玉臺新詠 全十巻 訳注解説

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之   唐五代詞詩・花間集・玉臺新詠 中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。 5年以上のブログ連載。(魚玄機・薛濤・花間集)完掲載 現在《玉臺新詠》完全版連載中 予定(文選【詩篇】文選【賦篇 楚辞 詩經 ・・・・)

孫光憲

中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。
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温庭筠の詞詩を約60首程度掲載の後、魚玄機50首程度連載し,薛濤約百首、韋莊五十首
森鴎外小説 『魚玄機』 彼女の詩を冷静に、客観的に分析 過去の女性蔑視の見方を排除して解釈 訳註解説
現在、『花間集』全詩500首、全首連載が終了した。いま、500首全首、見直し、改訂版Ver.2.1として、根本的に語訳、注釈をやり直して掲載しています。出来るだけ(改訂版Ver.2.1)と記している詩を読まれることを薦めます。
現在 玉臺新詠 訳注解説連載中
   玉臺新詠 概要 目録・目次 http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/list1.html

14-401《漁歌子二首》孫光憲(61)Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-584-14-(401) 巻二漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4467

日中は暑かったが夜には水面をかすめた風は涼しさを運んでくるし、東の入り江の湾に広がる。風は水がみなぎり広がっている太湖の上を抜けてきて、横笛曲がひっそりとしてもの寂しい中聞えてくる。広々とした水面に花見に日差しが射し、金色に輝き、水はそこまで見えるほど澄み切っている。

 
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14-401《漁歌子二首》孫光憲(61)唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-584-14-(401)  巻二漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4467

 

 

花間集には、教坊曲『漁歌子』は八首所収されている。

 

 

 

 

 

 

 

花間集 教坊曲『漁歌子』八首

 

 

作者



初句7字

 

 

(顧太尉

巻七

漁歌子一首

曉風清,幽沼綠,

 

 

孫光憲(孫少監光憲)

巻八

漁歌子二首其一

草芊芊,波漾漾

 

 

巻八

漁歌子二首其二

泛流螢,明又滅,

 

 

魏承班(魏太尉承班)

巻九

漁歌子一首

柳如眉,雲似髮。

 

 

李珣(李秀才珣)

巻十

漁歌子四首其一

草芊芊,花簇簇,

 

 

巻十

漁歌子四首其二

荻花秋,瀟湘夜,

 

 

巻十

漁歌子四首其三

柳垂絲,花滿樹

 

 

巻十

漁歌子四首其四

九疑山,三湘水

 

 

 

 

 

 

 

 

 

漁歌子二首其一

草芊芊,波漾漾,湖邊艸色連波漲。       

沿蓼岸,泊楓汀,天際玉輪初上。          

扣舷歌,聯極望,槳聲伊軋知何向。       

黃鵲叫,白鷗眠,誰似儂家疏曠。          

(劉郎のように家に帰らなくなった男が、漁師の歌う舟歌を聞きながら、次の港の女のもとにむかう)

草草はのびて芊芊と茂ってきた、浪は岸辺を溢れんばかりに漾漾と打ち寄せる。湖の岸辺には草は伸びて若草色は連綿と続き、水面は波立って漲っている。

岸辺には蓼がしげる中を風がぬけてゆく、湊には船が停泊して水内際に色づいた楓の木が水面に映す、やがて水平線から満月が昇り始める。

月が昇るのを待って漁師が「舷歌」歌いだす、歌が終われば続いて詠いだし、遠く望んで詠うのである。船の水きり音や櫂のきしむ音が歌に和せて舟は何処の港に向かっていくのか歌で知るのだ。

黃の鵲が啼けばあの娘に会えるというけれど、叫んでいるからすぐ会えるというものの、白鷗はもう岸辺で眠ってしまったのだろう、こんな劉郎のように我が家は遠く、廣く、疎ましくなってしまったことは誰が似てしまったのだろうか

(漁歌子二首其の一)

草 芊芊,波 漾漾,湖邊 艸色 連波漲る。   

蓼岸【りょうがん】に沿い,楓汀に泊る,天の際 玉輪 初めて上る。    

舷歌に扣き,聯とし極まりて望む,槳聲 伊に軋き 何に向うかを知る。 

黃鵲は叫び,白鷗は眠る,誰ぞ似る 儂家 疏曠するを。

             

漁歌子二首其二

泛流螢,明又滅,夜涼水冷東灣闊。       

風浩浩,笛寥寥,萬頃金波澄澈。          

杜若洲,香郁烈,一聲宿鴈霜時節。       

經霅水,過松江,盡屬濃家日月。          

(船の旅情を詠うもので、江南の多くの湖をつなぐ運河を抜けて太湖・湖州、松江を抜けて我が家に帰る旅である。)

水に浮び流れるように蛍が飛び交う、その光を付けたり、消したりしながら飛んだりとまったりして、日中は暑かったが夜には水面をかすめた風は涼しさを運んでくるし、東の入り江の湾に広がる。

風は水がみなぎり広がっている太湖の上を抜けてきて、横笛曲がひっそりとしてもの寂しい中聞えてくる。広々とした水面に花見に日差しが射し、金色に輝き、水はそこまで見えるほど澄み切っている。

杜があるところは中洲のように砂がもりあがっていて、そこからお香の匂いが強烈に流れてくる。この宿で、一度笛に合わせて歌ったら、また雁のように北の方へ帰ってゆく霜の降りる季節になったのだなあ。

湖州の霅溪を過ぎ、舟は進んで松江を下ってゆくと、川沿いには我が家のように見える人家がつぎつぎあってああ、今度はどのくらいの期間過せるのだろうか。

 

(漁歌子二首 其の二)

流螢 泛び,明く又た滅して,夜涼 水冷 東灣 闊く。

風浩浩として,笛寥寥とし,萬頃 金波 澄澈す。        

杜若の洲,香郁 烈し,一聲 宿鴈 霜の時節なり。     

霅水を經て,松江を過る,盡 濃家 日月を屬す。        

 

 

『漁歌子二首其二』 現代語訳と訳註

(本文)

漁歌子二首其二

泛流螢,明又滅,夜涼水冷東灣闊。             

風浩浩,笛寥寥,萬頃金波澄澈。   

杜若洲,香郁烈,一聲宿鴈霜時節。             

經霅水,過松江,盡屬濃家日月。   

 

(下し文)

(漁歌子二首 其の二)

流螢 泛び,明く又た滅して,夜涼 水冷 東灣 闊く。      

風浩浩として,笛寥寥とし,萬頃 金波 澄澈す。   

杜若の洲,香郁 烈し,一聲 宿鴈 霜の時節なり。             

霅水を經て,松江を過る,盡 濃家 日月を屬す。   

 

(現代語訳)

(船の旅情を詠うもので、江南の多くの湖をつなぐ運河を抜けて太湖・湖州、松江を抜けて我が家に帰る旅である。)

水に浮び流れるように蛍が飛び交う、その光を付けたり、消したりしながら飛んだりとまったりして、日中は暑かったが夜には水面をかすめた風は涼しさを運んでくるし、東の入り江の湾に広がる。

風は水がみなぎり広がっている太湖の上を抜けてきて、横笛曲がひっそりとしてもの寂しい中聞えてくる。広々とした水面に花見に日差しが射し、金色に輝き、水はそこまで見えるほど澄み切っている。

杜があるところは中洲のように砂がもりあがっていて、そこからお香の匂いが強烈に流れてくる。この宿で、一度笛に合わせて歌ったら、また雁のように北の方へ帰ってゆく霜の降りる季節になったのだなあ。

湖州の霅溪を過ぎ、舟は進んで松江を下ってゆくと、川沿いには我が家のように見える人家がつぎつぎあってああ、今度はどのくらいの期間過せるのだろうか。

 

太湖上海松江00
 

(訳注)

漁歌子二首其二

花間集には、教坊曲『漁歌子』は八首所収されている。双調五十字、前後二十五字六句四仄韻、3❸❼❸❻/3❸❼❸❻の詞形をとる。若いころの放蕩を改め、風流、興を感じる隠士の生活を詠うものを基本とする。

漁歌子二首其二

(船の旅情を詠うもので、江南の多くの湖をつなぐ運河を抜けて太湖・湖州、松江を抜けて我が家に帰る旅である。)

 

 

泛流螢,明又滅,夜涼水冷東灣闊。     

水に浮び流れるように蛍が飛び交う、その光を付けたり、消したりしながら飛んだりとまったりして、日中は暑かったが夜には水面をかすめた風は涼しさを運んでくるし、東の入り江の湾に広がる。

 

風浩浩,笛寥寥,萬頃金波澄澈。 

風は水がみなぎり広がっている太湖の上を抜けてきて、横笛曲がひっそりとしてもの寂しい中聞えてくる。広々とした水面に花見に日差しが射し、金色に輝き、水はそこまで見えるほど澄み切っている。

浩浩 1 水がみなぎり広がっているさま。2 果てしなく広々としているさま。

寥寥【りょうりょう】1 ひっそりとしてもの寂しいさま。また、空虚なさま。「―たる荒れ野」2 数の非常に少ないさま。

萬頃【ばんきょう】〔「頃」は百畝の耕地の意。アール〕 地面または水面が広々としていること。 

澄澈 ①水清く底まですみわたるさま。 ②清亮で明るくひろがろさま。月光澄澈|澄澈如 ③明白であること。

 

杜若洲,香郁烈,一聲宿鴈霜時節。     

杜があるところは中洲のように砂がもりあがっていて、そこからお香の匂いが強烈に流れてくる。この宿で、一度笛に合わせて歌ったら、また雁のように北の方へ帰ってゆく霜の降りる季節になったのだなあ。

郁:香気がさかんなさま。文化の高いこと。暖かい。綾模様。烈:1 勢いがはげしい。「烈火・烈日・烈震・烈風・烈烈/苛烈(かれつ)・強烈・激烈・熾烈(しれつ)・峻烈(しゅんれつ)・鮮烈・壮烈・痛烈・熱烈・猛烈」2 気性が強く、

 

經霅水,過松江,盡屬濃家日月。 

湖州の霅溪を過ぎ、舟は進んで松江を下ってゆくと、川沿いには我が家のように見える人家がつぎつぎあってああ、今度はどのくらいの期間過せるのだろうか。

即霅溪。江南東道湖州

松江 太湖から東流して上海を抜け太平洋に流れる。
唐時代 韓愈関連05
 

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25 《古風五十九首之二十五》Index-32Ⅳ-7 753年天寶十二年53歳583古風,五十九首之二十五世道日交喪, <25> Ⅰ李白詩1182 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4458 
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14-400

《漁歌子二首》孫光憲(60)唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-583-14-(400)  花間集 巻第八 (四十八首)漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4462

 

 

 

花間集には、教坊曲『漁歌子』は八首所収されている。

 

 

 

 

 

 

 

花間集 教坊曲『漁歌子』八首

 

 

作者



初句7字

 

 

(顧太尉

巻七

漁歌子一首

曉風清,幽沼綠,

 

 

孫少監光憲

巻八

漁歌子二首其一

草芊芊,波漾漾,

 

 

巻八

漁歌子二首其二

泛流螢,明又滅,

 

 

魏太尉承班

巻九

漁歌子一首

柳如眉,雲似髮。

 

 

李秀才珣

巻十

漁歌子四首其一

草芊芊,花簇簇,

 

 

巻十

漁歌子四首其二

荻花秋,瀟湘夜,

 

 

巻十

漁歌子四首其三

柳垂絲,花滿樹,

 

 

巻十

漁歌子四首其四

九疑山,三湘水,

 

 

 

 

 

 

 

 

 

漁歌子二首其一

(劉郎のように家に帰らなくなった男が、漁師の歌う舟歌を聞きながら、次の港の女のもとにむかう)

草芊芊,波漾漾,湖邊艸色連波漲。       

草草はのびて芊芊と茂ってきた、浪は岸辺を溢れんばかりに漾漾と打ち寄せる。湖の岸辺には草は伸びて若草色は連綿と続き、水面は波立って漲っている。

沿蓼岸,泊楓汀,天際玉輪初上。          

岸辺には蓼がしげる中を風がぬけてゆく、湊には船が停泊して水内際に色づいた楓の木が水面に映す、やがて水平線から満月が昇り始める。

扣舷歌,聯極望,槳聲伊軋知何向。       

月が昇るのを待って漁師が「舷歌」歌いだす、歌が終われば続いて詠いだし、遠く望んで詠うのである。船の水きり音や櫂のきしむ音が歌に和せて舟は何処の港に向かっていくのか歌で知るのだ。

黃鵲叫,白鷗眠,誰似儂家疏曠。          

黃の鵲が啼けばあの娘に会えるというけれど、叫んでいるからすぐ会えるというものの、白鷗はもう岸辺で眠ってしまったのだろう、こんな劉郎のように我が家は遠く、廣く、疎ましくなってしまったことは誰が似てしまったのだろうか

(漁歌子二首其の一)

草 芊芊,波 漾漾,湖邊 艸色 連波漲る。   

蓼岸【りょうがん】に沿い,楓汀に泊る,天の際 玉輪 初めて上る。    

舷歌に扣き,聯とし極まりて望む,槳聲 伊に軋き 何に向うかを知る。 

黃鵲は叫び,白鷗は眠る,誰ぞ似る 儂家 疏曠するを。

             

漁歌子二首其二

泛流螢,明又滅,夜涼水冷東灣闊。             

風浩浩,笛寥寥,萬頃金波澄澈。   

杜若洲,香郁烈,一聲宿鴈霜時節。             

經霅水,過松江,盡屬濃家日月。   

roudai112
 

 

『漁歌子二首其一』 現代語訳と訳註

(本文)

漁歌子二首其一

草芊芊,波漾漾,湖邊艸色連波漲。             

沿蓼岸,泊楓汀,天際玉輪初上。   

扣舷歌,聯極望,槳聲伊軋知何向。             

黃鵲叫,白鷗眠,誰似儂家疏曠。   

 

(下し文)

(漁歌子二首其の一)

草 芊芊,波 漾漾,湖邊 艸色 連波漲る。          

蓼岸【りょうがん】に沿い,楓汀に泊る,天の際 玉輪 初めて上る。             

舷歌に扣き,聯とし極まりて望む,槳聲 伊に軋き 何に向うかを知る。          

黃鵲は叫び,白鷗は眠る,誰ぞ似る 儂家 疏曠するを。      

 

(現代語訳)

(劉郎のように家に帰らなくなった男が、漁師の歌う舟歌を聞きながら、次の港の女のもとにむかう)

草草はのびて芊芊と茂ってきた、浪は岸辺を溢れんばかりに漾漾と打ち寄せる。湖の岸辺には草は伸びて若草色は連綿と続き、水面は波立って漲っている。

岸辺には蓼がしげる中を風がぬけてゆく、湊には船が停泊して水内際に色づいた楓の木が水面に映す、やがて水平線から満月が昇り始める。

月が昇るのを待って漁師が「舷歌」歌いだす、歌が終われば続いて詠いだし、遠く望んで詠うのである。船の水きり音や櫂のきしむ音が歌に和せて舟は何処の港に向かっていくのか歌で知るのだ。

黃の鵲が啼けばあの娘に会えるというけれど、叫んでいるからすぐ会えるというものの、白鷗はもう岸辺で眠ってしまったのだろう、こんな劉郎のように我が家は遠く、廣く、疎ましくなってしまったことは誰が似てしまったのだろうか

 

(訳注)

漁歌子二首其一

花間集には、教坊曲『漁歌子』は八首所収されている。双調五十字、前後二十五字六句四仄韻、3❸❼❸❻/3❸❼❸❻の詞形をとる。若いころの放蕩を改め、風流、興を感じる隠士の生活を詠うものを基本とする。

 

草芊芊,波漾漾,湖邊艸色連波漲。

草草はのびて芊芊と茂ってきた、浪は岸辺を溢れんばかりに漾漾と打ち寄せる。湖の岸辺には草は伸びて若草色は連綿と続き、水面は波立って漲っている。

○芊 芊(芊眠)《書》草木の茂るさま.

○漾漾 漾とは。意味や日本語訳。[]こぼれる,溢れる酒漾出来酒が溢れる.上漾出笑容笑顔がこぼれる.水がゆらゆら揺れる,たゆとう漾同前

 

沿蓼岸,泊楓汀,天際玉輪初上。 

岸辺には蓼がしげる中を風がぬけてゆく、湊には船が停泊して、水内際に色づいた楓の木が水面に映す、やがて水平線から満月が昇り始める。

○夜泊楓江 「月落烏啼霜滿天,江楓漁父對愁眠。 姑蘇城外寒山寺,夜半鍾聲到客船。」

○汀 海・湖などの,波が打ち寄せる所。波うちぎわ。みぎわ。

○玉輪【ぎょくりん】月の異称。

○蓼岸 岸辺には蓼がしげる。風に揺れることをイメージさせる。

孫光憲『浣溪沙九首其一』

蓼岸風多橘柚香,江邊一望楚天長,片帆煙際閃孤光。

目送征鴻飛杳杳,思隨流水去茫茫,蘭紅波碧憶瀟湘。

(浣溪沙九首 其の一)

蓼岸【りょうがん】風 橘柚の香多くし,江邊 一望 楚天長しい,片帆 煙際に 孤光 閃く。

目【もく】せば 征鴻を送れば 飛びて杳杳たり,思いは流水に隨い去りて茫茫たり,蘭は紅いに 波は碧く 瀟湘を憶う。

(秋には帰るといって旅立った人を何度も秋を迎えたが帰ってこない。雁が見えなくなるように、川が流れ去るように忘れていくことになるのか、もう死んでしまったのなら、瀟湘の女神にもあこがれる)

岸辺には蓼がしげる中を風がぬけると橘や柚子の香りを運んでくる、大江のほとりから一望すると楚の秋の空ははるかとおくまでつづく、一片の帆影を浮かべて霞む果てには風雨を呼ぶ閃光が一つきらめく。

女の眼は遠く飛び行く雁を消えて飛び去るまで追いかける、遠い先の帰ってこない男への思いは長江の流れとともに忘れ去ってしまう、蘭の花は紅色濃く、波は碧く瀟湘の慕情を偲ばせる。

 

扣舷歌,聯極望,槳聲伊軋知何向。     

月が昇るのを待って漁師が「舷歌」歌いだす、歌が終われば続いて詠いだし、遠く望んで詠うのである。船の水きり音や櫂のきしむ音が歌に和せて舟は何処の港に向かっていくのか歌で知るのだ。

○扣える【ひかえる・控える】 1㋐用事や順番に備えて、すぐ近くの場所にいて待つ。待機する。㋑目立たないようにしてそばにいる。㋒空間的・時間的に迫っている。近くに位置する。また、近い将来に予定される。

2・㋐度を越さないように、分量・度数などを少なめにおさえる。節制する。㋑自制や配慮をして、それをやめておく。見合わせる。㋒空間的・時間的にすぐ近くにある。近い所に持つ。あまり時を置かないで予定している。㋓忘れないように、また、念のため書きとめておく。㋔衣服などを、おさえつかんで、行かせないようにする。引きとめる。㋕引く。引っぱる。

○舷歌 漁父が船端を叩きながらうたった舟歌。

韓愈『湘中』

猿愁魚踊水翻波、自古流傳是汨羅。

蘋藻満盤無塵奠、空聞漁父叩舷歌

(湘中) 

猿愁え魚踊って水波を翻【ひるがえ】し、古【いにし】え自【よ】り流伝す走れ汨羅【べきら】たりと。

頻藻【ひんそう】盤に満つるも奠【そな】うる処無く、空しく聞く漁父の舷【ふなばた】を叩いて歌うを

猿は悲しげな鳴き声をあげ、魚ははねて、川の水は波をわきたたせている。昔からの言い伝えによれば、ここが旧羅なのだという。

水草は皿いっぱいに盛ったが、さてどこにそなえて屈原の霊を祭ったものだろう。屈原に対して漁父が船端を叩きながらうたった舟歌がいまはむなしく聞こえてくる。

○槳聲 船の水きり音。

 

黃鵲叫,白鷗眠,誰似儂家疏曠。 

黃の鵲が啼けばあの娘に会えるというけれど、叫んでいるからすぐ会えるというものの、白鷗はもう岸辺で眠ってしまったのだろう、こんな劉郎のように我が家は遠く、廣く、疎ましくなってしまったことは誰が似てしまったのだろうか

1 水路を分けて通す。「疏水・疏通」2 関係が分け離れる。うとくなる。「疏遠」3 粗末な。「疏食(そし)4 事柄の筋を分けていちいち説明する。
隋堤01
 

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(土塀が月明かりで雪の台の様にみえ その高さに咲く紅白梅の花により、遠くにいるあの人を思い、川の彼方から聞こえて来る笛の音は、「梅花落」の曲であの人を思うと詠う。)

 
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『花間集』には二首所収。孫光憲の作は一首収められている。双調三十八字、前段二十一字三句二平韻、後段十七字三句三平韻で、⑦7⑦/⑤⑦⑤の詞形をとる。

 

 

和學士凝(和凝)              望梅花一首

和凝《望梅花》 季節が変わって、春芽生えて成長した草草が全部萎れ、枯れたのも消えていった。12月も暮れて雪が積もり根雪として残り、進んだ足跡も残っていた。どんなことが起こったとしてもあの楽しい思い出の詰まった洛陽のようなところはどこにもない、ただ、今、耳に聞こえてきた、あの洛陽で聞いていた「横笛曲」にある「梅花落」の曲は何処の娼屋の家で演奏されているのだろうか。

和凝『望梅花』

春草全無消息,臈雪猶餘蹤跡。

越嶺寒枝香自拆,冷豔奇芳堪惜。

何事壽陽無處覓,吹入誰家橫笛。

(梅花を望む)

春草 全無にして息を消し,臈雪【ろうせつ】猶お蹤跡に餘る。

越嶺 寒枝 香れば自ら拆り,冷豔【れいえん】奇芳 惜しむを堪えん。

何事ぞ壽陽 覓むる處無し 誰が家か「橫笛」の曲を,吹き入るは。

12 -11 望梅花一首  和學士凝(和凝【わぎょう】)二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-438-12-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3737

 杏の花001

 

孫少監光憲           望梅花一首

望梅花

數枝開與短牆平,見雪萼紅跗相映,引起誰人邊塞情。

簾外欲三更,吹斷離愁月正明,空聽隔江聲。

(土塀が月明かりで雪の台の様にみえ その高さに咲く紅白梅の花により、遠くにいるあの人を思い、川の彼方から聞こえて来る笛の音は、「梅花落」の曲であの人を思うと詠う。)

低き土塀と肩並べるようにして梅の枝に花が開いている。月の光が照り映えると雪の花台にと紅の梅花がさいてうつくしい。これを見ると誰だって北方の国境警備にいっているあのひとへの思いにかられるのである。

閨で眠れぬままに過ごしていると簾の外には、真夜中を知らせる漏刻が聴こえてきはじめた、するとあの人を送り出す前に一緒に聞いていた横笛曲の「梅花落」音に我に戻ってみると愁いは消え、月の光はまさに明るく庭を照らしている、河を隔てた向こう岸の彼方より流れ来る横笛の調べに空しく聴き入るだけなのだ。

 

(望梅花)

数枝 開きて 與【とも】に 短牆と平らかに、雪萼 紅鮒 相い映ゆるを見、引き起こさん 誰人の辺塞の情を。

簾外 三更ならんと欲し、離愁を吹断して 月 正に明らかに、空しく聴く 江を隔つるの声を。

 

『望梅花』 現代語訳と訳註

(本文)

望梅花

數枝開與短牆平,見雪萼紅跗相映,引起誰人邊塞情。

簾外欲三更,吹斷離愁月正明,空聽隔江聲。

 

(下し文)

(望梅花)

数枝 開きて 與【とも】に 短牆と平らかに、雪萼 紅鮒 相い映ゆるを見、引き起こさん 誰人の辺塞の情を。

簾外 三更ならんと欲し、離愁を吹断して 月 正に明らかに、空しく聴く 江を隔つるの声を。

 

 

(現代語訳)

(土塀が月明かりで雪の台の様にみえ その高さに咲く紅白梅の花により、遠くにいるあの人を思い、川の彼方から聞こえて来る笛の音は、「梅花落」の曲であの人を思うと詠う。)

低き土塀と肩並べるようにして梅の枝に花が開いている。月の光が照り映えると雪の花台にと紅の梅花がさいてうつくしい。これを見ると誰だって北方の国境警備にいっているあのひとへの思いにかられるのである。

閨で眠れぬままに過ごしていると簾の外には、真夜中を知らせる漏刻が聴こえてきはじめた、するとあの人を送り出す前に一緒に聞いていた横笛曲の「梅花落」音に我に戻ってみると愁いは消え、月の光はまさに明るく庭を照らしている、河を隔てた向こう岸の彼方より流れ来る横笛の調べに空しく聴き入るだけなのだ。

 花蕊夫人006

(訳注)

望梅花

『花間集』には二首所収。孫光憲の作は一首収められている。双調三十八字、前段二十一字三句二平韻、後段十七字三句三平韻で、⑦7⑦/⑤⑦⑤の詞形をとる。

(土塀が月明かりで雪の台の様にみえ その高さに咲く紅白梅の花により、遠くにいるあの人を思い、川の彼方から聞こえて来る笛の音は、「梅花落」の曲であの人を思うと詠う。)

【解説】前段第二句の「見雪萼紅跗相映」雪の花台の上に紅梅の花がさいていれば、誰だって辺塞への思いを誘うだろう」という。雪は北方の辺境をおもわせる。後段、川の彼方から聞こえて来る笛の音は、「梅花落」の曲である。和凝の詩と同じ横笛の曲辞である。橫笛:漢代の「横笛曲」にある「梅花落」という笛曲。中国古代音楽於いての楽器は、竪箜篌・琵琶・五絃・笙・橫笛・簫・篳篥・羯鼓・. 腰鼓・荅臘などがある。

 

數枝開與短牆平,見雪萼紅跗相映,引起誰人邊塞情。

低き土塀と肩並べるようにして梅の枝に花が開いている。月の光が照り映えると雪の花台にと紅の梅花がさいてうつくしい。これを見ると誰だって北方の国境警備にいっているあのひとへの思いにかられるのである。

○雪萼紅跗 雪のように白い萼と紅の花のうてな。ここでは、雪のように白い花びらと紅の花房とを指す。萼【うてな】1 四方を眺めるために建てられた高い建物。高殿(たかどの)。2 極楽に往生した者の座る蓮(はす)の花の形をした台。蓮台(れんだい)。3 (「萼」とも書く)花の萼(がく)。4 眺望をよくするために、土を積んで高くした所。〈和名抄〉

 

簾外欲三更,吹斷離愁月正明,空聽隔江聲。

閨で眠れぬままに過ごしていると簾の外には、真夜中を知らせる漏刻が聴こえてきはじめた、するとあの人を送り出す前に一緒に聞いていた横笛曲の「梅花落」音に我に戻ってみると愁いは消え、月の光はまさに明るく庭を照らしている、河を隔てた向こう岸の彼方より流れ来る横笛の調べに空しく聴き入るだけなのだ。

○欲三更 間もなく夜半になる。欲は今にも〜しそうだ、の意。三更は真夜中。「更漏子」・三更雨  夜を五更に分けた第三の時刻をいう。十二時から二時ごろまでの真夜半。

溫庭筠『更漏子』 ()  

玉爐香、紅蝋涙。偏照畫堂秋思。

眉翠薄、鬢雲殘。夜長衾枕寒。

梧桐樹。三更雨。不道離情正苦。

一葉葉、一聲聲。空階滴到明。

『更漏子 六』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-20-2-#6 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1696

○吹断離愁 辺塞にいる夫は角笛により故郷のことを思っているだろう、芸妓は横吹曲の「梅花落」をきいては北域や西域の辺境にいる夫を思う。

○花落 横吹曲辞·梅花落 

 盧照鄰「横吹曲」、『梅花落』が奏されていた。

盧照鄰(641680)河北(范陽)の人。初唐の四傑の一人。

梅花落

梅院花初発、天山雪未開。

雪処疑花満、花辺似雪廻。

因風入舞袖、雑紛向牀台。

匈奴幾万里、春至不知来。

梅院の花が初めて発くも、天山の雪は未まだ開かず

雪ふる処は花満つるかと疑い、花辺は雪の廻るに似たり

風に因りて舞袖に入り、紛に雑じりて牀台に向う

匈奴 幾万里、春至るも来たるを知らず

 

楊柳條青樓上輕,梅花色白雪中明。横笛短簫淒復切,誰知柏梁聲不 

○涼風 秋風。梁の江淹(444505年)の班?妤の詠扇に擬古詩に「窃かに愁う涼風の至り、我が玉階の樹に吹くことを。」とあるのをふまえる。班礎好は漢の成帝劉?(紀元前五紀元七年)の宮妓、趙飛燕に寵を奪われて怨歌行を作った。それに「常に恐る秋節の至るを。」という句が含まれている。○西頭 後宮の西辺。西は閨を示す。寵愛に秋風ということだ。頭はあたり。

 

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昔は呉の国の政治の中心であったものが滅んだのでとむらいをすることのようであり、ここに来たそれぞれのものは自然に首を垂れるのである。そんなことよりここ淮陰の呉の国のでよいことは仲秋の名月が素晴らしいということ、そこにいる楊柳を折って旅立つ人の安全を願った美人が素晴らしいということだ。こんな美人の入る高楼で酒を酌み交わし呉越の「横笛曲」を吹き鳴らすのに勝るものが他にあろうか。

 
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金帯の高貴な人についていく、誰がこのような顔を見るけど何にもできないような生活を絶えることが出来るというのだろう、それでもまた、ここには一人と女と同じような運命の高麗鶯がふえていく、仕返しも何もできないものが一緒にたくさんいるのだ。


《陽柳枝四首 其三》孫光憲(57)Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-580-14-(397)  花間集 巻第八 (四十八首)漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4447

 
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 Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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それは人間の生きていくことに似ているものであり、長く調べてみるとそんなことがよくあるのである、旅から戻ってきたり、旅に出ようとするし、一方を排し、他方を立てること、逢うも別れもあるものだし、愛されていても、捨てられることもあるが、春風が吹いてくれば、万物は春に向っての思いはみんな一緒なのである。

 
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楊柳枝四首其一

閶門風暖落花乾,飛遍江城雪不寒。

獨有晚來臨水驛,閑人多凭赤欄干。

(蘇州の花街の女妓が船で旅立った人が帰ってこないのを待ち侘びて舟が入って来るたびにそれを見守ると詠う)

呉城の西北門の「閶闔門」から見れば春も終わりの風が暖かく花を落下させやがて乾燥させる。やがて、風が北から偏って吹きはじめると大江のほとりに立つ城郭に雪が降ることるが寒気に堪えられないほどのものではないのです。(一人で居るのが耐えられないのです)

また一人で居るけれど夕闇が迫るころになれば、あの人のことが気になって水陸駅に舟の入って来るのを臨むのです。女と同じ暇を持て余す人たちが大勢、紅い欄干に倚りかかって眺めているのです。

(楊柳枝 四首其の一)

閶門 風暖く 花を落し乾く,飛遍 江城 雪寒からず。

獨り有る 晚來りて 水驛に臨み,人閑にして多く赤欄干に凭れる。

 

 

楊柳枝四首其二

有池有榭即濛濛,浸潤飜成長養功。

恰似有人長點檢,着行排立向春風。

(棄てられた女が春が来ればやはりあの人のことを思ってしまう。万物春が来ればみんなそうなのだと詠う。)

池があれば、あずまやがあるというものであるが、霧に包まれれば何が何だか分からなくなる。水につかったり、ずぶぬれになったり、あるいはひっくり返ったり起き上がったり、そうやって長く生物は養われ、育っていくのである。

それは人間の生きていくことに似ているものであり、長く調べてみるとそんなことがよくあるのである、旅から戻ってきたり、旅に出ようとするし、一方を排し、他方を立てること、逢うも別れもあるものだし、愛されていても、捨てられることもあるが、春風が吹いてくれば、万物は春に向っての思いはみんな一緒なのである。

(楊柳枝 四首 其の二)

池有り 榭有る 即濛濛とす,浸潤し 飜成して 長しく 養功す。

恰も 人に有る 長しく點檢するに似たり,行に着き 排立するも 春風に向う。

 

 

楊柳枝四首其三

根柢雖然傍濁河,無妨終日近笙歌。

驂驂金帶誰堪比,還共黃鶯不校多。

 

楊柳枝四首其四

萬株枯槁怨亡隋,似弔臺各自垂。

好是淮陰明月裏,酒樓橫笛不勝吹。

楊柳枝001
 

 

『楊柳枝四首』 現代語訳と訳註

(本文)

楊柳枝四首其二

有池有榭即濛濛,浸潤飜成長養功。

恰似有人長點檢,着行排立向春風。

 

 

(下し文)

(楊柳枝 四首 其の二)

池有り 榭有る 即濛濛とす,浸潤し 飜成して 長しく 養功す。

恰も 人に有る 長しく點檢するに似たり,行に着き 排立するも 春風に向う。

 

 

(現代語訳)

(棄てられた女が春が来ればやはりあの人のことを思ってしまう。万物春が来ればみんなそうなのだと詠う。)

池があれば、あずまやがあるというものであるが、霧に包まれれば何が何だか分からなくなる。水につかったり、ずぶぬれになったり、あるいはひっくり返ったり起き上がったり、そうやって長く生物は養われ、育っていくのである。

それは人間の生きていくことに似ているものであり、長く調べてみるとそんなことがよくあるのである、旅から戻ってきたり、旅に出ようとするし、一方を排し、他方を立てること、逢うも別れもあるものだし、愛されれていても、捨てられることもあるが、春風が吹いてくれば、万物は春に向っての思いはみんな一緒なのである。

 

 

(訳注)

楊柳枝四首其二

唐の教坊の曲名。単調と双調とがある。『花間集』には二十四百所収(同調異名の「柳枝」九首を含む)。孫光憲の作は四首収められている。溫庭筠と同じ単調二十八字、四句三平韻で、⑦⑦7⑦の詞形をとる。

(棄てられた女が春が来ればやはりあの人のことを思ってしまう。万物春が来ればみんなそうなのだと詠う。)

 

 

有池有榭即濛濛,浸潤飜成長養功。

池があれば、あずまやがあるというものであるが、霧に包まれれば何が何だか分からなくなる。水につかったり、ずぶぬれになったり、あるいはひっくり返ったり起き上がったり、そうやって長く生物は養われ、育っていくのである。

○榭 榭とは。意味や日本語訳。屋根のあるうてな,あずまや()水榭水ぎわの亭(チン)

濛濛 1 霧・煙・ほこりなどが立ちこめるさま。「―と砂ぼこりをまき上げる」2 心がぼんやりとしているさま。「木の本に―としてぞ立たりける」

飜成 ひっくり返ったり元に戻ったりする。

 

恰似有人長點檢,着行排立向春風。

それは人間の生きていくことに似ているものであり、長く調べてみるとそんなことがよくあるのである、旅から戻ってきたり、旅に出ようとするし、一方を排し、他方を立てること、逢うも別れもあるものだし、愛されれていても、捨てられることもあるが、春風が吹いてくれば、万物は春に向っての思いはみんな一緒なのである。

○恰[訓]あたかもちょうど。あたかも。「恰好(かっこう)」◇「恰好(かっこう)」「恰幅(かっぷく)」の「恰」の末尾促音は、「コウ(カフ)」の入声(にっしょう)pの変化したもの。

○點檢 スル 一つ一つ検査すること。くわしく調べること。 「エンジンを-する」 「人数を-する」 「点検」に似た言葉»。檢〔検〕[音]ケン[訓]しらべる[学習漢字]51 取り調べる。「検閲・検査・検察・検死・検出・検証・検診・検定・検討/実検・点検・剖検」2 とりしまる。「検束」3 検査。

 

○排立 二つのものを比べ、一方を排し、他方を立てること。排するとは、1 押しのける。しりぞける。排斥する。「万難を―・して進む」「反対勢力を―・する」2 並べる。排列する。「漢字を画数順に―・する」3 押し開く。
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呉城の西北門の「閶闔門」から見れば春も終わりの風が暖かく花を落下させやがて乾燥させる。やがて、風が北から偏って吹きはじめると大江のほとりに立つ城郭に雪が降ることるが寒気に堪えられないほどのものではないのです。(一人で居るのが耐えられないのです)

 
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春はとっくに過ぎはじめて吹いてきた風に草木が吹き斃れてくるのを見ると秋の気配を感じる。赤く咲いていた蘭の花も、緑の香草も枯れてくることを思うと栄枯盛衰を憂えてしまうのだ。風は片側に吹きわたり、草木が揺れる波を片側に寄せて行くのでなおさら心が痛むこの場所である。西施の魂はもう消えてなくなっているはずなのに、見るものすべてを西施と関連付けてしまうので見るのをやめねばならないのだ。

 
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14-394《思越人二首 其二》孫光憲(54)Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-577-14-(394)  花間集 巻第八 (四十八首)漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4432

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花間集 教坊曲『思越人』四首

 

 

張舍人泌

巻四

思越人一首

鷰雙飛,鶯百囀,

 

 

孫少監光憲

巻八

思越人二首其一

古臺平,芳艸遠

 

 

巻八

思越人二首其一

渚蓮枯,宮樹老

 

 

鹿太保虔扆

巻九

思越人一首

翠屏欹,銀燭背,

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思越人二首 其一

古臺平,芳艸遠,館娃宮外春深。

翠黛空留千載恨,教人何處相尋。

綺羅無復當時事,露花點滴香淚。

惆悵遙天橫淥水,鴛鴦對對飛起。

(西施の遺跡である古蘇臺、館娃宮を訪れての懐古の情を詠う。とくに、緑の水につがいの鴛鴦、緑の水に泛ぶ白い雲は西施の素足を連想させる。)

呉王の夫差が西施のために築き遊宴を開いた紫石山の高台はいま平地となり、草は遠くにまで連なり、霊岩山の西施の居所の館娃官の外にも、春は深くなっている。

この地には翠黛美しき西施が空しく千載の恨みを留めている、しかし、その人もはやどこに尋ねたらあえるのか、尋ね求めるすべはないのだ。

越の名産である美しい綺羅の衣裳まとっていた当時の栄華は既にここにはないが、朝露のおける花は香りを含んだ涙を滴らしている。

ここでは歎き悲しみをさそう、空の果てまで緑水横たわり続く、その水に鴛鴦の番が浮かび、飛び立つときにも番になっている景色であるということだ。 

(越の人を思う 二首 其の一)

古台 平らかに、芳草 遠く、館娃官の外 春 深くす。

翠黛 空しく留む 千載の恨み、人をして何処にか相い尋ねしむ。

綺羅 復た当時の事 無く、露花 香涙を点滴す。

惆悵す 遙天 淥水 横たわり、鴛鴦 対対として飛び起つ。

 

 

思越人二首 其二

渚蓮枯,宮樹老,長洲廢苑蕭條。

想像玉人空處所,月明獨上溪橋。

經春初敗秋風起,紅蘭綠蕙愁死。

一片風流傷心地,魂銷目斷西子。

(西施の遺跡である古蘇臺、館娃宮を訪れての懐古の情を詠う。とくに、玉人、月明、溪橋、經春、秋風、紅蘭、綠蕙とすべて西施・宮女に関連したもので侘しさ、愁いを詠う。)

西施が見留められた「採蓮」の蓮は枯れ、館娃宮の樹木は老木となっている。長い砂浜が続き華やかだった庭園も見る人もなく崩れ廃墟となってひっそりとしている。

栄華を極めた煌びやかに耀く宮人やその頃の容を思い浮かべてみると何処も空しい所ばかりである。夜が訪れて月明かりに照らされた谷間の端を一人で渡ってみる。

春はとっくに過ぎはじめて吹いてきた風に草木が吹き斃れてくるのを見ると秋の気配を感じる。赤く咲いていた蘭の花も、緑の香草も枯れてくることを思うと栄枯盛衰を憂えてしまうのだ。

風は片側に吹きわたり、草木が揺れる波を片側に寄せて行くのでなおさら心が痛むこの場所である。西施の魂はもう消えてなくなっているはずなのに、見るものすべてを西施と関連付けてしまうので見るのをやめねばならないのだ。

 

(思越人二首 其の二)

渚の蓮は枯れ,宮の樹は老い,長洲 廢苑 蕭條す。

像を想う 玉人 空處の所,月明く 獨り溪橋を上る。

春を經て 初めて敗る 秋風起つに,紅蘭 綠蕙 死を愁う。

一片 風流 傷心の地,魂銷 目は西子を斷つ 。

姑蘇台02rihaku200
 

 

『思越人二首 其二』 現代語訳と訳註

(本文)

思越人二首 其二

渚蓮枯,宮樹老,長洲廢苑蕭條。

想像玉人空處所,月明獨上溪橋。

經春初敗秋風起,紅蘭綠蕙愁死。

一片風流傷心地,魂銷目斷西子。

 

(下し文)

思越人二首 其二

渚の蓮は枯れ,宮の樹は老い,長洲 廢苑 蕭條す。

像を想う 玉人 空處の所,月明く 獨り溪橋を上る。

春を經て 初めて敗る 秋風起つに,紅蘭 綠蕙 死を愁う。

一片 風流 傷心の地,魂銷 目は西子を斷つ 。

 

檀の実00
 

(現代語訳)

(西施の遺跡である古蘇臺、館娃宮を訪れての懐古の情を詠う。とくに、玉人、月明、溪橋、經春、秋風、紅蘭、綠蕙とすべて西施・宮女に関連したもので侘しさ、愁いを詠う。)

西施が見留められた「採蓮」の蓮は枯れ、館娃宮の樹木は老木となっている。長い砂浜が続き華やかだった庭園も見る人もなく崩れ廃墟となってひっそりとしている。

栄華を極めた煌びやかに耀く宮人やその頃の容を思い浮かべてみると何処も空しい所ばかりである。夜が訪れて月明かりに照らされた谷間の端を一人で渡ってみる。

春はとっくに過ぎはじめて吹いてきた風に草木が吹き斃れてくるのを見ると秋の気配を感じる。赤く咲いていた蘭の花も、緑の香草も枯れてくることを思うと栄枯盛衰を憂えてしまうのだ。

風は片側に吹きわたり、草木が揺れる波を片側に寄せて行くのでなおさら心が痛むこの場所である。西施の魂はもう消えてなくなっているはずなのに、見るものすべてを西施と関連付けてしまうので見るのをやめねばならないのだ。

 

(訳注)

思越人二首 其二

『花間集』には四首所収。孫光憲の作は二首収められている。双調五十一字、前段二十五字五句二平韻、後段二十六字四句四仄韻で、33⑥7⑥/❼❻❼❻の詞形をとる。なお、『花間集』の思越人は鷓鴣天、思佳客、醉梅花の異名があるが、時代がもう少しあとになるもので無関係である。

(西施の遺跡である古蘇臺、館娃宮を訪れての懐古の情を詠う。とくに、緑の水につがいの鴛鴦、緑の水に泛ぶ白い雲は西施の素足を連想させる。)

 

渚蓮枯,宮樹老,長洲廢苑蕭條。

西施が見留められた「採蓮」の蓮は枯れ、館娃宮の樹木は老木となっている。長い砂浜が続き華やかだった庭園も見る人もなく崩れ廃墟となってひっそりとしている。

蕭條 ひっそりとしてもの寂しいさま。詠懐を表現する際に使う語。

杜甫『詠懐古跡 其の二』

搖落深知宋玉悲,風流儒雅亦吾師。

悵望千秋一灑淚,蕭條異代不同時。

江山故宅空文藻,雲雨荒台豈夢思。

最是楚宮俱泯滅,舟人指點到今疑。

『曲江三章 第一章五句』

曲江蕭條秋氣高,菱荷枯折隨風濤。

遊子空嗟垂二毛,白石素沙亦相蕩,哀鴻獨叫求其曹。

曲江三章 章五句(1) 杜甫:kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 52 

 

想像玉人空處所,月明獨上溪橋。

栄華を極めた煌びやかに耀く宮人やその頃の容を思い浮かべてみると何処も空しい所ばかりである。夜が訪れて月明かりに照らされた谷間の端を一人で渡ってみる。

 

經春初敗秋風起,紅蘭綠蕙愁死。

春はとっくに過ぎはじめて吹いてきた風に草木が吹き斃れてくるのを見ると秋の気配を感じる。赤く咲いていた蘭の花も、緑の香草も枯れてくることを思うと栄枯盛衰を憂えてしまうのだ。

紅蘭 ベニバナの別称。キク科の越年草、園芸植物、薬用植物。

綠蕙 香草のこと。この紅蘭綠蕙は当時華やかだった宮女のことをいう。とりわけ、西施について言うのである。

 

一片風流傷心地,魂銷目斷西子

風は片側に吹きわたり、草木が揺れる波を片側に寄せて行くのでなおさら心が痛むこの場所である。西施の魂はもう消えてなくなっているはずなのに、見るものすべてを西施と関連付けてしまうので見るのをやめねばならないのだ。

 

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(西施の遺跡である古蘇臺、館娃宮を訪れての懐古の情を詠う。とくに、緑の水につがいの鴛鴦、緑の水に泛ぶ白い雲は西施の素足を連想させる。)呉王の夫差が西施のために築き遊宴を開いた紫石山の高台はいま平地となり、草は遠くにまで連なり、霊岩山の西施の居所の館娃官の外にも、春は深くなっている。

 
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14-393《思越人二首 其一》孫光憲(53)Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-576-14-(393)  花間集 巻第八 (四十八首)漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4427 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花間集 教坊曲『思越人』四首

 

 

張舍人泌

巻四

思越人一首

鷰雙飛,鶯百囀

 

 

孫少監光憲

巻八

思越人二首其一

古臺平,芳艸遠

 

 

巻八

思越人二首其一

渚蓮枯,宮樹老,

 

 

鹿太保虔扆

巻九

思越人一首

翠屏欹,銀燭背

 

 

 

 

 

 

 

思越人二首 其一

(西施の遺跡である古蘇臺、館娃宮を訪れての懐古の情を詠う。とくに、緑の水につがいの鴛鴦、緑の水に泛ぶ白い雲は西施の素足を連想させる。)

古臺平,芳艸遠,館娃宮外春深。

呉王の夫差が西施のために築き遊宴を開いた紫石山の高台はいま平地となり、草は遠くにまで連なり、霊岩山の西施の居所の館娃官の外にも、春は深くなっている。

翠黛空留千載恨,教人何處相尋。

この地には翠黛美しき西施が空しく千載の恨みを留めている、しかし、その人もはやどこに尋ねたらあえるのか、尋ね求めるすべはないのだ。

綺羅無復當時事,露花點滴香淚。

越の名産である美しい綺羅の衣裳まとっていた当時の栄華は既にここにはないが、朝露のおける花は香りを含んだ涙を滴らしている。

惆悵遙天橫淥水,鴛鴦對對飛起。

ここでは歎き悲しみをさそう、空の果てまで緑水横たわり続く、その水に鴛鴦の番が浮かび、飛び立つときにも番になっている景色であるということだ。 

(越の人を思う 二首 其の一)

古台 平らかに、芳草 遠く、館娃官の外 春 深くす。

翠黛 空しく留む 千載の恨み、人をして何処にか相い尋ねしむ。

綺羅 復た当時の事 無く、露花 香涙を点滴す。

惆悵す 遙天 淥水 横たわり、鴛鴦 対対として飛び起つ。

 

思越人二首 其二

渚蓮枯,宮樹老,長洲廢苑蕭條。

想像玉人空處所,月明獨上溪橋。

經春初敗秋風起,紅蘭綠蕙愁死。

一片風流傷心地,魂銷目斷西子。

 

 

『思越人二首 其一』 現代語訳と訳註

(本文)

思越人二首 其一

古臺平,芳艸遠,館娃宮外春深。

翠黛空留千載恨,教人何處相尋。

綺羅無復當時事,露花點滴香淚。

惆悵遙天橫淥水,鴛鴦對對飛起。

 

(下し文)

(越の人を思う 二首 其の一)

古台 平らかに、芳草 遠く、館娃官の外 春 深くす。

翠黛 空しく留む 千載の恨み、人をして何処にか相い尋ねしむ。

綺羅 復た当時の事 無く、露花 香涙を点滴す。

惆悵す 遙天 淥水 横たわり、鴛鴦 対対として飛び起つ。

 

(現代語訳)

(西施の遺跡である古蘇臺、館娃宮を訪れての懐古の情を詠う。とくに、緑の水につがいの鴛鴦、緑の水に泛ぶ白い雲は西施の素足を連想させる。)

呉王の夫差が西施のために築き遊宴を開いた紫石山の高台はいま平地となり、草は遠くにまで連なり、霊岩山の西施の居所の館娃官の外にも、春は深くなっている。

この地には翠黛美しき西施が空しく千載の恨みを留めている、しかし、その人もはやどこに尋ねたらあえるのか、尋ね求めるすべはないのだ。

越の名産である美しい綺羅の衣裳まとっていた当時の栄華は既にここにはないが、朝露のおける花は香りを含んだ涙を滴らしている。

ここでは歎き悲しみをさそう、空の果てまで緑水横たわり続く、その水に鴛鴦の番が浮かび、飛び立つときにも番になっている景色であるということだ。

 

(訳注)

思越人二首 其一

『花間集』には四首所収。孫光憲の作は二首収められている。双調五十一字、前段二十五字五句二平韻、後段二十六字四句四仄韻で、33⑥7⑥/❼❻❼❻の詞形をとる。なお、『花間集』の思越人は鷓鴣天、思佳客、醉梅花の異名があるが、時代がもう少しあとになるもので無関係である。

(西施の遺跡である古蘇臺、館娃宮を訪れての懐古の情を詠う。とくに、緑の水につがいの鴛鴦、緑の水に泛ぶ白い雲は西施の素足を連想させる。)

【解説】 西施の遺跡である古蘇臺、館娃宮を訪れての懐古の情を詠う。前段は、呉王の夫差が西施のために築いた姑蘇台は既に今は跡形もなく、ただ平地を残すのみで、辺り一帯は春もすっかり深まり、千載の遺恨を留める西施の姿は、もはやどこにも求めるすべのないことを言う。後段は、当時の栄華を伝えるものは何一つなく、露に濡れた花が西施の涙を思わせる滴をこぼすばかりで、遙か空の彼方の水辺から、番、番になって飛び立つ鴛駕(オシドリ) に悲しみに誘われることを語る。前段第四句の翠黛は西施を指すが、当時、館娃官の跡地一帯には柳が多く植えられていたことから、同時に、西施の美しい眉を思わせる柳の葉、西施は素足で作業していた採蓮の際に見つけられたという。緑の水に白い雲が白い素足ということでこの詩は成り立っている。

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古臺平,芳艸遠,館娃宮外春深。

呉王の夫差が西施のために築き遊宴を開いた紫石山の高台はいま平地となり、草は遠くにまで連なり、霊岩山の西施の居所の館娃官の外にも、春は深くなっている。

○古台 姑蘇台。呉王の夫差が西施のために築き遊宴を開いた台。

中国江蘇省呉県(現、蘇州市)の南西、姑蘇山上にあった離宮。呉王夫差が越を破って得た美人西施らを住まわせた。(胥台しょだい。)

○館娃官 呉の宮殿の名。西施の居所。

○古臺・館娃宮・木涜 姑蘇台と 館娃宮は木涜にある。これは、春秋時代、呉の王が越から貢がれた木材を使って西施のために霊岩山に「館娃宮」を建てさせ、紫石山に姑蘇台を建てさせた際、工事が非常に大規模になって材木を集めるのに3年かかり、水路が木で埋め尽くされたことから「木涜」という地名で呼ばれるようになったという。蘇州市から西に5キロ、太湖に隣接し、霊岩山のふもとに位置す。池が無数にあることから、堤防強化の植樹の柳の緑が目立ち、七句の「橫淥水」という表現につながる。

合歓の花
 

翠黛空留千載恨,教人何處相尋。

この地には翠黛美しき西施が空しく千載の恨みを留めている、しかし、その人もはやどこに尋ねたらあえるのか、尋ね求めるすべはないのだ。

○翠黛 美人の眉。ここでは西施を指す。

 

綺羅無復當時事,露花點滴香淚。

越の名産である美しい綺羅の衣裳まとっていた当時の栄華は既にここにはないが、朝露のおける花は香りを含んだ涙を滴らしている。

○給羅 《「綺」は綾織りの絹布、「羅」は薄い絹布の意》1 美しい衣服。羅綺。「―をまとう」2 外見が華やかなこと。また、うわべを装い飾ること。「―を張る」「―を競う」3 栄華をきわめること。権勢の盛んなこと。ここでは西施が美しい衣裳をまとって呉王の寵愛を一身に集めていた当時の栄華を意味する。

○露花点滴香涙 露の降りた花からは香しい露の滴が滴る。花のように美しい西施が涙を滴らすさまを重ねる。この句の意味には、花間集としてのお遊びの意味が込められ、エロを加えることで、教坊曲を成立させている。

花鴨004
 

惆悵遙天橫淥水,鴛鴦對對飛起。

ここでは歎き悲しみをさそう、空の果てまで緑水横たわり続く、その水に鴛鴦の番が浮かび、飛び立つときにも番になっている景色であるということだ。

○惆悵 嘆き悲しむ。韋荘は好んで使った語である。

韋莊『浣渓沙』其三

惆悵夢餘山月斜、孤燈照壁背窗紗、小樓高閣謝娘家。

暗想玉容何所似、一枝春雪凍梅花、満身香霧簇朝霞。

浣渓沙 其三 (惆悵夢餘山月斜) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-266-5-#20  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2877

『淸平樂』

野花芳草,  寂寞關山道。

柳吐金絲鶯語早,惆悵香閨暗老。

羅帶悔結同心, 獨凭朱欄思深。

夢覺半床斜月, 小窗風觸鳴琴。

淸平樂 () 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-261-5-#15  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2687

『荷葉杯』

記得那年花下。 深夜。

初識謝娘時。

水堂西面畫簾垂。 攜手暗相期。

惆悵曉鶯殘月。 相別。

從此隔音塵。

如今倶是異鄕人。 相見更無因。

荷葉杯 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-258-5-#12  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2672

『應天長 之二』韋莊

別来半歳青書絶、一寸離腸千萬結。

難相見。易相別、又是玉楼花似雪。

暗相思、無虚説、惆悵夜来煙月。

想得此時情切、 涙沾紅袖

小樓高閣謝娘家。

暗想玉容何所似、一枝春雪凍梅花、

應天長 二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-257-5-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2667

『歸國遙』 韋荘

春欲暮、 滿地落花紅帶雨。

惆悵玉籠鸚鵡、單棲無伴侶。

南望去程何許、問花花不語。

早晩得同歸去、恨無雙翠羽。

歸國遙 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-252-5-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2642

韋荘『菩薩蠻 一』

紅樓別夜堪惆悵。 香燈半捲流蘇帳。

殘月出門時。美人和涙辭。

琵琶金翠羽。絃上黄鶯語。

勸我早歸家。綠窗人似花。

菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617

○遙天 思いをはせるところが明確でない場合の語句。青空に浮ぶ、遠い白い雲をいい、水の緑とで際立たせる。

○橫淥水 渓谷の淵の水の色。楊の土手下の水の色。楊を映す水面。春の増水の水の色。
隋堤01

14-392《謁金門一首》孫光憲(52)Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-575-14-(392) 花間集 巻第八 (四十八首)漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4422

あの人を引き止めることはできません、引き止めたとしても無益であったに違いないとおもうのです。あの人の白麻の春着は雪のように白かったのが目に焼き付いています、初めて揚州へと旅立っていった日のことです。別離など何とも思っていないでしょう、

 
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14-392

《謁金門一首》孫光憲(52)唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-575-14-(392)  花間集 巻第八 (四十八首)漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4422

 

 

花間集 五百詩

花間集 巻第一 (温庭筠) 溫助教庭筠五十首

花間集 巻第二 〈溫助教庭筠十六首・皇甫先輩松十一首・韋相莊二十二首〉

花間集 巻第三 〈韋相莊二十五首・薛侍郎昭蘊十九首・牛給事嶠五首〉

花間集 巻第四 (牛給事嶠二十六首・張舍人泌二十三首)

花間集 巻第五 (張舍人泌四首・毛司徒文錫三十一首・歐陽舍人烱四首)

花間集 巻第六 (歐陽舍人炯十三首・和學士凝十三首・顧太尉十八首)

花間集 巻第七 (顧太尉三十七首・孫少監光憲十三首)

花間集 巻第八 (孫少監光憲四十七首・魏太尉承班二首)

花間集 巻第九 (魏太尉承班十三首・鹿太保虔扆六首・閻處士選八首・尹參卿鶚六首・毛秘書熙震十六首)

花間集 巻第十 (毛秘書熙震十三首・李秀才珣三十七首)

 

 

 

 

 

 

 

 

花間集 教坊曲『謁金門』五首

 

 

韋相莊

巻三

謁金門二首 其一 韋荘

春漏促,金燼暗挑殘燭。

 

 

 

巻三

謁金門二首 其二 韋荘

空相憶,無計得傳消息。

 

 

薛侍郎昭蘊

巻三

謁金門一首 (薛昭蘊)

春滿院,疊損羅衣金線。

 

 

牛學士希濟

巻四

謁金門一首 (牛希濟)

秋已暮,重疊關山岐路。

 

 

孫少監光憲

巻八

謁金門一首

留不得!留得也應無益。