玉臺新詠 全十巻 訳注解説

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之   唐五代詞詩・花間集・玉臺新詠 中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。 5年以上のブログ連載。(魚玄機・薛濤・花間集)完掲載 現在《玉臺新詠》完全版連載中 予定(文選【詩篇】文選【賦篇 楚辞 詩經 ・・・・)

花間集 巻四

中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。
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温庭筠の詞詩を約60首程度掲載の後、魚玄機50首程度連載し,薛濤約百首、韋莊五十首
森鴎外小説 『魚玄機』 彼女の詩を冷静に、客観的に分析 過去の女性蔑視の見方を排除して解釈 訳註解説
現在、『花間集』全詩500首、全首連載が終了した。いま、500首全首、見直し、改訂版Ver.2.1として、根本的に語訳、注釈をやり直して掲載しています。出来るだけ(改訂版Ver.2.1)と記している詩を読まれることを薦めます。
現在 玉臺新詠 訳注解説連載中
   玉臺新詠 概要 目録・目次 http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/list1.html

(原文) 花間集 巻四 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5977

(原文) 花間集 巻四 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5977


 
 2015年5月10日の紀頌之5つのBlog 
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卷一溫庭筠 巻二16溫庭筠~28皇甫松~50韋莊 巻三26韋莊~45薛昭蘊~50牛嶠 巻四27牛嶠~50張泌 巻五04張泌~35毛文錫~46牛希濟~50欧陽烱 巻六13欧陽烱~33和凝~51顧夐 巻七37顧夐~50孫光憲 巻八47孫光憲~魏承班  巻九13魏承班~19鹿虔扆~27閻選~33尹鶚~49毛熙震  巻十13毛熙震~50李珣

 

 

 

 

花間集卷第四 五十首

 

 

 

 

 

牛給事嶠二十七首

 

 

女冠子四首 夢江南二首 感恩多二首

 

 

應天長二首 更漏子三首 望江怨一首

 

 

菩薩蠻七首 酒泉子一首 定西番一首

 

 

玉樓春一首 西溪子一首 江城子二首

 

 

 

 

張舍人泌二十三首

 

 

浣溪紗十首 臨江仙一首 女冠子一首

 

 

河傳二首 酒泉子一首 生子一

 

 

思越人一首 滿宮花一首 柳枝一首

 

 

南歌子三首

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

巻四01女冠子四首其一綠雲高髻,點翠勻紅時世。月如眉。淺笑含雙靨,低聲唱小詞。眼看唯恐化,魂蕩欲相隨。玉趾迴嬌步,約佳期。

 

 

巻四02女冠子四首其二錦江煙水,卓女燒春濃美。小檀霞。繡帶芙蓉帳,金釵芍藥花。額黃侵膩髮,臂釧透紅紗。柳暗鶯啼處,認郎家。

 

 

巻四03女冠子四首其三星冠霞帔,住在蘂珠宮裏。佩叮。明翠搖蟬翼,纖珪理宿粧。醮壇春艸綠,藥院杏花香。青鳥傳心事,寄劉郎。

 

 

巻四04女冠子四首其四雙飛雙舞,春晝後園鶯語。卷羅幃。錦字書封了,銀河鴈過遲。鴛鴦排寶帳,荳繡連枝。不語勻珠淚,落花時。

 

 

巻四05夢江南二首其一㘅泥鷰,飛到畫堂前。占得杏梁安穩處,體輕唯有主人憐,堪羨好因緣。

 

 

巻四06夢江南二首其二紅繡被,兩兩間鴛鴦。不是鳥中偏愛爾,為緣交頸睡南塘,全勝薄情郎。

 

 

巻四07感恩多二首其一兩條紅粉淚,多少香閨意。強攀桃李枝,斂愁眉。陌上鶯啼蝶舞,柳花飛。柳花飛,願得郎心,憶家還早歸。

 

 

巻四08感恩多二首其二自從南浦別,愁見丁香結。近來情轉深,憶鴛衾。幾度將書托煙鴈,淚盈襟。淚盈襟,禮月求天,願君知我心。

 

 

巻四09應天長二首其一玉樓春望晴煙滅,舞衫斜卷金調。黃鸝嬌囀聲初歇,杏花飄盡攏山雪。鳳釵低赴節,筵上王孫愁。鴛鴦對㘅羅結,兩情深夜月。

 

 

巻四10應天長二首其二雙眉澹薄藏心事,清夜背燈嬌又醉。玉釵橫,山枕膩,寶帳鴛鴦春睡美。別經時,無恨意,虛道相思憔悴。莫信綵牋書裏,賺人腸斷字。

 

 

巻四11更漏子三首其一星漸稀,漏頻轉,何處輪臺聲怨。香閣掩,杏花紅,月明楊柳風。挑錦字,記情事,惟願兩心相似。收淚語,背燈眠,玉釵橫枕邊。

 

 

巻四12更漏子三首其二春夜闌,更漏促,金燼暗挑殘燭。驚夢斷,錦屏深,兩明月心。閨艸碧,望歸客,還是不知消息。辜負我,悔憐君,告天天不聞。

 

 

巻四13更漏子三首其三南浦情,紅粉淚,爭柰兩人深意。低翠黛,卷征衣,馬嘶霜葉飛。招手別,寸腸結,還是去年時節。書托鴈,夢歸家,覺來江月斜。

 

 

巻四14望江怨東風急,惜別花時手頻執。羅幃愁獨入,馬嘶殘雨春蕪。倚門立,寄語薄情郎,粉香和淚泣。

 

 

巻四15菩薩蠻七首其一舞裙香暖金泥鳳,畫梁語鷰驚殘夢。門外柳花飛,玉郎猶未歸。愁勻紅粉淚,眉剪春山翠。何處是遼陽,錦屏春晝長。

 

 

巻四16菩薩蠻七首其二柳花飛處鶯聲急,暗街春色香車立。金鳳小簾開,臉波和恨來。今宵求夢想,難到青樓上。贏得一場愁,鴛衾誰並頭。

 

 

巻四17菩薩蠻七首其三玉釵風動春幡急,交枝紅杏籠煙泣。樓上望卿卿,寒新雨晴。薰爐蒙翠被,繡帳鴛鴦睡。何處有相知,羨他初畫眉

 

 

巻四18菩薩蠻七首其四畫屏重疊巫陽翠,楚神尚有行雲意。朝暮幾般心,向他情漫深。風流今古隔,虛作瞿塘客。山月照山花,夢迴燈影斜。

 

 

巻四19菩薩蠻七首其五風簾鷰舞鶯啼柳,粧臺約鬢低纖手。釵重髻盤珊,一枝紅牡丹。門前行樂客,白馬嘶春色。故故墜金鞭,迴頭應眼穿。

 

 

巻四20菩薩蠻七首其六綠雲鬢上飛金雀,愁眉斂翠春煙薄。香閣掩芙蓉,畫屏山幾重。寒天欲曙,猶結同心苣。啼粉羅衣,問郎何日歸。

 

 

巻四21菩薩蠻七首其七玉樓冰簟鴛鴦錦,粉融香汗流山枕。簾外轆轤聲,斂眉含笑驚。柳陰煙漠漠,低鬢蟬釵落。須作一生拚,盡君今日歡。

 

 

巻四22酒泉子記得去年,煙暖杏園。花正發,雪飄香,江艸綠,柳絲長。鈿車纖手捲簾望,眉學春山樣。鳳釵低裊翠鬟,落梅粧。

 

 

巻四23定西番紫塞月明千里,金甲冷,戍樓寒,夢長安。思望中天闊,漏殘星亦殘。畫角數聲嗚咽,雪漫漫。

 

 

巻四24玉樓春春入橫塘搖淺浪,花落小園空惆悵。此情誰信為狂夫,恨翠愁紅流枕上。小玉前嗔鷰語,紅淚滴穿金線縷。鴈歸不見報郎歸,織成錦字封過與

 

 

巻四25西溪子捍撥雙盤金鳳,蟬鬢玉釵搖動。畫堂前,人不語,弦解語。彈到昭君怨處,翠蛾愁,不迴頭。

 

 

巻四26江城子二首其一鵁鶄飛起郡城東,碧江空,半灘風。越王宮殿,蘋葉藕花中。簾捲水樓魚浪起,千片雪,雨濛濛。

 

 

巻四27江城子二首其二極浦煙消水鳥飛,離筵分首時,送金巵。渡口楊花,狂雪任風吹。日暮天空波浪急,芳艸岸,雨如絲。

 

 

巻四28浣溪沙十首其一鈿轂香車過柳堤,樺煙分處馬頻嘶,為他沉醉不成泥。花滿驛亭香露細,杜鵑聲斷玉蟾低,含情無語倚樓西。

 

 

巻四29浣溪沙十首其二馬上凝情憶舊遊,照花淹竹小溪流,鈿箏羅幕玉搔頭。早是出門長帶月,可堪分袂又經秋,晚風斜日不勝愁。

 

 

巻四30浣溪沙十首其三獨立寒堦望月華,露濃香泛小庭花,繡屏愁背一燈斜。雲雨自從分散後,人間無路到仙家,但憑魂夢訪天涯。

 

 

巻四31浣溪沙十首其四依約殘眉理舊黃,翠鬟擲一簪長,暖風晴日罷朝粧。閑折海棠看又撚,玉纖無力惹餘香,此情誰會倚斜陽。

 

 

巻四32浣溪沙十首其五翡翠屏開繡幄紅,謝娥無力曉粧慵,錦帷鴛被宿香濃。微雨小庭春寂寞,鷰飛鶯語隔簾櫳,杏花凝恨倚東風。

 

 

巻四33浣溪沙十首其六枕障燻鑪隔繡幃,二年終日兩相思,杏花明月始應知。天上人間何處去,舊歡新夢覺來時,黃昏微雨畫簾垂。

 

 

巻四34浣溪沙十首其七花月香寒悄夜塵,綺筵幽會暗傷神,嬋娟依約畫屏人。人不見時還暫語,令纔後愛微嚬,越羅巴錦不勝春。

 

 

巻四35浣溪沙十首其八偏戴花冠白玉簪,睡容新起意沉吟,翠鈿金縷鎮眉心。小檻日斜風悄悄,隔簾零落杏花陰,斷香輕碧鏁愁深。

 

 

巻四36浣溪沙十首其九晚逐香車入鳳城,東風斜揭繡簾輕,慢迴嬌眼笑盈盈。消息未通何計是,便須佯醉且隨行,依稀聞道大狂生。

 

 

巻四37浣溪沙十首其十小市東門欲雪天,眾中依約見神仙,蘂黃香畫貼金蟬。飲散黃昏人草草,醉容無語立門前,馬嘶塵烘一街煙。

 

 

巻四38臨江仙煙收湘渚秋江靜,蕉花露泣愁紅。五雲雙鶴去無蹤,幾迴魂斷,凝望向長空。翠竹暗留珠淚怨,閑調寶瑟波中,花鬟月鬢綠雲重。古祠深殿,香冷雨和風。

 

 

巻四39女冠子露花煙草,寂寞五雲三島,正春深。貌減潛銷玉,香殘尚惹襟。竹疎虛檻靜,松密醮壇陰。何事劉郎去,信沉沉。

 

 

巻四40河傳二首其一渺莽雲水,惆悵暮帆,去程迢遞。夕陽芳艸,千里萬里,鴈聲無限起。夢魂悄斷煙波裡,心如醉。相見何處是,錦屏香冷無睡,被頭多少淚。

 

 

巻四41河傳二首其二紅杏,交枝相映,密密濛濛。一庭濃豔倚東風,香融,透簾櫳。斜陽似共春光語,蝶爭舞,更引流鶯妬。魂銷千片玉樽前,神仙,瑤池醉暮天。

 

 

巻四42酒泉子二首其一春雨打,驚夢覺來天氣曉。畫堂深,紅焰小,背蘭缸。酒香噴鼻懶開缸,惆悵更無人共醉。舊巢中,新鷰子,語雙雙

 

 

巻四43酒泉子二首其二紫陌青門,三十六宮春色。御溝輦路暗相通,杏園風。咸陽沽酒寶釵空,笑指未央歸去。插花走馬落殘紅,月明中。

 

 

巻四44子相見稀,喜見相見,相見還相遠。檀畫荔枝紅,金蔓蜻蜓軟。魚鴈疎,芳信斷,花落庭陰晚。可憐玉肌膚,消瘦成慵懶。

 

 

巻四45思越人鷰雙飛,鶯百囀,越波堤下長橋。鈿花筐金匣,恰舞衣羅薄纖腰。東風澹蕩慵無力,黛眉愁聚春碧。滿地落花無消息,月明腸斷空憶。

 

 

巻四46滿宮花一首花正芳,樓似綺,寂寞上陽宮裏。鈿籠金鏁睡鴛鴦,簾冷露華珠翠。嬌豔輕盈香雪膩,細雨黃鶯雙起。東風惆悵欲清明,公子橋邊沉醉。

 

 

巻四47柳枝膩粉瓊粧透碧紗,雪休誇。金鳳搔頭墮鬢斜,髮交加。倚著雲屏新睡覺,思夢笑。紅腮隱出枕函花,有些些。

 

 

巻四48南歌子三首其一柳色遮樓暗,桐花落砌香。畫堂開處遠風涼,高卷水精簾額,襯斜陽。

 

 

巻四49南歌子三首其二岸柳拖煙綠,庭花照日紅。數聲蜀魄入簾櫳,驚斷碧殘夢,畫屏空

 

 

巻四50南歌子三首其三錦薦紅鸂鶒,羅衣繡鳳凰。綺疎飄雪北風狂,簾幕盡垂無事,鬱金香。

 

 

 

 

 

 

7-422《玉樓春一首》牛嶠Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-605-7-(422) 五巻漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4572

(年を重ねたおんなには杜秋娘のように誰も振り向いてくれないのか、回文錦字詩を作っても渡す人もいないのかと詠う。)春になって大堤に若草や柳の緑が色付き河畔に小波が寄せてくる、やがて花は落ちて高楼の庭にも空しい寂しさに覆われてきた。

 
 2014年7月28日の紀頌之5つのブログ 
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 ●唐を代表する 中唐 韓愈 全500首  
 Ⅱ中唐詩・晩唐詩
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420 《送鄭尚書【案:權。】赴南海》韓愈(韓退之)ID Index-12-504 Ⅱ韓昌黎集<1117>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4569韓愈詩-419 
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8-421《滿宮花一首》張泌Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-604-8-(421) 四巻漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4567

張泌《滿宮花一首》その花は今まさに芳しく美しい盛りであり、高楼に於いても綺麗さはひけをとらないものであったが、讒言によってひっそりと寂しい上陽宮の中に閉じ込められてしまった。

 
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8-421《滿宮花一首》張泌唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-604-8-(421)  四巻漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4567

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花間集 教坊曲『滿宮花』三首

 

 

作者



初句7字

 

 

張舍人泌

巻四

滿宮花一首

花正芳,樓似綺,

 

 

魏太尉承班

巻九

滿宮花一首

雪霏霏,風凜凜,

 

 

閻處士選

巻九

滿宮花一首

月沉沉,人悄悄,

 

 

 

 

 

 

 

 

 

滿宮花一首

(宮女の一生を皮肉を込めて詠う。特に洛陽の上陽宮に映されたものには寵愛を受ける春はやってこないと。)

花正芳,樓似綺,寂寞上陽宮裏。

その花は今まさに芳しく美しい盛りであり、高楼に於いても綺麗さはひけをとらないものであったが、讒言によってひっそりと寂しい上陽宮の中に閉じ込められてしまった。

鈿籠金鏁睡鴛鴦,簾冷露華珠翠。

花鈿に高楼の籠、金属製の輪をつないだひも状のもので結ばれて使えなくなり、鴛鴦も眠らされてしまった。簾から寒気が入ってくるし、華燭、珠の聯、淝水の飾りの閨に夜露も降ってくる。

嬌豔輕盈香雪膩,細雨黃鶯雙起。

愛嬌も、妖艶なしぐさも十分あり、この閨には薫り高く雪のように色白の素肌に満ちている。これほどの魅力あるものなら、春なって細雨が降って来るころには高麗鶯の番が春を告げに起きだしてくる。

東風惆悵欲清明,公子橋邊沉醉。

春の暖かさを運ぶ風も吹いては来るが寂しく音を立て、気が付けば春の盛りの清明節になっている。それでも、公子は上陽宮にわたる橋のあたりまでこられてはいるが酒に酔い潰れて此処に訪れることはない。

 

滿宮花一首

花 正に芳し,樓 綺に似て,寂寞とす 上陽宮の裏。

鈿籠 金鏁 鴛鴦睡り,簾冷く 露華 珠翠あり。

嬌豔 輕盈 香雪膩,細雨 黃鶯 雙起す。

東風 惆悵して 清明ならんと欲す,公子 橋邊 沉醉す。

 

魏承班《滿宮花》

雪霏霏,風凜凜,玉郎何處狂飲。

醉時想得縱風流,羅帳香幃鴛寢。

春朝秋夜思君甚,愁見繡屏孤枕。

少年何事負初心,淚滴縷金雙衽。

 

尹鶚《滿宮花》

月沉沉,人悄悄,一炷後庭香裊。

風流帝子不歸來,滿地禁花慵掃。

離恨多,相見少,何處醉迷三島。

漏清宮樹子規啼,愁鏁碧春曉。

 

touRAKUYOjou1000
綬帶鳥00
 

張泌『滿宮花一首』 現代語訳と訳註

(本文) 

滿宮花一首

花正芳,樓似綺,寂寞上陽宮裏。

鈿籠金鏁睡鴛鴦,簾冷露華珠翠。

嬌豔輕盈香雪膩,細雨黃鶯雙起。

東風惆悵欲清明,公子橋邊沉醉。

 

 

(下し文)

滿宮花一首

花 正に芳し,樓 綺に似て,寂寞とす 上陽宮の裏。

鈿籠 金鏁 鴛鴦睡り,簾冷く 露華 珠翠あり。

嬌豔 輕盈 香雪膩,細雨 黃鶯 雙起す。

東風 惆悵して 清明ならんと欲す,公子 橋邊 沉醉す。

 

(現代語訳)

(宮女の一生を皮肉を込めて詠う。特に洛陽の上陽宮に映されたものには寵愛を受ける春はやってこないと。)

その花は今まさに芳しく美しい盛りであり、高楼に於いても綺麗さはひけをとらないものであったが、讒言によってひっそりと寂しい上陽宮の中に閉じ込められてしまった。

花鈿に高楼の籠、金属製の輪をつないだひも状のもので結ばれて使えなくなり、鴛鴦も眠らされてしまった。簾から寒気が入ってくるし、華燭、珠の聯、淝水の飾りの閨に夜露も降ってくる。

愛嬌も、妖艶なしぐさも十分あり、この閨には薫り高く雪のように色白の素肌に満ちている。これほどの魅力あるものなら、春なって細雨が降って来るころには高麗鶯の番が春を告げに起きだしてくる。

春の暖かさを運ぶ風も吹いては来るが寂しく音を立て、気が付けば春の盛りの清明節になっている。それでも、公子は上陽宮にわたる橋のあたりまでこられてはいるが酒に酔い潰れて此処に訪れることはない。

 

 

(訳注)

滿宮花一首

(宮女の一生を皮肉を込めて詠う。特に洛陽の上陽宮に映されたものには寵愛を受ける春はやってこないと。)

唐の教坊の曲名。滿宮花は宮女について詠うもので、花間集には張舍人泌(張泌)、魏太尉承班(魏承班)、閻處士選(閻選)がそれぞれ一首づつ所収されている。双調五十一字、前段二十五字五句三二、後段二十六宇四句三仄韻で、3❸7❻❼❻7❻の詞形をとる。

 

宮女

宮女たちは身を九重(天子の宮殿)に置き、はなはだ高貴であるように見えるが、じつはただの皇帝家の家碑に過ぎず、衣食の心配がなくたいへん幸福のように見えるが、じつは人間性を最も残酷に破壊された人々であった。

宮廷においては、少数の地位の高い后妃の他は、万単位で数えられる普通の宮人であり、唐代では「官女」「宮娥」「宮婢」などとも呼ばれていた。彼女たちは長安にあった三大皇宮(太極宮、大明宮、興慶宮)と東都洛陽にあった大内(天子の宮殿)と上陽の両宮殿、及び各地の離宮、別館、諸親王府、皇帝陵にそれぞれ配属されていた。

 

宮人は六局、二十四司に分属して管理され、各職務に任命された。彼女たちは出身、容姿、技芸の才能などによって、それぞれに適した任務と職掌が与えられていた。上級の宮人は大半が近侍となり、皇帝、后妃の日常生活や飲食等の世話に従事した。その他に皇帝が朝政に当たる時は側に侍り、内延から皇帝の勅命を伝える任務にも当った。唐末の哀帝の時代になって、こうした任務ははじめて廃止され、宮人は内延の門を自由に出ることが禁じられた。その他の下層の宮人は宮中のこまごまとした各種の雑事を分担した。たとえば、ある種の宮人はもっぱら宮中の門を見張っていたので「戸婦」とよばれた。また裁縫、織布、刺繍など、ん悩特有の仕事を専門にする宮人は、皇帝、后妃などの衣服を調達したり、また軍服をつくる仕事も兼ねた。また宮中の掃除や、庭園、灯火、倉庫など一切の管理事務を受けもつ者もいた。

宮人のもう一つの役割は皇帝を楽しませることであった。皇帝の寝所に侍ったお手付きの宮女は、皆腕に「風月常新」(男女の情愛は常に新しい、という意)の四文字を刻印され、そこに桂紅膏(赤色のクリーム)を塗られたので、水洗いしても色があせなかった。宮女を玩具にし、人格を踏みにじったことは多くの詩に残されている。さらに不幸なのは、亡き皇帝の霊の弔いを命ぜられた「奉陵宮人」とか、「陵園妾」とか呼ばれる女性であった。唐朝の制度では「およそ皇帝の崩御にあたっては、子の無い官女は悉く山陵に遣わし、朝な夕な、洗面用具を揃え、夜具を整えて、あたかも生者に仕えるように死者に仕えさせた」。「陵園妾,顏色如花命如葉。」(顔色は花の如く命は葉の如し)《白居易「陵園妾」》であったこれらの宮人は、半生を陰惨でもの寂しい陵墓に、自ら墓に入るその日までずっとお仕えしなければならなかった。

 

白居易「後宮詞」

雨露由來一點恩,爭能遍布及千門?

三千宮女胭脂面,幾個春來無淚痕!

 

「三千の宮女 胭脂の面、幾個か春来りて涙の痕無からん」(白居易「後宮詞」)。古来、宮人は女性のなかで最も人間性を踏みにじられた人々であり、官官とともに君主専制制度の直接の犠牲者であった。一方は生殖器をとられ身体を傷つけられた者、一方は人間性を踏みにじられた者である。宮人は奥深い後宮の中に幽閉されて永遠に肉親と別れ、青春と紅顔は葬り去られ、愛情と人生の楽しみは奪われ、生きている時は孤独の苦しみに、また死んだ後は訪れる人もない寂しさの中に置かれた。それで多くの知識人が、彼女たちの境遇に心を痛め嘆息してやまなかったのである。

彼女たちの痛苦の生活と心情を理解しょうとすれば、白居易の「上陽の白髪の人」ほど真実に迫り、生々と彼女たちの人生を描写したものはない。

 

白居易《上陽白髪人》「上陽白髪の人」

上陽人。紅顏暗老白髪新。      

綠衣監使守宮門、一閉上陽多少春。

玄宗末初選入、入時十六今六十。  

同時採擇百余人、零落年深殘此身。

・・・・・・・

上陽の人、紅顏暗く老いて白髪新たなり。

綠衣の監使宮門を守る、一たび上陽に閉ざされてより多少の春ぞ。

玄宗の末 初めて選ばれて入る、入る時十六今六十。

同時に採擇す百余人、零落して年深く 此の身を殘す

・・・・・・・

 

唐の玄宗の時,楊貴妃に寵愛(ちようあい)を独占されて上陽宮に移され空しく老いた宮女たち。不遇な宮女。上陽宮の人。上陽の白髪人。

 

 

花正芳,樓似綺,寂寞上陽宮裏。

その花は今まさに芳しく美しい盛りであり、高楼に於いても綺麗さはひけをとらないものであったが、讒言によってひっそりと寂しい上陽宮の中に閉じ込められてしまった。

○上陽宮 洛陽上陽宮。上陽人:《「上陽」は唐代、洛陽の宮城内にあった宮殿の名》上陽宮にいた宮女。楊貴妃が玄宗皇帝の寵愛(ちょうあい)を一身に集めたため、他の宮女が不遇な一生を送ったところから、女性、特に宮女の不遇をたとえる語として用いられる。

唐の玄宗の時,楊貴妃に寵愛(ちようあい)を独占されて上陽宮に移され空しく老いた宮女たち。不遇な宮女。上陽宮の人。白居易「後宮詞」白居易『上陽白髪人』。劉長卿『上陽宮望幸』など多くの作品がある。

 

 

鈿籠金鏁睡鴛鴦,簾冷露華珠翠。

花鈿に高楼の籠、金属製の輪をつないだひも状のもので結ばれて使えなくなり、鴛鴦も眠らされてしまった。簾から寒気が入ってくるし、華燭、珠の聯、淝水の飾りの閨に夜露も降ってくる。

鏁 ① 金属製の輪をつないだひも状のもの。② 物と物とを結び付けているもの。きずな。

 

嬌豔輕盈香雪膩,細雨黃鶯雙起。

愛嬌も、妖艶なしぐさも十分あり、この閨には薫り高く雪のように色白の素肌に満ちている。これほどの魅力あるものなら、春なって細雨が降って来るころには高麗鶯の番が春を告げに起きだしてくる。

 

東風惆悵欲清明,公子橋邊沉醉。

春の暖かさを運ぶ風も吹いては来るが寂しく音を立て、気が付けば春の盛りの清明節になっている。それでも、公子は上陽宮にわたる橋のあたりまでこられてはいるが酒に酔い潰れて此処に訪れることはない。

公子は、中国の春秋戦国時代の各国の公族の子弟。 君主の子は公子と呼ばれ、公子の子は公孫と呼ばれた。実質上、諸侯は王族に等しく、その子弟も王子と呼んでもさしつかえはないが、建前上は列国は周王の家来であり、王は周王ただ一人であるので、諸侯は公を称し、その子弟は公子となった。

 

 

陵園妾,顏色如花命如葉。命如葉薄將奈何,一奉寢宮年月多。年月多,時光換,春愁秋思知何限。

 

楊貴妃清華池002
 

 

女冠

宗教や迷信に携わる専業の女性である。彼女たちは唐代の女性の中ではきわめで特殊な階層であった。彼女たちは基本的には生産に携わらない寄生的階層であり、同時にまたいささか独立性と開放性をもった階層であった。

唐代には仏教、道教の両宗教がきわめて盛んであり、寺院、道観は林立し、膨大な数の尼と女道士(女冠)の集団を生み出していた。数万もの尼や女道士には、出家以前は高貴な身分であった妃嬢・公主や、衣食に何の心配もない貴婦人・令嬢もいたし、また貧と窮がこもごも重なった貧民の女性、身分の餞しい娼妓などもいた。

出家の動機は、次のようないくつかの情況に分けることができる。

 家族あるいは自分が仏教、道教を篤く信じて出家した人々である。

    病気のため仏にすがり、治癒した後に仏稗と名を改め、自ら剃髪して尼となることを願った。長安にあった成宜観の女道士は、大多数が士大夫の家の出身であった。しかし、こうした人は少数であり、

    圧倒的多数はやはり各種の境遇に迫られ、あるいは世の辛酸をなめ尽して浮世に見切りをつけ、寺院や通観に入って落ち着き先を求めた人々であった。その中には、夫の死後再婚を求めず入信して余生を送ろうとした寡婦もいる。

   家族が罪にふれて生きる道がなく、寺院や通観にたよらざるをえなかった者もいる。

    妓女、姫妾が寺院や通観を最後の拠り所にすることもあった。有名な女道士魚玄機はもともとある家の侍妾であったが、正妻が容認しなかったので道観に入った(『太平広記』巻二二〇)。妓女は年をとり容色が衰えると出家するのが一般的だった。

  貧民の家の大量の少女たちがいる。彼女たちはただ家が貧しく親に養う力がないという理由だけで、衣食に迫られて寺院や道観に食を求めざるを得なかった人々である。

8-420《思越人一首》張泌Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-603-8-(420) 四巻漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4562

あのころは寝牀のまわりに翡翠の飾りのついた屏風をそばにたたせ、銀の燭台をその前に立てて、漏刻が知らせてくれるぎりぎりの時間まで、素晴らしい夜をこれ以上の幸せは無いものと、ゆっくりと過ごせたものだ。

 
 2014年7月26日の紀頌之5つのブログ 
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 index-11 819年 52歳 ・『論佛骨表』左遷 38首index-12 820年 53歳 ・9月國子祭酒に。18首index-13 821年~822年 55歳 22首index-14 823年~824年 57歳・病気のため退職。没す。 14首韓愈 哲学・儒学「五原」賦・散文・上奏文・碑文など 
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 杜甫詩(7)759年;乾元二年、48歳 秦州抒情詩 66首杜甫詩(8)作時759年、48歳 秦州発、同谷紀行、成都紀行 36首杜甫詩(9)760年;上元元年、49歳 成都浣花渓草堂 45首杜甫詩(10)761年;上元二年、50歳 成都浣花渓草堂 82首杜甫詩(11)762年寶應元年 杜甫51歳  浣花渓草堂~蜀中転々 43首杜甫詩(12)762年寶應元年 杜甫51歳 蜀中転々 49首 
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 ●花間集全詩●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集 
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 温庭筠66首 花間集1・2巻皇甫松11首 花間集二巻韋莊47首 花間集二巻薛昭蘊19首 花間集三巻牛嶠31首 花間集三・四巻張泌27首 花間集四巻 
 毛文錫31首 花間集5巻牛希濟11首 花間集5巻欧陽烱17首 花間集5・6巻和凝20首 花間集6巻顧夐56首 花間集6・7巻孫光憲47首 花間集7・8巻 
 魏承班15首 花間集8・9巻鹿虔扆6首 花間集9巻閻選8首 花間集9巻尹鶚6首 花間集9巻毛熙震29首 花間集9・10巻李珣39首 花間集10巻 
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8-420《思越人一首》張泌Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-603-8-(420)  四巻漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4562

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花間集 教坊曲『思越人』四首

 

 

作者



初句7字

 

 

張舍人泌

巻四

思越人一首

鷰雙飛,鶯百囀

 

 

孫少監光憲

巻八

思越人二首其一

古臺平,芳艸遠

 

 

巻八

思越人二首其一

渚蓮枯,宮樹老,

 

 

鹿太保虔扆

巻九

思越人一首

翠屏欹,銀燭背

 

 

 

 

 

 

 

 

思越人

(好ましいあの客と過ごした思い出にひたる毎日を詠う。)

翠屏欹,銀燭背,漏殘清夜迢迢。

あのころは寝牀のまわりに翡翠の飾りのついた屏風をそばにたたせ、銀の燭台をその前に立てて、漏刻が知らせてくれるぎりぎりの時間まで、素晴らしい夜をこれ以上の幸せは無いものと、ゆっくりと過ごせたものだ。

雙帶繡窠盤錦薦,淚浸花暗香銷。

二つの帯を並べ、鳳凰の刺繍のかけ布団、錦のからまりあったベッド敷きシーツ、その二は、涙がしみこみ、花のように輝いていた女は暗く沈みこみ、お香も消えて久しい。

珊瑚枕膩鴉鬟亂,玉纖慵整雲散。

あの人との思い出は、珊瑚の髪飾り、枕に染みついた皮脂、女の結った髪は乱れたままだ。白くて細く綺麗な指や、細身の体には何にもする気にならないしぐさばかりであり、嘗ての妖艶さは雲が散ったようにどこにも見えない。

若是適來新夢見,離腸爭不千斷

もしあの人がここへ来てくれるなら、新しい夢を見ることが出来、離れている下半身はズタズタに斬り断たれることなどなくまじりあうことになるだろう。

 

(思越人)

翠屏は欹だて,銀燭は背にす,漏殘の清夜 迢迢たり。

雙帶 繡窠 盤錦薦し,淚浸し 花暗く 香銷す。

珊瑚 枕膩 鴉鬟【あかん】亂して,玉纖 慵整し 雲散す。

若し是れ 適來すれば 新らたに夢め見,離腸すれども 千斷することなく爭す。

 

 

『思越人』 現代語訳と訳註

(本文)

思越人

翠屏欹,銀燭背,漏殘清夜迢迢。

雙帶繡窠盤錦薦,淚浸花暗香銷。

珊瑚枕膩鴉鬟亂,玉纖慵整雲散。

若是適來新夢見,離腸爭不千斷。

 

 

(下し文)

(思越人)

翠屏は欹だて,銀燭は背にす,漏殘の清夜 迢迢たり。

雙帶 繡窠 盤錦薦し,淚浸し 花暗く 香銷す。

珊瑚 枕膩 鴉鬟【あかん】亂して,玉纖 慵整し 雲散す。

若し是れ 適來すれば 新らたに夢め見,離腸すれども 千斷することなく爭す。

 

(現代語訳)

(好ましいあの客と過ごした思い出にひたる毎日を詠う。)

あのころは寝牀のまわりに翡翠の飾りのついた屏風をそばにたたせ、銀の燭台をその前に立てて、漏刻が知らせてくれるぎりぎりの時間まで、素晴らしい夜をこれ以上の幸せは無いものと、ゆっくりと過ごせたものだ。

二つの帯を並べ、鳳凰の刺繍のかけ布団、錦のからまりあったベッド敷きシーツ、その二は、涙がしみこみ、花のように輝いていた女は暗く沈みこみ、お香も消えて久しい。

あの人との思い出は、珊瑚の髪飾り、枕に染みついた皮脂、女の結った髪は乱れたままだ。白くて細く綺麗な指や、細身の体には何にもする気にならないしぐさばかりであり、嘗ての妖艶さは雲が散ったようにどこにも見えない。

もしあの人がここへ来てくれるなら、新しい夢を見ることが出来、離れている下半身はズタズタに斬り断たれることなどなくまじりあうことになるだろう。

 

Flower1-001
 

(訳注)

思越人

(好ましいあの客と過ごした思い出にひたる毎日を詠う。)

『花間集』には四首所収。張泌の作は一首収められている。双調五十一字、前段二十五字五句二平韻、後段二十六字四句四仄韻で、33⑥7⑥/❼❻❼❻の詞形をとる。なお、『花間集』の思越人は鷓鴣天、思佳客、醉梅花の異名があるが、時代がもう少しあとになるもので無関係である。

moon5411
 

翠屏欹,銀燭背,漏殘清夜迢迢。

あのころは寝牀のまわりに翡翠の飾りのついた屏風をそばにたたせ、銀の燭台をその前に立てて、漏刻が知らせてくれるぎりぎりの時間まで、素晴らしい夜をこれ以上の幸せは無いものと、ゆっくりと過ごせたものだ。

翠屏 翡翠の飾りのついた屏風。寝牀のまわりに立てる。

迢迢 1 はるかに遠いさま。2 他より高いさま。また、すぐれているさま。

 

雙帶 繡窠 盤錦薦,淚浸 花暗 香銷。

二つの帯を並べ、鳳凰の刺繍のかけ布団、錦のからまりあったベッド敷きシーツ、その二は、涙がしみこみ、花のように輝いていた女は暗く沈みこみ、お香も消えて久しい。

繡窠 二人で一つになった刺繍で飾った布団。窠:巣,ねぐら,做窠巣をつくる.

 からまりあう

 (1) 推薦する,推挙する.(2) 草.(3) むしろ,ござ、草荐ベッドに敷くござ.

 

珊瑚 枕膩 鴉鬟亂,玉纖 慵整 雲散。

あの人との思い出は、珊瑚の髪飾り、枕に染みついた皮脂、女の結った髪は乱れたままだ。白くて細く綺麗な指や、細身の体には何にもする気にならないしぐさばかりであり、嘗ての妖艶さは雲が散ったようにどこにも見えない。

枕膩 枕の赤、油汚れ。

鴉鬟【あかん】①黒い髪の毛。 ②髪の結い方の一つ。あげまき。また、その髪に結った少年・少女。 ③召使の女。

玉纖 指が白くて細く綺麗な様子。

 ものうい。けだるい。夢や目標がない様子。

 

若是 適來 新夢見,離腸 爭不千斷。

もしあの人がここへ来てくれるなら、新しい夢を見ることが出来、離れている下半身はズタズタに斬り断たれることなどなくまじりあうことになるだろう。
紅莓苔子002
 

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魚中の書簡も雁書簡もまれになり、何時しか、良いことも音沙汰ないままになってしまった、そんなことを過しているうちに、花は落ち、庭の南の草木も終ってしまい、女としても年を重ねた。

 
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8-419《生子一首》張泌Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-602-8-(419)  四巻漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4557

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花間集 教坊曲『生子』七首

 

 

作者



初句7字

 

 

張舍人泌

巻四

子一首

相見稀,喜見相見

 

 

牛學士希濟

巻四

子一首

春山煙欲收,天澹

 

 

孫少監光憲

巻八

子三首其一

寂寞掩朱門,正是天

 

 

巻八

子三首其二

暖日策花驄,嚲鞚垂

 

 

巻八

子三首其三

金井墮高梧,玉殿籠

 

 

魏太尉承班

巻九

子二首其一

煙雨晚晴天,零落花

 

 

巻九

子二首其二

寂寞畫堂空,深夜垂

 

 

 

 

 

 

 

 

 

子一首

(富貴・高貴なもの妾妃となった女を詠う)

相見稀,喜見相見,相見還相遠。

はじめはたがいに見つめるだけだった、今は、見つめて喜び、そして互に見つめ合う。互に見つめ合い、そしてまた、互いに遠ざかっていった。

檀畫荔枝紅,金蔓蜻蜓軟。

香木の黒檀に鳳凰が描かれ、荔子の紅が並べられ、金細工の蔓に金細工のトンボの髪飾りやわらかく揺れている。

魚鴈疎,芳信斷,花落庭陰晚。

魚中の書簡も雁書簡もまれになり、何時しか、良いことも音沙汰ないままになってしまった、そんなことを過しているうちに、花は落ち、庭の南の草木も終ってしまい、女としても年を重ねた。

可憐玉肌膚,消瘦成慵懶。

これほどの輝くような白い肌はまだまだ可愛らしいことであるのに、ただ心配のあまり、女としての輝きも痩せて消えてしまった、もう、夢も、希望もなく、苦しく辛い。

 

(生子)

相い見る稀れ,喜び見 相い見,相い見て還た相い遠ざかる。

檀畫 荔枝 紅なり,金蔓 蜻蜓 軟かなり。

魚鴈 疎にするも,芳信 斷ち,花落ち 庭陰の晚。

可憐なる 玉の肌膚,消瘦す 慵懶成るを。

 

紅莓苔子003
 

『生』 現代語訳と訳註

(本文)

子一首

相見稀,喜見相見,相見還相遠。

檀畫荔枝紅,金蔓蜻蜓軟。

魚鴈疎,芳信斷,花落庭陰晚。

可憐玉肌膚,消瘦成慵懶。

 

(下し文)

(生子)

相い見る稀れ,喜び見 相い見,相い見て還た相い遠ざかる。

檀畫 荔枝 紅なり,金蔓 蜻蜓 軟かなり。

魚鴈 疎にするも,芳信 斷ち,花落ち 庭陰の晚。

可憐なる 玉の肌膚,消瘦す 慵懶成るを。

 

(現代語訳)

(富貴・高貴なもの妾妃となった女を詠う)

はじめはたがいに見つめるだけだった、今は、見つめて喜び、そして互に見つめ合う。互に見つめ合い、そしてまた、互いに遠ざかっていった。

香木の黒檀に鳳凰が描かれ、荔子の紅が並べられ、金細工の蔓に金細工のトンボの髪飾りやわらかく揺れている。

魚中の書簡も雁書簡もまれになり、何時しか、良いことも音沙汰ないままになってしまった、そんなことを過しているうちに、花は落ち、庭の南の草木も終ってしまい、女としても年を重ねた。

これほどの輝くような白い肌はまだまだ可愛らしいことであるのに、ただ心配のあまり、女としての輝きも痩せて消えてしまった、もう、夢も、希望もなく、苦しく辛い。

 

 博山爐01

(訳注)

子一首

『花間集』には七首所収。牛希済の作は一首収められている。双調四十一字、前段二十字四句三仄韻、後段二十一字五句三仄韻で、3❸❺5❺/3❸❺5❺の詞形をとる。

 

子一首

(富貴・高貴なもの妾妃となった女を詠う) 

 

相見稀,喜見相見,相見還相遠。

はじめは偶に見つめるだけだった、今は、見つめて喜び、そして互に見つめ合う。互に見つめ合い、そしてまた、互いに遠ざかっていった。

 

檀畫 荔枝紅,金蔓 蜻蜓軟。

香木の黒檀に鳳凰が描かれ、荔子の紅が並べられ、金細工の蔓に金細工のトンボの髪飾りやわらかく揺れている。

/真弓  ニシキギ科の落葉低木。山野に生え、葉は楕円形で、対生。雌雄異株。初夏、緑白色の小花が集まって咲き、果実はほぼ四角形で、熟すと四つに裂けて赤い種子が現れる。古くは材で弓を作った。やまにしきぎ。かわくまつづら。《季 花=夏 実=秋》2 (「檀弓」とも書く)マユミの木で作った弓。3 (かさね)の色目の名。表は蘇芳(すおう)、裏は黄。多く秋に用いる。

荔枝 ライチはムクロジ科の果樹。 レイシとも呼ばれる。11種。中国の嶺南地方原産で、熱帯・亜熱帯地方で栽培される。 常緑高木で、葉は偶数羽状複葉で互生する。花は黄緑色で春に咲く。果実は夏に熟し、表面は赤くうろこ状、果皮をむくと食用になる白色半透明で多汁の果肉があり、その中に大きい種子が1個ある。

 

魚鴈疎,芳信斷,花落庭陰晚。

魚中の書簡も雁書簡も珠になり、何時しか、良いことも音沙汰ないままになってしまった、そんなことを過しているうちに、花は落ち、庭の南の草木も終ってしまい、女としても年を重ねた。

金蔓 金銭を得る、つてや手がかり。資金などを出してくれる人。「―をつかむ」ここは金細工の飾り物。

蜻蜓 トンボのかみかざり。 1 トンボ目ヤンマ科の昆虫の総称。体長6センチ以上あり、体は長く太めで、複眼も大きい。翅(はね)は幅広く、翅脈(しみゃく)が太い。昆虫類中最も速く飛ぶ。ギンヤンマ・ルリボシヤンマ・カトリヤンマなど。2 大形のトンボ。

 

可憐玉肌膚,消瘦成慵懶。

これほどの輝くような白い肌はまだまだ可愛らしいことであるのに、ただ心配のあまり、女としての輝きも痩せて消えてしまった、もう、夢も、希望もなく、苦しく辛い。

慵懶 慵:ものうい,だるい。懶:1 なんとなく心が晴れ晴れしない。だるくておっくうである。2 苦しい。つらい。
紅莓苔子002
 

8-418《女冠子一首》張泌Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-601-8-(418) 四巻漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4552

林立する道教の道観には、膨大な数の尼と女道士(女冠)の集団を生み出していたが、ここでも若い時の華やかさで、アイドルとなるも、数万にも及ぶ女道士も人知れずなくなっていくと詠う。)花冷えの朝露に日が射し、昼には陽炎が草むらに立つ、ひっそりとしてさびしさがひろがる、天女が遊ぶ三山が浮かび、そこには五色の雲がかかる。もう盛春になってきた。

 
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 index-11 819年 52歳 ・『論佛骨表』左遷 38首index-12 820年 53歳 ・9月國子祭酒に。18首index-13 821年~822年 55歳 22首index-14 823年~824年 57歳・病気のため退職。没す。 14首韓愈 哲学・儒学「五原」賦・散文・上奏文・碑文など 
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 杜甫詩(1)736~751年 青年期・李白と交遊期・就活の詩 53首杜甫詩(2)752年~754年、43歳 73首(青年期・就活の詩) 杜甫詩(3)755年~756年、45歳 安史の乱に彷徨う 26首杜甫詩(4)作時757年、46歳 安史軍捕縛、脱出、左拾遺 43首杜甫詩(5)758年;乾元元年、47歳 左拾遺、朝廷疎外、左遷 53首杜甫詩 (6)759年;乾元二年、48歳 三吏三別 官を辞す 44首 
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柳枝一首》張泌≫(春の盛りに別れたら、簪、笄が落ち掛けても直さなくなった、昼寝であの人を見たけれど、夜はうとうととするばかりで子供のように頬に枕の跡をつけてしまったと詠う)

 
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 ●唐を代表する 中唐 韓愈 全500首  
 Ⅱ中唐詩・晩唐詩
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415-#3 《鄆州谿堂詩》韓愈(韓退之)ID Index-12-504 Ⅱ韓昌黎集822年長慶二年<1104>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4504韓愈詩-415-#3 
 ・李商隠詩 (1) 136首の75首・李商隠詩 (2) 135首の61首●韓愈index-1 ・孟郊、張籍と交遊・汴州乱41首●韓愈詩index-2[800年 33歳~804年 37歳]27首●韓愈詩index-3 805年 38歳・]陽山から江陵府 36首●韓愈詩index-4 806年 39歳 江陵府・権知国子博士 51首(1)25首 
 index-5 806年39歳 50首の(2)25首index-6[807年~809年 42歳]20首index-7[810年~811年 44歳] 34首index-8 [812年~814年47歳]46首index-9[815年~816年 49歳] 57首index-10[817年~818年 51歳]・「平淮西碑」28首 
 index-11 819年 52歳 ・『論佛骨表』左遷 38首index-12 820年 53歳 ・9月國子祭酒に。18首index-13 821年~822年 55歳 22首index-14 823年~824年 57歳・病気のため退職。没す。 14首韓愈 哲学・儒学「五原」賦・散文・上奏文・碑文など 
 孟郊張籍     
 ●杜甫の全作品1500首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。" 
 Ⅲ杜甫詩全1500首   LiveDoorブログ廣徳2年764-100-#3 《寄司馬山人十二韻》 杜甫index-14 764年 杜甫<772-#3> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4505 杜甫詩1500-772-#3-1072/2500 
 杜甫詩(1)736~751年 青年期・李白と交遊期・就活の詩 53首杜甫詩(2)752年~754年、43歳 73首(青年期・就活の詩) 杜甫詩(3)755年~756年、45歳 安史の乱に彷徨う 26首杜甫詩(4)作時757年、46歳 安史軍捕縛、脱出、左拾遺 43首杜甫詩(5)758年;乾元元年、47歳 左拾遺、朝廷疎外、左遷 53首杜甫詩 (6)759年;乾元二年、48歳 三吏三別 官を辞す 44首 
 杜甫詩(7)759年;乾元二年、48歳 秦州抒情詩 66首杜甫詩(8)作時759年、48歳 秦州発、同谷紀行、成都紀行 36首杜甫詩(9)760年;上元元年、49歳 成都浣花渓草堂 45首杜甫詩(10)761年;上元二年、50歳 成都浣花渓草堂 82首杜甫詩(11)762年寶應元年 杜甫51歳  浣花渓草堂~蜀中転々 43首杜甫詩(12)762年寶應元年 杜甫51歳 蜀中転々 49首 
 ●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている 
 Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ 
        
 ●花間集全詩●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集 
 Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor8-409《柳枝一首》張舍人泌(張泌)Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-592-8-(409) 二巻漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4507 
 薛濤の全詩花間集(1)花間集(2)花間集(3)花間集(4)花間集(5) 
 魚玄機全詩●花間集(6)●花間集(7)●花間集(8)●花間集(9)●花間集(10) 
 温庭筠66首 花間集1・2巻皇甫松11首 花間集二巻韋莊47首 花間集二巻薛昭蘊19首 花間集三巻牛嶠31首 花間集三・四巻張泌27首 花間集四巻 
 毛文錫31首 花間集5巻牛希濟11首 花間集5巻欧陽烱17首 花間集5・6巻和凝20首 花間集6巻顧夐56首 花間集6・7巻孫光憲47首 花間集7・8巻 
 魏承班15首 花間集8・9巻鹿虔扆6首 花間集9巻閻選8首 花間集9巻尹鶚6首 花間集9巻毛熙震29首 花間集9・10巻李珣39首 花間集10巻 
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