖の上を抜けてきて、横笛曲がひっそりとしてもの寂しい中聞えてくる。広々とした水面に花見に日差しが射し、金色に輝き、水はそこまで見えるほど澄み切っている。
14-401《漁歌子二首》孫光憲(61)Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-584-14-(401) 巻二漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4467
花間集には、教坊曲『漁歌子』は八首所収されている。
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| 花間集 教坊曲『漁歌子』八首 | | |||
| 作者 | 巻 | 題 | 初句7字 | |
| 顧敻(顧太尉敻) | 巻七 | | ||
| 孫光憲(孫少監光憲) | 巻八 | 漁歌子二首其一 | 草芊芊,波漾漾, | |
| 巻八 | 漁歌子二首其二 | 泛流螢,明又滅, | | |
| 魏承班(魏太尉承班) | 巻九 | 漁歌子一首 | 柳如眉,雲似髮。 | |
| 李珣(李秀才珣) | 巻十 | 漁歌子四首其一 | 草芊芊,花簇簇, | |
| 巻十 | 漁歌子四首其二 | 荻花秋,瀟湘夜, | | |
| 巻十 | 漁歌子四首其三 | 柳垂絲,花滿樹, | | |
| 巻十 | 漁歌子四首其四 | 九疑山,三湘水, | | |
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漁歌子二首其一
草芊芊,波漾漾,湖邊艸色連波漲。
沿蓼岸,泊楓汀,天際玉輪初上。
扣舷歌,聯極望,槳聲伊軋知何向。
黃鵲叫,白鷗眠,誰似儂家疏曠。
(劉郎のように家に帰らなくなった男が、漁師の歌う舟歌を聞きながら、次の港の女のもとにむかう)
草草はのびて芊芊と茂ってきた、浪は岸辺を溢れんばかりに漾漾と打ち寄せる。湖の岸辺には草は伸びて若草色は連綿と続き、水面は波立って漲っている。
岸辺には蓼がしげる中を風がぬけてゆく、湊には船が停泊して水内際に色づいた楓の木が水面に映す、やがて水平線から満月が昇り始める。
月が昇るのを待って漁師が「舷歌」歌いだす、歌が終われば続いて詠いだし、遠く望んで詠うのである。船の水きり音や櫂のきしむ音が歌に和せて舟は何処の港に向かっていくのか歌で知るのだ。
黃の鵲が啼けばあの娘に会えるというけれど、叫んでいるからすぐ会えるというものの、白鷗はもう岸辺で眠ってしまったのだろう、こんな劉郎のように我が家は遠く、廣く、疎ましくなってしまったことは誰が似てしまったのだろうか
(漁歌子二首其の一)
草 芊芊,波 漾漾,湖邊 艸色 連波漲る。
蓼岸【りょうがん】に沿い,楓汀に泊る,天の際 玉輪 初めて上る。
舷歌に扣き,聯とし極まりて望む,槳聲 伊に軋き 何に向うかを知る。
黃鵲は叫び,白鷗は眠る,誰ぞ似る 儂家 疏曠するを。
漁歌子二首其二
泛流螢,明又滅,夜涼水冷東灣闊。
風浩浩,笛寥寥,萬頃金波澄澈。
杜若洲,香郁烈,一聲宿鴈霜時節。
經霅水,過松江,盡屬濃家日月。
(船の旅情を詠うもので、江南の多くの湖をつなぐ運河を抜けて太湖・湖州、松江を抜けて我が家に帰る旅である。)
水に浮び流れるように蛍が飛び交う、その光を付けたり、消したりしながら飛んだりとまったりして、日中は暑かったが夜には水面をかすめた風は涼しさを運んでくるし、東の入り江の湾に広がる。
風は水がみなぎり広がっている太湖の上を抜けてきて、横笛曲がひっそりとしてもの寂しい中聞えてくる。広々とした水面に花見に日差しが射し、金色に輝き、水はそこまで見えるほど澄み切っている。
杜があるところは中洲のように砂がもりあがっていて、そこからお香の匂いが強烈に流れてくる。この宿で、一度笛に合わせて歌ったら、また雁のように北の方へ帰ってゆく霜の降りる季節になったのだなあ。
湖州の霅溪を過ぎ、舟は進んで松江を下ってゆくと、川沿いには我が家のように見える人家がつぎつぎあってああ、今度はどのくらいの期間過せるのだろうか。
(漁歌子二首 其の二)
流螢 泛び,明く又た滅して,夜涼 水冷 東灣 闊く。
風浩浩として,笛寥寥とし,萬頃 金波 澄澈す。
杜若の洲,香郁 烈し,一聲 宿鴈 霜の時節なり。
霅水を經て,松江を過る,盡 濃家 日月を屬す。
『漁歌子二首其二』 現代語訳と訳註
(本文)
漁歌子二首其二
泛流螢,明又滅,夜涼水冷東灣闊。
風浩浩,笛寥寥,萬頃金波澄澈。
杜若洲,香郁烈,一聲宿鴈霜時節。
經霅水,過松江,盡屬濃家日月。
(下し文)
(漁歌子二首 其の二)
流螢 泛び,明く又た滅して,夜涼 水冷 東灣 闊く。
風浩浩として,笛寥寥とし,萬頃 金波 澄澈す。
杜若の洲,香郁 烈し,一聲 宿鴈 霜の時節なり。
霅水を經て,松江を過る,盡 濃家 日月を屬す。
(現代語訳)
(船の旅情を詠うもので、江南の多くの湖をつなぐ運河を抜けて太湖・湖州、松江を抜けて我が家に帰る旅である。)
水に浮び流れるように蛍が飛び交う、その光を付けたり、消したりしながら飛んだりとまったりして、日中は暑かったが夜には水面をかすめた風は涼しさを運んでくるし、東の入り江の湾に広がる。
風は水がみなぎり広がっている太湖の上を抜けてきて、横笛曲がひっそりとしてもの寂しい中聞えてくる。広々とした水面に花見に日差しが射し、金色に輝き、水はそこまで見えるほど澄み切っている。
杜があるところは中洲のように砂がもりあがっていて、そこからお香の匂いが強烈に流れてくる。この宿で、一度笛に合わせて歌ったら、また雁のように北の方へ帰ってゆく霜の降りる季節になったのだなあ。
湖州の霅溪を過ぎ、舟は進んで松江を下ってゆくと、川沿いには我が家のように見える人家がつぎつぎあってああ、今度はどのくらいの期間過せるのだろうか。
(訳注)
漁歌子二首其二
花間集には、教坊曲『漁歌子』は八首所収されている。双調五十字、前後二十五字六句四仄韻、3❸❼3❸❻/3❸❼3❸❻の詞形をとる。若いころの放蕩を改め、風流、興を感じる隠士の生活を詠うものを基本とする。
漁歌子二首其二
(船の旅情を詠うもので、江南の多くの湖をつなぐ運河を抜けて太湖・湖州、松江を抜けて我が家に帰る旅である。)
泛流螢,明又滅,夜涼水冷東灣闊。
水に浮び流れるように蛍が飛び交う、その光を付けたり、消したりしながら飛んだりとまったりして、日中は暑かったが夜には水面をかすめた風は涼しさを運んでくるし、東の入り江の湾に広がる。
風浩浩,笛寥寥,萬頃金波澄澈。
風は水がみなぎり広がっている太湖の上を抜けてきて、横笛曲がひっそりとしてもの寂しい中聞えてくる。広々とした水面に花見に日差しが射し、金色に輝き、水はそこまで見えるほど澄み切っている。
浩浩 1 水がみなぎり広がっているさま。2 果てしなく広々としているさま。
寥寥【りょうりょう】1 ひっそりとしてもの寂しいさま。また、空虚なさま。「―たる荒れ野」2 数の非常に少ないさま。
萬頃【ばんきょう】〔「頃」は百畝の耕地の意。アール〕 地面または水面が広々としていること。
澄澈 ①水清く底まですみわたるさま。 ②清亮で明るくひろがろさま。月光澄澈|澄澈如镜。 ③明白であること。
杜若洲,香郁烈,一聲宿鴈霜時節。
杜があるところは中洲のように砂がもりあがっていて、そこからお香の匂いが強烈に流れてくる。この宿で、一度笛に合わせて歌ったら、また雁のように北の方へ帰ってゆく霜の降りる季節になったのだなあ。
郁:香気がさかんなさま。文化の高いこと。暖かい。綾模様。烈:1 勢いがはげしい。「烈火・烈日・烈震・烈風・烈烈/苛烈(かれつ)・強烈・激烈・熾烈(しれつ)・峻烈(しゅんれつ)・鮮烈・壮烈・痛烈・熱烈・猛烈」2 気性が強く、
經霅水,過松江,盡屬濃家日月。
湖州の霅溪を過ぎ、舟は進んで松江を下ってゆくと、川沿いには我が家のように見える人家がつぎつぎあってああ、今度はどのくらいの期間過せるのだろうか。
即霅溪。江南東道湖州



































































